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日本は早期の金融引き締めを実施すべきでない=英中銀  米独連銀総裁、政策の正常化促す ECB当局者、相次いで追加利上げを
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/483.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 14 日 10:44:12: 6WQSToHgoAVCQ
 

円安圧力?
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20607620110414
日本は早期の金融引き締めを実施すべきでない=英中銀金融政策委員
2011年 04月 14日 09:26 JST
 
トップニュース
米セントルイス地区連銀総裁と独連銀総裁、政策の正常化促す
オバマ米大統領、12年間で4兆ドルの財政赤字削減目指す案を発表
米経済活動は改善、エネルギー価格高が圧迫=地区連銀報告
欧州CLは内田のシャルケが初の4強、日本人対決制す

 [ニューヨーク 13日 ロイター] イングランド銀行(英中央銀行)のポーゼン金融政策委員は、日本について、震災により悪化した過去数年のデフレからの脱却を目指すにあたり、歳出削減や早期の金融引き締めを実施すべきでない、との見解を示した。

 同委員は「潜在成長率を過小評価し、早期に金融および財政引き締めに戻ることは、自己達成しつつある予言となる可能性がある」と語った。

 一方、日本の債務がほぼ国内で保有されていることを踏まえると、債務負担に対する評価は誇張されている、との考えを示した。  

 日本の震災復興支援コストは今後3─5年の間、対国内総生産(GDP)比約10%になる、との見方を示した。

 「日本は長く続くデフレに苦しんでおり、それが経済への打撃となっている。ただ、これは今後数年間で克服できる」とし「2002─2008年の長い回復期間後に、最終的にインフレが危機前にゼロを上回ったように、現在の回復は日本に物価安定をもたらす」との考えを示した。

 英景気見通しや金融政策には言及しなかった。

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20607320110414?sp=true
米セントルイス地区連銀総裁と独連銀総裁、政策の正常化促す
2011年 04月 14日 09:22 JST 
オバマ米大統領、12年間で4兆ドルの財政赤字削減目指す案を発表
米経済活動は改善、エネルギー価格高が圧迫=地区連銀報告
欧州CLは内田のシャルケが初の4強、日本人対決制す
ECB当局者、相次いで追加利上げを示唆

 [セントルイス 13日 ロイター] 米セントルイス地区連銀のブラード総裁と欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるドイツ連銀のウェーバー総裁は13日、金融危機を受けて導入した異例の支援策の一部を解除すべき、との見解を示した。

 ブラード総裁は記者団に対し「経済は11月の(6000億ドルの債券買い入れプログラム)決定時に予想していたよりも、力強さを増している」と指摘。「私の考え、および委員会の考えは、自然と出口戦略へと向かう」との見方を示した。

 ウェーバー総裁も同じ記者会見の場で「経済はかなり改善し、金融市場も改善している状況下で、金融政策スタンスはより拡張的になっている」と発言。その上で「このトレンドが継続すれば、政策の一段の正常化は正当化される」と述べた。

 両総裁は、ウェーバー総裁の演説前に記者団に語った。 

 米連邦準備理事会(FRB)は6月末に国債買い入れ計画を終了する予定。バーナンキ議長は、FRBが近く引き締め政策を開始するというシグナルは送っていない。

 ただブラード総裁の発言は、FRB内で金融状況の引き締め圧力が高まっていることを示唆している。

 ECBは前週、主要政策金利を1.25%に引き上げ、利上げサイクルを開始したとみられており、この点に関してFRBはECBに後れを取っている。

 金融市場は現在、ECBが6月か7月に1.5%への追加利上げを実施するとの見方を織り込んでいる。

 ウェーバー総裁は、ECBがどの程度追加利上げを行うかは経済動向に左右されると指摘。

 「ユーロ圏全般の結果は現時点で明確になっておらず、発表されるデータを見極めることが賢明だろう。ただ、状況が引き続きわれわれの予測に沿って進展すれば、年内に政策をさらに正常化することが正当化される」との見解を示した。

 また、ECBは着実に改善している銀行システムへの異例の支援措置を引き続き、縮小すべきと指摘。

 演説で「持続可能なビジネスモデルのない、銀行への無制限の流動性供給は長期的な解決策にはならない。金融政策が銀行のバランスシートを持続的に修繕するべきではなく、また修繕することはできない。非標準的措置の段階的解除を継続する必要がある」と語った。

 さらに、そのような不均衡に対応するには「率直な」政策金利ツールよりも銀行の資本規制などの方法を用いるべきとの見解を示した。

 ウェーバー総裁は「物価の安定維持が依然として金融政策の主要目的であるものの、金融安定化には独自の一連のマクロプルデンシャル・ツールが必要になる」と語った。

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20605520110413
ECB当局者、相次いで追加利上げを示唆
2011年 04月 14日 07:51 JST

 [ベルリン/ブリュッセル/トリノ(イタリア) 13日 ロイター]  欧州中央銀行(ECB)当局者は13日、追加利上げの用意があることを相次いで示唆した。

 ECBは先週の理事会で25ベーシスポイント(bp)の利上げを決定。トリシェ総裁は会見で、一連の利上げの始まりと決まったわけではないと発言したが、市場では今後も利上げが続くとの見方が広がっている。

 ECB理事会メンバーのクーン・ベルギー中銀総裁は、経済誌「トレンズ」(電子版)に掲載されたインタビューで、ECBが前週実施した利上げについて、単発の決定ととらえるべきではないと主張。

 ECBは金利決定について前もってコメントはしないとし、「今後数カ月の動向を踏まえ、一歩一歩検討していく」と発言。 その上で、今回の利上げが「完全に孤立した決定」でないことは明らかだと語った。

 クーン総裁は「インフレと政策金利のギャップが拡大すれば問題になる」とし、「1%の政策金利は明らかに緩すぎる状態になっていた。われわれは金利を正常な水準にしたい」と語った。  

