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少ないサンプルで判断するのは早計だし、世代差よりも個人差が大きいが、
確かに優秀な氷河期は、他世代よりも厳しい競争のせいか、きちんとしている一方ドライな人間が多いかもしれない。
いずれにせよ若い世代ほど少数派で都市に集中しているから、日本の民主主義社会の中では搾取されていくことになるだろう
http://diamond.jp/articles/-/12068
バブルさんとゆとりちゃん【第22回】 2011年4月27日 梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]
一見優しそうなのに、部下に冷酷で無関心!最もやりづらい氷河期上司のドライな生態
周囲から見て「困った人」とレッテルを貼られやすいバブル世代の“バブルさん”、ゆと り世代の“ゆとりちゃん”。当連載では、そんな2つの世代を対象に、就職氷河期世代の“氷河期くん”(またはその他の世代)が会社の人間関係をどううまく 対処すべきなのかを研究していく。親愛なるバブルさん、ゆとりちゃん、どうか温かい目で見守って欲しい。そして同志である氷河期くんには、ぜひ考え方の合 わない上司&部下に対処するときに、参考にしていただきたい。
毎回バブル世代、ゆとり世代に登場いただいているが、本日は番外編として、同世代である氷河 期くん、小山さん(30歳、男性、広告会社勤務)にご登場いただいた。小山さんとは学生時代からの付き合いであるが、私たちの仲間内で最も所得が高く貯蓄 が多く、そして7年付き合った彼女と紆余曲折の末、今年結婚予定(と言うことはつまり、日本人的な価値観として最も成功しているということだ)、趣味は ジャズ鑑賞からアウトドアまで幅広く、友だちや部下の面倒見も良い。
そんな一見死角がないように見える小山さんに話を聞くことにした今回だが、実は裏テーマとして“氷河期上司のドライさ”が隠されている。バブルさんよりタチが悪いかもしれないこの世代の上司の攻略の難しさを、同世代として包み隠さず表現したいと思う。
<今回の氷河期くん>小山裕介さん(仮名)年齢:31歳(1980年生まれ)業種:広告代理店勤務職種:ディレクション&法務関係出身地:東京都(多摩地区)、現在の居住地:世田谷区婚姻:独身、今年9月に結婚予定最終学歴:大卒(法学部)
年収1350万円の氷河期上司の20人の部下をうまく動かす意外な方法
――月に一回ぐらいお会いしている小山さんに改めていろいろ聞くのは変な感じなんですが、まずは現在の職場環境を教えてください。
某広告代理店で働いています。職種は、各種クリエイティブの制作管理と、法務関係のもろもろを行っています。現在の広告はメディアミックスと言い ますか、例えばポスターとCMとネット広告やステルスマーケティング(※)etc.……といった様々なものをどう分散させるか、と言った複合的な視点が必 要なので、そのあたりのことを専門にやっています。法務については、もともと映画の配給会社に入社したかったので、海外映画の使用権などを勉強するために 法律を学んでおりまして、それが縁でコンテンツ全般の法務も司っています。一度、スキルアップのために通信キャリア某社に転職した以外は、9年間この会社 で仕事を続けています。
(※)広告じゃない宣伝行為の総称。タレントブロガーがある商品を急に良いと褒めだしたり、テレビのワイドショーで今コレが話題、と銘打っているものには要注意。
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――精力的に働いていますよね。給与も高いみたいで、羨ましいなぁ。これ、匿名なんで現在の年収教えてくださいよ。
かなり変動が多いのですが。会社からの所得は額面で年収1100万円。副業で友だちのプログラマーと共同でアプリ制作を行っていて、この収入が 200万円。それから株式投資を行っていて、これは買ったり負けたりなんですが、平均すると年間50万〜60万円ぐらいの利益は出していると思います。
――……と、言うことは年収1350万円! すごい! ご飯代奢ってください(笑)
いつも奢ってるじゃないですか(笑)。でも、身を粉にして働いていますし、今の給与に不満はないですが、もらいすぎているとも思いません。僕から すれば、もっと入社時期の早い人とか、大きな声では言えないですが、うちの会社にも天下り入社っぽい人が居るんですが、そういう人のほうが何の仕事もせず に大金もらっていて羨ましいですよ。
――うーん。でも、私なんか身を粉にして働いてもあなたの半分ももらえていないですから……。暗くなるのでお金の話はこれぐらいにしまして、次は仕事環境の話をしましょう。小山さんの部署には何人の人が働いていますか?
