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牛乳の品薄続く東北・関東 落ち込む生産量 容器も不足
2011年3月31日5時30分 :朝日新聞
東日本大震災の影響で、関東や東北で牛乳の品薄が続いている。紙容器の不足に加え、被災地の乳業工場の損壊やエネルギー不足で生産能力が落ち込んでいるためだ。福島、茨城両県では、福島第一原発事故で原乳の出荷も規制され、品薄の解消には時間がかかりそうだ。
山形県境の宮城県七ケ宿町。乳牛45頭を飼育する秋葉和幸さん(59)の元に集乳車が来たのは、震災発生から19日たった30日だった。
その間も「牛が病気になる」と搾乳を欠かさなかったため、引き取り手がないまま捨てた原乳は毎日約500キログラム。「餌不足で乳量も減った。廃棄分の補償があればありがたいのだが……」
宮城県の原乳生産量は13万8千トン(2009年度)。東北では岩手県の21万5千トンに次ぐ規模で、約3割は関東以西に供給されている。宮城県内の原乳の放射性物質検査では、基準値を大きく下回り、出荷規制もない。しかし、森永、明治の大手乳業を含む4社の工場が震災に伴う損壊で操業を止めたため、処理能力の約7割が失われている。
仙台市の店頭では、県産牛乳が極端に不足している。みやぎ生協によると「県産の入荷は震災前の1割未満」。県外から調達を進めているが、燃料不足などで配送ルートが定まらず、「品薄が解消する見通しは立たない」という。
福島、茨城両県での出荷規制もあり、こうした地域からの供給に依存する東京都内のスーパーでは「売り切れ」の商品も出ている。
大手スーパー担当者は「需要に対して半分しか供給できていない」と話す。日持ちしない牛乳は通常、消費地の近くで生産される。遠くから大量に仕入れるのも難しい。
原乳の処理能力が落ちた宮城県内には、関東以西の乳業メーカーから引き合いが増えている。生産者団体の東北生乳販売農業協同組合連合会は、原乳を他県に振り向ける一方、地元産の原乳を入手できない福島県の乳業メーカーには岩手県から回している。
ただ、牛の餌不足やストレスで乳量は3〜4割減っているとみられ、各地の需要に応えられる状況ではない。同連合会役員は「何とか学校給食に影響が出ないようにしたい」と心配する。紙容器不足も難題だ。東北や関東に紙容器を供給していた茨城県内の複数の工場が被災した。
燃料、紙容器の不足の解消や工場の復旧が進んでも、乳業メーカーの担当者は放射性物質の検出地域の拡大を恐れる。「運搬用の燃料が手に入り始め、品薄解消に向かうと思っていたのに、逆に問題が長期化しかねない」という。(荒海謙一、内藤尚志)
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