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2011年04月14日
米国債崩壊(メルトダウン)近し、ヘッジファンドが売り逃げ(現金化)
経済アメリカの総債務(家計・企業・政府の合計額)の対GDP比率の推移
『米国債を現金化』逃げるヘッジファンド
米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)の旗艦ファンドである『トータル・リターン・ファンド』は2月末現在で米国債・米機関債など米政府関連債券をすべて売却して現金化した。
米国ドルは今年の中頃にも危機的状況に陥る可能性が高い。
1月末時点での保有比率が12%だった米国最大の債券ファンドPIMCOが米国債をすべて売っていることが全てを物語る。
同ファンドで2369億ドルを運用するビル・グロス共同最高投資責任者(CIO)は、米財政赤字とインフレへの影響への懸念を繰り返し表明していた。
グロス氏は先週も、連邦準備理事会(FRB)がラストリゾートとしての買い入れを終了すれば、10年債利回りが4%に上昇と述べていた。
『6月で打ち切るべき』米シカゴ連銀総裁、量的緩和(FRBの米国債購入)
今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つエバンズ・シカゴ連邦準備銀行総裁は4月4日、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和策(QE2)を予定通り6月で打ち切るべきとの見解を示した。
先月3月末時点でも、セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁が、連邦準備理事会(FRB)は6000億ドル規模に上る債券買い入れプログラム(QE2)を期日の6月末まで待たずに打ち切るべきだと主張。フィラデルフィア連邦準備銀行のプロッサー総裁も超金融緩和策を疑問視する発言を繰り返していた。
この米国の量的緩和政策により、連銀総資産は2007年8月の8690億ドルから、2010年末までに約3倍の2兆4230億ドルまで膨らんだ。
資産が増えれば金利収入は増えるので、(紙幣を発行して『国立銀行』の役割を担っているが)単なる一私企業でもある米連邦準備理事会(FRB)は史上最高の利益を出しているが、破局は目前に迫っている。
現在の時点で、アメリカの連邦債務は14兆3105億ドルとなり、上限枠の14兆2900億ドルを超えているので米議会が債務上限枠を上げることに賛成しないとアメリカは即座に破綻する。
『基軸通貨で無くなるドル』スティグリッツの予測
ノーベル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授は、米国の債務に反映されている貿易不均衡を是正するため、世界経済には新たな国際準備通貨が必要だとの考えを示した。
スティグリッツ教授は、準備通貨としてのドルに代わり、米国の信用の質の悪化を防ぐには、『世界的なシステム』が必要だと述べた。
米政府の一般債務の対国内総生産(GDP)比率が来年2012年には100%に達し、国債の引き受けてが全て無くなる。
EUもIMFもギリシャ、アイルランド、ポルトガルの救済で米国債を買えない。
現在、米国債の70%をFRB(米連邦準備理事会)が買っているが、QE2の終了で米国自体が買えないとなると誰も買う者はなくなり、米金利は爆発的に急騰して、アメリカは最悪デフォルトに陥る。
ドル基軸通貨制度の崩壊の切迫に、新米ドル発行での債務放棄をもくろむ米政府の動きが顕在化する。
『世界恐慌時を遥かに凌ぐ債務超過』アメリカの闇
世界大恐慌時の1930年、アメリカ総債務ピークは対GDP比で260%で、その為に急激な信用収縮(デフレ)がおきる。
このアメリカの信用収縮を引き金にして世界の資本主義経済は大恐慌に陥っている。(この資本主義社会の全般的危機を救った神風がWWUである)
1999年のネットバブルではアメリカ総債務の合計額は大恐慌時と同じ260%に達していた。
ところがネットバブルが崩壊した後も信用収縮(デフレ)が起きずに、アメリカは債務(借金)を増やし続け、ブッシュ政権時代に信用(債務超過)は拡大し続けた(緑線)。
これが個人や企業の場合には借りた『金』(債務)は何時かは全額返すか、それとも破産するかの二者択一である。
ところがお金『紙幣』を発行している国家の場合には、個人や企業とはまったく別の選択肢(戦争やハイパーインフレやデフォルトによる債務帳消し)があるのですから恐ろしい。
普通なら当然だったのだが、2000年のアメリカのネットバブル崩壊が引き金となって信用バブルも崩壊する筈が、2001年の不思議な9・11事件が引き起こされ債務超過(借金バブル)は益々加速して行ったのです。
『史上最高の円高になる筈』
