01. 2011年4月15日 23:41:07: cqRnZH2CUM
グロソブがユーロ比率引き上げ方針、米国は買い場待ち=国際投信 2011年 04月 15日 19:07 JST 米フォード、中国市場で2015年までに新車15種を投入 来週の株式市場、日企業業績や原発事故の対応など注視 東電への融資、要請あれば真摯に検討=第一生命 福島原発事故の賠償負担、話あれば適切に判断=電事連会長 [東京 15日 ロイター] 国際投信投資顧問の債券運用部シニアポートフォリオマネジャーで、同社の旗艦ファンド「グローバル・ソブリン・オープン(通称:グロソブ)」運用チームのチームヘッドを務める堀井正孝氏は15日、ロイターとのインタビューで、今後全体とのバランスを見ながらユーロ圏のウエートを引き上げていく方針を明らかにした。 ドイツを中心に景気が回復してきていることなどが背景。 米国についてもウエートを積み増したい考えだが、景気回復や金利の方向性などを確認したいため、買い場待ちのスタンス。日本については震災の影響から、一時的に解約対応などで円のキャッシュを増やしウエートが引き上がったが、4月に入って以前の水準に戻している。解約はむしろ減少傾向にあり、1日当たり20億円程度の流出超に落ち着いてきている。 今後、日本を除く先進国では景気拡大とともに金利が上昇(内外金利差が拡大)し、通貨が上昇することが期待されるため、先進国国債ヘの投資が見直されるとの見方だ。 <ユーロ圏ウエートに引き上げ余地> 堀井氏はドイツを中心にユーロ圏の景気が回復基調にあるとして、これまで段階的に引き上げてきたユーロ圏のウエートを、今後も全体とのバランスをみながら引き上げていく方針。10年秋口から、先進周辺国であるカナダやオーストラリア、ノルウェーのウエートを引き下げる一方で、先進コア国への入れ替えを進めてきた。 またECB(欧州中央銀行)が4月に入り利上げをしたことは、欧州経済が回復基調に戻ったこと裏付けるもので、今後も先行して利上げサイクルに入ったユーロの上昇が鮮明になるとの見方をしている。このため全体のバランスをみながらユーロ圏のウエートを引上げていく方針。過去には4─5割あったこともあるが「分散投資がグロソブ本来の姿であり(ウエートの引き上げについては)全体のバランスをみながら進めたい」とコメントした。 <ユーロ同様に注目の米国、買い待ちスタンス> 一方、米国について堀井氏は、ユーロ同様にウエートを積み増したいと考えているものの「(いまは)タイミング的にどうかと思っている」と語り、買い場待ちのスタンスにあることを明らかにした。景気回復や金利の方向性などを確認したいとしている。量的緩和第2弾(QE2)の6000億ドルの国債買い入れプログラムについて「落としどころはどうなるのか。資金吸収したとしても利上げには時間がかかるのではないか」との見方を示した。また住宅市場の回復が遅れていることもリスクファクターの一つに挙げた。足元ではアンダーウエートになっている米国だが「ニュートラルまで持っていくには悩ましい」状態が続いている。 <日本のウエート、引き下げも> キャッシュを含む日本のウエートは震災による解約などを考慮したことで、2月末の7.2%から3月末には一気に9.6%にまで引き上がった。しかしながら4月に入り、再び平常モードに戻す予定だ。現在、大きくアンダーウエートになっている日本だが「もう少しウエートを落としてもいいのかもしれない。ただゼロになることはない」と語った。 先進国の通貨上昇を享受しやすいポートフォリオの構築を進めるうえでは、今後は更に、先進周辺国から先進コア国への入れ替え、日本の組入比率の引き下げ、デュレーションの調整などを積極的に進めていく方針だ。 また震災後心配された資金流出だが「大きな解約はなく、足元ではむしろ減少傾向にある。1日当たり20億円程度の流出超に落ち着いてきている」とし、資金の純流出額はピーク時の半分以下になってきている。資金流出が落ち着いてきている背景については「為替が円安傾向に推移しパフォーマンスが改善していることや、分散投資の観点から先進国への投資も徐々に見直されつつある」との見方をしている。 <先進国が景気回復・拡大期入り、先進国投資が見直される局面へ> 国際投信よると、景気サイクルでみた場合、米国やドイツなどの先進コア国は「景気回復期」に、段階的に利上げが行われている先進周辺国のカナダやオーストラリア、ノルウェー、スウェーデンなどは「景気拡大期」に移行したとみている。一方で財政問題を抱えたギリシャなどは「景気減速期」に、景気に過熱感が出始めている一部の新興国は「景気成熟期」にあるとの見方だ。 このため日本を除く先進国では、今後、景気拡大とともに金利が上昇(内外金利差が拡大)し、通貨が上昇することが期待されるとして、先進国国債ヘの投資が見直されるとの見方をしている。 14日時点の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」62002137JPの基準価額は5476円、純資産残高は2兆7011億円。「同(3カ月決算型)」62002155JPは基準価額5828円、純資産残高1492億円。「同(1年決算型)」62003792JPの基準価額は1万2155円、残高は77億円となっている。 「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の純資産残高は、債券型ファンドで、米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)の旗艦ファンド「トータル・リターン・ファンド」PTTRX.Oに次いで、世界第2位。 (ロイター日本語ニュース 岩崎 成子記者、程 近文記者 編集:石田仁志) © Thomson Reuters 2011 All rights reserved. |