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今さら、当たり前の話だが
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外貨準備を復興資金に使えない理由
2011/04/25 (月) 14:44
まあ、政治家なんて、こんなレベルかなんて思った訳です。何故かといえば、野田財務相が、本日午前の参院決算委員会で、東日本大震災の復興財源に外為特会の財源を転用することを否定した、という記事を目にしたからです。
誰がそんなことを質問したのかとみると、社民党の又一議員だとか。皆さん、誤解しないで下さいよ。私が、失望したというのは、外為特会の財源転用を否定した方にではなく、そんなことを質問した方に対してです。
ただ、私も誤解していました。というのも、質問者は、1兆ドル以上もある外貨準備を取り崩してそれを復興資金につかったらどうか、と質問したと早とちりしたからです。
でも、よく見るとそうではなく、外為特会の積立金を利用できないのかと聞いたということなのです。まあ、そうした意見なら、従来からも言われていた訳です。それも一種の埋蔵金で利用可能ではないのか、と。
ただ、ご承知かどうかしれませんが、現時点では、外為特会では為替差損の関係で、15兆円の評価損が発生しているのだ、とか。だから、全く不可能な話なのだ、と。
で、本日、私が言いたいのは、外為特会の積立金の利用についてなのかといえば、そうではなく、大本の方の1兆ドルを上回る準備金を利用できないのかというアイデアについてなのです。
いるのですよね、そんなことを考えている人々が‥
でも、まあ、一般の国民が、そうしたことを考えるのであれば、分からないではありません。だって、外貨準備といえば、まさかのときの貯えであるから、こんなときに利用しないで何時利用するのだろう? なんていう疑問が湧くかもしれないからです。
で、そうした質問に対して、専門家ぶってこう答える人がいるわけです。そんなことをアメリカが承知する訳がない、と。
でも、この問題にとっては、アメリカが承知するかどうかということは、本質的なことではないのです。もちろん、そんなことをすれば、アメリカが嫌がるのはそのとおりです。それを私が否定しようというのではありません。そうではなく、日本政府自身が、そんなことをすることができないということなのです。
何故、外貨準備は利用できないのか?
その前に、そうしたアイデアを専門家と思われる人でも言っているので、ご紹介しましょう。
お一人は、北浜流一郎氏。こんなこと言っています。
「外貨準備という特に用途のない資金を積み立てても意味はありません。復興資金に使うべきです。 90兆円の半分を使えば釣りが来るでしょう。 それを考えもせず、まず増税なんてどうかしています。私は復興国債の発行に賛成です。しかし外貨準備を崩せばそれすら必要ないのです」
この人、外為特会の仕組みが分かっているのだろうか?
でも、もっと驚いたのは、ミラーマンこと、植草一秀氏。あの秀才の植草氏がですよ、「1兆ドルもある外貨準備を日本円に換金して、大規模な経済復旧・復興経済対策を策定するべきである」
お二人に言いたい!
外為特会を大大大債務超過にしても問題はないというのか?
外為特会で、1兆ドル強の資産を保有しているのは、そのとおりです。そして、それを売り払って現金化すれば、復興財源に利用することができるのもそのとおりです。
「だったら、そうしたら?」
しかし、その1兆ドルに見合う債務が存在しているのです。つまり、他方で、1兆ドルに相当する円建ての借金がある、と。具体的に言えば、政府短期証券の残高が存在しているのです。
つまり、仮に資産の方を全部使ったとしたら、残るのは借金だけ。しかも、その借金、つまり、政府短期証券の方は、短期というだけあって3カ月したら償還する必要のある証券なのです。
その償還財源をどうするというのでしょう?
それが支払えなければ、政府はデフォルトを起こさなくてはなりません。要するに、国庫は破綻する、と。
だから、外為準備を利用することはできないのです。
以上
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