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円安は日本を救うか、国債支えるマネー流出のおそれも
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/363.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 03 日 22:07:49: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-20384520110401
円安は日本を救うか、国債支えるマネー流出のおそれも
2011年 04月 1日 13:30 JST

 [東京 1日 ロイター] 市場には足元の円安を日本にとってプラスと好感する声だけではない。リスク選好ではなく日本経済悪化への懸念による金利低下が円安につながるような場合には、日本売りが生じ、株価にとってもマイナスと警戒されている。

 円安が基調として定着するとの見方が強まれば、外債投資の増加につながり、日本国債を支えているマネーが流出するという危機的状況に陥るおそれもあるという。 

<円安が株高要因とならない可能性>

 円安は国内輸出企業にとってプラス要因であり、輸出株のウエートや影響力が大きい日本の株式市場にとってはポジティブに働くのが通常だ。だが最近の円安に対しては日本売りにつながるとして警戒する声も少なくない。

 「欧米諸国が金融引き締めに動く半面、日本は震災の影響が長引き日本の景気不透明感が強まり緩和政策が継続される可能性が大きい。リスク選好の円安ではなく日本経済へのネガティブな見方が背景の円安であれば、株価にもマイナスに働く可能性がある」(国内シンクタンク)という。

 実際、円安進行にもかかわらず日本株はさえない。円は対ドルで83円後半、対ユーロで118円前半まで円安が進んだが、前場の日経平均は前日終値付近でのもみあいとなっている。市場では「震災の影響が見極められない。計画停電が長引けば11年度の企業業績はかなり下押しされるだろう。円安の背景が景気や業績不安であれば株にはネガティブ」(コスモ証券・投資情報部副部長の清水三津雄氏)との声が出ていた。

 震災で物資の輸入が増える可能性があるほか、原油価格も上昇しており、円安が「デメ

リット」として働く可能性もあると警戒されている。 

 金利低下は債券価格の上昇であり、株価は軟調であっても「質への逃避」が進めば日本売りは限定される。だが、円安が基調的に続くとなれば日本の資産はその魅力が低下し、相対的に外国資産の魅力が上昇する。日本国債を支えている国内のマネーが外債などに向って逃げだせば、円安・株安・債券安のトリプル安となる可能性もある。債券価格が下落し金利が上昇すれば円安の要因は縮小するが、投機筋の動きでタイムラグが発生したり、変動幅が大きくなれば、震災で疲弊した日本経済に金利上昇はさらにダメージをもたらす。 

 東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏は「円安が進行しているときに、そのメリットを活かし景気回復につなげるような政策が欠かせない。円安を活かして円安の要因となっている景気悪化懸念を消すことが必要だ。また日本市場の魅力を高めておくことも重要だろう」と述べる。 

 日本では、外需で稼ぐ輸出企業がけん引役となり他の産業に効果が波及するという景気回復のパターンが多く、円安が輸出を後押しすれば「負の連鎖」は断ち切れる。円安をうまく活用できれば株高要因になるとみる投資家も多い。

 東京海上アセットマネジメント投信の運用戦略部チーフファンドマネージャーの平山賢一氏は「日本のモノが世界で売れなくなるのではないかとの不安が強まっているが、円安が進めばポジティブインパクトが起きる可能性がある。為替感応度が高い企業の業績は思ったほど悪くないことになりそうだ」との見方を示している。 

<「出口」への距離遠い日本> 

 午前の外為市場では、金融政策に対する各国の姿勢の違いを材料に、海外のファンド勢を中心に円売りが進んでいる。ドル/円は震災直後につけた83.30円を上回り、2月22日以来の高値をつけた。

 ドル買い/円売りを支えたのは、このところ相次ぐ米連邦準備理事会(FRB)高官の発言。金融緩和政策からの出口を模索するようなコメントが続いており、前日はミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁が、ウォールストリート・ジャーナル紙のインタビューに対し、年末までに0.75%ポイントの利上げを実施する可能性を示唆した。もともと同総裁はタカ派的とみられているが、「0.75%と具体的な数字まで出してきたので意識せざるをえない」(国内金融機関)という。 

