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2011年4月24日 20:00
協調介入後、円安へと触れたが、再びドルの独歩安に円高方向へと振れている。
大震災後の為替動向の背景に各国政府や市場の思惑が働いていたようだが、本日の産経新聞でその辺の事情が論説されていたので、抜粋しておこう。
◇
多くの読者は疑問に思うだろう。未曽有の大震災に見舞われた上に、政府は機能不全で原子力発電所の放射能漏れを止められない。そんな国の通貨は暴落すると思いきや、円高が続く。なぜか、と。
【協調介入、米が積極的】
答えは一つ、日本は世界に比類のない債権国だからである。民間が海外に持つ巨額の外貨建て金融資産を国内資金需要に回せるゆとりがある。インフレ政策をとる債務国米国のドルに比べて円の値打ちは下がりようがない。海外の投機勢力はそう読むのだ。
3月11日の東日本大震災後、外国為替市場では円が買われ、ニューヨーク市場では17日に1ドル76円台まで円相場が急騰した。18日午前7時には7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の電話会談が開かれ、各国は急遽(きゅうきょ)協調介入に踏み切った。日本以外で介入に最も積極的だったのは、米国である。大災害と円高進行に伴う日本経済の苦境を救うためではない。実は米金融市場がいわば日本発「金融版大津波」に襲われると恐れたからである。
米国債の相場はドル安・円高を受けて震災の翌週明けの14日に下落し始め、外為市場での協調介入が一段落した後も米国債相場は不安定な状況が続いている。一部にインフレの再燃懸念が出ているのに加え、日本がドル債券など外国資産を大量売却して国内の損害保険支払いや民間復興資金需要に充当するとの見方が市場では根強いからだ。実際はどうか。
日本の対外純債権は官民合わせて270兆円に上る世界最大の債権国である。このうち、政府は米国債を中心に約100兆円の外貨準備を保有しているが、米国債はニューヨーク連銀が保管しており、日本政府はワシントンの了解がない限り売却できない。与野党を問わず、政治家は「米国債を売る」と発言しようものなら、失脚するとびくびくしている。
問題は、日米関係に左右されない民間保有の対外債権である。グラフを見よう。スイス・バーゼルに本部のある主要中央銀行をメンバーとする国際決済銀行(BIS)統計によると、日本の銀行の対外金融債権総額は2010年末2兆8200億ドルで、このうち74%がドルなど外貨建て債権である。
日本の銀行は慢性デフレに伴う国内向け資金需要の低迷もあって05年あたりから対外融資を急膨張させてきた。それでもロンドン、ニューヨークを擁している英国約5・7兆ドル(10年9月末)、米国約3・5兆ドル(同)に比べ、日本の金融債権規模は総額ベースでは劣るが、金融債務を差し引いた純債権ベースでは圧倒的な金融債権大国である。
【銀行純債権85%占有】
BIS加盟国全体の銀行純債権合計は10年9月末で1兆9千億ドルだが、日本は実にその85%、1兆6300億ドルを占めている。英国は3150億ドルの純債務、米国は純債権136億ドルにすぎない。日本の銀行は日本国内の貯蓄を欧米金融機関に流し、欧米投資ファンドなどが運用して利益を稼ぐ。
通常の国際金融業務での日本の影はいかにも薄いが、皮肉なことに東日本大震災を受けて国際金融市場のスポンサーとしての日本の存在の大きさが浮き彫りになった。日本が対外資産を処分して、損害保険金支払いなどに充てるのではないか、とニューヨークやロンドンが反応するのも無理はない。震災直後は日本の余剰資金のUターンラッシュが起きると投資家は慌て、米国債を売りとりあえずは日本国債を買って円高に賭けたわけである。協調介入で円高の勢いはひとまず止まっても円高基調はいまなお続く。(後略)
【産経ニュース 9:07】
◇
邦銀が対外債権を多く持つことから、円高基調が続くということだが、逆の見方をすれば、この対外債権のリスクもあるわけである。
つまり、米欧の甚大な金融危機が起きた場合、対邦銀の債務が焦げ付く可能性もあるということだ。
つまり、私たちの預金が失われる恐れもあるということだ。
そのような事態となれば、邦銀も連鎖破綻の危険性も出てくるのである。
増税もそうだが、私たちの預貯金も海外から狙われているのである...。
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