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IMF世界経済見通し:景気回復強まる−原油価格が下振れリスク
4月11日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は11日発表した最新の世界経済見通し(WEO)で、原油価格の一段高の脅威が世界の経済成長にとって「主要な下振れリスク」となり、新興国の景気過熱や先進国の長引く失業問題に伴う問題をさらに複雑にしているとの見解を明らかにした。
IMFはWEOで景気回復が「強まっている」と指摘し、今年の世界経済成長率を4.4%、2012年の成長率を4.5%と予想。1月時点の予測と「ほぼ変わらない」水準とした。11年の原油価格の見通しは1バレル=107.16ドルと、1月時点の予想の89.50ドルから上方修正した。
IMFは「景気回復がより自律的になっており」、「世界の経済活動は再び加速する態勢にあるようだ」と指摘。「経済成長に対する主要な下振れリスクは、供給混乱で原油が予想外に上振れする可能性にかかわるものだ」と述べた。
中国やブラジルなどの新興国がけん引役となり、世界経済はリセッション(景気後退)後の成長局面の2年目に入っているが、各国は異なる課題に直面している。IMFは今週のワシントンでの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に、先進国に財政赤字削減に着手するよう要請、米国では「緊急」の必要があると指摘した。新興国に対しては、インフレ圧力に対応して利上げし、通貨高を容認するよう勧告した。
IMFは「金融市場の改善や多くの新興国・途上国の経済活動の浮揚、先進国での信頼感の向上」に言及し、世界の経済見通しは良好だとの認識を示した。IMFの予測はブルームバーグ・ニュースが調査したエコノミスト予想よりも楽観的だった。エコノミスト74人の予想中央値では、今年と来年の成長率は4.2%と見込まれている。
IMFは途上国の今年と来年の成長率を6.5%と予想する一方、先進国の今年の成長率は2.4%、来年は2.6%と予測。主要7カ国では英国の11年成長率を2%から1.7%に下方修正。米国の11年の成長率も3%から2.8%に下向き改定したが、12年の成長率は2.9%(従来予想2.7%)に引き上げた。
日本については、3月11日の東日本大震災を受けて今年の成長率を1.6%から1.4%に下方修正。来年は2.1%(従来予想1.8%)に上向き改定した。ユーロ圏の今年と来年の成長率は0.1ポイントずつ引き上げ、11年を1.6%、12年を1.8%と予想した。
IMFは商品価格について、新興国の需要に支えられて「急速に高値圏に戻った」とし、「一方で供給側の対応は鈍い」と指摘。商品需要は緩和し、生産は年内に上向くと予想しながらも、中東・北アフリカの長引く政情不安で石油市場の見通しは「まだかなり不透明だ」との見方を示した。
原油価格は過去半年間に38%上昇し、4月8日には2年半ぶりに1バレル=112ドルを上回った。
為替レートの柔軟性
IMFはまた、経常黒字を計上する新興国に為替レートの柔軟性を高めるよう要請。先進国は債務と赤字を削減し、金融緩和を維持すべきだと指摘した。
中国の人民元相場については「中期的なファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)で正当化される水準よりも依然としてかなり弱い水準にあるようだ」と述べ、韓国ウォンも妥当な水準より弱いとの認識を示した。
IMFはさらに、円とユーロ、英ポンドは「中期的ファンダメンタルズにおおむね沿っている」とする一方、ドルは「ファンダメンタルズに比べてまだ幾分高い水準にある」と指摘した。
IMFの予測によると、主要新興国では中国の成長率が最も高く、今年は9.6%、来年は9.5%となる見通し。インドに関しては今年を8.2%、来年を7.8%、ブラジルは今年を4.5%、来年を4.1%と予想した。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo + kshugo@bloomberg.net Editor:記事についての記者への問い合わせ先:Sandrine Rastello in Washington at srastello@bloomberg.net
更新日時: 2011/04/11 23:00 JST
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