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復興対策で細かい財源論は必要ない 増税ショックのない国債発行がセオリー
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/399.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 07 日 11:16:12: 6WQSToHgoAVCQ
 

増税しなくて済むなら、それにこしたことはないが
http://diamond.jp/articles/-/11784
【第11回】 2011年4月7日高橋洋一 [嘉悦大学教授]
復興対策で細かい財源論は必要ない 増税ショックのない国債発行がセオリー
 東日本大震災の復旧・復興のためには大規模の経済対策が必要だ。具体的には補正予算が複数回組まれるだろう。
増税は被災地以外に増税ショックをもたらす
 今の段階で、第1次補正予算は、財政規模を3兆円として、その財源は、2011年度の基礎年金国庫負担割合の2分の1維持に向け確保した2兆5000億円の「埋蔵金」を財源に充てるようだ。
 補正予算は6月に第2次が打ち出されるだろう。さらに必要なら、その後に第3次補正やその次もあるだろう。
 阪神淡路大震災の時にはどうだったのか。1995年1月に大震災が起こり、2月、5月、10月と補正予算が打たれている。震災復旧・復興3.2兆 円のほかに景気対策等を含め、それぞれの予算規模は1兆円、2.8兆円、6兆円の計9.8兆円だった。それらに対して国債発行は9.2兆円だった。
 まず、はじめに大震災復旧・復興の補正予算の財源の原則をいいたい。一部に、復興連帯税などの増税プランがでているが、それはまったくセオリーに反する。
 大震災という100年以上に一度のショックに対しては、時間分散して対応する必要がある。それは国債発行して負担を平準化するのがいい。増税と国債の違いは、負担を一時にするか、分散するかという点である。
 もし増税をするなら、被災地は震災のショックを受け、被災地以外は増税のショックを受けることなり、日本全体が大きなダメージをうけてしまう。
次のページ>>英国では戦時内閣では財務大臣をはずす
「災害復旧負担法」が財政負担に枠をはめている
 次に、対策の規模だ。今の段階で第1次補正3兆円は、阪神淡路大震災の時の最初の補正1兆円の3倍である。阪神淡路では最終的に震災の復旧・復興 のための予算が3.2兆円だったので、今回の震災関係は10兆円程度になるだろうか。今回の大震災の直接的な被害額が16〜25兆円であるので、少なくと もその程度(20兆円程度でもいい)はぜひとも必要だが、はたしてそうなるだろうか。
 そのためには、現在の財政負担制度の枠が邪魔になる。災害復旧負担法といって、復旧を「現状維持」と定めているものがある。その制度の下では、津波被害が来て、本来は高台に復旧されるべき家屋を、再び海岸線の被災地に作らなければいけなくなる。
 これは復旧のスタート段階を歪めて、次のステップの復興もうまくできなくする。こういう所こそ、政治力を発揮しなければいけない。
 英国では戦時内閣では、財務大臣をメンバーから抜くという。国難のときに財源論からの意見は、国家戦略に有害だからだ。災害復旧負担法の枠をなくして、財務大臣抜きで、復旧・復興プランを作る必要があるが、はたして菅政権にそれができるだろうか。
 こういうと、必ず財政再建も重要だという意見が出てくる。ただし、解決すべき時間軸が異なる。大震災からの復旧・復興はすぐやらなければいけない。財政再建はもう少し長い時間軸の下で、解決すべき問題だ。
 しかも、大震災での復旧・復興事業は、いわばゼロからのスタートであるので、限界的な生産力アップはかなり大きいから、財政支出としても正当化される。復旧・復興を急がなければ、その後の経済立て直しもできず、財政再建すらできなくなってしまうのだ。
 しかも、逐次投入ではなく、財源論に目をつぶって、最初にドカンと投入する方が政策としての投資効果も高くなる。この意味で、普通の投資効率の低い公共投資と同一視することはできない。
次のページ>>大量の公共投資とマンデル=フレミング効果
大量の公共投資とマンデル=フレミング効果
 第3に、マクロ経済での考慮だ。大量の公共投資を行う場合には、いわゆるマンデル=フレミング効果を考慮しなければいけない。マンデフレ=フレミ ング効果とは、1999年にノーベル経済学賞を受賞したマンデル・コロンビア大教授によるもので、変動相場制では財政政策の効果はなく、金融政策は効果が あるというものだ。
 おおざっぱにいえば、変動相場制の下で、国債発行で財政政策を発動すると、行わなかった場合に比べて金利が高くなり、その結果、為替が強くなって(自国通貨高)、輸出が落ち、公共支出増を相殺してしまうのだ。
 為替の動向が鍵になるが、まさに1995年の阪神淡路大震災がそうだった。先に財政支出が決まり、それを先取りする形で震災3ヵ月後には円高になっている(図1)。
 ところが金融政策は、震災以降の金融緩和の動きは鈍く、公定歩合の引き下げは1995年4月と7月だった(政策金利としての公定歩合は意味が薄くなりつつあったが)。
 その時の円高は、今回の円高より前の最高値であった。もっと早く金融緩和に踏み出していれば、その円高は阻止できただろう。