 一方、日本は震災の影響で「出口」までの距離が一段と遠のいていると受け止められている。「当面は日米金利差が縮小する方向には行かないだろう。むしろ、次の日銀決定会合で追加の対策が打たれてもおかしくない雰囲気になっている」(みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)という。また「震災の結果が一部しか入っていない3月の日銀短観も決して良くなかった。出口を模索する欧米と違って、日本が緩和姿勢を維持することは明らか」(バンクオブアメリカ・メリルリンチのFXストラテジスト、藤井知子氏)との声も聞かれた。 

 円はドル以外の主要通貨に対しても売られており、豪ドル/円は86.45円まで上昇し、11カ月ぶりの高値をつけた。ユーロ/円は昨年5月以来の水準となる118.52円まで強含んだ。金融政策に対する日本とユーロ圏、オーストラリアの温度差に加え、中国の3月購買担当者指数(PMI)が前月から上昇したことも、クロス円を押し上げた。 

<財政規律弛緩による円安も警戒> 

 財政規律の弛緩による「悪い円安」も警戒されている。震災前のデータが多い日銀短観は材料視されなかったが、復興関連で、一部議員からではなく、政府から日銀引き受けの本格的な検討がなされているという話が報じられており、予算の財源に関する震災特例公債発行法案に日銀引き受けの可否が盛り込まれるかどうかが焦点となってきた。

 円債市場では日銀の国債引き受けには否定的な声が多い。

 RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは「5―10兆円程度以下であれば、直接的にマネーを膨張させてインフレを引き起こす効果は極めて小さいが、問題は、そういった直接的な金融効果ではなく、これまで日銀が拒否反応を示してきた国債引き受けを実施することになった場合、日銀の独立性、ひいては円の信認が失われるという(マイナス)効果」と指摘。

 そのうえで「国債の需給をサポートするという観点からの金利低下は起こらず、かなりの円安と長期金利の上昇が起こるのではないか。日銀引き受けが求められるほど震災国債の市中消化に不安があるわけでもない。リスクの大きさを考えると、見送られる可能性は高いものの、実際に見送りが確定するまでは不安定な相場が続きそう」と話している。 

 午前の円債先物は続落。新年度入り後の国債買いが期待されたが、震災復興原資をめぐる不透明感が強まり、銀行などの主要投資家は積極的な取引を見送った。「期初のため、ポジションが取りやすくはなったが、外部環境が不透明で投資の方針が明確に定まらず、いったん益出しから入っている投資家が若干多いのではないか」(ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジスト)という。

 (ロイター日本語ニュース 伊賀大記;編集 宮崎亜巳)  

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コメント
 
01. 2011年4月04日 06:57:44: uHzs3poEwg
最近日銀は広報要員を増やしてマスコミ、言論界を折伏中。
以前からの学会への資金援助を通じる学者丸抱えといい、今回の広報作戦といい、
まるで東電の学会・マスコミ対策と同じ構造だわな
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/53740264161947648
日銀から毒をもられた(日銀引受は禁じ手)という一部の誠実なマスコミの方もいる。
そういう方々には、昨年度の国債発行額162兆円の内訳金融機関引受148兆円、
個人3兆円、日銀引受11兆円の事実(解毒剤)をいう。
日銀引受は毎年やっていて財政規律はどうだった?
国債市場は暴落した?
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/53743918902284288
実は、国債の日銀直受けは、毎年、実施されている。

■国債の日銀引き受け報道に見る日本の報道統制事情
大震災の復興財源について、国会でも日銀の国債引き受けを財源とすべきとの議論がなされています。
これに対し、市場関係者やエコノミストから絶対に避けるべきという声が上がっている、との報道があります。
この報道を材料に日本の報道統制事情について考えてみます。
まず少々長い引用ですが赤字で強調したところに注目して読んでみましょう。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20110331/1301583630
■日銀が復興国債を買えば、国債は暴落するのか?
敢えて呼び捨てにしますが、白川方明は高橋是清蔵相の業績などの歴史的事実とも相容れない自説にこだわり、
国・国民がどのような災難に会おうと構わないというのなら日銀総裁など即刻辞職すべきです。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20110326/1301198305

