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日本株週間展望-1万円割れも、大地震影響見極め−景気楽観後退  bloomberg
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/246.html
投稿者 gikou89 日時 2011 年 3 月 14 日 00:01:41: xbuVR8gI6Txyk
 

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aby0jez0ZfqA

3月11日(ブルームバーグ):3月第3週(14−18日)の日本株相場は、日経平均株価が昨年12月1日以来、1万円を割り込みそうだ。原油価格の高騰で景気の先行きが不安視され始めていたところに、11日午後に東日本で大規模地震が発生した。経済活動への影響は不透明で、投資家からリスク回避の売りが先行するとみられる。

  みずほ証券の瀬川剛エクイティストラテジストは、「1995年1月の阪神・淡路大震災は、直接的には日本経済にそれほどのダメージはなかったが、今回も基本的にはそうだろうし、そうなって欲しい」と話した上で、「まだ全体像が分からないし、これで終わりかどうかもよく分からない」と指摘した。

  11日午後2時46分ごろ、東北地方太平洋側の三陸沖を震源地とした大規模な地震が発生し、仙台市では津波が内陸に押し寄せ、東京も大きな揺れに見舞われた。取引終了が迫っていた同日の日本株は、ヘッジ売りも交えて先物主導で急落。シンガポール取引所では日経平均先物が1万円を割り込んだ。各地の被害状況は徐々に明らかになってきたが、週明けはこの流れが続きそうで、相場の落ち着きには時間を要するとみられる。

  3月2週の日経平均終値は前週末比4.1%安の1万254円43銭、TOPIX終値は4.2%安の915.51、ともに2週ぶりに下げた。阪神・淡路大震災があった95年の日本経済は、実質国内総生産(GDP)がプラス1.5%。年初から震災、オウム真理教事件、急激な円高、金融機関の経営破たんなどで夏まで冷え込み、公定歩合の引き下げや経済対策の効果で底割れは回避した。同年の日経平均は年間で0.7%高と小幅に上げたが、震災後の1月は5.4%安、2月は8.6%安、3月は5.4%安と3カ月連続で下げていた。

         原油高騰が招く景気リスク

  世界的にも、最近の原油高騰を受けて景気の先行きに対する楽観ムードが後退している。日興コーディアル証券国際市場分析部の小林久恒部長は、「中東・北アフリカの政情不安を受けた原油高騰が景気、企業業績に与える影響が懸念されてきた。一時期、来期も2割増益との見方があったが、増益率は縮小せざるを得ないだろう」との認識だ。

  リビアの最高指導者カダフィ大佐勢力と反政府勢力の戦闘は、政府軍が石油関連施設を空爆するなど激化の一途。原油供給への不安からニューヨーク商業取引所の原油先物は7日の取引で1バレル=105ドル台と2年5カ月ぶりの高値を付けた。

  その後、石油輸出国機構(OPEC)の増産観測に加え、フランス政府がリビアの反対勢力が設立した暫定機構を同国政府として承認するなど国際社会のカダフィ包囲網の動きから102ドル台へ反落したが、産油量でOPECトップのサウジアラビアで反体制デモの動きがあり、原油価格高止まりへの警戒は強い。米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告で、ヘッジファンドなど大口投機家の原油先物・オプションの買い越し規模が30万枚超と過去最高になっていることも、こうした市場心理を裏付ける。

  ドイツ銀行ニューヨークのグローバル金利チームヘッド、ドミニク・コンスタム氏はここ数週間での原油高騰を「中東での石油生産と他地域への流通が混乱に陥る可能性をめぐる懸念が原因」と分析。この上昇が続けば、ことしの世界の経済成長率は現在の基本予測である4%前後より0.5ポイント程度低くなる恐れがあるとみる。

             期末需給

  市場では、足元の株式需給の悪さも指摘されている。3月決算企業の期末を迎え、国内機関投資家、金融機関などを中心に決算対策、持ち合い解消の売りが出やすいためだ。東京証券取引所の投資部門別売買動向によると、年金資金などの売買動向を反映している信託銀行は、3月1週まで12週連続で売り越した。

  国内勢の売り圧力を、18週連続で買い越している海外投資家が吸収してきたが、その海外勢も地震発生でいったん持ち高整理の売りを増やす可能性がある。さらに個人投資家も、「年初から相当押し目買いを入れていたため、今後は投げ売りが出てくるだろう」と東海東京調査センターの中井裕幸専務。「株式相場はいったん山を見たと言え、リビア問題で強気の旗も降ろした」という中井氏は、当面の下値防衛ラインを日経平均で1万円としている。