次のページ>>日銀の金融緩和はまだまだ不十分
 今回は、各国協調介入もあり、今のところ円高にならず円安にふれている。為替は日本国内事情だけなく、海外の金融政策も関係する。米国では、量的緩和策が功を奏して、出口戦略が具体的になるかもしれない。となると米国の金融緩和が転換すれば、それは円安になる。
 ただし、阪神淡路の時も、円高は震災の3ヵ月後だったので、補正予算の状況などから目が離せず、油断はできない。
 このところの原油高もあり、円安に対する懸念も一部にはあるが、日本経済全体から見ればマイナスではない。実際、リーマンショック以降各国は通貨安戦争といわれながらも、日本以外は通貨安にして景気回復させてきた。今度は日本がその恩恵を受けてもいいはずだ。
日銀の直接引受の方が経済効果は高い
 いずれにしても金融政策が鍵を握る。東日本大震災後の金融緩和は、当座残高増でみて20兆円強である。リーマンショック後の10兆円程度に比べれ ば大きいが、その時の世界各国が中央銀行のバランスシートを2〜3倍にしたのに比べると、バランスシートで20%程度の増加でしかなく、迫力はない。
 過去15年程度の金融政策をみると、引き締め基調でその結果、デフレターゲットともいえるデフレ状態が続いている。その流れから行くと、日銀が金融緩和を積極的に行う可能性は低い。
 ここで、国債の消化方法が問題になる。国債は大別すると市中消化と日銀直接引受の2方法がある。今年度の国債は、新規財源財44.3兆円、借換債 111.3兆円、財投債14兆円の計169.6兆円、発行される。この分類は財務省の便宜的なもので、市場関係者から見ればどの国債も同じである。これら を金融機関や個人の市中消化で157.8兆円、日銀引受で11.8兆円を消化する。
 ここで金融緩和を後押しするために、日銀直接引受が考えられる。もちろん、市中消化であっても、日銀が市場から国債を購入すれば経済効果は同じで あるが、これまでの日銀の行動から考えにくい。さらに、震災以降の金融調節をみても、ほとんど日銀による市場からの国債の購入はない。
次のページ>>実は毎年行われている日銀の国債直接引受
日銀引受と市中消化を比べると、日銀引受のほうが金利上昇を抑えられ、円安効果もできるので、国内の公共投資とともに、民間設備投資増、輸出増になって、経済効果が大きくなるだろう。
日銀による国債の直接引受は実は毎年行われている
 日銀直接引受については、マスコミ報道で大きな誤解がある。しばしば禁じ手といわれ、これを行うと、インフレになったり、通貨の信任が失われるという。しかし、実は日銀による直接引受は毎年行われている。
 たしかに、財政法5条では、「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。」と書かれている。
 しかし、その後に「但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない」と書かれている。さらに、今年度も 含めて毎年度の予算総則では、「日銀保有国債分については、「財政法第5条ただし書の規定により政府が平成23年度において発行する公債を日本銀行に引き 受けさせることができる」と書かれている。
 ちなみに、これまでの日銀引受と長期金利の推移は図2の通りだ。私が官邸にいたときの日銀引受額は23兆円だったが、金利も上昇せず、インフレにもならず、通貨の信任が失われたこともない。

 野田佳彦財務相は、これを知らなかったと国会で発言したが、そういう人ほど、日銀引受を1円でもすると、金利が上昇し、インフレになって、通貨の 信任が失われると騒ぐ。しかし、これまでのデータでは、そうなっていない。これは市場関係者であれば誰でも知っていることである。
質問1 復興財源として国債の日銀引き受けに賛成ですか?
64.3%
賛成
17.8%
条件付きで賛成
11.6%
反対(金利が上がりインフレになる)
6.2%
わからない
 

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コメント
 
01. arik01 2011年9月17日 11:35:55: vZ6C8Jumm2Cxw : ca1w8QE1YM
イギリスは戦時下では財務省をはずすという知恵がすごいと思いました。翻って我が国は管、野田と財務大臣経験者の総理が2代つずいており、また安住大臣というまるで金融がわかっていない大臣を任命して財務省のいいなりになりそうな気配で、復興よりも財源論ばかりしている訳のわからないことになっており非常に残念です。増税により経済が大停滞するリスクが高まっています。結局結果的に税収が減ればもう財源もないし、景気悪化と円高で国内向け投資はさらに減り、国内空洞化も加速され殆ど亡国のシナリオになるでしょう。

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