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米国ではQEの終了に向けての議論が出始めている模様だ。外見上のダウの上昇や若干の経済指標の良化をもとに、QEの縮小や利上げや再延長停止という広義の出口戦略についての主張が広がりつつある。
もともとFRB内部でも、バーナンキのヘリコプターばらまき政策に批判的な、いわゆるタカ派がいて、そこあたりが発信源であるが、共和党からの圧力も相当なものがあるだろう。QE2の期間内中断・縮小や、直後の利上げなどはあり得ないと思うが、6月以降の再延長には相当な黄信号が点いてきていると思う。
しかし、現状の世界経済は、こちらもまた、黄色信号だ。画像はGPR(ゴールドプラチナレシオ)の月足であるが、2000年代を通して長く0.5を保ってきたもの(金はプラチナの半額)が、リーマンショックで非連続的に1.0に跳ね上がり(金とプラチナのパリティ)、その後やや下がったものの0.8よりは下げていない。このレシオはGSR(ゴールドシルバーレシオ)と同じように経済の体温計であり、金が割高な時は、市場に警戒信号が出ているものと認められる。いろいろな長期チャートを見ているが、このGPRの月足ほど明確に、世界経済に生じた、《大断層》を示しているチャートはあまりない。まだまだQEによる刺激が継続的に必要な状態と言えるのではないか。
この状態で下手に出口戦略に動き、QE3を開始しない、あるいは利上げを行うなどのことがあれば、世界経済は大混乱に陥り、GPRは次は1.0以上に高騰すると思う。しかし、この4月の段階から出口戦略がささやかれてきたということなら、6月のQE再延長はひじょうに難しくなってきたと考えている。
もし、QE3が不可能になった時、株価の下落は免れないが、もっとも興味深いのはドルの動向である。普通でいえば米国の利上げ含みなのだから、株売り・ドル買いとなるはずだ。しかし、そこで起きる危機はFRBという買い手を喪失した米国債の危機でもある。果たしてドル買いとなるかどうか・・むしろドル売りでの反応が強くなるのではないか。
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