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米大統領:米国の財政は持続不能な状況 ギリシャ財務省捜査要請 ブラジル12% 金1500ドル突破、銀1980年以
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/571.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 21 日 09:27:48: 6WQSToHgoAVCQ
 

日本と米国は財政とネジレに関して、本当に似てきたて どちらも通貨安
ユーロも債務再編リスク大の割には強い
どこもデフォルトに関して市場は楽観しているようだが
新興市場は相変わらず強い状況で持続可能とも思えない
世界はやはりインフレに向かうのか
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aY8kzFz4oA0g
米大統領:米国の財政は持続不能な状況に−超党派の協力訴え(1) 
  4月20日(ブルームバーグ):オバマ米大統領は20日、米財政が「持続不能」な状況にあるとの認識を示した。財政赤字削減計画への理解を求める全米遊説の一環として、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手の米フェースブックの本社で開かれたタウンホール・ミーティングで発言した。

  オバマ大統領は米財政赤字をバランスの取れた方法で削減し始めるために、民主、共和両党の議員が協力する必要があると指摘。「短期的に債務をどう削減するか、そして長期的にどう減らしていくかについて、われわれは決断する重大な時に直面している」と述べた。

  大統領はカリフォルニア州パロアルトにあるフェースブック本社での20日のイベントを皮切りに3日間の遊説を開始した。ネバダ州リノでのタウンホール・ミーティングのほか、サンフランシスコとロサンゼルスで政治資金集めのイベントなども予定されている。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo + kshugo@bloomberg.net Editor:Akiko Kobari東京  麗英二 Eiji Toshi etoshi@bloomberg.net記事についての記者への問い合わせ先:Roger Runningen in Washington at +1-202-624-1884 orrrunningen@bloomberg.net;Nicholas Johnston in Washington at +1-202-654-1264 ornjohnston3@bloomberg.net
更新日時: 2011/04/21 08:41 JST


http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=ajB7Di39U7A4
ギリシャ財務省、検察当局に捜査要請−債務再編めぐる市場のうわさで 

4月20日(ブルームバーグ):ギリシャ財務省は、20日のギリシャの株式・債券の動向に関連して「犯罪」行為となる可能性がある市場のうわさについて、アテネの検察当局に捜査を要請した。同省は、イースター(復活祭)の週末にギリシャの債務再編が行われるという同省が入手した電子メールの内容を伝えた。同省が電子メールで配布した資料で明らかにした。

  財務省は「こうしたうわさは明らかに真面目さを欠いている」と指摘。しかしながら、「こうしたうわさの流布によって、より広範に不安が生じる恐れがあった」ため、同省は「利用可能なあらゆる法的手段の行使を検討する」と説明した。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 山口裕子 Yuko Yamaguchi yuyamaguchi@bloomberg.net Editor:Masami Kakuta
更新日時: 2011/04/21 08:54 JST


ブラジル中銀:政策金利を0.25%引き上げ12.00%に(1) 
  4月20日(ブルームバーグ):ブラジル中央銀行は20日の金融政策委員会で、政策金利を0.25ポイント引き上げ12%とすることを決めた。利上げペースを緩和し、2008年以降で最高水準に達したインフレ率を抑制する戦略の一環として、通貨上昇と与信抑制を重視する計画であることが示唆された。

  ブルームバーグの調査ではエコノミスト58人中15人が0.25ポイント利上げを予想。41人は0.5ポイント利上げ、2人は利上げ見送りを予想していた。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 城塚 愛也 Aiya Shirotsuka 2482 ashirotsuka@bloomberg.net Editor:Eiji Toshi東京  麗英二 Eiji Toshi etoshi@bloomberg.net記事に関する記者への問い合わせ先:Matthew Bristow in Brasilia at 4398 or mbristow5@bloomberg.net
更新日時: 2011/04/21 08:42 JST


金が初めて1500ドル突破、銀も1980年以来の高値に 8:03am
 [ニューヨーク 20日 ロイター] 20日の米市場で金が初めて1オンス当たり1500ドルを突破した。世界的なインフレ懸念の高まりを背景に、インフレヘッジ手段として金を買う動きが強まっている。ドル安もコモディティ相場全体を押し上げる要因となっている。  

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コメント
 
01. 2011年4月21日 10:22:31: cqRnZH2CUM
【ブログ】S&P、ゴールドマン格付け見通しをネガティブに据え置き
Deal Journal  2011年 4月 20日 10:39 JST

 最初は米国。今度はゴールドマン・サックス。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は19日、ゴールドマンに対して予想される規制リスクを査定する方針を示した。同社に対する格付けは変えていないが、見通しは依然として「ネガティブ(弱含み)」だという。S&Pは18日、米国債格付け見通しを引き下げている。
イメージ Bloomberg

 同社声明は「最近の市場や業績の改善は認識しているが、規則制定、訴訟の可能性その他の法的リスクが収益に与えうる影響の査定を続ける」としている。

 ゴールドマン・サックスはコメントを控えた。

 格付け会社は米金融規制改革法が成立した昨年、ウォール街の企業や銀行の格付けにこれといった変更をしなかった。同法を受けた規則は導入の過程にあり、米最大級の金融機関の利益を圧迫するとみられている。

 S&Pやムーディーズはまた、一部金融機関に通常より高い格付けが付与されているとしてきた。政府はこうした機関が金融危機で破綻するのを避けたがる、との見方のためという。ただ、ワシントンの風向きが変わり、「大きすぎてつぶせない」という方針がなくなれば、格下げの可能性があるとしてきた。

 声明で言及されている訴訟リスクについて、ゴールドマンが販売した証券に関して投資家あるいはワシントンから追加的な訴訟を受ける可能性のことを指すのかどうか、ディール・ジャーナルは把握していない。

 S&Pはまた、同社のさえない1-3月期決算にも触れている。予想された通り、前年同期比減益だった。投資会社バークシャー・ハザウェイからの優先株買い戻しや自社株買いのために多額の費用を投じたため、自己資本比率も前四半期から低下した。

[ディール・ジャーナル(Deal Journal)では大型M&A、資金調達、プライベート・エクイティ、倒産など、ウォール街のメインイベントをリアルタイムにリポート。市場が開いている間は毎日更新され、独自の分析やコメント、データ、ニュースフラッシュを盛り込み「資産の所有者が代わる」現場を鋭く追う]

記者: Shira Ovide

米ゴールドマンの1-3月期、前年比21%減益-優先株の配当支払い響く
2011年 4月 20日
【ブログ】S&Pの米格付け見通し引き下げは「大したことではない」=エコノミスト
2011年 4月 19日
米の金融規制案がゴールドマンに圧力
2010年 2月 9日
S&P、米国債格付け見通しを「ネガティブ」に変更
2011年 4月 19日


02. 2011年4月21日 10:25:10: cqRnZH2CUM
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_225822
【ブログ】リビア王位継承者が「国民に奉仕する」決意示す
Real Time Brussels
2011年 4月 21日 9:11 JST

 1969年のクーデターでその座を追われたリビアの最後の国王の血縁で、王位継承順位第1位とされるモハメド・エル・サヌシ氏(48歳)が20日、ブリュッセルにある欧州議会を訪れた。欧州議会の英国選出保守系議員が招待したもので、イースター休暇中でいつもであれば閑散としている欧州議会の記者会見場は、時ならず満員の劇場のようなすし詰め状態となった。
イメージ AFP/Getty Images

リビア王位継承順位第1位とされるモハメド・エル・サヌシ氏

 1988年に英国に亡命し、その後ずっとロンドンに滞在しているサヌス氏は、若々しく細身の健康そうなお金持ちのロンドンッ子といった感じ。亡命後はリビアの反体制派の行事を主宰するなどしており、会見ではどのような体制になろうとも、新生リビアの国造りに参画したいと熱い思いを語った。