それではどうすればいいのか?
デフレが長引く日本だからこそできる唯一の方法があります。
それが、「震災国債の日銀直接引受」です。
具体的には日本政府が発行した「震災国債」を日銀がお金を新たに印刷して20兆円程度買い入れるという方法です。
メリット:
1.すぐにできる(その気になれば明日でも資金調達可)
2.巨額の資金が調達できる(日銀は日本円をいくらでも調達可能)
3.日本全体にデフレ脱却効果(デフレはお金不足で発生する通貨現象です)
デメリット:
デフレ状態の日本では通貨の発行が不足しているため、あまりデメリットはありません。
とはいえ、この案に反対している日銀、官僚、官僚に操られた政治家、
御用学者、御用学者になり損なった人、”御用一般人”たちは
ほとんど言いがかりに近いデメリットを挙げていますので、一応反論しておきましょう。
●「通貨の信認が毀損する」
→震災時の投機アタックで1ドル76円という超円高に見舞われた。
今現在の1ドル80円台の水準もリーマンショック以降の日銀の金融緩和の遅れによって発生した。
通貨の信認が毀損することでリーマンショック前の1ドル110円以上に戻るならこれほどいいことはない。
●「インフレになって歯止めが効かない」
→歴史上コントロールできなかったインフレが発生したのは、戦争後の生産設備が徹底的に破壊された状態のみ。
中央銀行がちゃんとオペレーションできればたいていのインフレは制御できる。
最近の例では、1989年に年5000%インフレに見舞われたアルゼンチンが、
1991年からのカバロプランにより1993年には年7.5%程度までインフレ率を抑制した例がある。
●「国家が破産する」
→震災発生というトンデモないネガティブショックの後、国債市場で何が起こったか?
日本の国債は暴落どころか、買われて値段が上がりました。
そもそも、財政が悪化している理由はデフレによって名目GDPが増えないことが原因です。
デフレを脱却して普通に経済成長していけば増税しなくても税収は増えます。
名目GDPが1%増加すると、毎年10兆円ぐらい税収が増えると言う試算もあります。
再掲しますが、以下の掛け算を頭に入れておいてください。
税収=名目GDP×税率
●「財政法5条の規定により、日銀の国債直接引受は禁止されている」
→2つの点でウソ。
(1)財政法第5条の全文
「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、
借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。
但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」
(2)日銀の国債直接引受は毎年やっている
(証拠)「日銀の国債直接引き受けは毎年行われていること」を御存じですか?
http://real-japan.org/2011/03/29/244/
ということで、ほとんど結論は出ました。
http://www.facebook.com/note.php?note_id=189230611122299

【高橋財政】高橋是清がひどいデフレを伴う昭和恐慌を日銀の国債引き受けによって
完全終息させたという歴史を知っていれば、
現在のデフレ下の日本においても日銀の国債引き受けが驚くべき手段でなくなるのは当然のことでしょう。
http://twitter.com/genkuroki/status/53768426308648961
【高橋財政】高橋是清の日銀の国債引き受けが原因でインフレ率が高騰してしまったと言う人がいるようです。
しかし高橋是清が2.26で暗殺されるまで見事なマイルドインフレで物価は安定していました。
その後のインフレ率の高騰は高橋財政とは無関係です。
http://twitter.com/genkuroki/status/53768364975333376
【高橋財政】高橋財政のあいだ(32〜36年)の名目経済成長率は2.6%、12%、10%、7.7%、5.6%です
(これは素晴らしい数字)。
ちなみに高橋財政直前の2年間はどちらも10%近いマイナスです。
悪夢のような経済縮小を高橋是清は食い止めたわけです。
http://twitter.com/genkuroki/status/53768154773598208

昭和恐慌、およびその脱却の経験から何がいえるのか(その1)
http://d.hatena.ne.jp/econ_econome/20081219

日銀国債直接引受に反対するフレーズは、
「通貨の信認を毀損する」「禁じ手」「ノイジーなマイノリティ」「財政規律無視」「国債の信用低下」etc.
国民生活の復興を描くビジョンが欠落している。
つまり、通貨の信認を守るためには、東北の被災者を棄民してもいいのだと高らかに宣誓しているわけだ。
http://twitter.com/nozuem/status/53861524921520128


02. 2011年4月04日 09:48:19: CjUaPd4RoQ
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1058411565
政府短期証券は財政法第5条の適用外なので引き受けは可能です
昔は為替介入の度に日銀に引き受けさしてましたが今は仕組みが変わったので引き受けさせる事は少なくなりましたが
また財政法第5条但書7により日銀が保有する国債が償還期限を迎えた際に同額の国債を引き受けさす事が可能で現在は短期国債を引き受けさしてます(98年以前までは長期国債)