           利回り銘柄、M&A

  地震の影響で経済活動、金融市場動向は当面不安定な状況が続くとみられ、投資対象は個別選別の色彩が強まりそうだ。日興コーデ証の小林氏は、「3月期末が接近し、薬品や電力、商社といった高配当利回り株が注目を集めやすい」と指摘する。

  このほか、3月2週も電機大手の日立製作所がハードディスク駆動装置(HDD)子会社を米ウエスタンデジタルに売却、医薬品・医療機器メーカーのテルモが輸血関連で大手の米カリディアンBCTを買収、玩具大手のタカラトミーが米玩具企業のRC2コーポレーションを買収するなど企業再編の材料が相次いだ。

  ゴールドマン・サックス証券のチーフストラテジスト、キャシー・松井氏も内需低迷や業界再編圧力、グローバル化の要請、豊富なキャッシュなどから日本でのM&A増加を予想する1人。同証では1つの手段として、上位5社の売上高合計がセクター全体に占める集中度などから、今後業界再編が起こりやすい業種を予測。集中度は水産、空運、海運、鉱業、ゴム製品で高い一方、建設や化学、小売、サービス、機械、電機で上位5社のシェアが50%に届かず、「これらのセクターは、とりわけ再編の条件が整っていると言えるかもしれない」と、同氏は指摘している。

3月3週に日本株相場に影響を与えそうな材料は、国内では16日に1−3月の法人企業景気予測調査、17日に公示地価の発表があり、海外では15日に米国で連邦公開市場委員会(FOMC)の開催、16日に米国で2月の住宅着工件数、17日に2月の米コンファレンスボード景気先行指数などが予定されている。

【市場関係者の日本株に対する見方】●イワイリサーチセンター長の有沢正一氏  中東情勢は先が読めない。FOMCなどをきっかけに、日本も業績相場に入れるかどうかに注目している。10年秋以降、世界的な金融相場が続いてきたが、日本の企業業績はすこぶる良い。米景気回復や出口期待が高まり、業績相場にスムーズに移行できれば、質の違う長期上昇トレンドが描ける。

●東洋証券情報部の大塚竜太部長  地震被害の詳細が明らかになるのはこれからだが、11日の取引終了にかけて慌てて売った市場参加者による買い戻しが想定される。チャートでは三角もち合いを下離れしてきたが、回復傾向にある企業業績を考慮すると、相場全般に割安感から買いを入れやすくなっている。11月以降の上昇局面で出遅れた投資家などが買いに動きそうだ。

●スタッツインベストメントマネジメントの大木昌光氏  短期的には、中東情勢が商品価格に反映され、それに株式相場が左右されるボラティリティの高い展開が続く。世界的にインフレが進んでいることには留意が必要だ。特に、日本の輸出先であり、工場でもある中国の経済成長鈍化が見えてきていることは要注意。

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コメント

香港の有名な風水師が、今年の日本或いはその他の地域で地震があると予想していたようですが、この日本に本当に大きな地震が発生しました。

私も当時、地震だなと気楽に感じていたのですが、小さい揺れが長くなり、そのうち本棚の上に置いてあるののが落ちてきて、これは本格的地震と感じ、階層が低い階であったためすぐに身の回りを整え外の公園にでました。

東京市場の場末に処分することもできなく、かつ、明日は停電もあるとのことですので月曜日の市場には不安感があります。

淡路大震災の時は、被害の大きさが広がることにより確か1000円程の下落もあったようにも思えますが、今回の震災、津波の影響が長引けば、東京市場の流動性がなくなるのかもしれません。
日銀がとれだけ対応するかですが、まだ余震が今も続き、かつ、停電などがおきることから難しい状況になりつつあるようです。

しかし、日本に地震被害がでようともNY市場などは、上昇しているのですからもはや日本の内需というのは、世界経済から期待もされていないということでしょうか。

日本では、偶然かどうかわかりませんが、左翼政権となると地震がおきるというジンクスがあるのでしょうか。

地震被害の舵をとるにしても淡路大震災の時は、過去最も総理としての評価が低い宰相の時期でしたし、今回もそれ以上ともいえる宰相を日本は選択しています。

今日から3日以内に淡路大震災クラスの地震がくる確立が70%以上あるといわれている状況、原子力発電などの事故がまだ解決のめどさえ見えていない時、今後は、菅政権の性質、つまりは、無責任、責任のなすりつけなどがおきるかもしれません。

東電などが政府に情報をなかなかあげられないのも、責任をなすりつける政権であるために報告に慎重になっているのかもしれません。事件は現場でおきているのですが、現場にいないものが責任をなすりつけあうという作為的状況が今も、今後も内部はおきているのかもしれません。