 ECB理事会メンバーのドラーギ・イタリア中銀総裁もこの日、ECBのリファイナンス金利は前週の利上げ後も「非常に緩和的」との認識を示し、ECBは「例外的に拡張的な」金融スタンスを解除する手段を検討していると述べた。

 総裁はトリノで行われた講演で、現在、財政政策と金融政策の両面から行われた非標準的経済支援措置を世界的に解除していく必要性があると指摘。

 「金融危機後のユーロ圏の金融政策を特徴づける、例外的に拡張的なスタンスを解除する時期と手段を、われわれは検討している」と語った。  

 ロイターが先週のECB総裁会見後にエコノミストを対象に実施した調査によると、62人中30人が、ECBは7月に主要政策金利のリファイナンス金利をさらに25bp引き上げ1.50%とすると予想していた。

 RBSのエコノミスト、シルビオ・ペルッゾ氏は、一連の発言を受けて、6月に利上げが実施される可能性が高まったと指摘。

 「7月ではなく6月の利上げが最も望ましいシナリオだという当社の見解を裏付けるものだ」と述べた。 

 この日は、ECB理事会メンバーのメルシュ・ルクセンブルク中銀総裁も、金利が低過ぎれば市場にゆがみをもたらし、きわめてネガティブな影響を及ぼす可能性があることをECBは明確に示したと発言。

 物価上昇圧力の高まりが二次的影響につながる恐れがあることがECBの懸念事項と指摘した。

 ベルギー中銀のクーン総裁も「インフレ期待が高まりが実際の物価上昇につながることを踏まえると、手遅れになるまで待つことはできない」との認識を示した。  

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01. 2011年4月14日 10:48:08: cqRnZH2CUM
日本経済に強い下振れリスク、電力問題など焦点=IMF副専務理事
2011年 04月 14日 07:09 JST

 [ワシントン 13日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事は13日、日本経済の先行きには不確実性が強く、下振れリスクがかなり大きいとの見解を明らかにした。

 IMFは11日に公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、2011年の日本の経済成長率予想を1月時点の1.6%から1.4%に引き下げた。一方、2012年については1.8%から2.1%に引き上げた。

 篠原副専務理事はロイターのインタビューで、「(日本経済の)先行きは非常に不確実性が多い。我々が出したのは当面に見通しに過ぎず、2−3カ月中に電力やサプライチェーンの問題が一応収まるという前提の下での推計だ」と説明した。

 「リスクとしてはかなり強いダウンサイドの方向だ。今後の進展によっては分からない」とし、「仮に電力供給の問題が長引いたり、原発の状況が悪くなるとアウトルック自体変わってくる」と述べた。 

 同副専務理事は円安による輸入コスト高に言及し「第2・四半期は円安が(景気の)ブレーキに働く可能性は高い」との見方を示した。ただ、年後半に鉱工業生産が立ち直れば、これまでのように円安が輸出の追い風になると分析した。

 東日本大震災後に主要7カ国(G7)が円売り協調介入を実施したことについて、保険会社によるリパトリエーション(本国への資金還流、リパトリ)のうわさを背景に投機的な動きが強まり、為替相場が大きく動いたと指摘。「G7の行動は適切だった」と評価した。

 その後の円安は各国の金融政策の方向性が変わったことが主因との見方を示した。「市場に日本売りの動きが起きている感じはない」と述べ、今後もそうしたリスクを心配する必要はないと語った。 

 震災復興のための資金は対応可能な範囲にとどまるとし、「国債で(歳出の)すべてを賄ったとしても直ちに市場に大きな影響を与えることはない」との見方を示した。

 また、一時的な増税も選択肢としてあり得ると指摘し、景気動向を踏まえた上で判断すべきと述べた。

 その上で「何より大事なのは、復興のためのコストが分かってきたとき、再度中長期的な財政再建の姿をしっかり示すことだ」と強調した。


02. 2011年4月14日 11:41:04: cqRnZH2CUM
キャリートレード復活で安値を試すドル相場
2011.04.13(Wed)  Financial Times 
(2011年4月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
レシートや紙幣に大量のビスフェノールA、米研究

ドルは資源国通貨などだけではなく、ユーロやポンドに対しても下げている〔AFPBB News〕

米国の金融引き締めが他国に後れを取る中で、為替市場におけるキャリートレードの復活が米ドルを史上最安値まで押し下げる可能性がある。

 キャリートレード(ドルや円などの低利回り通貨を売った資金を原資に、株式や商品、新興国市場の資産、資源国通貨といったリスクの高い高利回り資産を買う取引)は、勢いよく市場に戻ってきた。

 世界経済の回復に対する確信が強まり、米国と日本以外の中央銀行が金融政策を引き締めるとの予想が高まったからだ。
史上最安値も視野

 高まる楽観論と、その結果生じたキャリートレードの需要増加は、市場のポジション(持ち高)に見て取れる。主要通貨の中で最も利回りの高いオーストラリアドルのさらなる上昇に賭ける投資が急増しているのだ。

 ヘッジファンドの活動の指標として利用されるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の持ち高データによると、投資家は4月5日までの1週間で、オーストラリアドルの買い持ちを過去最高の94億米ドル相当に増やした。

 これはオーストラリアドル相場の急騰と一致している。オーストラリアドルは対米ドルで1.0582米ドルの高値をつけ、1983年に変動為替相場に移行して以来の最高値を更新した。だが、米ドルが下落したのは、資源国通貨に対してだけではない。

 主要6通貨のバスケットに対する相場の動きを追う米ドル指数は、15カ月ぶりの安値となる74.838をつけ、2008年4月に記録した史上最安値71.329が視野に入っている。

ECBの利上げ発表で再び金利差に注目
欧州中銀、政策金利1%に 英中銀は据え置き

ECBは7日、主要政策金利を0.25%引き上げ、1.25%にすることを決めた〔AFPBB News〕

 米ドルはユーロとポンドに対しても15カ月ぶりの安値となり、1ユーロ=1.4488ドル、1ポンド=1.6427ドルをつけた。欧州中央銀行(ECB)による先週の利上げ発表がきっかけとなり、投資家の関心が再び相対的な金利差に向かったためだ。