僕が管轄している部下は総勢で20人ぐらいです。ただ、プロジェクトごとに不定期で来るスタッフも居るので、おおむねプラスマイナス5人ぐらいでしょうか。
――部下の数は多いですね。1日の仕事は?
あまり大きな声では言えないですが、特別な用事がなければ昼過ぎ(13時ごろ)に出社します。ただそれ以前に自宅でメールチェックとか各種の用事 を済ましてきますが。業務内容は守秘義務上あまり細かくは語れないのですが、7割ぐらいがクライアントへの報告業務です。残り3割は法務の仕事。まあ、そ の2つの業務は重なるところもあるんですが。帰るのは終電ぐらいですので、労働時間は9時間〜10時間ですかね。ただ、クライアントとの面会が多いので、 会社に居るのは2〜3時間といったところです。
――労働時間的には人並みと言ったところですかね。たくさん部下が居るようですが扱いづらい部下とか居ませんか?
まず前提として、あまり管理しようと思ってないんですよ。全部追い切れないのが正直なところですが。できるだけ社員個人に任せるようにします。その方が社員個人の責任感も育ちますし。
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――それは良いですね。ただ、20人も居れば管理が必要な社員も居るんじゃないの?
このチームは私が面接をして選んだスタッフなので、問題のある社員は居ません。……と、言いたいところですが、やはり難しい部下は居ますよ。そう 言う社員は……簡単に言えば、比較的有能な社員とペアを組ませるようにしています。意地でも管理しない。怒ることも嫌だし、同じ事を何回も言うのも嫌なん です。
――でも、それだけでうまくいくとは思わないんだけど。
まあ、ぶっちゃけますと、有能ではない社員にはできるだけ単純労働に近いものを頼むことにしています。極論を言えば、20人のうち1人がまったく仕事をしていなくても、部署全体の成績的には問題ないんですよ。
――それで、社員は文句を言ったりくさったりしないですか?
先ほど言ったように、私は会社にほとんど居ないんです。居るとしてもほとんど個室で対応していますので、連絡はメールベースで行っています。だか ら、あまり文句を言われることはありません。部下同士で悪口を言い合っていることはあるかもしれないですが。でも、そうやって不満を持っている社員は辞め ていきますからね。
――自分で面接した社員が辞めるときは心が痛んだりしないですか?
まあ、今の若者は無理に押しつけてもダメな結果になることが多いですからね。仕事に向かなければ次の道を模索した方がその人のためにも良いと思いますよ。
バブル上司ともゆとり部下ともすれ違う氷河期上司の本音
――小山さんの意見はもっともだと思うんです。ただ、ドライな考え方ですよね。
ドライですよね。自分でも冷たいと思います。反感を買うと知りつつ、あえて言いますけど、社員を仲間だと思っていない。自分の仕事を成し遂げる道具のような存在。会社に人情なんていらないんですよ。
――小山さんはいかにも氷河期くんらしい、ニュータイプの上司だと思う。バブルさん上司も部下 をあまり叱らない気がするし、手柄を横取りしているイメージもあるけど、でも人間味がある気がする。それに比べると、あなたはかなり冷たいと思うな。とこ ろで、社員と飲みには行く?
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行きません。自分が新入社員のときに、部署の飲み会なんて何の生産性もないと思っていましたから。しかも会社の飲み会は経費じゃないですか。社員 は疲れるし、会社もお金を持ち出すことになるし。だから一切やめたんです。上司からは経費削減で褒められ、部下からは他の部署より居心地が良いと言って褒 められ、喜ぶ人ばかりですよ。
――確かに無駄な飲み会はなければないに越したことはないけど、ただ、先ほどからの小山さんの 発言って、とても個人主義的だし、もっと言えば小泉構造改革的な割り切りというイメージがあるんです。新自由主義っぽい。バブルさんはもう少し中道左派的 というか。大きな政府、大きな飲み会と言うか。このニュアンス伝わります?