被害にあった人々には、何とか力になれるように励ますつもりですが、助かった人はできるだけ原発地域から遠い地域に避難するべきとも伝えたい。

香港の風水師によると、地震で漏れ出して来る瓦斯、液体に気をつけることとも反しておりまだまだ二次災害、三次災害と続くかもしれません。

民主党の副大臣がヘリで被災地を視察中、居眠りをしていたという記事がでてきましたが、寝ずに必死に対応しているのが現場の救助隊員であり、そして震災の被害者であるのですが、どうも民主党菅政権は、責任が及ばないように行動しやすく危機感が政権内に全くないという状況が伝わってきていますし、放射能漏れにしても一体政府からの報道に真実性が疑わしいとも言われるくらいお粗末です。

今後は、疫病などの被害も発生しやすく本来は非常事態宣言をし一般市民は被害地域に立ち入らせないというくらいのことをしないと大きな問題、間違いがおきるかもしれません。

この風水師は、もう一つ予言しています。菅政権の次かどうかわかりませんが、今の政治家ではない人物が近々宰相となるであろうとも語っていますが。あたるかどうかわかりませんが、多くの国民が、今の政治家、そして官僚を含む公務員、大手企業などの準公務員という無責任社会にノーを突き付ける時がきているのかもしれません。  

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コメント
 
01. 2011年3月14日 09:11:32: GgDQRalncI
 建設株は震災日にも他の大方が弱含むなかで健闘していたが今日はストップ高気味の気配で推移している。
 911の時とはちがって認知されている層が少なかった。あるいは阪神大震災と違い本当の天災だったのか今後の真相解明が待たれる。

02. 2011年3月14日 14:33:10: nG205NUXJw
11日以前に仕込んで、売り逃げた連中がいないか、要調査。2007年の新潟中越地震の時は、明かにその筋が入っていた。

03. 2011年3月14日 15:39:28: cqRnZH2CUM
米国の原発業界を始め、多くの海外企業もダメージを受けている
一方で利益を受ける層も今後でてくる

保険対象資産の地震被害、津波以外で最大2.86兆円=米社試算
2011年 3月 14日 10:15 JST
記事 
 米リスク管理会社AIRワールドワイドの13日時点の試算によると、11日に起きた東北地方太平洋沖地震で150億〜350億ドル(約1兆2200億〜2兆8600億円)相当の損害保険対象資産に被害が出たもようだ。保険金請求額がこの範囲の中間だとすると、2005年のハリケーン「カトリーナ」以外のどの自然災害よりも大きな規模となる。この試算には津波による被害分は含まれていない。


Getty Images
がれきの中を歩く住民(13日、仙台)
 今回の地震は今年ニュージーランドの地震やオーストラリアの大洪水、数年来の保険料下落で打撃を受けていた業界にとって一段の痛手になるだろう。保険業界の株式アナリストらによると、自然災害の再保険を引き受けている会社の大半で第1四半期決算が赤字となる見込み。一部は通年でも損失を計上しそうだという。

 保険会社マーシュのダンカン・エリス氏は「再保険会社に大きな影響が及ぶことは確実だ。他の災害も合わせるとなおさらそう考えられる。しかもまだ3月だ」と述べた。「こうした世界的保険会社の保険料は、少なくとも据え置きになるだろう。引き上げられるかどうかについては、見極めるのは早すぎだろう」という。

 保険業界やウォール・ストリートは、個々の保険会社の損失を算定するため、AIRや同業他社の試算を注視している。自社の損失の試算を開示している保険大手はまだない。しかし、AIRの試算を受け、保険料や再保険料が上昇するとの観測が浮上しそうだ。フロリダ、カリフォルニア両州など、天災の起きやすい地域にある世界中の企業や住宅保有者が上昇を感じるとみられる。

 2大再保険会社、ミュンヘン再保険とスイス再保険は13日、損失見通しを明らかにするのは尚早だと強調した。ハノーバー再保険、欧州最大の元受保険会社アリアンツ、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、保険・再保険の英ロイズも同様。

 保険対象試算の被害がいかに多額でも、経済全体の損失はこれを大幅に上回る公算が大きい。日本の住宅保有者や企業は保険料が高すぎると感じているため損害保険加入に消極的だ。AIRの推計によると、東京以外の商用施設の地震保険加入率は10〜12%程度。

 AIRの試算は津波による被害を算入していない。しかし、同社は12日、津波被害を受けた県の沿岸から内陸3キロメートル以内にある保険対象資産は240億ドル、そのうち1キロメートル以内が50億ドルとの試算を示している。

