http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/380.html
Tweet |
東電一時国有化を試算する 賠償負担4兆円が分水嶺に 国民負担最小化する政策を
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110405/dms1104051533014-n1.htm
2011.04.05 連載:2011「日本」の解き方:夕刊フジ
東電の福島第1原発事故について、その後処置や周辺住民などへの補償などで巨額な費用がかかると見込まれている。
そこで、「一時国有化」について、枝野幸男官房長官は否定しているが、玄葉光一郎国家戦略担当相は「選択肢の一つ」としている。
これまでの国有化の例では、100%減資(資本金を全額減らすこと)をして株の価値をゼロにすることがほとんどだ。それを見越して、東電の株価は連日ストップ安となった。
東電は今回の事故で経営はどうなるのか。原発事故については、原子力損害賠償法があり、その第3条で「原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる」となっているが、「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない」と免責されている。このため、東電関係者が「想定外だった」と強調するわけだ。
どこまでが免責されるかは今の段階ではっきりしない。震災後の初動対応の不備もいわれており、数兆円といわれる賠償額すべてが免責されるわけではないだろう。
となると、東電が責任を負うべき範囲はどのようになるのか。まず原子力損害賠償法で、東電は原子力損害賠償責任保険に加入する義務があり、福島第1原発で1200億円だ。
それでカバーできない範囲については、国が東電を相手として原子力損害賠償補償契約を結んでいる。これは2010年度予算で1兆6960億円だ。
仮に賠償総額が7兆円としよう。そのうち東電の負うべき賠償額が責任保険と補償契約の合計1兆8160億円以内ならば、原発の毀損(きそん)による損失を除き、東電の持ち出しはないことになる。
ところが、もし東電の負うべき賠償額が5兆円で、残り2兆円は政府が責任を負うことになる場合、東電の持ち出しは(5兆円から前出の保険や補償契約を差し引いて)3兆1840億円になる。昨年3月末の東電の純資産は2兆1607億円なので債務超過で破綻になる計算だ。負担額4兆円程度が分水嶺となる。
電力会社は公共性が高く地域独占でもあり、破綻させて会社が消滅するわけにはいかない。そうした場合には、経営陣などは責任をとり退陣させられるだろうが、金融機関と同様に国有化措置などの公的関与が行われるだろう。
その場合、必要な投入資金額は東電の持ち出し額3兆1840億円から同社の純資産2兆1607億円を差し引いて、1兆233億円以上となる。これをすべて税金でなく、例えば他の電力会社や、ガスなどの公益事業会社からも資金投入できれば、国民負担はそれだけ減少することになる。
いずれにしても、電力会社を破綻させて電力供給をストップできないのであるから、一時国有化でも国民負担を最小化させる政策が選択されなければいけない。(元内閣府参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。