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日本企業の生産能力縮小は、米企業にとって恩恵 さまざまな製品で価格高騰が見込まれる
2011年4月19日 火曜日
Bloomberg Businessweek
経営 サプライチェーン 東京電力福島第一原子力発電所 輸出 生産能力 東日本大震災 スミスフィールド・フーズ 特需 放射能汚染 タイソン・フーズ
Jeff Green, Shruti Date Singh and Ian King(Bloomberg News記者)
米国時間2011年4月7日更新「 U.S. Companies Rush to Fill Japan's Supply Gap 」
3月11日に日本を襲った東日本大震災の影響で、カーナビ向けチップで世界最大手のルネサスエレクトロニクスの生産能力が激減した。同社と競合関係にあるマイクロチップ・テクノロジー(MCHP、アリゾナ州チャンドラー)のスティーブ・サンギCEO(最高経営責任者)は、この事態を受けて、ある手紙を顧客に送った。その手紙でサンギ氏は、ルネサスによる不足分を埋めるためにチップを増産すると約束した。
同氏はまた、マイクロコントローラーを確保しようとしている企業に対して、こう助言した。「今買っておいた方がいい。さもないと、後でもっと多く支払わねばならなくなる」。そして在庫切れについても警告した。少なくとも12週間分のチップ――平時に求められる在庫の業界水準をはるかに上回っている――を前もって確保しておくようにと顧客に勧めた。サンギ氏は「当社に在庫の注文をする企業は、まず供給を確保すべきだ」とも助言している。
多くの日本企業の生産能力が低下している現在、米企業はあらゆる製品――エビの養殖に使う魚粉から、固形石鹸や紙の製造に必要な水酸化ナトリウムまで――の高まる需要に応えようとフル回転している。エコノミック・ストラテジー・インスティチュートのクライド・プレストウィッツ・ジュニア社長は「世界的なサプライチェーンの危機を知らせ、企業を目覚めさせるモーニングコールのようなものだ。『もしもし、深刻な途絶状況が起こっています。コスト負担が大きくなるでしょう』といった感じだ。米国に拠点を維持していた企業にとっては都合がいいだろう」と語る。
米国から日本への輸出が増える
重機を扱う米キャタピラー(CAT)などにとって、日本の再興はビジネスチャンスである。加えて、日本企業の生産力が失われたことで、様々な業界のサプライヤーに大きなチャンスが生まれている。米商務省によれば、2010年に日本企業が米国に売った製品は1203億ドル相当だった。
日本政府が3月26日に「東京を含む6都県で検査した農産物のうち、牛乳や野菜を含む99品目が、東京電力福島第一原子力発電所から出た放射能に汚染されていることが分かった」と発表して以来、米国から日本への食料輸出が増している。例えば、日本で起こっている商品不足によって、水産加工会社ホールマーク・フィッシャリーズ(オレゴン州チャールストン)の商品価格が上昇している。銀鱈の加工品は現在1ポンド(約454グラム)当たり約9.30ドルで、2010年12月より1ドル値上がりしている。生産担当マネジャーのスコット・アダムズ氏は、「他国の不幸に乗じて稼ごうとしているわけではないが、魚好きの日本人は安全な海域で獲られた魚を求めている」と語った。
米国最大の食肉加工会社タイソン・フーズ(TSN)のジム・ロホナーCOO(最高業務責任者)は3月30日、「震災後、日本からの需要が急増している。日本からの注文にもっと素早く応じてほしいと要求されている」と明かした。また、世界最大の豚肉加工会社スミスフィールド・フーズ(SFD)でも、日本からの豚肉の需要が増加している。同社最高財務責任者(CFO)のボー・マンリー氏は、「日本では店頭に食肉が本当にわずかしかないことを示している」と言う。
日本の原発事故はまた、北米の液化天然ガスの輸出も増加させるかもしれない。各国の政府が自国のエネルギー政策を再考するからだ。米エネルギー企業アパッチ(APA)のスティーブン・ファリス会長兼CEOは3月28日、投資家に対して「現在の不幸な状況を前提とすると、市場におけるガスへの関心はおそらく3カ月前よりも高まるだろう」との見方を示した。
コンサルティング会社ケミカル・マーケット・アソシエイツ(テキサス州ヒューストン)のマーク・エラモ取締役副社長は、ペットボトルに使用するパラキシレンや水酸化ナトリウムの日本の生産拠点は、生産能力が4分の1まで縮小している。これは、ダウケミカル(DOW)やオクシデンタル・ペトロリウム(OXY)といった米化学大手にとってチャンスとなる可能性があると見ている。
また、アレンビック・グローバル・アドバイザーズ(ニューヨーク)のアナリスト、ハッサン・アーメド氏はこう語る。「日本に拠点を置いていない大手製造業であれば、価格高騰の恩恵を受けるだろう」。
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