 同社は米航空宇宙局(NASA)の衛星写真など、洪水の程度についてさらに詳しい情報が得られ次第、津波による被害額を別途計算し、重複分を避けた合計被害額を発表する計画。

 東京や千葉については、数件の火災はあったものの大規模な建物被害はほとんど報じられていない。ただ、AIRは、一帯でも地震が観測された上、建物が密集していることから、「個々の請求額は比較的少額でも、かなりの金額に達しそうだ」としている。

記者: ERIK HOLM and ULRIKE DAUER

資産買い入れ額を5兆円程度増額―地震対応で日銀決定会合
2011年 3月 14日 15:18 JST
記事
 日銀は14日に開いた金融政策決定会合で、長期国債などの資産買い入れ基金を5兆円程度増額し、合計40兆円程度にすることを決めた。11日の東北地方太平洋沖地震を受け、企業マインドの悪化や金融市場のリスク回避姿勢の高まりを防止するため、としている。政策金利は、現行の誘導目標である0.0〜0.1%程度を維持した。

 日銀は発表文で、「今回の地震によって、わが国は、地理的にも広範囲な被害を受けており、当面、生産活動の低下が見込まれるほか、企業や家計のマインドの悪化も懸念される」と指摘。ただ、景気認識については、前回の決定会合とほぼ同様の「改善テンポの鈍化した状態から脱しつつある」との見方を示した。

 14日朝には、過去最大規模とする7兆円の即日資金供給オペやなどを実施し、金融市場の安定維持に万全を期する姿勢を示した。

米株式市場、経済ファンダメンタルズが焦点
 ここ数週間、市場は不安定な動きとなったが、その背景にはひとつのシンプルな疑問がある。「政府による大規模な下支えがなくても、米経済は自律成長を続けられるほど強いのか」という疑問だ。
円、一時80円60銭に急伸=東京市場では下落
 週明け14日の外国為替市場は、早朝の取引で円相場が急伸し、一時1ドル=80円60銭と約4カ月ぶりの高値を付けた。東日本大震災を背景に、保険会社など国内の機関投資家が不測の事態に備えるため、海外資産を国内に還流させるとの思惑から、円を買う動きが強まった。

東京株1万円割れ=大震災懸念、一時597円安
 週明け14日午前の東京株式市場は、東日本大震災が景気や企業業績に大打撃を与えるとの懸念から売りが殺到した。取引開始直後に1万円を割り込んだ日経平均株価は一時、前週末比597円72銭安の9656円71銭まで急落。取引時間中としては昨年11月5日以来、約4カ月ぶりの安値を付けた。


【NewsBrief】地震受けた円買い、長続きしない可能性
2011年 3月 13日 17:40 JST
 
 11日に大震災が日本で発生した後、円相場は対ドルで急上昇したが、一部投資家やアナリストは円買いは長続きしないとみている。

 急上昇の背景には、地震の被害からの復旧のため国内企業が資金を海外から環流させるとの見方が出たことがある。1995年の阪神大震災の際に同様の事象が見られたからだ。

 しかし、東京電力福島原子力発電所で放射線漏れなどが確認され、一連の事故への懸念が高まっており、マネーマネジャーらが円資産の購入に慎重になる可能性がある。さらに円の安全資産としての魅力が減じることさえ考えられる。

 また、1995年のような多額の資金環流が起きない可能性のほか、昨年のように、急速な円高を受けて、日本の為替当局が国内の輸出産業を守るために市場介入を行うかもしれない。

 ロンドンを拠点にする、あるヘッジファンドのポートフォリオマネジャーは、「市場参加者は原発事故のニュースをどう受け止めてよいか決めかねている」とした上で、「多分、週明けの円は弱含むだろう。参加者らは円資産を買おうとはしないだろう」と語った。

記者: Neil Shah

アジアの原発導入検討国、日本の原発事故動向注視
2011年 3月 14日 13:09 JST
記事 
 日本の原子力発電所が巨大地震で被災、事故を起こしたことについて、環境保護団体の反対のなか、原発建設を検討しているアジアの国の政府は、事態の動向を注視している。これらの団体は自然災害の影響を受けやすいアジアでは原発が安全ではないと主張している。

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World Nuclear Asscociation
アジア各国の原発保有数。赤色が既存、灰色が計画中
 アジアでは石油、天然ガス、石炭など在来資源への依存から脱却し、エネルギー資源の多様化を進めており、中国、ベトナム、タイなどでは現在、100基以上の原発建設が計画されている。原発建設は、エネルギー消費急増対応の一環として重要視されている。

