02. 2011年3月25日 18:06:16: 8puQJ3fdBk
みずほ銀行、試練の時2011年 3月 25日 10:08 JST 【東京】みずほ銀行は、給与の振り込みや現金自動預払機(ATM)操作ができなくなった広範囲なシステム障害から復旧する中で、過去約10年間で最大の試練に直面している。 同行のイメージダウンは着実に広がっており、同行の個人、法人の顧客の一部は既に他行に口座を開設し始めている。川崎重工業は給与振り込みを確実に行うため、少なくとも当面は他の大手銀行に替えたとしている。ただ、詳細は明らかにしていない。 ---------------------------------- 大手5行の時価総額(3月24日時点) http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/mizuho2/4386240-1-eng-US/Mizuho2.jpg
--------------------------------- 学生のマエダ・アオイさん(21)はみずほのシステムダウンを聞いて心配したという。マエダさんは「先週、クレジットカード3社から引き落としの通知が届いた。いつもみずほの口座から自動引き落としとなっているので、残高を保っておかなければならなかった」と話す。今は支払い口座を三菱東京UFJに移そうかと考えているという。
OLのオオバ・サトコさん(28)はネットオークションで1足の靴を落札し、みずほを通じて送金したが、出品者からは現金が届いていないので別の人に売ったとの連絡が入った。オオバさんは怒っており、「同じような目に遭った人はもっとたくさんいるのではないか」と言っている。 みずほは25日から、口座間の大量の資金移動をこなせるのかという疑問が残る。日本の多くの企業は25日が給与支払日だ。また、年度末に当たることから、大量の振り込みが31日まで続く公算が大きい。 同行は、ATMとほとんどのサービスは機能しており、24日には振り込みを処理できたとしている。しかし、同行は信頼を取り戻すべく努力していると述べるにとどめ、どの程度の顧客が口座を閉めたかについてはコメントしていない。 関係者によると、みずほのシステムは15日、処理できないほどの巨額の震災義援金が東京の各支店に入ったあとダウンした。同行は「人為的ミス」もあったとしているが、トラブルの根本原因がどこにあるのかは明らかにしていない。 このトラブルで顧客は1週間ほどにわたっていらいらさせられた。一部の人たちは19日からの3連休を前にATMが閉まる前に銀行に駆けつけた。また連休中に窓口から現金を受け取った人たちもいる。受け取れた現金は最高で10万円だった。 --------------------------------- システム障害について謝罪するみずほ銀行の西堀頭取(中央)(17日、東京) http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/images/110325_mizuho.jpg/4390190-1-jpn-JP/110325_mizuho.jpg.jpg --------------------------------- システム障害で処理できない振り込みは、給与やネットショッピングの支払い、企業間の資金のやりとりなど116万件、約8300億円相当に上った。同行によれば、残っていた振り込みはすべて処理されたという。 スタンダード&プアーズ(S&P)のアナリスト、根本直子氏は、システムトラブルでみずほの顧客は他行に移るだろうと見ている。同氏は「この問題はみずほの脆弱なガバナンスと力を一元管理できないところから来ているのではないか」とし、同行が2002年に誕生した際に三つの銀行のシステムが統合されたことの問題点を指摘した。 みずほは富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行の合併で誕生した。大きなシステム障害は合併当初から起きている。これは3行のシステムをどのように統合するかの決定が遅れたことによる。3行のシステムはそれぞれ富士通、IBM、日立と異なった企業によって作られていた。 今回のトラブルを受けて金融庁は行政処分の検討に入った。みずほはガバナンスについてコメントしていない。 アナリストらは、システム障害が同行の利益に与える影響は限定的なものにとどまる公算が大きいと見ている。バークレイズ・キャピタル証券の田村晋一氏は、同行がシステム上の深刻な問題を見つけ、大規模な修理が必要になれば、数十億円ないし数百億円の出費になる可能性があるが、「その可能性は極めて低い」としている。 記者: Atsuko Fukase http://jp.wsj.com/Japan/Companies/node_209128 |