言わんとしていることは分かります。まあ、会社に静かな革命をもたらしているタイプだと思います。
――そこが他の世代からすると厄介なのかもしれません。ゆとり世代も平和主義で、共同体的な生 き方を選んでいると思うんです。つまり、僕らだけが異端であると。もちろん、僕らの世代には引きこもりも多いけど、うまく会社内で管理職にスライドして重 要な任務を任された氷河期くん上司は、得てして競争原理主義的な一面がある。
そうですね。仕事に対しては、正常な競争が行われることを常に望んでいますよね。部下に対しては、確かに不干渉なところがあるから、一見優しい気がするけど、本当は冷酷な部分があると。特に氷河期世代のなかでも後期、僕らのような若い世代はドライな人が多いですよね。
――今まで上司世代はバブルさんより上の世代が多かったけど、今後は氷河期上司が増えるわけでしょう。そうすると、これからの新入社員はこの氷河期世代とうまくやっていかなきゃいけない。バブルさん上司も大変かもしれないけど、氷河期上司はもっと大変ですね。
浮かばれない世代・氷河期くんはゆとりちゃんと徒党を組むべきだ
――ちょっと話を変えて、どうして氷河期世代は他の世代に比べてリアリストになったのかをもう少し詰めてみましょうか。
僕は持論があって、もちろん就職が困難であったこともあると思うんですが、それに加え、僕らは持ち家を買わなくなった世代なんですよ。それに都会に住む人は車も買わなくなった。これがリアリストの元凶だと思う。
僕らの親の世代は30年といった長い住宅ローンをかけて、郊外にちまちました住宅を購入した世代ですよね。で、バブルがはじけて価格が下がって、 長いローンだけが残った。それを見て失敗だと思ったのが僕ら。どうせ家なんて賃貸で良い、あるいは多少利便性の高いマンションを買おうという発想が、リア リストだと思いませんか?
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――なるほど。これは新論ですね。じゃあ、一軒家を買おうという気持ちが高まれば良いんですかね?
いや、そうしたらまた住宅価値が不当に高くなっちゃうじゃないですか。せっかく住宅の価格が下がってきているのに。
――そっか。あと、バブル世代が多感な時期にバブルの影響を大きく受けたことが多少なりとも人 格形成に関わっているように、思春期に体験したことが大きいと言うのはあるんですよ。僕らは不景気な時期だったから、まあ現実的にならざるを得ないわけ で。そういう意味では、今のゆとりちゃんも、不景気だし震災も来るし、かなり逆境の世代ですよね。
でも、本当に日本は不景気なんですかね。就職してからこっち、ずっと日本はダメだ、と言われ続けてきましたけど、いまも僕らは普通に働いている し、それなりに生活している。政府の文句は皆言うけど、中東のように革命を起こそうという勢力は生まれてこない。変な世の中ですね。
――確かに、良い時期を知らないから、今が良いのか悪いのかもよく分からない。
でも、今はなんだかんだで不景気でも生命の危機に及ぶ問題ではないけど、老後のことを考えると不安ですね。僕らの世代は、ゆとりちゃんとともに年金問題についてもっと権利を主張しましょう。Facebookで革命を起こしますか。
――日本の政府の可愛そうなところは、革命なんか起きなくても、あっさり選挙で政権が倒れることですよね。でも、細かくリーダーが変わるから政治家がプロ化しないのかも。ところで氷河期世代の人が首相をやったらどうなるでしょうね。
ひょっとしたら借金は減るかもしれないけど、人口が多い団塊の世代あたりから不平不満が出て、民意の結果、結局政権が倒れてしまいますよ。
――氷河期くんもゆとりちゃんも、数の上では弱いんだよね。やっぱりこの世代は浮かばれないのか…。
<今回のまとめ>・ジェネレーションギャップを抱える職場では、「管理をしない」と言う管理方法もあるのかも?・部下にとって、本当にやりづらい上司は氷河期上司かもしれない。
質問1 あなたの上司は何世代?
59.1%
バブル世代
30.3%
団塊の世代
6.1%
氷河期世代
3%
それ以外の世代
1.5%
その他
ゆとり世代
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