 「リビア国民が君主制を望もうが共和制を望もうが、わたしは最善を尽くす。反体制派が自由で公正な選挙を実施する手助けをしたい、国民に奉仕するのがわたしの仕事だ」

 言い換えれば、これは国民が望めば国王になるとの決意表明だ。リビアは1951年にイタリアから王国として独立したが、リビアの最高指導者カダフィ大佐が69年に君主制を打倒し、サヌシ氏の叔父だった時のイドリース国王を追放した。

 予言者モハメッドの末裔(まつえい)と紹介されたサヌシ氏は、北大西洋条約(NATO)加盟国がリビアに地上軍を派遣すべきかどうかとの質問には答えなかったものの、「それが国民の意思のはずだ」と述べた。カダフィ大佐については、「彼は一つの言葉しか分からない。それは力だ」と皮肉った。

記者: John W. Miller

仏伊、リビアに軍事顧問団派遣へ (06:49)

 英国の前日の決定に続き、フランスとイタリアも20日、リビアの反体制派組織「国民評議会」の支援のため、同国に軍事顧問団を派遣すると発表した。

信頼できないデータで石油市場がさらに混乱

2011年 4月 21日 7:51 JST

 
世界最大の石油輸出国サウジアラビアの信頼できない統計が、中東・北アフリカの政情不安に端を発した石油市場の不安定さに追い打ちをかけている。
イメージ Associated Press

サウジ・ジュベールの石油施設

 サウジは17日、3月の同国の生産量が石油輸出国機構(OPEC)発表分も含めたこれまでの推定を少なくとも日量70万バレル下回っていると明らかにした。このニュースで18日朝方の市場では原油相場がバレル当たり1ドル以上下落した。これは現在市場を混乱させている問題を浮き彫りにした。つまり、本当の生産・供給に関するきちんとした情報がないということだ。

 ロンドンの石油コンサルタント、ジョン・ホール氏は「市場の至るところで信頼できる情報の欠如が見られる」とし、「石油が不足しているのかどうか誰にも分からない」と話した。

 リビアが内戦状態になり、日量130万バレルの同国の輸出が止まると、石油供給の可視性が注目を集めるようになった。リビア紛争が始まったときサウジは、リビアからの不足分を補うため日量50万バレル増産したと発表していた。

 しかし、サウジのヌアイミ石油鉱物相は17日、3月の同国の産油量は日量829万2000バレルで、2月の912万5000バレルを約80万バレル下回ったと述べた。OPEC月報も含めて、大方の予想は3月の産油量が900万バレル程度で増加ないし横ばいになると見ていた。

 しかし今は、サウジの増産についてその規模、期間、さらにはタイミングまでもが論議の対象となっている。ゴールドマン・サックスとバークレイズ・キャピタルは、サウジの生産量は昨年11月以降変わっていないとしている。バークレイズのアナリスト、アムリタ・セン氏は「サウジは旺盛な需要に応じて、11月以降日量900万バレルを生産している」とし、同国はリビアからの輸出停止で増産はしておらず、ただ単にこれまで生産していた量を初めて公に認めただけだと述べた。

 石油の生産国と消費国は10年前、石油データ共同イニシアチブ(JODI)を開始。これは現在、加盟国が提供するデータに基づき、世界の需給の90%をカバーしている。しかし、サウジが17日に矛盾した生産データを発表した例もあるように、このJODIの数字でさえ厳しくチェックされている。

 サウジは声明で、2月の生産量は912万5000バレルだったとしている。しかし、同じくサウジ提供のデータを使って17日に出されたJODI報告は、生産量はこれより10万5000バレル少なかったことを示唆している。JODIを主催している国際エネルギー・フォーラム(IEF)とサウジ当局者からのコメントは得られていない。

 イランのハティビOPEC理事は、これらの数字によれば、OPEC生産量の最高と最低の間には50万バレルから70万バレルの差があるとし、「(何を産油量とするかの)定義はそれぞれ異なっており、これが違った数字につながる」と指摘した。

 英国の海運調査会社オイル・ムーブメンツのトップ、ロイ・メーソン氏は、これらの差異は通常、備蓄水準の変化と国内消費が十分に把握できないことによるもので、多くの専門家は生産量を推定するのに輸出量に依存していると述べた。特に、タンカーへの積み出し計画の数字に頼るが、これは状況によって変動するという。

 国際エネルギー機関(IEA)によれば、サウジは日本での震災を受けて日本に向かっていたタンカーの行き先変更を余儀なくされ、また3月半ばに生産削減を強いられたという。メーソン氏は、当時の信頼できる生産データはないとし、「残されたのはニュースとうわさだけだ」と語った。

記者: Benoit Faucon and James Herron


03. 2011年4月21日 10:37:49: cqRnZH2CUM
ギラード豪首相、中国で人権問題提起へ

2011年 4月 21日 9:28 JST
 
 【シドニー】オーストラリアのジュリア・ギラード首相は、25〜27日の初の中国公式訪問で胡錦濤国家主席と会談し、同国の人権問題を提起する考えだ。
イメージ AFP/Getty Images

ギラード豪首相(20日)

 中国では2月半ばに発生したネットを使った反政府デモの呼び掛け以来、弁護士やジャーナリスト、ブロガーら数十人が拘束されており、この中には著名なアーティスト、艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏も含まれている。

 同首相はABCテレビとのインタビューで、「中国では人権問題を取り上げる」と言明した。胡錦濤主席との会談ではこのほか、貿易、投資、地域協力などが話し合われる見込みだ。訪中は北アジア諸国歴訪の一環で、韓国や日本の首脳とも会談する。

 同首相率いる労働党は国内で政治的泥沼に足を取られており、支持率は数十年ぶりの低水準に落ち込んでいる。一つには、炭素税を導入しないとの選挙公約の撤回があり、また、中道右派の自由党を中心にした激しい攻勢がある。さらに、首相の座にとどまるのにその支持が不可欠の主要無所属議員からの広範な政策要求も障害となっている。

 外交には弱いとみられていたギラード首相だが、先の米国訪問では、議会で演説をするなど、訪問は成功したといわれる。しかし、中国では、オーストラリアの最大の貿易相手である同国を味方に付けておく一方で、人権問題でたしなめるにはより一段の微妙なバランス感覚が必要とされる。

 中国とオーストラリアとの関係は、ここ数年改善と悪化を繰り返しており、特に2009年には英豪資源大手リオ・ティントの上海総支配人でオーストラリア国籍のスターン・フー氏が中国当局に拘束された際には落ち込んだ。同氏はその後、汚職の罪で懲役の実刑を受け収監されている。この事件が起きたころオーストラリアでは、同国の資源セクターへの中国の相次ぐ投資計画に政治的反発が強まっていた。

 最近では、オーストラリアの新聞は、同国政府のコンピューターに対するサイバースパイ未遂事件があり、その容疑者リストに中国人ハッカーが載っていると報じている。

 09〜10財政年度(2009年7月〜2010年6月)の対オーストラリア投資では中国は第3位で、投資計画額は約163億豪ドル(1兆4300億円)、両国間貿易額は約900億豪ドルだった。オーストラリアの輸出の約25%は、世界第2の経済大国である中国向けで、この比率は10年前にはわずか4%だった。

 今年第1四半期(1〜3月)の中国の国内総生産(GDP)は前年同期比9.7%増加。一方のオーストラリアは1月の広範囲な洪水で石炭生産が鈍ったことからマイナスになるとみられている。

 同首相の訪中には、BHPビリトンやオーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループなどの大手企業などから成る過去最大規模の貿易使節団も同行する。

記者: Enda Curran

【コラム】活況の豪ドルに遅れ取る株式 (09:41)
 世紀に一度の取引量増大と相場上昇を経験しているオーストラリアドルの陰で、同国株式相場はさえない値動きに甘んじている。

中国当局、人民元の考え方に変化か―上昇テンポ加速化の憶測 (07:44)


