http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/617.html
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まあ当分、市場から消え去ることはないだろうが
どこまで下落するかだな
カナダ、豪ドルへの影響は限定的か
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_228126
【コラム】ウランは消えない
マーケットウォッチ
2011年 4月 26日 8:15 JST
【ボストン】ウラン価格が急落している。福島第1原子力発電所での大事故を受けて、2月初旬に1ポンド当たり$73だったウラン国際価格は$56.50まで下落。数年前には$130を超えた時さえあったのにだ。
Bloomberg News
ウラン鉱石を載せたチェコの鉱山の鉄道
ウラン価格の下落とは裏腹に、石油価格は高騰している。最近では、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)1バレルの価格でウラン2ポンドが手に入ってしまう。
世界はもっと多くのエネルギーを必要としている。原子力産業向け情報サービス会社Uxコンサルティングで国際事業を担当するジョナサン・ヒンズ氏は、1ポンドのウランと同量の電力を作り出すには10.4バレルの石油が必要だと言う。そこまで単純には考えられないかもしれないが、比較も容易ではない。
投資家は価格の下落局面で買い、上昇した時に売ることで利益を得ている。もちろん言葉で言うのは簡単だが、実際に価格が大幅に下がったときには、誰も買おうとしないものだ。
ウランに関して悲観的になるのは仕方がない。少なくとも最近の急落は避けようがないだろう。福島原発事故は原子力発電に対するイメージをまた悪化させた。そのような中で、原子炉の増設を進めるのは世界中どこでも難しい。中国はすでに原発建設計画を縮小し、安全面の見直しを進めている。ドイツは原発廃止に向けた計画を加速している。そして、福島原発事故の評価ははチェルノブイリ原発事故と同じレベルに引き上げられた。悪い話題ばかりである。
これらの要因はすでにウラン価格に織り込まれているかもしれない。
しかし、別の側面もみなければならない。
世界では「脱原発」のムードが高まっているかもしれないが、原発を完全になくすことも出来ないだろう。エネルギー需要は急増しており、BPの最新分析では今後20年間で40%増加すると予想されている。予測値には疑問の余地があるかもしれないが、方向性は間違いないはずだ。アジアなどの新興市場では、貧困層から中流層になった何億人もの人々が、車を所有し、エアコンの付いた家に暮らし、薄型テレビを見て、海外でのバケーションを楽しもうとしている。
急増し続ける電力需要を賄うために、石炭、天然ガス、風力、太陽光、そして奇跡が起こらない限り原子力発電も含め、考えられるほぼ全ての方法で発電する必要が出てくるだろう。再生可能エネルギーなクリーンエネルギーは推進されているが、それだけで需要を満たせるとは誰も思っていない。
中国もそれは承知だ。ヒンズ氏によれば、同国は原子炉の新設計画を90基から70基に縮小したが、原発が増加傾向にあることには変わらない。他国も同じことが言える。ドイツが「脱原発」に政策変更できたのは、原発を持つフランスからエネルギーの一部を購入することが可能だからだ。
原発に安全と環境の問題が付きまとうのは周知の事実である。けれども、他のエネルギー源も同じだ。石炭と石油を用いた発電は環境負荷が大きい。今や環境破壊で有名になってしまった三峡ダムの例を見れば、水力発電でさえ問題があることが分かる。
世界中には現在、原子力発電所が約450カ所ある。しかし、22年前のスリーマイル島原発事故以来、大きな原発事故は2つしか起きていない。1つは第三世界の独裁が関連したチェルノブイリ事故。そして、福島原発は営業運転開始から40年が経過していた原子炉が、大災害を受けたことによって引き起こされた。「チャイナ・シンドローム」を見て育った我々は、聖書に出て来るような大惨事が起こりうることをうすうす感じていた。福島の事故を軽く言うつもりはないが、視点の違いを言っているのである。炭鉱や石油プラットフォームでは頻繁に事故で人が亡くなっているが、いちいちニュースにもならない。
フランスでは電力の4分の3を原子力発電で賄っているにも関わらず、事故は今まで一度も起きたことがない(もしかすると口にすることで災害を呼び寄せることになるかもしれないが、誰かが事実を伝えないといけないだろう)。
要するに、世界がいつの日か、原発はリスクよりも恩恵の方が大きく、もっと多くの原子炉が必要ということに気付かされる可能性は極めて高いと言えるのである。
ウランはどうなのか
原子炉はおよそ12カ月から24カ月で3分の1のウランを補充する必要がある。現在、世界中の原子炉を合わせて年間約7万メトリックトンのウランを使用している。しかし供給は5万メトリックトン強しかないため、残りは古い核兵器が再利用されている。この方法は過去何年にも渡って行われてきたが、2013年で終了する予定である(世界原子力協会のステファン・キッド氏は、ロシアの核兵器は必要に応じてリサイクルされる可能性もあると話す)。
埋蔵ウランは世界中に豊富にあるが、実際に採掘される量や使用可能な状態のものは不足している。使用可能にするには、採掘後に加工する必要がある。1980〜1990年代、ウラン市場は低迷していたため、開発や生産があまり行われていなかった。主にカナダ、オーストラリア、カザフスタンで生産されるウランは、最近になって採掘が急増している。
世界原子力協会によれば、最小限の費用――1ポンド30ドル以下――で運営されているウラン鉱山は、年間6万メトリックトン以下しか生産できない。それを超えると費用は急増する。7万5000メトリックトンのウランを生産するには、超過分に1ポンド約60ドルが必要になる。要するに、現在の価格は限界費用だと言っても大はずれではないだろう。Uxコンサルティングのヒンズ氏は、短期取引では何が起きても不思議ではないとしながらも、「ファンダメンタルズを考慮すれば、これ以上価格が低下する余地はないだろう」と話す。
今後確実にウラン価格が上昇すると言い切れる要素は何もない。けれども、誰もウランを欲しがらないというのは興味深い。
あなたが個人投資家なら、カナダに上場しているウラン現物投資を行うクローズドエンド型投資ファンド、ウラニウム・パーティシペーション・コープに目を向けて欲しい。GMPセキュリティーズのアナリスト、デービット・ワゴー氏は、「倉庫に眠ったウランが埃まみれになっているだけ」の会社だと言う。
株価は、ウラン価格そのものよりも大幅に下落している。2月中旬に日中高値の$10を付けた同株は、$6.75まで低下。クローズドエンド型ファンドは通常、パニックに陥って投売りしやすい小規模投資家が主に保有しているため、下落局面では急落することが多い。
ウラニウム・パティシペーション・コープによると、同社の保有するウランの1株当たり価格は3月31日時点で7.94カナダドル(8.34米ドル)。しかし、ウラン価格はそれからさらに5.5%下落しているため、1株あたりウラン価格は現在約7.88米ドルと推定される。
同社株はそれより14%低い$6.75で取引されているため、ウランを1ポンド当たり$48.40で購入することになる。
強気の見方を裏付ける決定的要素はない。商品価格は不気味なほど人気が高く、過剰に買われることが多いなか、ウラン価格は下落が止まらない可能性もある。10年前のウラン価格は1株あたり7.50ドルであった。間違いなく底値と言い切れるのはゼロまで暴落した場合のみである。しかし、1ポンド当たり48.40ドルでウランが購入できるとなれば、逆張り投資家を引きつけるかもしれない。
(ブレット・アレンズは、マーケットウォッチとウォール・ストリート・ジャーナルのパーソナルファイナンス・セクションのコラムニスト)
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