 三菱東京UFJ銀行の為替調査部門の欧州責任者を務めるデレク・ハルペニー氏は、キャリートレードは現在、為替市場の「王者」だと言う。

 「米連邦準備理事会(FRB)が恐らくあと3カ月間は量的緩和を継続すると見られる中、政策の乖離度合いが珍しく大きくなっている。このため、当面はドルを資金調達通貨とするキャリートレードの流行が続くだろう」

 ハルペニー氏は、今の状況は2008年と非常によく似ていると指摘する。市場がECBの利上げに備え始める一方、FRBが米国の金利を大幅に引き下げていた時のことだ。当時はユーロの対ドル相場が2008年2月の1ユーロ=1.4450ドルから同年4月の高値1.6020ドルまで急騰した。

 ドル安は、特にアジアを中心とした世界の外貨準備当局の動きによって増幅されている可能性が高く、これがドルを自己永続的な下降スパイラルに陥れる恐れがある。
アジアの中央銀行の動きがドル安に拍車

 ドル安進行に対してドル買いに回ったのは、自国通貨の上昇を抑制して国内の輸出業者を守ろうとするアジアの中央銀行だ。シティバンクの試算によると、アジアの中央銀行は一気にドル安が進んだ4月8日に、この日1日だけで75億ドル以上買ったという。これが今度は、対ユーロなどの他通貨に対するドル相場に圧力をかけることになった。

 こうした外貨準備当局は次に、ポートフォリオ内の通貨の比重を調整するために、ドル以外の通貨に分散化しなければならないからだ。


 為替市場で唯一動きが休止しているのは、円相場だ。円高是正に向けた各国中央銀行の協調介入と、米国以上に長く低金利が続く見通しのおかげで、円はドルよりも人気の高いキャリートレード調達通貨となっている。

 実際、一部のアナリストは、これほどの安値水準でドルを売ることに警鐘を鳴らしている。特に、最近のドル安はある程度、キャリートレードを手がける投資家の利回り追求を反映しているからだ。

 こうしたアナリストによると、キャリートレードを行う投資家の資金調達ニーズを円が満たしているため、FRBが金融緩和政策を打ち切る兆しが少しでも見えたら、世界的なキャリートレードの復活を揺るがすことなく、ドルが反発する舞台が整う可能性があるという。
米国の量的緩和終了が見えてきたら反転も

 実際、UBSの為替戦略責任者のマンスール・モヒウディン氏は、最近のドル安は見境のない売りを反映しており、FRBの量的緩和終了が金融市場にもたらすリスクを織り込んでいないと指摘。「投資家が量的緩和の終了を見込むようになるにつれ、ドルが全面的に支持を取り戻し始めるだろう」と話している。

 しかし、それまでは、キャリートレードが為替市場全体で存在感を示し続けるため、ドルに一層の圧力がかかるのは確実のようだ。
By Peter Garnham
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03. 2011年4月14日 18:29:40: cqRnZH2CUM
震災復興、甘すぎる政府シナリオ  竹中平蔵 慶大教授

http://www.nikkei.com/news/print-article/g=96958A9C93819499E3E3E2E29D8DE3E3E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E2E4E3E2E0E2E3E2EBE4E1E6;bf=0;n=96948D819791E38D918D8D8D8D8D;o=96948D819791E38D91E58D8D8D8D;m=96948D819791E38D8D8D8D8D8D8D;R_FLG=0

2011/4/12 7:00
日本経済新聞 電子版

 東日本大震災の影響を受けて、今後の日本経済がどのような影響を受けるのか……。内閣府が8日発表した景気ウオッチャー調査(街角景気)で、足元の景況感を示す現状判断指数は前月比約21ポイント低下し、最大の落ち込みとなった。

関連記事
・3月24日日経朝刊5面「GDP0.2〜0.5%押し下げ」
・4月4日日経朝刊5面「夏の電力不足、生産下押しの懸念」
・4月5日日経朝刊5面「2.6%マイナス成長予測 4〜6月民間平均、震災を反映」
・4月6日日経朝刊7面「最大1.4ポイント押し下げ、4〜6月OECD見通し」
・4月8日日経朝刊5面「今年度プラス成長維持」
・4月8日日経朝刊5面「日本の11年輸出、最大1.6%押し下げ」
・4月9日日経朝刊1面「景況感、急速に悪化」

今週の筆者
月(国際) 藤井彰夫
火 竹中平蔵
慶大教授
水(企業) 西條都夫
木(国際) 脇祐三
金(企業) 田中陽
 そうしたなか、当面の経済見通しについて、いくつかの試算が出そろった。周知のように、これに先だって政府(内閣府)が試算を発表した。内閣府の試算には、サプライチェーン(供給体制)の崩壊や放射能の影響などが十分に織り込まれていないうえに、復興のための「特需」が早い時期から大きく出ることが見込まれている。

 その結果、マイナスの要因よりプラス要因の方が勝る、というシナリオとなっている。筆者は、政府の見通しはあまりに楽観的にすぎるのではないかと見ている。

■11年度の成長率見通し、民間は相次ぎ下方修正

 新たに出そろった民間試算でも、筆者とほぼ同様の認識が示されている。民間11社の予測によると、震災前に前期比年率で2%弱とみられていた1〜3月期の成長率は、マイナス0.6%に大きく下方修正された。さらに4〜6月期はマイナス2.6%になるという。7〜9月以降は復興需要が下支えするものの、2011年度の実質成長率は0.4%にとどまる見通しとなっている。

 海外の見方も厳しい。経済協力開発機構(OECD)は5日、主要国の短期経済見通しを発表。大震災の影響が見通せないため日本の予測は見送ったものの、被災地の生産減少、電力不足などで1〜3月期は0.2〜0.6ポイント、4〜6月期は0.5〜1.4ポイント押し下げられる可能性があるとの見方を示した。また世界貿易機関(WTO)は7日、大震災の影響で国内生産が落ち込み、2011年の日本の輸出が0.5〜1.6%押し下げられると発表した。さらに輸入が0.4〜1.3%押し上げられることから、日本の貿易黒字が縮小すると見込む。