04. 2011年4月21日 18:08:11: cqRnZH2CUM
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_226081?mod=LatestAdBlock2
【社説】ドルの「洪水」、世界が拒否反応
2011年 4月 21日 16:26 JST
 国際通貨基金(IMF)の一部加盟国は先週末、自国へのドル流入を抑制するために資本規制など、あらゆる選択肢を残しておくべきだと主張した。経済発展には投資が必要であることを考えると、資本規制は危険なゲームだ。しかし、一方で、このことは、米国のドル政策の失敗と金融上の指導力低下に対し、世界が拒否反応を強めている表れともいえる。

バーナンキFRB議長(左)とガイトナー財務長官(15日、ワシントン)

 ドルは世界の準備通貨である。同様に、米国の中央銀行である連邦準備理事会(FRB)は、世界の中銀に最も近い存在である。しかしながら、少なくともこの10年、とりわけ2008年終盤から、FRBは、唯一の関心事が米国内経済であるかのように振る舞ってきた。

 FRBの容赦ない金融緩和と議会の向こう見ずな支出策を受けて、投資家は、高いリターンと持続的な成長を求め、米国からアジアや南米などへ逃げ出した。IMFの予想によると、2009年7月から2010年6月までの間、トルコへの資金流入は対GDP比で6.9%、南アフリカは6.6%、タイは5%に相当する。

 この巨額な投資資金 は、流入国の中央銀行を苦境に陥れている。何も手を打たなければ、資産バブルとインフレを招く可能性がある。ブラジル(インフレ率は6.3%)と中国(5.4%はあくまで公式な数字であり、間違いなく実際はこれを上回る)は、ほかの国と同様、インフレの高進になんとか耐えている。これらの国は、利上げや自国通貨高の放置が可能だが、それは経済成長を鈍化させる危険がある。多くの国は、資金流入を止める手段として、そのような経済上の調整ではなく、資本規制や管理的措置を取っている。

 この1年、ブラジルは、株式・債券投資への課税を導入、預金準備率も引き上げた。インドネシアは、国債の保有期間を設定。韓国は、銀行の外貨調達の取引に制限を設けるなどした。ペルーとトルコも対策を取った。それでも、多くの新興国で、通貨は上昇を続け、資金の流入が続いている。

 こうしたいきさつを考えると、IMFのドミニク・ストロスカーン専務理事が今月、資本規制は「暫定的な手段」としては必要だと発言し、自由な資本移動に対するIMFの長年のコミットメントに終止符を打ったことは、驚くにあたらない。IMFが最後に同様の行動を取ったのは、1990年代半ばのメキシコ金融危機の時だった。

 IMFは先週末、そのような資本規制「手段」の発動時期に関する指針について、参加国の承認を期待していた。しかし、ブラジルのマンテガ財務相は指針の受け入れを拒否。資本規制は、他国の政策の影響に対抗するために必要な「自己防衛」手段であると主張した。もちろん、マンテガ財務相が言う他国とは、米国を念頭に置いたものだ。

 これに対してガイトナー財務長官は、新興国を反撃した。彼の反応は、1970年代にジョン・コナリー財務長官が欧州代表団に放った有名なセリフ「ドルは我々の通貨だが、あなた方の問題だ」と基本的に変わらない。

 つまり、世界は米国のドル安基準から自国を守り、おそらく最後には自由になろうとし始めている。欧州中央銀行(ECB)は最近、利上げを実施したが、インフレ発生を回避するために追加利上げを行うだろう。中国は、グローバル通貨への第一歩として、人民元建ての貿易の拡大を認めている。最近中国で開かれたBRICs会議で、指導者らは「安定と確実性をもたらす広範な国際準備通貨システム」の必要性を訴えた。彼らが言っているのはドルのことではない。

 米国内でさえ、ドルのヘッジとして商品(たとえば原油)や金を買う動きがある。ユタ州は最近、事実上の代替通貨として、金の売買を容易にする措置を取った。こうした動きが果たして賢明な投資かどうかは別として、間違いなく、これは、米政府の経済運営に対する不信感の兆候だ。

 オバマ大統領は今週、市民との対話集会で、原油価格の上昇は「投機筋」が理由だと述べた。彼は、ドル安に対するヘッジへと世界を突き動かしたFRBと財務省についても言及すべきだった。バーナンキFRB議長とガイトナー財務長官は、経済を膨張させ、資産価格を押し上げる、前代未聞の金融政策と財政支出策を故意に取ってきた。その代償が、今進行中のドル安と食品・エネルギー価格の上昇、そして米経済に対する信頼の低下というわけだ。


http://jp.wsj.com/World/Europe/node_225916/?nid=NLM20110421
米国の超金融緩和策は「フーリガン行為」=ロシア首相が批判

Real Time Economics
2011年 4月 21日 10:46 JST
記事 
 ロシアのプーチン首相は20日下院で、米国の超金融緩和政策について「周りに迷惑を掛けるフーリガン行為だ」と厳しく批判した。有力格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)が米国債の格付け見通しを引き下げた直後、中国も米国の経済政策について不満を表明している。

 プーチン首相は「われわれの友邦である米国の経済状況は、貿易統計、債務、財政のどれをとってもよくなさそうだ。米国はドル紙幣を印刷し、ドル圏、すなわち世界中を米国債であふれさせている」と指摘し、「われわれはこうしたやり方はできない。フーリガン行為をする余裕はない」と述べた。

 ロシアは中国、日本に続く世界第3位の外貨準備保有国だが、米財務省の統計によると、最近数カ月間米国債の直接保有を大幅に削減しているもようだ。

 米連邦準備理事会(FRB)の最近の超金融緩和策に伴い一次産品価格が高騰し、ロシアに恩恵をもたらしている面もあるが、一方でドルの供給増加や米国の低金利のおかげで、一次産品市場はバブルとなっている。原油価格が急落に見舞われれば、ロシアの金融システムは大打撃を被る恐れがある。

 ロシアはインフレにも直面しており、国際通貨基金(IMF)によれば同国の今年のインフレ率は9.3%に達すると予想されている。プーチン首相は、昨年の深刻な干ばつの後を受けて今年の農産物が豊作となれば、インフレ率は7.5%以下に鈍化するとの見通しを示した。

 また、プーチン首相は、「経済、国家的な弱さ、外的なショックへの抵抗力のなさは必ず主権を脅かす」「今の世界では、弱者は海外から進むべき方向から政策の内容まではっきりとした助言を受ける」とし、ロシアは「自律的で強く」なくてはならないと強調した。

 中国は、S&Pによる米国債格下げについて、米国債の最大の保有国であるという難しい立場を反映して、国債保有者を保護する責任ある対策を講じるよう求めると、慎重な言い回しで米政府にクギを刺した。

記者: Ira Iosebashvili


http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_225933
米国内の中小企業向け貸し出しが改善傾向
2011年 4月 21日 11:37 JST
信用市場の機能停止から3年たった現在、これまで低迷を続けていた銀行融資の二つの形態、中小企業向け新規貸し出しと既存クレジットラインの利用が、ついに息を吹き返した。金融危機から状況が好転していることをうかがわせる新たな指標といえる。

 こうした改善は経済活動の活発化と失業者の減少を支援し、より広範な景気回復に不可欠だ。中小企業融資の目安として最も注目されている商工業貸し出しは既に昨年末から回復しており、2四半期連続でプラスの伸びとなった。
チャート 出所:米FRB・ムーディーズ・アナリティクス

商工業向け貸出残高

 しかし、貸し出しの回復はまだ初期の段階であり、過去の回復期に比べて力強さは劣る。バンク・オブ・アメリカの商業銀行部門のジョン・ダニエルズ氏は「上向いてはいるが、まだ弱い」と語る。

 ただ、いくつかの銀行は、中小企業セクターで下向きの傾向が逆転したことを示す初期の兆候を報告している。カンザスシティー連銀の分析によると、大手銀行による同セクターの貸し出しは昨年3〜12月に10.5%減少していた。

 中小企業貸し出しは通常、大手銀行にとって商工業貸し出しよりはるかに小さい。例えば、JPモルガン・チェースの場合、売上高が2000万〜5億ドル(16億5000万〜412億円)の企業への融資残高は第1四半期末時点で380億ドルだが、売り上げがこれより小さい企業に対する融資は170億ドルにとどまっている。