03. 2011年4月04日 10:11:52: CjUaPd4RoQ
【第155回】 2011年4月4日 政府・日銀の緊急支援に求められる「次の一手」議論が紛糾するなか、真に有効な政策を描けるか―翁 百合・日本総研理事に聞く 4

東日本大震災で甚大なダメージを受けた日本では、足もとで復興への気運が盛り上がり始 めている。しかし、原発事故をはじめとする不安要因は依然として多く、先行きは楽観できない。復興税や日銀の国債引き受けにまで議論が及ぶなか、政府・日 銀による復興支援の行方に注目が集まっている。金融政策・金融制度に精通する日本総研の翁 百合理事に、政府・日銀が目指すべき政策の姿を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)
日銀の迅速な資金供給は非常に好ましい
決済システムの安定も重要な課題に
おきな・ゆり/1960年生まれ。東京都出身。日本総合研究所調査部理事。慶応義塾大学経済学部卒業。同大学院経営管理研究科修士課程修了。日本銀行勤務を経て、現職。
――東日本大震災で甚大なダメージを受けた日本では、足もとで復興への気運が盛り上がり始めて います。しかし、原発事故をはじめとする不安要因は依然として多く、先行きは楽観できません。そんななか、政府・日銀による復興支援の行方に注目が集まっ ています。大地震発生から現在に至るまでの対応を、どう評価しますか。
 日本銀行は大地震の発生直後から、大規模な資金供給を行なっています。金融機関の手元資金の総量を示す日銀当座預金残高は、3月下旬に約41兆円となり、過去最高を記録しました。一方で日銀は、資産買入等基金を通じて国債、社債、CPなどの買い入れも行なっています。
 これまでにない大きなオペレーションによって、いち早く市場に流動性を供給していることは、非常に好ましいと思います。
――震災復興を見据えた足もとの対応は、現状のままで十分でしょうか。
 十分か否かは一概に言えませんが、しばらく非常事態が続くことが想定されることに加え、復興に際して民間企業や公共施設などの資金需要はますます増加していきます。引き続き、必要に応じてさらなる金融緩和が必要になる可能性があります。
 決済システムを決してマヒさせないことも重要です。先日起きたみずほ銀行のシステム障害を見てもわかる通り、現在のような非常事態において金融危機を引き起こさないためにも、決済システムの安定を保たなくてはいけません。
 原発事故の見通しが立たないうちは、個人消費の落ち込みなどにより、多くの企業が苦境に立たされる可能性もあります。民間から資金の出し手がいない企業に対して、国が政府系金融機関などを通じてサポートする仕組みも必要でしょう。
次のページ>> 日銀は国債引き受けよりも、基金を通じて買い取りを続けるべき
日銀の国債引き受けは原則として禁じ手
基金による買い入れで金利安定を目指すべき
 今後、復興需要は盛り上がっていくと思いますが、今回の震災は過去に例がないほど深刻です。求められる政策を政府・日銀が着実に実行していくことは、国民に安心感を与え、市場の期待に応えるという意味においても、重要です。
――国会では、日銀による復興国債の引き受けも議論されています。財政法の但し書きを例に出し、「特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内ならそれが容認されるはずだ」と主張する政治家もいます。この議論についてどう感じますか。
 復興のための資金需要が増すと、国債の増発が行なわれてインフレ傾向が強まり、長期金利の上昇を招く可能性があります。そのため、「国債の増発が止むを得ないなら、日銀が引き受けるほうがよいのではないか」という議論も出てくるでしょう。
 しかし、日銀の国債引き受けは財政法によって禁じられています。但し書きについても、震災のような事態への対応を想定したものではありません。
 S&Pは、この1月に日本国債の長期格付けを下げましたが、財政健全化の遅れが格付けのさらなる引き下げにつながることが懸念されています。長期 金利が安定している現状で、財政法の趣旨を曲げて日銀に国債を引き受けさせると、日本政府の財政規律に対する疑念がさらに深まります。
 そうなれば、外国人投資家の本格的な離反を招き、通貨の信認が下落するリスクもあるので、慎重に考える必要があるでしょう。原則として「禁じ手」であることは、間違いありません。
 そう考えると、まず、財政法に抵触しない範囲で基金を通じた国債の積極的な買い入れを行ない、長期金利の安定を目指すべきです。財務省が国債管理政策を徹底し、悪い金利上昇が起きないようにコントロールしていくことも必要です。
――本格的に不況の出口が見えない日本経済にとって、金利上昇は確かに不安ですね。国債の増発はやはり仕方がないでしょうか。
 当面、予算の組み替えと復興のための税の引き上げも実施すべきと思いますが、国債の増発は仕方がないと思います。肝心なのは、そのために起き得る長期的な金利上昇圧力に対して、当局がいかに万全の対策をとっていくかです。