日本国はマスコミが宣伝するように日本国財政は表面的に赤字であり地方分も合計すれば1000兆円で、対GDP比で200%もの膨大な額である。
(実質、政府が溜め込んでいる資産合計額は負債に匹敵していて、これをプラスマイナスすれば極近年までは資産が上回っていた)
マスコミ宣伝のように政府が積み立てている資産額を考慮しなくても、この1000兆円の表面的な政府負債額だけでなく民間企業や個人資産など全部を合計して計算すると、日本人の個人資産だけでも1400兆円もあるので、これだけでも十分に『お釣』が来る。
国家の債務残高の総合計額では、これに民間企業の溜め込んでいる膨大な額の資産(何時でも自由に使える手持ち資金だけでも200兆円)まで加わる。
民間企業、個人、政府の債務残高の総合計では、GDPの3・5倍以上にもなる破綻の瀬戸際の超債務国アメリカと日本は『正反対』の位置にある。
世界から見れば日本国はとんでもなく豊かな、稀に見る膨大な資産を持つ純債権国なのです。
『もしもの時の円買い?大震災で史上最高値』
通常その国の国債や通貨は『国家の信用度、安心度』や『国力』を反映していてアジア通貨危機の起こったタイのバーツ、ロシアのルーブル、リーマンショックではアイスランドやギリシャ・アイルランドなどで通貨の大暴落や国債金利の暴騰が起きる。
ところが何と、
今回の3・11トリプル・クライシスの未曾有の災害の結果が段々判りだすと『円』が最高値の記録を出している。
一時は1ドル76円台まで上昇して史上最高値をあっさり更新した。
普通なら円は上がらず『もしもの時のドル買い』が起きる約束事になっているのですが、この今の動きは日本の『円高である』とも解釈出来るが、その逆にアメリカの『ドルの暴落である』とも判断出来る。
16年前の95年4月につけた当時の史上最高値だった(79円75銭)を、今頃になって、95年1月17日の阪神大震災に関連しての投機買いだとの解説がメディアで一斉に同一の解説が行われているが眉唾である。
情報隠蔽を目的とした、ためにするデマ情報であろう。
当時も、そして円暴騰前日までも、極一部ではあったかも知れないがマスコミが口を揃えて喧伝するような大震災での投機買いとか私企業の国内への円の還流とかの『話』は一回も行われていない。
そんな話は、今回の76円の声を聞いてからの突然降って湧いた話であり、まったく新しい(誰かが意識的に流した)『神話』である。
『阪神大震災で当時の史上最高値が出た原因とは』
16年前の阪神大震災では日本国は6000人以上の死者と10兆円の損害を出している。
普通の日本以外の国家なら、このような未曾有の大災害では国家をあげて復興に尽力するので、それ以外のところまでは手が回らず疎かになる。
アメリカの財政赤字を助ける為の米国債の購入などは手控えるし、本来なら資金調達の目的でアメリカの国債を売り払い現金化するのです。
そして当時のアメリカの財政事情はGDPの240%と言う途方もない借金まみれであり70年前の大恐慌前夜の、危険極まりない有様であった。
世界の投資家達は全員がそう思って円の買いに回った。
だから16年前の阪神大震災後3ヶ月程度が経過した後に、史上最高の79円台の円高になった。
当時も今も同じですが、(米国に信用があり)アメリカ国債の買い手が何時でも見つかるなら、これほどの円高(ドル安)にはならないのですね。
『円高』は日本の事情ではなくて、日本の国債購入に頼っている米国の事情がある。
日本の円高の原因とは、アメリカの信用の失墜(借金体質による財政赤字)が一番大きな要因であるのです。
今回の3・11大震災は、被害が判明している分だけでも阪神大震災の何倍にもなる。
福島第一原発の事故の損害はこれからの推移によっては、地震や津波被害を超える天文学的な数字(国家予算の数年分)になる可能性さえある。
『避けられない目前のカタルシス』
地震前には110〜120円台だった『円』が、各国政府が協調して為替介入に入っても80円台前半の超円高水準で張り付いて動かない。
これは円高ではなく借金まみれのアメリカの信用不安によるドル安であり、時間的な早い遅いの違いはあっても最悪の『最後のカタルシス』(ドル崩壊)の局面に向っかて世界が動いていることだけは間違いない。
国外の最大の米国債保有国は中国だが、現在の最大の保有者は発行総額の7割を買い入れている米連邦準備理事会(FRB)なのであるが、それも6月までで打ち切りの危機が目前に迫っている。
そもそも紙幣発行を行う中央銀行の自国の国債購入とは、蛸が自分の足を食べる行為にも似たオーソドックスな経済学の基本的な考え方では絶対にやってはならない最悪の手段であるとされていて、必ず行き詰る事が分かり切っている『掟破り』の御法度(禁じ手の反則技)なのです。
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