 しかし、銀行は中小企業向け融資を積極的に行おうとしている。クリーブランドに本拠を置くキーコープでは、米政府の中小企業局(SBA)の保証が付いた貸し出しは第1四半期に前年比11%増加しており、その他の中小企業向け融資も同様に伸びている。企業向け融資部門のトップ、マリア・コイン氏は「融資申請とその認可はやっと増加し始めた」とし、債務の整理、設備投資、商業不動産の購入などが増加の理由だと述べた。

 キーコープは4月に入って、ニューヨーク州オールバニ郊外に本拠を置き、売り上げが300万ドル以上のルーマーズ・サロン・アンド・スパへの260万ドルの貸し出しを承認した。同社はこの資金を使って1万平方フィート(900平方メートル)のビルを建設する。同社の共同オーナー、マリ・アビザ氏は「勇気とやる気さえあれば、借金をするのにとてもいい時期だ」と話した。

 資金需要は高まっているようだが、銀行が適格とみなす企業からの需要が増えているとは限らない。投資調査会社グリニッチ・アソシエイツが調査した企業のうち第1四半期に融資を申請したのは約30%で、昨年第4四半期の15%から拡大したが、承認率は69%から55%に低下した。このことは、なぜ一部の借り手が中小企業向け貸し出しのハードルが高いと感じているかを説明している。

 同時に、借り入れの需要をみる上で非常に重要なクレジットラインの利用もわずかながら増え始めている。バンク・オブ・アメリカでは、第1四半期のクレジットラインの利用率は35%となり、前四半期の32%を上回った。ウェルズ・ファーゴでも0.5ポイント増の33%に拡大した。JPモルガン・チェースの場合は1ポイント増えて35%となった。

 同行の商業銀行部門を率いるトッド・マクリン氏は「大きな変化だ」と述べた。この比率は2008年第3四半期以降、横ばいか低下が続いていた。

記者: Ruth Simon


新興国に住宅バブル懸念―先進国の融資拡大が波及 (15:33)
 オーストラリア、カナダ、中国、香港、イスラエルなど住宅価格が上昇している国がある一方、英国、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、米国など横ばいか下落している国もある。「二速経済」の世界にようこそ。


05. 2011年4月21日 21:49:22: cqRnZH2CUM
ドルの独歩安が加速中 まあ当然だな


NY市場 米雇用件数は悪化 ドル円は売りで反応
掲載日時:2011/04/21 (木) 21:41
配信日時:2011/04/21 (木) 21:31

米週間新規失業保険申請件数は予想より増加しておりドル円は81.90台から81.80台に下落しておりユーロドルは1.46台を回復している。
USD/JPY 81.84 EUR/USD 1.4600


NY市場 カナダ小売売上高受けてカナダドルは売りで反応(21:44)
NY市場 米雇用件数は悪化 ドル円は売りで反応(21:41)
カナダ経済指標【小売売上高】(21:40)
米経済指標【新規失業保険申請件数】(21:40)
NY市場 ドルスイスは最安値更新 一時0.87台に(21:36)

中国 ユーロ圏のソブリン債を買い増し始める(21:34)
NY市場 ユーロドルは1.4600を割り込む(21:30)
ロンドン市場概況 英小売売上高受けてポンドは上昇(21:12)
ロンドン市場概況 ドル一段安 ドル安けん制発言も(21:11) 
欧州株 英FT、プラス圏推移も上値限定 連休控え調整ムード(21:03)
通貨オプション ボラティリティー イースター休場前に上昇(20:39)
米ベライゾン 1-3月期 一株利益0.51ドル(市場予想:0.50ドル)(20:37) 
ロンドン市場 ドルカナダは本日安値更新 3年5ヶ月ぶりの安値水準(20:21)
トルコ中銀 政策金利を6.25%で据え置き(市場予想通り) (20:10)
ロンドン市場 ECB総裁 一連の利上げについては決めていない(20:06)
アジア株 上海株は続伸 石油株のほか、シティの見通し好感して銀行株が上昇(20:02)
ロンドン市場 ポンド円は昨日高値を一時上抜け(19:59)
米GE 1-3月期 調整後の一株利益0.33ドル(市場予想:0.28ドル)(19:44)
ロンドン市場 ECB総裁 景気は自律的と見られる回復局面にある(19:41) 
ロンドン市場 ドル円、再び本日の安値トライ(19:09)
香港ハンセン指数 採用銘柄騰落率 資源株の上げ目立つ(19:03) 
NY金 時間外取引 再び史上最高値を更新(18:41) 


06. 2011年4月21日 21:52:55: cqRnZH2CUM
吉田恒 第2の為替王化している

円売りが足踏み、反転となった裏事情 

投機筋の円の売り越しが拡大してきた。ただ、経験的には日米金利差がほとんどない中では、これ以上円売り・ドル買いが本格化、継続化するのはちょっと難しい状況になってきたようだ。

◆金利差では限界に達した円売り
CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、投機筋の円ポジションは、4月12日現在で5.2万枚に拡大してきた。円売り越しが5万枚を越えてきたのは昨年5月以来だ。ところで、その昨年5月は、売り越しが6万枚に達したところで拡大一巡、縮小に転じた。これは、一つには日米金利差がほとんどない中での円売り・ドル買い継続が限界に達したということではなかったか。
実際、円売りと日米金利差の間には一定の関係がある。簡単にいえば、金利差ドル優位が大幅に開いた状況でなければ、円売り・ドル買いの本格化、継続化は難しかったということだ。経験的には、CFTCの投機的円売り越しが5万枚を大きく超えていったこれまでのケースでは、日米政策金利差ドル優位は3%以上といった具合に大幅に開いていた。
こんなふうにみると、昨年5月に、投機的円売り越し拡大が6万枚で一巡したのは、日米政策金利差がほとんどなかった中では当然といえるだろう。さて、その日米金利差は最近でもほとんどない。そういった中では、投機筋の円売り・ドル買い拡大もちょっと微妙な段階に入っているのではないか。

◆円高60円不変のSチャート
日米中央銀行の資金供給量の差とドル円の関係に注目した「ソロスチャート(Sチャート)」によると、この間ドル安・円高となったのは、大幅なドル余りになっていたからだが、それはまだ最近でも大きな変化はないようだ。
日米中央銀行の資金供給量の差からすると、60円程度までドル安・円高になる可能性があることがこのグラフからわかるが、それは3月の東日本大震災などを受け、日銀が一段と資金供給拡大に動いている中でも、一方のFRB(米連邦準備制度理事会)がQE(量的緩和)を続けている中では大きく変わっていないようだ。
相場は実態経済の変化を先取りして動く場合があるが、一方で実態経済に大きな変化がない中では、その「先取り」が何度か失敗を繰り返すのも当然だろう。それが「二番底」、「三番底」といった動きになるだろうし、場合によってはまだ大底を打っていなかったということも、理屈としては十分ありうるものだ。
こんな理解があれば、相場の予想が当たった時は当然だが、外れた時でも意外に納得感があり、ネクスト・チャンスにチャレンジしようといった気持になれるのではないか。(了)

【参考リンク】
*注1.円のポジション
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=R&mht3=1&CODE=JPN#osatab


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2011-04-21(09:54) :
為替レポート :

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著者なりの相場観を綴ったもので、実際の投資および取引に関する最終決定は、お客様ご自身の判断において行われるようお願い致します。
3年連続の4月ドル天井なのか?!
概&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

4月にかけて順調にドル高・円安が進んだ。しかし、4月初めにドル高が一巡すると、結局それはその年のドル天井だったのである(終値ベース)――。これは、今年について予言したのではなく、過去2年連続でそうだったと述べたに過ぎない。それでも、3年連続となる可能性はあるのだろうか。