次のページ>> 次世代に負担を押し付けないため、増税議論の余地はある
 現状の長期金利は落ち着いており、今後国債の増発により、金利水準がどう推移するかは、政府がどの程度長期的な財政健全化に向けてのメッセージを市場に対して出していくかも重要な要素になっていくでしょう。
 また、経済状況は当面はよくならないと思うので、それほどインフレ傾向が強まるか否かも微妙です。しかし、足もとの状況は非常に不確実性が高いので、状況を的確に判断しながら金融政策を実施していくことが求められます。
足もとの情勢を見れば税金も視野に入る
次世代に負担を押し付けてはいけない
――危機的な財政難のなか、国債を大量発行せずに潤沢な復興資金を用意するとなれば、増税しかありません。国会でも復興税の導入が議論されていますが、今の社会情勢でそれができるでしょうか? また、どんな形での増税が考えられますか。
 増税が行なわれると景気が落ち込むという議論はありますが、民間からは続々と義援金が集まっているし、メディアの世論調査では「復興のための税な ら協力する」という意見が過半を占めているようです。また、財界関係者からも「当面、法人税は引き下げなくてもいい」という声が聞かれます。
 こういった情勢を見る限り、税金を議論する余地はあると思います。復興税の具体的な姿としては、消費税や電気使用料に応じて課税する方法など、 色々なアイディアが挙げられています。国債発行の負担を後の世代に全て押し付けることなく、我々の世代は被災地の復興のために力を合わせなくてはならない と思います。
 ただし、10兆円とも20兆円とも言われる復興資金を、増税だけで賄うことは無理でしょう。もし税金が導入されたとしても、実際には国債発行との組み合わせになると思います。
――日本の金融政策の行方は、海外からも注目されています。かつてない円高株安傾向が続く金融市場の不安定さからも、外国人投資家の日本に対する不安が見て取れます。日本が復興を遂げるためには、諸外国の信頼を取り戻すことも大切です。
 日本への渡航が禁止された中国をはじめ、外国人は今回の震災で必要以上に萎縮している感があります。
次のページ>> 当面は、インフレ率にフォーカスした金融緩和までは必要ない
 今は対外資産換金需要の高まりの結果買われている円も、日本が想像以上に甚大な被害を被っているという見方が広がり、先行きについても財政赤字の大幅悪化が見込まれれば、円安基調に転じる可能性も高いでしょう。それは、長期金利の上昇を招く不安もあります。
 政府はこのような状態に鑑み、正確な情報をきちんと海外へ発信し、「日本全体がダメになるのではないか」という外国人の不安を払拭すべき。必要以上に経済が萎縮することは避けなくてはなりません。
当面は十分な金融緩和を続けるべき
インフレターゲットには議論の余地あり
――諸外国との関係で言えば、以前から日銀の金融緩和策は外国と比べて不十分だと言われてきま した。デフレから抜け出せない日本に対して、一部ではインフレターゲットの必要性を指摘する声も再燃しています。日銀は、中長期的な金融政策と、足もとで 必要とされる緊急対策とのバランスを、どのようにとっていくべきでしょうか。
 中長期も見据えつつ、当面は短期的にしっかり金融緩和をやっていくのが、日銀に求められていること。しかし、インフレターゲットが適確な舵取りのカギかと言えば、そうではないと思います。
 現在、低成長に移行している先進国は、金融政策の明確性を打ち出す際に、市場との対話を重視しつつ、経済状況に応じてインフレターゲットをかなり柔軟化させ、インフレの上ブレ、下ブレを必要に応じて容認しています。
 日銀は、デフレを脱却するまで0%〜2%程度の物価上昇を見据えて金融緩和を維持するという方針をとってきました。現状を見ると、インフレター ゲットを採用している国も、日本と状況は大きく変わりません。たとえばスウェーデンは、2%の目標に対して1%前後で近年推移していましたが、政府当局に よる介入がなされたわけではありません。
 国際的に原油価格や食料価格が高騰している今、欧州では実体経済は良くないにもかかわらず、4月に利上げも予想されています。わが国にとってデフ レからの脱却は重要な課題ですが、穀物相場の上昇など世界的には状況が変化してきており、中央銀行はどこも難しい判断を迫られているように思います。
 金融当局がより明確にコミットすべきという声もあるかもしれませんが、今回の震災による国内経済への大きなショックと国際的な潮流変化のもとで、インフレ率だけにフォーカスするのがよいかどうかは、議論の余地があるところだと思います。
質問1 政府・日銀が復興支援のために優先すべき政策は?
39.2%
復興国債の発行と日銀による引き受け
25.8%
復興税の導入
12.4%
大規模資金供給の持続
9.3%
長期的な国債・社債・CPなどの買い取り
7.2%
インフレターゲットまで視野に入れた金融緩和
6.2%
その他


