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京都、箱根…観光名所から外国人が消えた
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110407-OYT1T00129.htm?from=main3
東日本大震災と東京電力の福島第一原子力発電所の重大事故の影響で、日本を訪れる外国人観光客が激減している。
被災地だけでなく、西日本の観光地などでも外国人観光客のキャンセルが相次ぎ、国内の観光産業は大きな打撃を受けている。海外メディアなどが、原発事故を実態よりも大げさに伝えたのも、一因とみられる。政府が新成長戦略の柱の一つに据えた「観光立国」構想も、大幅な見直しが避けられない情勢だ。
◆売上高10分の1◆
観光業への打撃は、被災地から離れた各地の観光名所にも広がっている。
首都圏に近い神奈川県箱根町では震災後に「外国人客があっという間に消えた」という。富士山を見渡せ、噴煙が立ち上る大涌谷の土産物店では、外国人に人気があった温泉でゆでた名物「黒タマゴ」の売り場にも閑古鳥が鳴いている。
売上高は、震災前の10分の1以下に急減した。
震災前は外国人観光客を乗せた大型観光バスが毎日、100台以上が乗り付けていた駐車場も、ガラガラの状態になっている。
外国人客の誘致に力を入れてきた箱根町観光協会は、玄関口の箱根湯本駅に英語、韓国語、中国語で対応できる案内所を2か所設置しているが、「震災後は1日あたり数人しか来ない。1人も来ない日もある」(箱根町総合観光案内所の鈴木義孝所長)という。3月の外国人の利用者は前年同月より約7割少ない446件に減った。
東京・秋葉原の家電販売店で、外国人を対象にした免税品コーナーも設けている宝田無線電機では「地震の影響で外国人客は減り、売り上げは前年に比べて3月は1〜2割減、4月はそれ以上落ち込みそうだ」と話す。
◆西日本にも影響◆
被災地から遠く離れた西日本にも影響は広がっている。
境内の桜が五分咲きとなった京都市東山区の清水寺。例年なら正門「仁王門」の前には記念撮影のシャッターを切る外国人客が途切れないが、最近はバックパッカーらしい欧米人がまばらに訪れるだけだ。
事務長の西田五男さん(60)は「中国、韓国からの団体客が来てくれない。先が見通せない」と話す。近くの土産物店で働く女性(39)は「来店客の6割が外国人だった。厳しい」とうつむく。
米映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(大阪市此花区)でも、中国などアジアからの観光客が途絶えた。運営会社のグレン・ガンペル社長は「各国政府が日本への渡航を控えるよう要請している。この現象がいつまで続くのか」と嘆く。
(2011年4月7日13時10分 読売新聞)
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