◆ドル高値更新も意外にてこずる?
昨年、2010年のドル高値は4月2日だった。そして一昨年、2009年のドル高値は4月6日だった。このように、過去2年連続で4月初めにドル高からドル安への潮目の変化が起こっていた。そして過去2年の場合は、それが結局年内最後のドル高で、ドルは年間の天井を打った形となったのである。
さて、今年もこれまでのところのドル高値は、4月6日の85.5円だ。過去2年と同様に、後から振り返った時、あれが年内最後のドル高で、ドルはすでに年間の天井を打ったということになる可能性はあるのだろうか。
一つの鍵は、2007年6月から展開してきたドル安・円高基調がまだ続いているのかということだろう。過去2年連続で起こった4月からのドル安再燃は、ドル安・円高基調の中で起こったものだった。中長期のトレンドが、すでにドル高・円安へ変わり始めているなら、これが年内最後のドル高だったという可能性は低くなるだろう。
それにしても、4月初めは絶対的な相場観が裏切られやすい。今年の場合も、ドルブル、円ベアの相場観が戻り、ドル高値を更新するまで、意外にてこずる可能性は、ちょっと頭に入れておく必要があるかもしれない。

◆4月末のドルは83円を越えられない?
ところで、そんな4月のドル円が3月と同じ方向に動いたのは過去10年間で2回、逆方向に動いたのが8回だった。これは、10年間でドル円が7回逆方向に動いた1−2月を上回っている。つまり、3月と4月はドル円が一年で最も逆方向に動きやすい傾向があるわけだ。
さて今年の3月は一時76円台まで円高・ドル安となったが、その後協調介入などをきっかけにドル急反騰となったことから、結局ドルは対円で陽線引け(ドル高・円安)となった。経験則からすると、4月はドルの陰線引け(ドル安・円高)になる確率が8割といった具合に非常に高いということになるわけだ。
ところで、4月のドル寄り付きは83.15円だった。このため、ドルが4月に陰線引けになるということは、月末終値が83.15円よりドル安・円高になるということだ。4月初めにかけてのドル急騰は一息つき、最近はドル調整安の動きになっているが、あくまで調整に過ぎずドル安は限られるとの見方が一般的なようだが、月末83円割れといった見通しは、どんな受け止め方になるか微妙だ。(了)

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2011-04-18(09:53) :
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著者なりの相場観を綴ったもので、実際の投資および取引に関する最終決定は、お客様ご自身の判断において行われるようお願い致します。
ドルの「二番底」シナリオ
概&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

対円でドル反落となってきた。かりに、あの3月17日に記録した76円台がドルの歴史的安値、「一番底」だったとしても、同じく「歴史的安値」を記録した1995年4月79円台から「二番底」を試す動きになった例などを参考にすると、今回の「二番底」も深押しになる可能性は一応要注意だろう。

◆歴史的安値のアナロジーを参考にすると
1995年4月19日に79.75円でドルが歴史的安値を記録した後は急反発が広がった。ドルはその後5月22日の87.78円まで上昇したのである。23営業日で最大上昇率は10.1%に達した。ただ、ここで反発が一巡すると、その後の5営業日でドルは7%弱の反落となった。結局、これが「二番底」だったわけだが、5月22日の高値を更新するまでは37営業日、2カ月弱も要したのである。
さて、今回3月17日の76.25円からドルは上昇が続いたが、これまでのところ4月6日85.53円がドルの戻り高値だ。14営業日でドル最大上昇率は12.2%に達した。こんなふうに、1カ月前後といった短期間に1割程度もの大幅反発となるのは、1995年とともにドル「歴史的安値」を記録した後の共通点かもしれない。
このように、歴史的な安値を記録した後の値動きがある程度似ると仮定すると、ドルは今後1週間程度といった短期間に結構な反落に向かうことになる。1995年の「二番底」へ向けた反落と同じように7%のドル反落になるなら80円前後までドルは反落する計算になる。その上で、4月6日に記録した高値85.5円を更新するのは5月末−6月初め以降といった見通しになる。

◆誤解だらけの「レパトリ」
 ところで、そんなドル「二番底」に向かわせるきっかけの一つは「レパトリ」ではないか。
財務省統計によると、76円台まで円高・ドル安が進んだ3月13日週の対外証券投資は資本流出超過だった。つまり「レパトリ」で、国内への資本還流が拡大した結果の資本流入超過ではなかったわけだ。そんな資本流出超過は、3月20日週も続いた。
ところが、3月27日週は一転して1兆円を超える大幅な資本流入超過となった。この主因は、対外中長期債投資の売却が4兆円超といった具合に、2009年9月以来、約1年半ぶりの大幅に拡大したことだ。その意味では、保有外債を売却し、国内へ資金を引き揚げる、まさに「レパトリ」が起こっていた可能性があるだろう。
3月中旬に、「レパトリ」は実際には起こっていなかったようだが、一方で、3月末には、統計で見る限り「レパトリ」は起こっていた。この間の大きな変化の一つは円相場だ。80円を割れる一段のドル安・円高となる中で「レパトリ」は起こらず、一方85円へ向かう一段のドル高・円安が広がる中では「レパトリ」が起こっていたということだ。
かりに、3月末から4月初めにかけて「レパトリ」による円買いが発生していたとして、それを投機の円売りが吸収していたとするなら、今後はその反動がどこかのタイミングで入る可能性も注目されるのではないか。(了)

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2011-04-14(09:35) :
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トリシェ・コードとユーロ上がり過ぎ
概&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

7日のトリシェECB(欧州中銀)総裁の記者会見を受けて、金融市場では、ECB再利上げが5月はないものの、6−7月にはありうるとの見方になったようだ。

◆3つの「暗号」使い分けるECB総裁
これは、ECBウォッチャーたちの間で意識されている「暗号」からの判断。トリシェ総裁は、3種類の「暗号」を意識的に使い分けているとウォッチャーたちは考えている。具体的には、「strong vigilance」、「monitor very closely」、「monitor closely」。このうち今回トリシェ総裁が使ったのは「monitor very closely」で、これは経験的には再来月以降の利上げの可能性を示唆してきたものだからだ。
トリシェ総裁は、よほどのことがない限り来月利上げすると考えている場合は、「strong vigilance」を使う。3月の記者会見はまさにこの表現を使い、そしてこの4月利上げとなったわけだ。一方、まだ利上げを決めていない場合は「monitor closely」を使うのがこれまでの基本だった。今回もこの表現が使われたら、次の利上げはまだ決まっておらず、近くないかもしれないと受け止められたはずだ。
ところが、今回使った「暗号」は、「monitor very closely」というもの。この結果、よほどのことがない限り、来月、5月利上げは決まっていないが、かと言って当面の利上げがまったくないということではないということを示唆したとの受け止め方になっている。早ければ、5月の記者会見で、「strong vigilance」と語り、6月にも再利上げがありうるとの見方になっているようだ。

◆ユーロの上がり過ぎ、買われ過ぎ
それにしても、円全面安となる中で、さすがにクロス円の一部には短期的に上がり過ぎ(円下がり過ぎ)懸念が強まってきた。とくにユーロ円は、経験的に上がり過ぎ警戒域に近付いて来たようだ。
ユーロ円は、90日移動平均線からのかい離率でみると、経験的に±10%以内で推移するのが基本だ。1999年の欧州統一通貨、ユーロ誕生以降でも、同かい離率が±10%以上に拡大したのはきわめて少なかった。
そんな90日線からのかい離率が、先週はプラス8%を超えてきた。90日線は、8日現在で112.5円程度だから、かい離率プラス10%は123−124円程度といった計算になる。短期的には、かなり上がり過ぎ警戒域に近付いて来た可能性がありそうだ。
その他のクロス円でも、豪ドル円、NZドル円などの90日線からのかい離率がプラス7%前後に拡大してきた。こちらも上がり過ぎ気味になってきたといえるだろう。
このように、クロス円の中でも短期的な上がり過ぎ警戒度が最も高くなってきたユーロ円だが、ユーロドルでみると、90日線からのかい離率はプラス5%程度だ。ただし、そもそもユーロドルの同かい離率はこれまで一度もプラス10%を超えたことがなかった。その意味では、対ドルで見ても、ユーロは上がり過ぎ気味になっているとはいえるだろう。
そんなユーロは、CFTC(米商品先物取引委員会)統計で見ると、買い越しが先週までに5万枚以上に拡大し、買われ過ぎ気味にもなってきた。今夜のECB(欧州中銀)利上げをにらみながら、ユーロ急上昇が続いているが、行き過ぎ懸念もちらつき始めてはいる。(了)