04. 2011年4月04日 10:40:54: WXjIuOeGmg
経済に詳しいと云うことは、用語をたくさん知ってることだけ?天気の長期予報に
似て、冷夏の予想の場合猛暑が多い。

05. 2011年4月04日 11:55:19: CjUaPd4RoQ
Q:1206 花見の自粛、今後の「経済活動」の基本姿勢は?


   ◇回答

    □真壁昭夫  :信州大学経済学部教授
    □金井伸郎  :外資系運用会社 企画・営業部門勤務

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

        ■■ 編集長から(寄稿家のみなさんへ)■■

 Q:1205への回答、ありがとうございました。ニューヨークタイムスへのエッ
セイの寄稿後に、内外のメディアからの取材・原稿依頼が増えました。ただ、「危機
的状況の中の希望」と題されたそのエッセイで、伝えたいことはほぼ書き尽くしたの
で、他の依頼には応じていませんでした。先日、スカンジナビアのあるラジオ局から
取材依頼を受けました。そのラジオジャーナリストは震災の翌日から現地入りし、本
社との連絡のため2日間だけ東京に滞在しているが、またすぐに東北に戻るので、3
0分でいいからぜひ話を聞かせて欲しいとのことでした。

 地震と津波の翌日から基本的に一人でずっと被災地にとどまって取材していると聞
いて、わたしは意気に感じ、インタビューに応じることにしました。『カンブリア宮
殿』の収録のあとで疲れていましたが、「福島の原発事故について政府や電力会社は
嘘をついていると思うか」などという紋切り型の質問もなく、「この大惨事によって
将来的に日本にはどんな変化があると思うか」というような良心的な質問ばかりで、
わたしはインタビューそのものにも好感を持ちました。

「外国人、とくに欧州の人間や組織がいち早く東京、日本から避難していったことを
どう思うか」と聞かれたので、「外国人がリスクを少しでも避けるのは当然で、自分
も海外にいて同じ状況だったら同じことをする」と答えました。復興作業や福島の原
発危機についても聞かれたので、「政府や電力会社経営陣の対応は不十分だが、医療
チーム、自衛隊、警察と消防、行政、原発の作業員など、現場で働く人々のモチベー
ションは高く、非常に優秀で、やるべきことをやっている。リーダー層の能力の低さ
を前線・現場の一般人がカバーする、それは近代化から戦争、高度成長に至る、伝統
的な特徴でもある」

 そう答えました。

----------------------------------------------------------------------------

■今回の質問【Q:1206】

 桜の季節になりましたが、花見の自粛を求める声があり、またイベントやコンサー
トの中止も相次いでいるようです。今回の大災害で亡くなった方々、そのご遺族、そ
して依然として避難所や避難先で不自由で不安な暮らしを続ける人たちなどのことを
考えると、そういった心情は理解できます。しかし、過度の「自粛」が「萎縮」につ
ながるという指摘もあります。わたしたちは、今後の個々の「経済活動」において、
どういう基本姿勢で臨めばいいのでしょうか。

----------------------------------------------------------------------------
                                  村上龍
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ■ 真壁昭夫  :信州大学経済学部教授

 今回の大震災に関連して、自粛に対して様々な意見があるようです。まず、自粛の
意味について考えます。自粛という言葉について辞書を引くと、自ら進んで、行いや
態度を慎むことという説明がありました。大切なポイントは、自ら進んで行うことな
のだと思います。ということは、「誰から言われたから」というのでは、本当の意味
での自粛ではないのかもしれません。

