http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/393.html
Tweet |
東電株はどこまで下がるのか 責任の範囲は政府の裁量次第 株主負担回避は希望的観測だ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110406/plt1104061537002-n1.htm
2011.04.06 連載:2011「日本」の解き方:夕刊フジ
東京電力の株は安定的な配当があるので個人投資家が多い銘柄だ。東電株は4割くらいが個人株主によって保有されている。こうした個人株主は長期保有することが多く、日頃それほど売買しない。さらに、優良銘柄として投資信託にも組み込まれている。
その東電株が、福島原発事故を受けて、急落している。震災時の11日の終値は2121円だったが、週明けの14日から下がりはじめ、17日には798円になった。
放射性ヨウ素の半減期は8日というが、17日までの東電株価急落は半減期3日の物質の残存曲線のようだった。その後一時持ち直したが、22日からは半減期6日の曲線に乗って下がっている。
株価がどう決まるかというのは難しい問題だが、長い目で見れば、会社の純資産価値を株式数で割ったものになる。純資産価値を見極めるモノとして、会社の将来キャッシュフローがある。そこで、すぐ問題になるのが、原発事故による補償である。
前日のコラムで紹介したが、原子力損害賠償法があり、「異常に巨大な天災地変」によって生じた損害について東電は免責になる。しかし、具体的にどこまでが免責になるかは最終的には政府が決める。
昨日のコラムからわかるが、保険カバー額と政府補償カバー額合計が1・8兆円、東電の純資産額が2・2兆円なので、被害総額が多額で東電の免責部分を除いて東電負担分が4兆円を超えると、東電の株式価値はほぼなくなる。
そうした場合、東電の公共性から、公的資金が導入されたりまたは他の電力会社が出資したりして電気事業は継続されたとしても、株については100%減資が行われるはずで株式はやはり無価値になる。
不確定部分なのは、全体の被害総額と、そのうちどれだけ東電が責任を負うべきかだ。全体の被害総額は原発事故の収束が長引くほど増えるが、現実に日に日に拡大しているようだ。
また、東電の負うべき範囲だが、政府は東電の免責部分を広くとると、政府の責任部分がその分広くなるので、できるだけ東電の責任部分を大きくとるだろう。
証券会社の中には、これまで東電株を推奨してきた経緯から、株主の負担は回避される可能性が高いという意見も多いようだが、これはあまりに希望的観測すぎるだろう。
これまでのほとんどのケースで、企業危機になって国が乗り出す場合、企業の株主や債権者の負担を少なくするとその分、国民負担が増えるので、株主や債権者には最大限の負担になっている。
これまでのケースで急落した時に先に売った人のほうが傷が少なかったので、今回のケースもあまり楽観的に考えない方がいいだろう。(元内閣府参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。