 これらに共通するのは、自動車などの生産減で輸出が減少し、成長の阻害要因となるとの認識だ。さらには、消費者マインドが落ち込むことも見逃せない。

 マクロ的な影響のみならず、今後はよりミクロ(産業別や地域別)の影響を見極める必要が生じよう。この点で、富士通総研の河野敏鑑上級研究員が産業連関表を用いて実施した試算では、東京電力管内で約1500万キロワットの電力不足が60日続くとの前提の下で、紙の製造や工場排水の浄化に使われるソーダなどの「無機化学工業製品」は3.4%の生産減になるという。「パルプ・紙・板紙・加工紙」「繊維工業製品」などでも大きな生産の落ち込みが生じることが明らかになっている。また第一生命経済研究所の試算では、関東で約15%、東北で約20%の電力抑制が生じるとの前提で、関東での1カ月の生産減は約1.5兆円になる。また生産の減少は、地域を超えて波及することが懸念されている。

■日銀の展望リポートに注目

 それらを踏まえ今後注目されるのは、日銀の展望リポート(経済・物価情勢の展望、4月末の発表予定)だろう。現時点での観測によると、2011年度後半には景気が持ち直すことから、11年度の成長率のプラス予想は維持する方向という。しかし、従来の1.6%より下方修正すると考えられる。

 もしも政府が、自らの楽観的な見通しに基づいて補正予算を組めば、判断を誤ることになる。復旧のための個別予算を丁寧に議論することは重要だが、同時にマクロ経済運営の視点を十分に持って、大型の復興対策予算を計上する必要があろう。

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04. 2011年4月14日 18:56:26: cqRnZH2CUM
ユーロ危機とイタリアと遊び好きな首相
大きすぎて救済できない国
2011.04.13(Wed)   (2011年4月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
露トップ2は「バットマンとロビン」、ウィキリークスが暴露した米外交公電

遊び好きで知られるシルビオ・ベルルスコーニ首相〔AFPBB News〕

ラスベガスでは、カジノの命運を左右するような大金を賭けるギャンブラーを「クジラ」と呼ぶ。

 欧州連合(EU)では、イタリアがこのクジラに相当する。経済の規模と債務の金額が非常に大きいために、単一通貨ユーロとEU自体の運命がこの国の行く末に左右される状況にあるからだ。

 EUでは先週、ポルトガルが欧州債務危機に屈して金融支援を要請した。

 だが、イタリアがクジラならポルトガルは小魚であり、実のところ、今回の救済要請はEU当局に歓迎された。仮にもスペインが救済を求めるようなことがあったら、その規模ははるかに大きなものになるが、それでも恐らく、EUは対応できるだろう。しかし、イタリアは大きすぎて救済できない。
現職首相の少女買春裁判

 ポルトガルが緊急融資を要請した時、イタリアは別の問題に没頭していた。うららかな春の朝、シルビオ・ベルルスコーニ首相の裁判がミラノで始まったのだ。未成年の売春婦と性的な関係を持った、というのがその嫌疑である。

 これはベルルスコーニ氏が抱える裁判の中で、最新かつ最も好色な事件であるにすぎない。同氏は現在、これ以外にも3つの裁判で被告席に立たされており、過去にも数え切れないほどの嫌疑をかけられている。ただ、その多くは時効として退けられている。

 巷では、今回の訴追もうまく逃れるだろうとの見方が支配的だ。裁判が始まったものの、実質的な審理がすぐさま5月に延期されたことは、この見方を裏付けているようにも見えた。首相自身が上機嫌で、先日もテレビカメラに向かってこんなジョークを飛ばしていた。
伊首相買春疑惑の渦中の女性、オペラ座舞踏会に出席

買春容疑の渦中の人カリマ・エル・マフルーグさん〔AFPBB News〕

 世論調査によれば、イタリアの女性の3分の1は自分と寝てもいいと答えていて、残りは、またそうしたいと答えたそうだよ――。

 同氏の愚行を面白がっているイタリア人もいれば、愕然としているイタリア人もいる。そして、国民がベルルスコーニ騒動に気を取られ、この国が近々直面するかもしれない政治・経済の難局に関心を払っていないと危惧する人もいる。

 実業界や金融界には、最終的にはイタリアも債務危機の打撃を被るのではないかとの懸念がある。同国の債務残高は今や国内総生産(GDP)比120%近くに達しており、ギリシャやアイルランド、ポルトガルが救済要請を強いられた時の水準を上回っている。

 イタリアは今のところ、新規の資金調達も借り入れの元利返済も問題なくできている。だが一部からは、イタリアは超低金利環境でなければやっていけない状況にあると心配する声が上がっている。
金利上昇で債務負担に耐え切れなくなる?
70人の「他人」に遺産相続?奇妙な遺書残した男性 - ポルトガル

超低金利が続く限りは、多額の債務にも対処できてきたが・・・〔AFPBB News〕

 ある著名な実業家の推計によれば、金利が0.5%上昇するたびにイタリアの元利返済費用は年間ざっと100億ユーロ増加するという。そして欧州では先週、欧州中央銀行(ECB)が0.25%の利上げに踏み切り、金利サイクルが上昇に転じている。

 悲観論者の間からは、金利の上昇でイタリアも緊縮財政を強いられ、いつか債務の重みが耐え難いものになるとの懸念が示されている。

 もっとも、これについてはもっと楽観的な見方もある。前出の実業家とは別の、あるイタリア人ビジネスマンによれば、イタリアの債務は確かに高水準だが、この国には民間の貯蓄も多く、債務の大部分はまだ国内で消化されている。

 また、イタリアの銀行はドイツや英国の銀行よりもはるかに慎重なビジネスを展開してきた。さらに、イタリアの財政赤字のGDP比は4%をわずかに超える程度の比較的小幅なものであり、政府は高水準の債務をもう何十年も維持してきた――というのである。

