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October 08, 2008
今こそ政府は「政府紙幣」を発行すべき ID:1223477236
※注意:2009/2/5 テレビ等で「政府貨幣」の話を聞いてここへいらっしゃった方へ。この記事の内容は、テレビ等でこういう話がされるずっと以前に「減価する貨幣」を導入する為の思考実験として考えたもので、政府貨幣として今話されている、現実的な話ではありません。今巷で話されている「政府貨幣」についての、もっと現実的かつベーシックな知識を得たい方は、「政府貨幣は政府の負債」が参考になると思います。
さて、株価暴落です。あっという間に9200円。つい数ヶ月前まで13000円とかあったのに。100万円投資していたら、2、3ヶ月で70万円に減っちゃった、みたいな。しかもこれ、ほとんど全員が、ですよ?
しかもこの後しばらく、以前の水準に戻るかどうか怪しい感じです。
とても株に投資する雰囲気じゃありません。
しかも円高傾向は続くばかり。外貨に投資するにも、一体どの国に?
まあこんな中でも、たくましい人はいろいろと動くのでしょうけど。
普通、株価が下がってくると、株式市場への資金流入を促す為に政策金利を下げたりするのですが、現状ではこれ以上下げようがありません。まあ、下げるかもしれませんが、市場の未来に明るい材料が無い以上、例え預金金利が下がっても、じゃあ株でもやるかとはなりません。
そもそも、肝心の銀行が、株式運用で利益を上げられない、外貨投資もダメ、となれば、もう直接誰かに貸して利子収入を得るしかありません。自然、貸出利率は高めになり、なるべくリスクの低い案件にのみ貸すようになるでしょう。お金は(金融市場では)ダブつきまくっているので、無理してまでお金を借りる銀行もいないでしょう。
こんな状態では、いくら量的緩和(市場に流通するお金を増やそうとすること)を目指したところで、肝心の「困っている人」にはお金が回ってきません。
下手にお金を市場に流しても、円高の今、円が海外製品購入に使われてしまう可能性もあります。国内で必要な人に回っていきません。
では、どうすればいいか?
表題に書いた通り、今こそ「政府紙幣」の出番です。
政府紙幣とは日本銀行券とは別に政府が発行する紙幣で、日本銀行券と同じようにモノを購入できますが、基本的に国内でしか使えず、しかも利子がつきません。
この政府紙幣は、例えば「10年後に、額面と同じ金額の日本銀行券と交換する」というような条件で市場に放出されます。国債ではないので国(ひいては国民)に負担はありません。
この紙幣は信用力も低く、自販機などでも使えない為、みな手元に置かずにどんどん使おうとします。もちろん海外製品を買う為には使えない(使いにくい)ので、内需が活性化されます。
各銀行には、政府からこの紙幣を強制的に分配(額面で購入させる)し、こう言い渡します。
「この紙幣を手元に置いていた場合、その残高の1%を毎月ペナルティとして徴収する」
こうして銀行は、この政府紙幣をせっせと貸す事になります。持っていると損なわけですから、たとえ低利率でも貸します。かといって倒産されると大損なので、チェックは真面目にやります。
この紙幣を受け取った人や企業は、銀行や郵便局でそれを預金することはできますが、銀行はこの紙幣の保管に料金を請求するでしょう。いわばマイナス利子です。
人々はこぞってこのお金を先に使おうとします。しかし、基本的には受け取りたくないお金です。自ずとこの紙幣は、これまでお金が回ってこなかった人々の手に渡ることになります。
誰もお金を受け取らないのは困るので、「サービスの対価としての政府紙幣の受け取りを拒否してはならない。但し、対価の3割以上の支払いに使われる場合は拒否することができる。」という法令も作ります。例えば10,000円の買い物に政府紙幣3000円と日本銀行券7000円を支払うことができます。もちろん店によっては100%政府紙幣でもOKとすることもできます。
但し、店側がつり銭として政府紙幣を渡すことはできません。
人件費として支払う場合には、同じく3割までとし、それ以上は労働者側が拒否できます。労使間で合意があれば、その限りではありません。
これ以外にもいろいろと考えなければならない部分もあると思いますが(10年後一気に換金するのは混乱するので少しずつ回収すべき、とか、その他もろもろ)、基本的なアイデアは、「使わないでおくとペナルティがある」という設計(デザイン)が施されたお金を流通させようというものです。
今のお金にはこのような設計がされていない為、これまでの歴史が示す通り、必ずバブルを生み出してしまいます。今流通しているお金の設計を変えることは困難ですが、政府紙幣のような、一時的に使われるお金という形でなら可能です。
もはや、プラス金利の調整だけで経済をコントロールする時代は終わりました。お金でお金を殖やすという仕組みが永遠に続くはずがなく、そんなものに頼れば破壊的な結末を迎えるのは必然でした。
これからは、政府紙幣による「マイナス金利」を併用して、経済をコントロールする事を視野にいれていくべきではないかと提言します。
アクセルしかない車に誰が乗りたいと思うでしょうか?
我々にはアクセルだけでなく、ブレーキが必要なのです。
【追記】
ブックーマークコメントでいくつか疑問、反論等を頂いているようです。ありがとうございます。いずれかのタイミングで主なものを引用して回答させて頂く予定です。その他疑問、反論等ありましたらお気軽にブクマコメントをどうぞ。皆様よろしくお願い致します。
この記事が、みんなが「お金」について根本から考え直すきっかけになれば幸いです。
【再追記】
政府貨幣が国政でも議論され始めてきたようですね。
素晴らしいことだと思います。が、政府貨幣(政府紙幣)についてベーシックな話が書かれている記事がなかなかないので、こちらにリンクを張っておきます。
私のこの記事も、政府紙幣の実現方法としては結構マニアックというか、割と極端な話ですので、まずは上記記事で「貨幣の本質」を勉強してみて下さい。
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