 学生のような若い人たちと、自粛について話したことがあります。彼等の考えを聞
いていると、私にとって自粛の意味がとてもクリアになりました。その中の一人は、
「大震災の様子をテレビで見ていると災害自体が他人事とは思えなくなって、人生観
が変わった」と言っていました。彼の目を見ていると、「言っていることは、本当な
のだ」と感じさせられる光がありました。彼は、今、とても花見会などの大騒ぎをす
る気になれないようです。彼にとっては、そうした行為を止めていることは、まさし
く自粛なのだと思います。

 他の一人は、実際に親類の家族が震災で家を流されたといっていました。彼女自身
も宮城県出身で、友達やかつてのクラスメートの何人かが震災の被害を受けたようで
す。彼女は努めて明るく振る舞っていたようですが、心の中で、友人たちへの思いが
感じられました。そうした思いから、彼女は自粛などというカテゴリーを超えた行動
をとっているようです。具体的には、被災地に土地勘があるため、直ぐにボランティ
ア活動などを始めました。

 ボランティアとして、被災直後の避難所などを自分の目で見ると、とても、大騒ぎ
をする気にはなれないと言っていました。しかし、本人も言っていましたが、ある程
度の時間が経って、気分が変われば、花見会などに対する考え方も変わるはずです。
そういう気分になることを待てばよいと思います。

 今回、ずいぶん若い人が、被災した人たちに心からのシンパシーを持っているよう
に感じます。それは、予想以上というと失礼かもしれませんが、うれしいことだと思
います。私の知る学生の中にも、普段は、あまりそうした感じを受けなかった人が、
率先して、街頭で募金運動を行いました。彼に話を聞くと、「自分でやれることをし
たかった」と話していました。私の見る限り、彼の言葉には十分な説得力があり、と
ても頼もしく感じました。

 自粛が自ら進んで慎むことであるならば、自分の気持ちを素直に反映させる行為が、
他の人から見て、それが過度であるか否かなどとは、大きな問題ではないように思い
ます。逆に、諸般の状況を考えて「自粛しろ」といわれて、そうした行動をとること
には大きな意味はないでしょう。

 人びとが自粛をする結果、経済活動が停滞するという指摘があります。確かに、多
くの人が自粛をして、外出を避けたりすると、経済活動の水準は低下するでしょう。
しかし、それは一時的な現象で、人々が元気に戻れば、経済活動の水準は復元するは
ずです。また、経済活動の水準が低下すること自体、あまり気にする必要はないと考
えます。

 今まで、経済学では、経済活動が活発化してGDPが増加することが、人々の幸福
につながるという前提がありました。そのため、GDPが増加する=景気拡大=人々
の幸福感増進という構図が成立してきたと思います。しかし、わが国が、高成長する
ために電力需要を賄うために作ってきた電子力発電所で、人々を幸福にできない事故
が起きたことも事実です。一部の電力会社でリスク管理能力が低かったことを割り引
いて考えても、少なくとも、人々を幸福にできないシステムが顕在化したことは間違
いありません。

 だから、「経済成長をしなくてもよい」、「原子力発電所をなくせばよい」という
短絡的な議論をするつもりはありません。しかし、ここらで、少しの時間立ち止まっ
て、自分たちの幸福について考えてみてもよいのではないでしょうか。

                       信州大学経済学部教授:真壁昭夫

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 ■ 金井伸郎  :外資系運用会社 企画・営業部門勤務

 一つの極論を述べてみましょう。「そもそも周囲の迷惑も顧みず公共の場で飲酒し
て大騒ぎの上、大量のごみを撒き散らすような悪習はこの機会になくした方が良い。
むしろ今回の大災害は、こうした社会のアカを落とす良い機会だ。」個人的な心情で
はありますが、どこかの政治家の「天罰」発言と変わりありません。

 なぜ、私達はこのような発言に反感を覚えるのでしょう。それは主張そのものの是
非についてではなく、こうした状況、すなわち大災害で亡くなった方々、そのご遺族、
そして依然として避難所や避難先で不自由で不安な暮らしを続ける人たちの苦しみを
利用して、自分の価値観を押し付ける議論の卑怯さに対しての反感です。

