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■NY金:最高値更新(4月6日/ブルームバーグ発)
ニューヨーク金先物相場は続伸。一時はオンス当たり1456.40ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。欧州ソブリン債への懸念が強まり、代替資産としての需要が高まった。
ポルトガル国債の保証コストが過去最高に達したことに加えて、リビア騒乱や日本の原発問題もあり、安全な逃避先としての金需要が膨らんだ。過去1年では28%上昇している。銀は1年で2倍余り上げた。
リンド・ウォルドック(シカゴ)のシニアストラテジスト、アダム・クロフェンシュタイン氏は「中東の混乱は依然続いている」とした上で、「混乱に対するヘッジ目的での金と銀の需要が引き続き存在する」と分析した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6月限は前日比19.50ドル(1.4%)高の1オンス=1452.50ドルで終了。終値としても最高値を記録した。金現物相場も一時、1.4%上昇し、オンス当たり1454.32ドルと過去最高値を更新した。
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が4日、インフレを「非常に注意深く」監視する必要があると発言したことを受け、これまでの市場予想よりも早い時期に利上げが実施されるとの観測が強まった。欧州中央銀行(ECB)は、今週の政策委員会で利上げを実施する可能性を示唆している。また中国は5日、消費者物価上昇に歯止めをかけるため、昨年10月以降で4回目の利上げを発表した。
ユーロ・パシフィック・キャピタル(ニューヨーク)のシニアエノミスト、マイケル・ペント氏は、「中銀がリセッション(景気後退)と闘うため、いったん拡大路線をたどりはじめたら、インフレが購買力をむしばみ始めた時に方向転換するよりも、資金を供給し続ける方がずっと簡単だ」と指摘した。
■瀬戸際のドル/福島(4月6日/やまはFX発)
ドルインデクスがサポートラインをうろうろすることが長くなった。ユーロドル、ポンドドル、豪ドルドルなどの対ドルペアもいずれもブレーク寸前の様子である。もちろん、ここからの一時ドル高もあるかもしれないが、結局のところドル安と商品高傾向は止まるとは見えない。
昨晩のバーナンキ演説もさすがにそのあたりの懸念があるようであり、「インフレもQEとは無関係」、「ドル安も気にしない」という従来の姿勢には変化が見られる。出口戦略をちらつかせてきたところで、こちらのシナリオ通りの動きになってきたと思う。なお、ドル安傾向に合わせ、福島がらみでリスク回避で金・銀への指向はますます強いものがあり、金も最高値更新はおそらく間近だと思う。
相場全体では、GSR(ゴールドシルバーレシオ)のさらなる降下もあり、ダウは12400を超えて13000向けての上昇に入ると思われる。日経はさすがに遅れはするものの、上昇基調は同じだろう。ただ、昨日も書いたように原発のエリオット波動調整B波的動きには要注意だ。現状では炉心冷却水はそのままじわじわと漏れている状態であり、たとえ、低レベル汚染水を海に捨てても、構内に収める余裕スペースがなくなるのは時間の問題だ(現在でも高レベル汚染水は6万トンあるそうだ)。メガフロートの類に移すにしても困難が予想され、高レベル汚染水除去および冷却システム改修あたりで次のメジャートラブルが発生すると予想される。
昨日も書いたように、相場と原発トラブルは非常に似ている。サブプライム問題発生時も、全米各地の住宅のローン証券をごちゃごちゃに組み込んだCDOならば、それぞれの不動産の値下がり確率をかけあわせればいいので、きわめて低確率の危険度しかないという話だったのであるが、実際は、全米の不動産は一気に下落したのだった。よく考えれば、各地の土地の値段の上下が確率的に無関係な事象であるという前提はおかしかったわけだ。
福島でも、外部電源・非常用の複数電源が一度に全部壊れる確率はあり得ないほど小さいという前提だったのだが、津波で一気に破壊された。これも後からよく考えれば、各系統の故障確率が独立の事象であるという前提はまったくおかしかったわけだ。
確率論的問題は、後知恵では当然のことも、事前には意外に予想できないということなのだろう。放射能による健康被害も、確率論的な問題なので、同じような「後知恵」現象があり得る。十分に注意すべきだと思う。
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