 筆者はこの説明を聞き、再び胸をなで下ろした。ところがこのビジネスマンは、あたかも後から思いついたかのように、次のように付け加えた。「もちろん、イタリアが抱えている規模の債務が返済された例は、過去に一度もないがね」

 では、もし債務残高が増え続けたら、その解決策はどのようなものになるのか? 彼はにこりと笑ってこう答えた。「インフレだよ」
イタリアと通貨同盟を組むことを恐れたドイツ

 多くのドイツ人はこの答えを聞いて、やはり恐れていた通りだと思うだろう。単一通貨ユーロが作られた時、ドイツではポルトガルでもアイルランドでもなく、イタリアと通貨同盟を組むことが不安だという声が多く聞かれた。その理由としてたびたび引き合いに出されたのが、イタリアの通貨切り下げとインフレの歴史だった。今でもこの疑念はくすぶっている。

 今年の初め、ECB次期総裁の最有力候補がイタリア中銀総裁のマリオ・ドラギ氏であることが明らかになった時、ドイツのタブロイド紙「ビルト」は次のように嘆いた。「マンマミーア(なんてことだ)! イタリア人にとって、インフレは暮らしの一部で、スパゲティにトマトソースをかけるのと同じようなものだ」

 インフレを巡る議論は、両国の間にある文化や気質の大きな違いともかかわりがある。例えば先日、ドイツの国防相が博士論文で盗用を行っていたために辞任を強いられた時、イタリア人は少し驚いた。イタリアではベルルスコーニ氏が、収賄から性犯罪に至るまでありとあらゆる疑いをかけられながらも、いまだに政治家として生き延びているからだ。
ベルルスコーニ首相とイタリア財政の共通点

 こんなことを言えば、イタリアの左派勢力は嫌悪感でぞっとするだろうが、ある意味で、機略に富んだベルルスコーニ氏はこの国を体現する人物だ。イタリアの司法当局は何年も前から「カバリエーレ(騎士)」の異名を持つ同氏を取り押さえようとしている。そのために同氏の政治生命が尽きたかのように思われた場面も少なからずあった。

 ところがベルルスコーニ氏は、切り抜ける手はあると常に確信しており、これまでは実際に何とか切り抜けてきている。

 同じことがイタリアとその財政についても言える。この国は長年、慢性的な債務を抱え、ベルルスコーニ氏と同じように、ずっとその咎を受けずに来ている。ベルルスコーニ氏は「時効」という解決策がお気に入りだが、イタリア政府の最終的な解決策はインフレになるのだろう。

 物価高が世界的なコモディティー(商品)価格の上昇のせいにされるのであれば、そして金利があまり上昇しないのであれば、特にそうなるだろう。

 ただし、両者の間には大きな違いが1つある。ベルルスコーニ氏の命運はイタリアの有権者と裁判所の手の中にある。しかし、イタリア経済の命運は、究極的には外国の債券投資家やフランクフルトの中央銀行家、ベルリンの政治家たちが握っている可能性があるのだ。そして彼らは、イタリアの司法制度ほど寛大ではないかもしれない。
By Gideon Rachman
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05. 2011年4月14日 19:35:45: cqRnZH2CUM
ギリシャ経済:緊縮財政の労苦
2011.04.14(Thu) The Economist 2011年4月9日号
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5862
ギリシャを救済するための国際社会の計画は、代わりにギリシャ経済を麻痺させ始めている。

パルテノン神殿にはまだ観光客が来るが、経済は土砂降りと呼べる状況にある〔AFPBB News〕
古代ギリシャ人が「クライシス(危機)」という言葉を考案した時、彼らは短期間の激しいストレスのことを念頭に置いていた。現代のギリシャ人は、1年以上にわたり危機を経験しており、終わりは全く見えない。
 ポルトガルが先日、国際的な救済基金を要請してアイルランドとギリシャの仲間入りをした時、地中海東岸のお手本を見て慰められることはなかっただろう。
 ギリシャを覆う雰囲気は、深まる悲観論だ。ギリシャの国家財政を立て直すために昨年5月に策定された計画は、代わりにギリシャ経済を抜き差しならない状態に追い込む恐れがある。
冷え込む経済
 議会の向かい側にあるアテネのシンタグマ広場では、客を拾うタクシー運転手が、利用客が40%以上減ったと話している。すぐ近くの通りにあるバーのオーナーたちは、ほとんど空っぽになったレストランの席を埋めようとして、旅行者たちをうるさがらせている。
 洗練されたコロナキ広場では、板を打ち付けてある倒産した店の姿が通りの雰囲気を台無しにしている。旅行者はアクロポリスのパルテノン神殿で写真 を撮りまくっているが、町の主要な呼びものにはほとんど人だかりが見えない。中心部では、ここ数カ月間で9つのホテルが廃業した。
 救済計画を達成するのは、そもそも決して容易ではなかった。他のユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)から3年間にわたって1100億ユーロ(1550億ドル)の資金を借りるために、ヨルゴス・パパンドレウ首相率いる全ギリシャ社会主義運動党政権は、徹底した緊縮財政プログラムを確約した。