 それぞれの活動の実施あるいは自粛の判断はそれぞれが自己の責任で行うべきもの
です。本来であれば、その判断の是非に対して自由な意見や批判の表明があっても良
いとは思います。しかし、こうした時期の自粛要請は真摯な意見ではあっても、批判
者の主張には暴力的な強制力が伴うことへの自覚が必要です。自粛すべきは、安易な
自粛要請です。

 そうした精神論的な問題は別として、「経済活動」の自粛についての合理性の判断
は非常に難しいと思います。なぜなら、私達は計画経済ではなく市場経済の中にいる
以上、私達のいる被災地以外の場所での消費需要を抑制することが、直ちに被災地へ
の供給を増やすことにつながるとは限らないからです。市場経済においては生産も消
費需要によって動機付けがなされます。また復興を支える支援も、経済全体の付加価
値の規模が、その負担の余地を決める要素となるからです。市場メカニズムの働く余
地が乏しい電力の供給事情は、むしろ例外として見ておく必要があるでしょう。

 ところで、イベントの中止という点では、今春の入学式を取り止める大学も少なく
ないと聞いています。たしかに、新入学生の中にも被災地の出身の方もいらっしゃる
でしょう。不幸にも、ご本人自身が被災者となられている方も、また、行方不明とな
られている方もいらっしゃる状況です。そのような困難な状況の中だからこそ、将来
を支える新入学生の諸君に送るべきメッセージがあるのではないのでしょうか。

 大学が教育機関なのか、研究機関なのか、という議論もありますが、大学の学長た
るもの、このような困難な時期にこそ学府の長として、また教育者として、その姿勢
と良識を範として示してほしいものです。今、様々な批判を浴びながらも災害復旧と
復興に取り組む菅首相の母校であり、私自身の出身校でもある大学のことでもあり、
非常に残念に思っています。

 今回の大震災を受けて、統一地方選の実施についても多くの議論がありました。結
果としては、東日本大震災で甚大な被害を受けた地域について4月予定の統一地方選
を延期させる特例法が成立し、総務相が岩手、宮城、福島3県を中心に選挙の執行に
物理的に影響のある場所に限定して延期する自治体を指定しました。一時は、災害復
興に向けた与野党間での協力体制への思惑からか、全国的に地方選挙先送りの議論も
一部にはありましたが、正常な方向に向かったと思います。

 全く話は変わりますが、このような環境の中で、AKB48のシングル発売と名物
の「選抜総選挙」の開催決定が話題になっています。AKB48については、社会現
象として、あるいはマーケティング理論の題材として、様々な分析があふれています。
私が興味を惹かれるのは、単なる仲良しクラブではなく、また安直なライバル物語で
もなく、選抜総選挙に象徴されるような厳しい競争環境の中にあって、メンバーの彼
女達が過酷な競争的な人間関係の中で示すポジショニングやビヘイブの仕方などの
ロールモデルへの共感と、同じくらいの反感が人気を盛り上げている点です(競争の
激しい外資系の金融機関の人間関係にも通じると思います)。

 その意味で、これは世の中に対して非常に良いメッセージです。いささかの自戒を
込めて言えば、私達を取り巻く競争的な環境は、たとえ震災によって一時的に緩んだ
ように見えたとしても、本質的には何も変わりはありません。経済活動としては、決
して安易な自粛ムードに流されないようにしなければいけないと思います。

                外資系運用会社 企画・営業部門勤務:金井伸郎

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          ( http://ryumurakami.jmm.co.jp/ )


06. jesusisinus 2011年4月05日 02:14:25: veLsqfdw2ggms : SyyQxEtLzw
国債支えるマネー流出?
総量の5%…しかも円建てw

金融の連中は「国難」という意味「有事」の意味を知ってるのか?

米国が何故戦争を起こすかと言えば、ヤクザの抗争よろしくそこでチャラに出来るからだ…

有事の際に、平時の常識が通用しないのは明らか…

それなら、今回の震災直後の超円高で、なぜ、国際協調による介入が入った?

ご祝儀だよw

日本の東日本大震災でも、世界の生産に大きな影響が出ている。ここで日本経済が混乱したら、サブプライムどころの騒ぎぢゃないよ(笑)

原発は安心…を前提としていた輩と、金融に巣食うコメツキムシはあまり変わらないw

相対性理論がごとしマクロ経済で考えている輩は、量子力学たるミクロ経済論理が表面化する乱世で死に絶えよ!

今は「有事」だ!


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