米商務省が12日発表した2月の米貿易赤字（季節調整済み、サービスを含む国際収支ベース）は457億6000万ドルと、前月比2.6％減少した。1月の米貿易赤字額は469億7000万ドルと、速報値の463億4000万ドルから修正された。

　ダウ・ジョーンズ経済通信がまとめたエコノミスト調査では、2月の米貿易赤字は443億ドルと予想されていた。

　内訳は輸出が1.4％減少し、1651億2000万ドルとなった。前月は1675億4000万ドルだった。輸入は前月比1.7％減少し、2108億8000万ドル。前月は2145億1000万ドルだった。

　対中貿易赤字は188億4000万ドルと、前月の232億7000万ドルから19.0％減少した。中国からの輸入が40億7000万ドル減少した一方、対中輸出は3億5900万ドル増加した。

　中東と北アフリカの情勢不安長期化を受けて原油相場が2年半超ぶりにバレル当たり110ドルを上抜けるなか、米国はエネルギー関連輸入を縮小している。2月の原油相場は平均でバレル当たり87.17ドルと、2008年10月以来の高値を付けたものの、2月の米国の原油輸入額は211億3000万ドルと、1月の245億1000万ドルから減少した。2月の米国の原油輸入量は2億4237万バレルと前月の2億9067万バレルから大幅減少した。

　2月のエネルギー関連輸入は総額272億4000万ドルと、前月の321億6000万ドルから減少した。

　対日貿易赤字は52億4000万ドルと、前月の49億8000万ドルから拡大した。また、対ユーロ圏赤字も62億3000万ドルと、前月の48億7000万ドルから大幅に増加した。

記者: Tom Barkley and Jeff Bater

Associated Press
ＮＹＭＥＸの原油先物相場は前日比3.3％下落で終了（12日）
ダウ平均の終値は前日比117ドル53セント（0.95％）安の1万2,263ドル58セント。ナスダック総合指数は同26.72ポイント（0.96％）安の2,744.79、S&P500種指数は同10.30ポイント（0.78％）安の1,314.16で引けた。

原油先物相場が約2年ぶりの高値から水準を切り下げるなか、エネルギー株が下げを主導した。個別銘柄ではメジャー（国際石油資本）のエクソンモービル（NYSE:XOM）が2.33％安、シェブロン（NYSE:CVX）が3.34％安。

アルミ大手アルコア（NYSE:AA）は6.02％安と、ダウ銘柄の値下がり率首位。前日の取引終了後に発表した1-3月期決算は黒字転換したものの、売り上げが市場予想を下回ったことが失望された。

国際通貨基金（IMF）が前日公表した世界経済見通しで2011年の米国と日本の国内総生産（GDP）成長率を下方修正したことや、国際エネルギー機関（IEA）が原油需要の弱さを指摘したことで世界経済に対する先行き不透明感が広がっている。

商品相場の下落は、地政学的な不透明要因や米企業決算の低調な滑り出しが景気見通し悪化の前触れになる、との警戒感が投資家心理を圧迫している様子を映した。米企業は、1-3月期業績は見通しに達しそうだが、世界経済の先行き不透明感を踏まえて今後の業績予想について慎重姿勢を強めるもようだ。

(ダウ・ジョーンズ)

　ニューヨーク・マーカンタイル取引所（ＮＹＭＥＸ）のＷＴＩ原油先物5月限は前日比3.67ドル（3.3％）安の1バレル＝106.25ドルで引けた。これは、8日につけた2年半ぶりの高値に比べると6％近く低い水準。一方、ロンドン市場の北海ブレント原油は3.06ドル安の120.92ドルで取引を終了した。

画像を拡大する

Reuters
米バージニア州アレクサンドリアのガソリンスタンド（12日）
　下落の背景には需給に関する一連の材料がある。国際エネルギー機関（ＩＥＡ）は、原油高が需要に水を差している兆しが既にみられると指摘した。一方、石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）は12日のリポートで今年の需要見通しを下方修正した。また、サウジアラビアは最近増産していたが、需要低迷を理由に日量50万バレルの減産に踏み切っている。

　トラディション・エナジーのブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「原油高がどう経済の足を引っ張るかについて、見直しが行われている」と述べた。「市場は（売りを出す）きっかけを待っており、それがきょうだった」という。

　ゴールドマン・サックスは「原油需要の破壊」が起こる兆しを理由に商品の売りを推奨し、投資家の懸念を増幅させた。

　同社によると、ブレント先物相場は今後数カ月で20ドル近くという「かなり大幅な下落」となる見通し。ブレント先物は現在、ＷＴＩよりかなり高い水準で推移している。

　さまざまな市場で相場の下落を引き起こした原油安にトレーダーは警戒している。ダウ平均の下落幅はこの日100ドルを超え、金や銅のほか、小麦や家畜といったソフトコモディティーも下げた。ユーロはドルに対して0.5％上昇した。

　リンド・ウォルドックのブローカー、リッチ・イルチスジン氏は「原油相場の崩壊が始まれば、ほか（の商品）もみな疑問を持たれる」と述べた。

　原油が昨年末時点の91ドル近辺から上昇しているのは、中東や北アフリカの騒擾に関連した供給懸念が要因だ。リビアの紛争で、日量160万バレルにのぼる同国原油生産がほぼ全面停止し、ほかに混乱があれば供給が不足しかねない。

　しかし、相場が2008年の上昇局面までさかのぼる水準に上がり、米ガソリン小売価格が1ガロン＝4ドルの心理的な節目にじりじりと近づいていることから、石油アナリストらは、原油が現在の水準から上昇すれば車の利用に影響を及ぼしはじめ、景気回復の重しになるとの懸念を深めている。

　米エネルギー省によると、ガソリン価格は先週3.79ドルに上昇した。年初には3.07ドルだった。

　ダウ・ジョーンズ経済通信のアナリスト調査によると、同省が13日に発表する在庫統計で、米原油在庫は110万バレル増加するとみられている。ガソリン在庫は70万バレル減の見通し。

記者: Jerry A. DiColo

ロシアン・タイムズ
http://rt.com/usa/news/bond-fund-usa-debt/

ハイパーかスーパーかしらないがインフレだってことは解る。

戦争だな？