抗議運動にもかかわらず、ヨルゴス・パパンドレウ首相は重要な改革を実施してきた〔AFPBB News〕
 計画では、経済の「収容施設」での2年間の矯正期間が想定されていた。その間に、GDP(国内総生産)が減少する中で、ギリシャは失った競争力を取り戻すはずだった。同時にパパンドレウ首相は、ギリシャ経済の根深い構造的欠陥に大々的なメスを入れることも約束していた。
 抗議運動やデモにもかかわらず、いくつかの重要な改革は確かに実行されている。
 負担し切れない年金の約束(昨年既にGDPの11.6%という高い比率に達していた)は、大幅に削られた。年金負担は2050年に24%まで倍増する代わりに、2.5ポイントの増加に抑えられることになった。
 労働市場は、調停の取り決め変更や個別企業の労使協定からの離脱などを通じて、いくらか柔軟になっている。政府も、トラック輸送業界のような強力な独占に立ち向かおうとしてきた。
 こうした改革がギリシャの誓約の重さに本当に見合ったものかどうかは、議論が分かれるところだ。
 アテネの経済シンクタンク、経済産業調査財団(IOBE)の理事長ヤニス・ストウナラス氏は、独占に改革の大ナタを振るったことを条件付きの成功と呼んでいる。一方、1990年代初めに財務相を務めたステファノス・マノス氏は、達成されたことが少なすぎると考えている。
 トラック輸送業界の改革は、2年半にわたって段階的に進められている。薬剤師は独占を維持したままで、相変わらず多額の利ザヤを享受している。法律事務所は今も別の都市に支店を開設することができない。
大幅な歳出削減と増税の影響
 だが、憂鬱な雰囲気の本当の源は、もっと短期的な緊縮財政の影響だ。1年前の緊縮計画では、GDPが2010年に4%、2011年に2.5%縮小すると予想されていた。実際には、GDPは昨年4.5%減少し、IBOEの予想では2011年は3.2%減少する見込みだ。

 失業率は2009年半ばの9%から2010年第4四半期には14.2%まで上昇しており、今年は平均で15.5%になると予想されている(図1参照)。
 急激な歳出削減と大幅な増税を考えると、悲惨な状況は避けられなかった。昨年の削減は最近の欧州の歴史上前例のない規模だった、とジョージ・パパコンスタンティヌ財務相は主張する。
 これには、公務員給与の15〜20%カット、10%を超える年金削減、痛みを伴う付加価値税(VAT)その他の税金の引き上げなどが含まれる。
 今後はさらなる痛みが待ち受けている。公的部門の給与が3年間凍結され、公務員の数が2009年の80万人から2013年までに65万人に削減されるからだ。
 それでも、財政状況は計画より悪くなっている。1つには、出発点が昨年5月時点で考えられていたよりさらに厳しかったことがある。
昨年後半には、2009年の財政赤字がGDP比13.6%から同15.4%に修正されたうえ、赤字を出している一連の公営企業が政府の帳簿に加わったため、債務残高はGDP比115%から同127%に増えた。

 そして、もう1つ、2010年の赤字削減の進展が思ったより遅かった。暫定的な試算では、財政赤字のGDP比は当初目標とされた8.1%ではなく、耐え難いほど高い10.6%となっている。債務残高は、現在はGDPの145%近くに達している(図2参照)。
 悪名高いギリシャの税金逃れに取り組む対策は、明らかに税収を増やす可能性を秘めている。パパコンスタンティヌ財務相は、まさに税金を集める目的で考え出された徴税の一元化を含む、様々な対策をスラスラと挙げる。
 こうした対策は最終的には成果を上げるかもしれないが、アルファ銀行のチーフエコノミスト、マイケル・マソウラキス氏が指摘するように、問題の根があまりにも深いために、すぐに効果が出る状況ではない。
根深い構造問題、深刻さを増す財政難
 財政状況の改善が遅れているため、市場はギリシャの債務について一段と警戒感を強めている。10年物国債の利回りは13%近くまで上昇している。格付け機関は最近、ギリシャのソブリン債の格付けを投機的等級(ジャンク債)からさらに格付けが低い投機的等級に引き下げた。
 ギリシャ政府は救済基金から今年必要とする資金を手当てすることができるため、当面は格下げがギリシャ政府に影響を与えることはない。だが、昨年 5月の計画では、ギリシャは2012年に必要とする資金の約半分を市場から調達することになっていた。これは実現不可能に見えるため、既に約束された 1100億ユーロよりさらに多額の公的救済を必要とすることになるだろう。
 ギリシャの銀行は(アイルランドの銀行とは違って)、同国の難局の原因ではなかった。だが銀行は、特にソブリン債の格下げが銀行自身の格付けを傷つけているため、有害な財政によって毒されている。
 銀行は、ホールセール資金の源泉から切り離されているため、欧州中央銀行(ECB)からの流動性支援に一層頼るようになっており、現在その額は負債総額のほぼ5分の1に相当する。預金者が過敏になっているため、銀行は彼らにより高い金利を提供しなければならない。
 資金調達コストの上昇が貸出金利を押し上げているが、困難な銀行の状況が経済に影響を与えている主な経路は信用割当だ。資金需要はどのみち低迷す るだろうが、2006年と2007年に年間21%を超え、2008年も16%とまだ活発だった民間部門に対する信用の伸びは大きく落ち込んでいる。
 今年1月の貸し出しは前年比0.2%減少した。銀行がバランスシートを圧縮しているため、企業への締め付けが強まり、それが今度は貸し倒れの増加を通じて銀行を傷つけている。不良債権は融資残全体の10%まで増加している。
 企業に対する圧力を示す兆候として、昨年はアテネ証券取引所に上場している企業のうち赤字を出した企業が利益を計上した企業を上回った。
ギリシャが陥った悪循環
 ギリシャ経済は悪循環に陥っている。経済が低迷したままであれば、追加的な緊縮財政措置を実現する政府の力は弱まる。それが今度は市場にさらなる信頼の喪失をもたらし、それが銀行を資金調達源から締め出し続けることになる。この罠から抜け出す方法はあるのだろうか?
 政府は、出口は見えており、基本的に計画に忠実であることで出口にたどりつけると主張する。夜明け前が最も暗いのと同じように、ギリシャの経済も今が一番暗いというわけだ。

