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現在のドルの価値を実効為替レートで見ると、現在は約2年7ヵ月ぶりの低水準になっている。それだけドルの価値が、ユーロや人民元など他の通貨に対して下落しているということだ。この背景には、地政学的リスクの高まりに伴う原油資源価格の上昇がある。原油価格が上昇して米国経済が減速すると、現在の低金利が続くとの見方が高まり、ドルが他通貨に対して売られやすくなるからだ。ただし、ドルの価値が下落しているのは、それだけの理由ではない。もっと本源的な原因がある。(以下抜粋)
かつて、米国経済が世界の覇権国としての実力を誇っていた時、世界のどこかで紛争が起きたり、経済的な問題が発生すると、為替市場でドルは買われたものだった。それを称して、“有事のドル買い”と呼んだ。ところが、最近では“有事のドル買い”ではなく、“有事のドル売り”になっている。事実、アラブ騒乱、ECソブリン恐慌、福島原発メルトダウンが発生すると、為替市場で人々はドルを売り、安全通貨である円?やスイスフランを買いこんでいる。ドルの基軸通貨としての機能が低下している。
“有事のドル売り”。それこそが、ドルの信認の低下を象徴的に表す現象だ。世界のどこかで異変があると、最も使用可能性の高い通貨を持つことが重要だ。持っていても、誰も受け取らない通貨を持っていても、実際に使うことができないからだ。突き詰めて言うならば、米国の大手金融機関が、リーマン・ショック前のように借入れ金で投資資金を膨らまし、それを元手に投資行動を繰り返して利益を上げるという経済モデルが行き詰っているのである。
穀物や資源などに対する需要が圧倒的に増大している。そのため、資源などの価値が上昇している。モノの価値が上昇するということは、通貨の価値が相対的に低下することになる。その最たるケースがドルなのである。 通貨の価値が低下し、モノの価値が上昇する傾向は、どこかの段階でモノの価格上昇が需要の増大を抑えることになり、価格と需要の新しい均衡点を探すことになるだろう。市場での価格機能が十分働かないうちに・・経済活動が混乱することが懸念される。
その場合、やや荒唐無稽かもしれないが、2つのことが起きる可能性がある。(もはやGOLDで通貨の価値を保つしかない、ドルの金本位制復帰も選択肢の1つとしてありうる。)
@つは、通貨の価値回復を諦めて、モノとモノとを交換する経済体制ができることだ。産油国から原油を輸入する場合、今まではドルなどの通貨で代金を支払ってきた。その場合、代金をドルで支払うのではなく、特定の工業製品と引き換えにしたり、あるいはプラント建設代金との交換という格好にするのである。 それによって、特定の通貨を受け取ることによる、価値下落のリスクを回避することが可能になる。 問題は、取引を行なう経済主体のニーズが上手く合致すればよいのだが、それができないと取引き自体を成立させることが難しくなることだ。結果として、世界の貿易量が大きく減少することが懸念される。
Aつは、金によって通貨の価値を保つことだ。金は、言ってみればいつでも誰もが欲しがる「究極のモノ」である。ドルの価値を金で裏付けることによって、基軸通貨の価値を保つ。 具体的には、ドルと金の交換を認めてドルを金本位制に復帰するのである。それが可能だと、ドルの価値下落には歯止めがかかる。資源の価格が上昇しても、ドルの相対的な価値が落ち込むことは考えにくい。
もちろん、ドルの金本位制復帰には実務的な問題点が多く、現時点では現実性は乏しいだろう。ただ、投機筋や各中央バンカーの金買いオペレーションを見ていると、そうした選択肢もあるかもしれないという気になってしまう。(以上)
/「有事のドル売り」を急かせる国際地政事象が連鎖しておる。アラブ=欧州ソブリン=日本の恐慌化(経済・社会)=米国債投資ファンド解散など〜。
金融市場資本主義=グローバリズムというプレートの断裂により、金融の根幹であった基軸通貨=ドル崩壊が・・日本発マグニチュード9.0の津波が世界に・・。
タイムラグをおいた、数年スパンでの政治経済=文明の液状化が始まるのだろうか。三陸で孤立するビル屋上の「HELPE・水」の表記は、視点を変えれば金融ビル屋上の「GOLD」に見えまいか・・?
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