【参考リンク】
*注1.ユーロのポジション
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=R&mht3=1&CODE=EUR#osatab

20110411.gif

2011-04-11(09:24) :
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著者なりの相場観を綴ったもので、実際の投資および取引に関する最終決定は、お客様ご自身の判断において行われるようお願い致します。
これが円安の基本シナリオだ
概&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

日本の貿易収支が急悪化するとの見方が強まってきた。早ければ7−9月期にも赤字に転落、その後も中期的に貿易赤字が拡大するとの見方もある。円の安全資産神話の大前提である貿易黒字国通貨といった評価が大きく変わる可能性が出てきた。

◆貿易赤字通貨になる円
1995年に阪神大震災が発生した後は貿易赤字が急減に向かった。1年程度で、阪神大震災前までは1兆円を越えていた当時の貿易黒字は半減したのである。これは、輸入が急増したことが主因だった。このため、今回の東日本大震災を受け、今後は輸入の急増が予想される。一方で、輸出製品の生産ラインへの打撃が大きかったことから、輸出の伸び悩みは今回の方がより顕著になると見られている。
そもそも貿易黒字は、2月が6千億円で、1兆円を越えていた阪神大震災前に比べて半分程度にとどまっている。その上で、これまで見てきたように輸入急増は変わらず、輸出の伸び悩みがより深刻になるとすれば、貿易黒字から赤字へ転落に向かうとの見方が強い。早ければ、7−9月にも貿易収支が赤字化するとの見方もある。
これは為替相場への影響も大きなものとなりそうだ。そもそも円は貿易黒字国通貨として評価されてきた。デフレが長期化し、世界一の低金利通貨、財政赤字大国であるにもかかわらず、リスク回避局面では安全資産として円が選好されるのは、民間貯蓄超過、貿易黒字が大前提となっていた。その大前提が変わるとなると、円安が進みやすくなる可能性が高いだろう。

◆2012−2014年にかけて95−140円
1988年以降で円安・ドル高基調は4回あった。その継続期間は、1年5カ月−3年4カ月で平均2年4カ月だった。その中でのドル上昇率は、22−83%、平均42%だった。こういったことからわかるのは、円安基調は最短でも1年5カ月、平均は2年4カ月続き、その中でドルは最低でも22%、平均42%上昇するということだ。
さて、これを3月76円台から円安基調が始まっているとして当てはめてみると、今回の円安は最短でも2012年8月にかけて93円程度まで続く見通しになる。平均的な円安シナリオが展開するなら、2013年7月にかけて108円まで円安が続くといった見通しになる。
ちなみに今回調べた中で「最大の円安」は、1995年4月から1998年8月にかけて80円から147円まで円安となったものだ。この円安基調は3年4カ月続き、その中でドルは何と8割もの上昇となった。初めて100円を突破した円高、「超円高」が起こった後の反動局面だった。
さて、今回はその時の円高・ドル安記録を更新、「超円高」再現となった。「超円高」の反動だけに、円安も3年4カ月、ドルは8割も上がるなら、2014年7月にかけて140円近くまで円安・ドル高が続くといった計算になる。
ところで、ドルは1980年代半ば以降、日米の生産者物価で計算した購買力平価が基本的に上限となってきた。それは現在105円程度。その意味では、今回の円安・ドル高基調も、目一杯展開しても110円を大きくドルが上回ることは考えにくいということになるが、果たしてどうか?(了)

【参考リンク】
*注1.ドル円の購買力平価からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=5&CODE=USDJPY#osatab

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2011-04-07(09:20) :
為替レポート :


07. 2011年4月22日 00:08:51: cqRnZH2CUM
http://diamond.jp/articles/-/11949 【第14回】 2011年4月21日
スティグリッツ教授の真説・グローバル経済奇跡を遂げたモーリシャスの三つの注目点

天然資源が乏しい国だからこそ、人的資源が唯一の財産と認識し、国民皆教育を実現。社会的団結と民主化を進めていった。

(Joseph E. Stiglitz)2001年ノーベル経済学賞受賞。1943年米国インディアナ州生まれ。イェール大学教授、スタンフォード大学教授、クリントン元大統領の経済諮問委員会委員長、世界銀行上級副総裁兼チーフエコノミスト等を歴任。現在はコロンビア大学教授。

 すべての国民に大学までの教育を無料で提供するとともに、学童には交通手段を提供し、さらにすべての国民に心臓手術を含む医療を無料で提供してい る小国の話を耳にしたら、皆さんは、その国はケタはずれにカネ持ちか財政危機に突き進んでいるかのどちらかだろうと思われるかもしれない。
 なにしろ、ヨーロッパの豊かな国々が大学教育の費用を賄えないことに気づいて、若者とその家族に費用負担を求めるようになっているのである。アメ リカはというと、この国はすべての国民に無料で大学教育を提供しようとしたことなど一度もないし、自国の貧しい人びとの医療へのアクセスを保障するために さえ厳しい戦いを経なければならなかった。しかも、その保障すら、共和党はアメリカにはその余裕はないと主張して、廃止を目指して現在、熱心に活動してい る。
 だが、アフリカ東岸沖の小さな島国、モーリシャスは、格別、豊かでもなければ財政破綻に向かっているわけでもない。にもかかわらず、過去数十年の あいだに多様性のある経済と民主的な政治システム、それに強力な社会的セーフティネットを見事に築いてきたのである。多くの国がこの国の経験から学ぶこと ができるはずだ。とりわけアメリカはそうだ。
 先頃人口1300万人のこの熱帯の列島を訪れたとき、モーリシャスが成し遂げた飛躍的進歩のいくつかを目にする機会があった。これらの成果のなか には、アメリカなどで行われている論争を考えると当惑するようなものがある。たとえば持ち家率。アメリカの保守派は、政府が持ち家率を70%に引き上げよ うとしたことが金融崩壊の一因になったと主張しているが、モーリシャスの持ち家率は87%で、しかもそれによって住宅バブルがあおられてはいない。
次のページ>>石油などの資源がないにもかかわらず年率5%以上の成長
石油などの資源がないにもかかわらず年率5%以上の成長
 ここで容赦ない数字が登場する。モーリシャスのGDPはほぼ30年にわたり年率5%以上のペースで成長してきたのである。きっとこれが「秘訣」に 違いない。モーリシャスはダイヤモンドか石油、もしくは他の貴重な資源に恵まれているに違いないと思われるかもしれない。いや、モーリシャスには利用可能 な天然資源はなにもないのだ。実際、1968年のイギリスからの独立が近づいていた頃、この国の見通しはきわめて暗かった。後にノーベル経済学賞を受賞す る経済学者のジェイムズ・ミードは61年にこう記した。「この国が現在の生活水準を大きく低下させることなく、国民のために生産的雇用を見つけられれば、 それは偉大な成果になるだろう……。平和的発展の見通しは小さい」。
 ミードが間違っていたことを実証するかのように、モーリシャスの人びとは人口1人当たり所得を、独立当時の400ドル足らずから今日では6700 ドルに増大させている。モーリシャスは50年前のサトウキビ主体のモノカルチャーから、観光、金融、繊維、さらには現在の計画が成功すれば先進技術まで含 む多角化した経済へと前進してきたのである。
 訪問中の私の関心は、一部で「モーリシャスの奇跡」と呼ばれてきたもの、そして他国がそこから学べるかもしれないものを実現した要因をより深く理 解することにあった。実際、そこには多くの教訓があり、そのうちのいくつかは、アメリカなどの政治家が予算をめぐって論戦するに当たり心にとめておくべき ことだ。
 第1に、問うべきことは、すべての国民に医療や教育を提供したり、持ち家率を引き上げたりする余裕があるかどうかではない。モーリシャスにこれら のことを行う余裕があるのなら、ケタ違いに豊かなアメリカやヨーロッパにもその余裕はあるはずだ。問うべきことは、むしろ社会をどのように組織すればよい かということだ。モーリシャスは、より高レベルの社会的団結と福祉と経済成長、それにより低レベルの不平等につながる道を選んできた。
 第2に、他の多くの小国とは異なり、モーリシャスはほとんどの軍事支出はムダな出費だと判断している。アメリカはそこまで行く必要はないが、存在 しない敵になんの効果もない兵器に使っているおカネをほんの一部回すだけで、医療や教育を受ける金銭的余裕がない人びとにそれらを提供することができる。 もっと思いやりのある社会を築く方向に大きく前進するだろう。
次のページ>>いまなお残る植民地時代の遺物と不平等
 第3に、モーリシャスは、天然資源の乏しい国では人が唯一の財産であることを理解していた。人的資源についてのこうした認識も、モーリシャスが、 この国をイギリスの植民地にとどまらせるために一部の人が利用しようとした自国の潜在的な宗教的・民族的・政治的差異を考えると特に、国民皆教育が社会的 団結のために不可欠であることを認識する助けになったのだろう。民主的諸制度への強いコミットメントや労働者・政府・使用者間の協力──今日のアメリカで 保守派が生み出しているような対立や分裂とは正反対のもの──も、やはりそこから生まれている。
いまなお残る植民地時代の遺物と不平等
 モーリシャスに問題がないと言っているのではない。成功している他の多くの新興国と同じく、モーリシャスも輸出競争力の低下に直面している。しか も、アメリカの量的緩和によるドル安誘導に対抗して為替介入を実施する国が増えるなかで、問題はますます悪化している。モーリシャスもほぼ間違いなく介入 を実施せざるをえなくなるだろう。
 そのうえ、他の多くの国と同様、モーリシャスは今日、輸入に頼っている食糧やエネルギーの価格高騰に頭を悩ませている。金利の引き上げによってこ れに対応したのでは、価格高騰による苦難を、高い失業率と輸出競争力のさらなる低下で悪化させるだけだろう。直接介入、短期資本流入規制、キャピタルゲイ ン課税、銀行を安定化させるプルーデンシャル規制などの措置をすべて検討する必要があるだろう。
 モーリシャスの奇跡は独立から始まった。だが、この国は植民地時代の遺物にいまなお苦しんでいる。土地所有や富の不平等も残っているし、危険なグ ローバル政治にも翻弄されている。アメリカはモーリシャスの島の一つ、ディエゴガルシア島をなんの補償も払わずに海軍基地として使っているのである。公式 にはイギリスから租借しているのだが、そのイギリスはディエゴガルシア島を含むチャゴス諸島を国連憲章や国際法に違反して領有したばかりか、住民たちを強 制退去させ、彼らの帰還を認めるのを拒否している。
 アメリカはこの平和で民主的な国を今すぐ正しく遇するべきだ。ディエゴガルシア島に対するモーリシャスの正当な領有権を認め、租借についてあらためて交渉し、何十年も違法に使ってきた土地に対して公正な額の補償を支払うことによって、過去の罪を償うべきであろう。
(翻訳・藤井清美)
I dissent: The Mauritius Miracle by Joseph E.Stiglitz:Project Syndicate,2010