ギリシャのジョージ・パパコンスタンティヌ財務相は励みになる兆候を挙げているが・・・〔AFPBB News〕
 パパコンスタンティヌ財務相は励みになる兆候をいくつか指摘している。ここ数カ月間の製品輸出の急激な伸び、人件費の大幅な下落、今年後半に旅行者が回復する兆候などだ。
 だが、ギリシャが競争力を強め始めたとしても、それでもまだまだ先は長い。IMFの3月の推定では、ギリシャのコストは20〜30%高すぎるという。それを下げるには時間がかかるし、その時間がギリシャにはあまりない。
 セメント会社タイタンのCEO(最高経営責任者)、ディミトリ・パパレクソポロス氏は、信用と信頼の欠如によって民間投資が妨げられているため、経済が低迷し続けるのではないかと心配している。
多くの人は、再編が唯一の答えだと主張してきた。市場から刑執行の猶予を得るためには、同じ計画を多少厳しくしたものよりもはるかに大胆な策が必要 になるのは間違いない。1つの選択肢は、民営化を通じて資金を調達するという公約を、もっと広範なギリシャ経済の開放という構図に変えることだ。
 3月の欧州首脳会議で、ギリシャ政府は欧州からの借り入れ条件を良くしてもらう代わりに、資産売却によって最大500億ユーロ(GDPの22%)を調達すると約束した。
 政府内や労働組合から反対意見が上がっているため、その意図がどれほど真剣なものなのか、すぐに疑問が投げかけられた。こうした反対を押さえ込み、全力で民営化に取り組めば、それは信頼を高める方法として一段と有力な手段になる。
 また民営化から得る資金の多くは、土地の売却によって得ることが必要になるだろう。そうすれば、長年の懸案だったもう1つの重要な改革を呼び起こす可能性がある。つまり、土地の登記である。
 国は民間部門より多くの不動産を所有しているが、ロードス島(旧イタリア領)のようないくつかの島を除いては、適切な登記が行われていないため、 政府――そして民間の所有者――が正確にどれくらい保有しているのか誰も確信が持てない。適切な登記簿を制定することが、「ギリシャ全土で成長に弾みをつ ける唯一の最も効果的な方法だ」とパパレクソポロス氏は言う。
見えないリーダーシップ
 だが、こうしたことには確固たる指導力が求められる。多くの人の目には、パパンドレウ首相はそれを発揮できていないように見える。「船の漕ぎ手が同時に前と後ろに漕いでいる」とある企業経営者は言う。
 楽天主義者たちはギリシャのことを、フロリダから沼地を除いた、日当たりのよい巨大な開発機会のように見ている。政治家による断固たる行動がなければ、もっと厳しい市場の判断の方が優勢になるだろう。
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06. 2011年4月14日 19:52:46: cqRnZH2CUM
支援要請したポルトガルそして3カ国となった
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5851 2011.04.13(Wed)  The Economist11年4月9日号 
欧州の債務危機に関する2つの記事では、最初にポルトガルが支援要請を決断したことについて考える。2本目では、同じ道をたどるギリシャが支払っている代償について検証する*1。

4月6日にリスボンの首相官邸からテレビ演説を行うジョゼ・ソクラテス首相〔AFPBB News〕
ギリシャが他のユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)からの支援を要請せざるを得なくなった時は、衝撃的だった。2010年暮れのアイルランドの信用失墜は、それほど意外ではなかった。そして、次に市場からの避難を求める国の正体については、意外なことは何一つなかった。
 投資家にしてみれば、今年に入ってからもっぱら、ポルトガルは死に体であり、正式な支援要請はいつ行われるかという問題であり、行われるかどうかという問題ではなかった。
その疑問に今、答えが出た。4月6日、ポルトガルは欧州連合(EU)に支援を要請した。
ポルトガルの国家財政と政治危機
 辞任表明したポルトガルのジョゼ・ソクラテス首相は、自身の降伏の原因は、最大野党である中道右派の社会民主党(PSD)にあると述べた。
 PSDは少数派の社会党政権が提案した4回目の緊縮財政案を否決することで、3月23日に首相を辞任に追い込んだ政治危機を引き起こし、6月に前倒し総選挙が実施される引き金になったとソクラテス氏は語っている。

ポルトガルの政府と銀行は相次ぐ格下げに見舞われている(写真はリスボンでコンピューター画面を見つめるトレーダー)〔AFPBB News〕
 その後、ポルトガル政府と銀行は信用格付けが危険な水準まで格下げされたと同氏は言う。ポルトガルがEUに支援を求めた日、同国は1年物国債に5.9%の利回りを払うことを余儀なくされていた。
 退陣する政権は、要請した救済の金額や種類については明確にしなかった。
 ソクラテス氏は、ポルトガルが4月15日と6月中旬の国債償還・借り換えという大きなハードルを乗り越えるための暫定的な救済を目指し、より大きな救済策の交渉は次期政権に任せるかもしれない。

ポルトガルが犯した財政上の罪は、ギリシャほど重大ではなく、国家財政はアイルランドのように銀行によって破壊されたわけではなかった。にもかかわらず、ポルトガルの財政は長らく不安定だった。

ポルトガルは緊縮財政措置を巡って政治危機に陥った(写真はリスボンにある議事堂)〔AFPBB News〕
 ポルトガルは2001年にユーロ圏で初めて安定成長協定の規則を破った国だ。債務は国内総生産(GDP)比90%以上と不安なまでに多く、増え続けている。もっと深刻なことに、ポルトガル経済は低速車線から抜け出せず、そのせいで財政再建が難しい状況にある。
 決断力を欠き、論争の絶えない政治家も、ポルトガルの助けにならなかった。ソクラテス氏は、大規模な財政再建を先延ばしにするという致命的なミスを犯した。
 ポルトガルが救済を避ける可能性にとどめを刺した出来事の1つは、(ギリシャの財政報告粉飾を思わせるように)同国の昨年の財政赤字が計画していたGDP比7.3%ではなく、8.6%に上ったことが判明したことだった。
 ポルトガルの支援要請が予想通りだったとしても、ユーロ圏のソブリン債務危機の最新局面がもたらす結果を評価するのは、それほど容易ではない。
 望まれているのは、ポルトガルが市場の犠牲となるユーロ圏最後の国であることだ。腐食がそこで止まれば、被害は対処可能だ。というのも、この3カ国はいずれも小国で、その中では規模が最大のギリシャでもユーロ圏のGDPの2.5%程度しか占めていない。
 しかし、今懸念されるのは、市場が次にもっと大きな標的であるスペインに注意を向けることだ。もしスペインが倒れたら、債務危機は今よりはるかに厳しいものになる。
次の標的となりかねないスペイン
 スペインは、既に倒れた3カ国の弱点をいくつか共有している。
 3カ国すべてと同様に、好況時に競争力を失くし、ポルトガルとギリシャのように、絶えず巨額の経常赤字を出していた。また、アイルランドのように手に負えない不動産バブルを経験し、銀行システムが不良化した不動産融資を大量に抱え込む羽目になった。
 スペイン政府が自国の貯蓄銀行(カハ)に資本増強を強いた措置は有効だったが、投資家は銀行に必要な資本増強額が、スペイン銀行が考えている152億ユーロを超えると確信している。
 貯蓄銀行4行を統合させるはずだったバンコ・バーセの計画破談が示しているように、貯蓄銀行の再編は問題に陥りやすい。また、スペインの銀行はポルトガルに対する債権も抱えている。大半の家計の住宅ローンが変動金利のため、スペイン経済は金利上昇に弱い。地方政府の浪費も懸念材料だ。
ポルトガルと同じ運命は避けられそうだが・・・

スペインのサパテロ首相は4月2日、与党・社会労働党の党員集会で2012年に予定される総選挙に「出馬しない」と述べ、引退する意向を表明した〔AFPBB News〕
 しかし、スペインには相違点もある。投資家が恐れるのはスペインの規模だが、大きくて流動性の高い公債市場は防御壁にもなる。
 当初ためらった後、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏率いる政権はいくつか厳しい対策を講じた。
 政府は今、対GDP債務比率が70%で安定すると考えている。2010年の60%からは上昇するが、ユーロ圏の平均を優に下回る数字だ。来年の総選挙に出馬しないことを表明したサパテロ氏は、批判をおして、もっと対策を取れるはずだ。
 年初からこれまで、スペインの国債利回りはポルトガルから切り離され、ドイツ国債との距離を縮めてきた。ポルトガルの凋落を受けて利回りが大きく振れる可能性はあるが、スペインは隣国の運命をたどることは避けられるだろう。しかし、それは際どい攻防となるかもしれない。
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07. 2011年4月15日 10:16:28: cqRnZH2CUM
ギリシャの債務再編めぐる観測、国債を圧迫
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_222560
2011年 4月 15日 1:47 JST
 
 【ロンドン】ドイツ財務相のインタビュー報道を受けてギリシャが債務再編を迫られるとの新たな観測が高まり、ギリシャ国債は14日、圧迫された。

 欧州連合(EU)による金融支援にもかかわらず、当局者や著名エコノミストらはここ数日間、ギリシャの債務が持続不可能になる可能性があると警告しており、これを背景にギリシャ国債の価格が下落し、ギリシャ国債のデフォルト(債務不履行)に対する保証コストは大幅上昇した。


Agence France-Presse/Getty Images
ギリシャのパパコンスタンティヌ 財務相
 ドイツのシェイブレ財務相は独紙ウェルトとのインタビューでの質疑応答で、ギリシャが債務の減免なしに義務を果たせないことが6月の監査で明らかになる可能性を指摘した。同相は「他の手段」が必要となる可能性があるとの見方を示したものの、ギリシャに債務再編が必要となる可能性があるとの直接的な言及は行わなかった。

 報道によると、シェイブレ財務相は「(6月に実施される)ギリシャの債務持続性に関する詳細分析を待っている」と述べた。同分析結果は欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)にも提出されることになる。

 さらに、「この分析で同国の債務の持続可能性が疑わしいとの結論が示されれば、何かの措置を行う必要が生じる」と語ったという。

 ギリシャの当局者らはこれまでのところ、債務再編の必要性については否定しており、また欧州の当局者らはこれについて言及を避けている。こうしたことが言及されると、EUによる同国救済策が疑問視されることになり、欧州の国債市場に対する投資家の不信認につながりかねない。

 シェイブレ財務相は、何かの措置というのがギリシャの債務再編を意味するのかとの質問に対しては、債権者が救済負担を共有することを規定する 2013年半ば始動予定のユーロ圏の恒久的救済システムに言及。同相はウェルト紙に対し、「それまでは、再編は自主的なものに限られる」と語った。

 ギリシャが債務返済に苦戦する可能性があるとの報道を受けて、ギリシャとポルトガルの国債は下落し、利回りは大幅上昇した。また、投資家らが最近のユーロ高からの利益確定の好機とみなすなか、ユーロはドルに対し1ユーロ=1.4401ドルと、日中の安値に下落した。

 ギリシャの2年債利回りは前日比0.88ポイント上昇し17.12%、5年債利回りは同0.8ポイント上昇し17.18%をつけた。さらに、10年債利回りは0.22ポイント上昇し13%となった。

 これとは別にギリシャの当局者2人は13日、ギリシャの昨年の財政赤字が国内総生産(GDP)比での修正目標を1ポイント以上上回ったと明らかにした。このため同国政府は今年、予算を目標軌道に戻すための数十億ユーロに上る新財政緊縮措置を取らざるを得なくなる見通し。

記者: Mark Brown and Terence Roth


08. 2011年4月16日 00:27:04: cqRnZH2CUM
NY市場 日本財務省幹部、将来の為替行動については議論せず
掲載日時:2011/04/16 (土) 00:13 

日本財務省幹部によると日米財務相会談では、3月の為替協調介入について議論されたが、将来の為替行動については議論されなかった、ことが明らかになった。野田財務相は、日本経済は一時的に落ち込んでも復興期に入れば回復してゆく、と説明。ガイトナー米財務長は、米景気拡大は軌道に乗っている、と説明した。

為替市場はこの報道には特段反応していない。
USD/JPY 83.18 EUR/JPY 120.09 GBP/JPY 135.70


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