08. 2011年4月22日 13:06:55: cqRnZH2CUM
【第595回】 2011年4月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
週刊ダイヤモンド編集部

財政再建めぐる党派対立が主因
定説破る米国債見通し引き下げ
4月13日、オバマ大統領は1月の予算教書より財政赤字削減幅を増やした財政再建案を発表したものの、共和党案との溝は埋めがたい
Photo:AFP/JIJI

 米国の格付け会社が米国債の格付け見直しをするはずがない──という“定説” が破られた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4月18日、財政悪化とその改善に向けた政治合意が得られそうにないことを理由に、現在AAAの米国債の格付け見通しを安定的からネガティブ(弱含み)にすると発表した。同社の米国債の見通し引き下げは初めてである。

 米国の財政は急速に悪化している。2011年度(10年10月〜11年9月)の赤字幅は1兆6450億ドルと3年連続で1兆ドルを超え、対GDP比は10%を超える。これはAAAである他国の水準、ドイツ0.3%、フランス3.5%、英国5.1%と比べて明らかに悪い。政府純債務の対GDP比も07年度の37%から11年度には74%にまで倍増する見込みだ。

 米国にとって財政赤字削減は待ったなしのはずである。しかし、オバマ政権・民主党と共和党の対立が続き、赤字削減に向けた展望は開けていない。

 債務上限枠の引き上げについて、共和党の反対で成立のメドは立っていない。夏までに成立しないと、国債が発行できず政府の資金繰りが行き詰まる恐れがある。

 オバマ大統領は13日に23年度までの財政再建計画案を発表した。1月の11年度予算教書発表時に21年度までで1兆ドルとしていた赤字削減幅を4兆ドルに引き上げた。削減の中身は富裕層向け所得税などの増税で1兆ドル、国防費、医療費などの歳出削減で3兆ドル。

 これに対して、共和党は5兆8000億ドルの歳出削減と個人・法人向けの1兆ドル強の減税などを打ち出した。4兆4000億jに上る歳出削減幅の差、増税と減税という正反対の施策。両者の隔たりのあまりの大きさに、S&Pも“定説” を破らざるをえなかったのだろう。

 S&Pは13年までに財政再建に向けた道筋が示されない可能性が高いと見ており、財政赤字削減の合意が得られない、または財政状態がさらに悪化した場合には格付けを引き下げる可能性があるとしている。現在の両党の削減案の隔たりの大きさを考えれば、格下げされる確率は決して低くないだろう。

 もっとも、見通し引き下げが財政再建への取り組みを進展させると見た市場は、今のところ落ち着いている。発表当日の18日、19日と2日連続で長期金利の指標である米国の10年国債利回りは低下(価格は上昇)した。

 しかし、財政赤字削減に向けた協議が進展せず格下げを招くような事態となれば、国債の信認低下から債券利回りは上昇し、ドルが売られるだろう。長期金利上昇による景気悪化懸念から株価も下落するトリプル安となる公算は小さくない。オバマ政権、共和党双方に、自らの施策にこだわり続けている余裕などないはずである。

(「週刊ダイヤモンド」副編集長 竹田孝洋)


09. 2011年4月22日 18:05:37: cqRnZH2CUM
ドル指数が最低水準接近、「最弱レース」で円に猛追
2011年 04月 22日 13:16 JST 
トップニュース
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 [東京 22日 ロイター] ドル指数が最低水準を視野に入れてきた。利上げモードが続く欧州に対し、米国は財政悪化などで金融緩和が思ったよりも長引きそうだとみられ始めてきたためだ。通貨の「最弱レース」において、同じく金融緩和継続が予想されている円にドルが猛追しているという。

 休場の海外市場が多く薄商いであり、日本の輸出株も下げ渋っているが、為替の振れが大きくなる可能性もあるとして警戒されている。 

  <米金融緩和の継続観測強まる> 

 主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数は海外市場で一時73.735まで下落し、2008年8月以来の低水準となった。アナリストからは08年3月につけた過去最低の70.698が視野に入ったとの声も出てきた。  

 その背景は米国の金融緩和が予想よりも長引きそうだとの見方が強まってきたためだ。財政赤字拡大による連邦債務上限の引き上げにスポットが当たるなか、一部の投資家は、ホワイトハウスと議会が大幅な歳出削減や増税を伴う財政赤字削減で合意すれば、ぜい弱な米景気回復に悪影響が及ぶと懸念し始めている。「そうなれば米連邦準備理事会(FRB)は、低金利維持を余儀なくされる。バーナンキ議長はじめトップ3はみなハト派であり、緩和維持は難しくないだろう」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏)という。

 米量的緩和第2弾(QE2)は6月で終了するにしても、その後、MBSなどをロールさせるなどして、膨らませたバランスシート(B/S)を維持する可能性があるとみられている。

 一方、欧州は利上げモードが続いている。債務問題では欧州も米国同様に不安定だが、20日に実施されたスペイン国債入札が底堅い結果となったことで不安がいったん後退した。ギリシャ、ポルトガル、アイルランドの3国のCDSスプレッドは依然ワイドだが、スペインは比較的落ち着いており、米国の財政問題や金融緩和に市場の視線が集まりやすくなっている。

 世界最大の債券運用会社、米パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のエルエリアン共同最高投資責任者(CIO)は「世界の他の地域で問題がない限り、米国の現在の財政・金融スタンスは今後も、ドルへの圧力となり続ける」と述べている。  

 もちろん、欧州や多額のドルの外貨準備を抱える中国からもドル安への懸念が表明されている。しかし、貿易赤字問題を背景に、米国内では議会を中心にドル安を問題視する空気はなく、米連邦準備理事会(FRB)もドル安の背景である緩和政策について、対外配慮による修正はしにくいという。住友信託銀行マーケット・ストラテジストの瀬良礼子氏は「米貿易赤字問題の本質は対中赤字。いくらドル安にしても、人民元の切り上げがなければ対中赤字問題は解決しない。しかし、米国はドル安で対処しようとしている」と指摘する。 

 22日午前のドル/円は81円後半でのもみあい。海外市場でつけた3週間ぶり安値(81.61円)を意識しながらレンジの下値でもみあった。幅広いドル売り地合いは続いているが、きょうはグッド・フライデーにあたり、アジア勢を含めた海外勢の参加が乏しいことから値動きは限られた。 

  <海外勢は休日で薄商い> 

 市場では、震災による国内経済への影響に配慮して日銀は金融緩和を継続する可能性が大きいとみられている。これまでは金融引き締めの距離感の違いから、欧米に対し日本は大きく出遅れていたが、ここにきて米金融緩和継続の思惑から「ドルが円を猛追してきた」(前出の東海東京調査センターの柴田氏)という。現在の円高進行はこれまでの円売りポジションの調整によるドル安・円高という面が大きいとみられているが、きょうは海外市場がグッド・フライデーなどで休場であり、薄商いのなかでの振れが警戒されている。  

 午前の日経平均は反落。円高警戒で輸出株がさえないが、薄商いで海外勢の売りも乏しく下げ渋った。午前の東証1部売買代金は4109億円と今年最低水準のペースだ。「海外勢が休場で商いが薄く、売りもそれほど出ていないため下げ渋っている。決算発表の反応も反対売買の1日だけで続かない。円高というよりもドル安だが、薄商いであり、振れへの警戒感はある」(SMBCフレンド証券・シニアストラテジストの松野利彦氏)という。

 みずほ証券シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏は「海外勢の休暇入りに加え、週末でもあり積極的に買い上がる投資家は少ない。直近2日間の上昇が薄商いの中のショートカバー中心であり、実体を伴っていなかっただけに利益確定売りが出ても不思議ではないだろう。インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)、アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の決算で米国市場もいったん好材料出尽くしとなる。目先は様子見気分の強い相場展開となりそうだ」と述べている。 

  <円債市場では、期初・ゴールデンウィーク前の買いニーズ> 

 一方、円債市場ではすでにゴールデンウィークを見据えた動きが出ている。休み前の買いニーズなどから需給は良好で、前日の米債市場が買われた流れもあって、午前の国債先物は続伸。円高/株安も追い風となり、短期筋のショートカバーが入った。

 現物債も強含みで、ゴールデンウィーク前に、債券を積んでキャリーを取ろうとする動きが強まり、長期金利は1.210%と3月25日以来約1カ月ぶりの低水準となった。市場では「現物債は25日が月内受け渡しの最終売買日となるが、4月は慎重ムードからスタートしたので、予算を消化していないという声もある。計画対比で遅れている可能性があり、そうした買いが相場を支えているのではないか」(国内証券)との声が出ていた。もっとも、1.2%近辺の水準には警戒感も強く、地域金融機関の益出し売りも入っている。

 5年債利回りも前日比1ベーシスポイント低い0.485%と3週間ぶりの低水準となった。「5年はあまりキャリーを取れないが、10年は買いづらいという向きもある。キャッシュに置いておくよりはいいという判断もあるのではないか」(パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部長、松川忠氏)との声が聞かれた。イールドカーブはフラットニング。

 円債市場をめぐっては、期初・ゴールデンウィーク前の買いニーズに加え、5月12日の10年物国債入札まで長期・超長期ゾーンの供給がないことから(流動性供給入札除く)、需給が引き締まりやすい状況にある。市場では先行きについて「売りが少ない中で、じわじわと金利低下が進んでいる。しばらくこの流れが続くのではないか」(国内証券)との見方が多い。 

 (ロイターニュース 伊賀大記;編集 宮崎亜巳)

ドルに幅広い売り、ドル指数は過去最低水準が視野に=NY市場
2011年 04月 22日 07:14 JST 

 [ニューヨーク 21日 ロイター] 21日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが3日連続で主要通貨に対し幅広く下落した。米国の超低金利と大規模な財政赤字が背景となっており、ドル指数は過去最低水準に迫った。

 主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数.DXYは一時73.735まで下落し、2008年8月以来の低水準となった。アナリストからは08年3月につけた過去最低の70.698が視野に入ったとの声が聞かれた。

 ユーロ/ドルEUR=は1.46ドルを上回り16カ月ぶりの高値をつけた。その後は1.4550ドル付近で推移した。

 ドル/円JPY=は0.7%安の81.89円。

 豪ドル/米ドルAUD=D4は1.07米ドルを上抜け、変動相場制移行後の最高値をつけた。

 スタンダード&プアーズ(S&P)が米国の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げて以来ドルは軟調に推移している。

 GFTフォレックスの調査部長、ボリス・シュロスバーグ氏は「緩和的な金融政策と財政問題で、市場では強い警戒感が広がっている」とし「こうしたムードが、ドル相場に反映されている」との見方を示した。

 世界最大の債券運用会社、米パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のエルエリアン共同最高投資責任者(CIO)は「世界の他の地域で問題がない限り、米国の現在の財政・金融スタンスは今後も、ドルへの圧力となり続ける」としている。

 一部の投資家は、ホワイトハウスと議会が大幅な歳出削減や増税を伴う財政赤字削減で合意すれば、ぜい弱な米景気回復に悪影響が及ぶ、と懸念している。そうなれば、他国の中央銀行が利上げするなかで、米連邦準備理事会(FRB)は、低金利維持を余儀なくされることになる。

 メロン・キャピタル・マネジメントで運用に関わるジョナサン・ショーン氏は「FRBが政策金利を引き上げるはっきりとした兆しはない。これがドル相場の下落につながっている」との見方を示している。

 この日発表された16日までの週の新規失業保険週間申請件数と、米フィラデルフィア地区連銀の4月製造業業況指数も、米景気回復の足取りの鈍さや、FRBが直面している難題をあらためて示す内容だった。

 欧州中央銀行(ECB)は今月、2008年以来の利上げに踏み切っており、追加利上げも予想されている。また、中国をはじめとする新興国はインフレ抑制を自国通貨上昇に頼るようになってきており、これら新興国の通貨は今後、上昇が加速する可能性がある、とみられている。

 アナリストは、ユーロ相場は今の勢いが続けば、1ユーロ=1.50ドルに向けて上昇する、と指摘している。ギリシャ債務再編への警戒感は根強いものの、中国がスペインに投資するとの観測を背景に、ユーロ圏債務問題をめぐる懸念は、今のところは落ち着いてきているようだ。

 ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのストラテジスト、ウィン・シン氏は、ロイター・インサイダーに対して「米政府が積極的にドル安を志向しているとは思わないが、米国は(ドル安に)不満でもない。ドル安が、輸出や経済成長を支援することは事実だ。資産市場が耐えられる限りは、米政府は(ドル安を)問題視しないだろう」との見方を示した。

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