 原発建設の動きでウラン価格はここ数年、世界的に上昇しており、ゼネラル・エレクトリック(GE)など原発メーカーも事業拡大の好機となっている。

 地震による津波の影響を受けた福島第一原発の事故で放射性物質が漏出したが、反原発派が勢いづく可能性がある。

 タイのアピシット首相は13日の記者会見で、日本での原発事故で「タイでの原発建設をめぐる決定が影響を受ける」と述べた上で、決定を下す前に安全性を検討する必要があると指摘した。

 タイ発電公社は2020年までに同国初の原発(出力1000メガワット)の建設を計画しているが、政府の承認が必要。最大ではさらに4基の原発が建設される可能性がある。

 タイ政府のパニタン報道官は13日インタビューに応じ、アピシット首相はこれまで、日本でのような事故やテロリストによる攻撃の可能性などを理由に原発建設には反対する姿勢を示している、と述べた。同報道官は「原発建設計画の支持派は、これらの問題に対して答える必要がある」と述べた。ただ、同首相は政府内で別のグループが原発を持つ必要性があると決定すれば、それに耳を傾け、自分の考えは押しつけないという認識を持っているという。

 中国では週末にかけ、政府や業界の関係者が、第三世代原発技術により、日本の旧型原子炉で起きた炉心溶融のリスクはあまり受けないと述べるなど、アジア最大の原発開発国である中国は原発能力の拡大方針を確認した。

 新華社によると、中国環境保護省の張力軍次官は「原子力発電を発展させる決心と計画に変更はない」と強調した。

記者: Patrick Barta and Brian Spegele

米原発業界、日本の事故による影響を懸念
2011年 3月 13日 16:01 JST 
 米原子力発電業界は、「復活」するはずだった――。

 オバマ米大統領は2012会計年度予算として原子力発電所の建設資金に対する360億ドル(約2兆9400億円)の融資保証を提案した。また、原子力の研究や近代的な原子炉設計に数億ドルを投じるよう訴えている。共和党員はこれに乗り、超党派で協力するめったにない機会として原子力の拡大を呼び掛けている。


Bloomberg
ペリー原子力発電所(米オハイオ州)
 そこに、日本の原発で爆発が起こった。業界の専門家やアナリストらは反射的に、かつて米国を見舞った政治的影響を振り返り始めた。

 1979年にペンシルベニア州スリーマイル島で起きた原発事故で、米国の原発業界は凍結状態となった。新たな施設の許可は30年間認められなかった。冷却システムの不具合が原因となったこの事故では、死者こそ出なかったが、放射性物質を含む水蒸気が大気に放出され、さらにはメルトダウンの可能性もあり、多くの米国人は恐怖を覚えた。

 1986年のチェルノブイリ原発事故は、原発への疑念をさらに強めることになった。

 しかし米業界は近年、こうした懸念を着々と減らしてきた。業界幹部や推進派の政治家は、原子力を「クリーンなエネルギー」として売り込んだ。石炭や天然ガスと違い、地球温暖化につながる温室効果ガスが出ないというのがうたい文句だ。化石燃料、特に中東原油への依存を断ち切るに理想的な手段だとする声もあった。

 原子力規制委員会(NRC)は原子力発電を目指す十数社からの許可申請20件を審査している。ジョージア州とサウスカロライナ州では新たな原子炉の整地が始まり、テネシー州では何年も前に建設が始まったものの完成していない原子炉を完成させる計画が進行中だ。この原子炉は13年、ジョージア、サウスカロライナ両州の原子炉は16年に稼働を開始する予定。業界団体ニュークリア・エナジー・インスティテュート(NEI)の広報担当者、ミッチ・シンガー氏によると、業界全体で最大8基の原子炉が20年までに新たに発電を開始する見通し。

 米国には現在31州に104基の原発があり、全米の電力の20%を担っている。

 シンガー氏は、日本の事故で米国の原子力発電の気運がしぼむとは考えていないと語った。同氏によると、米国人は今回の爆発事故を受けて米国内の原発が緊急事態に備えると確信するはずだ。業界が日本から得た教訓を世界に伝え、それを受けて各原子炉が地震や津波など壊滅的な災害への対応を強化するとみられるためだという。

 同氏は、今のところ「米原子力業界に大きな影響があるとは考えていない」と述べた。

 しかし、NRCの元委員ピーター・ブラッドフォード氏は、米国人が日本の災害を見て、「疑いを大いに強め、近隣での原発建設に対する嫌悪感が増す」だろうとの見方を示した。

 同氏はまた、操業許可拡大を求める既存原発に対する当局の検査が厳しくなると予想。南カリフォルニアのサンオノフレ原発やディアブロキャニオン原発など、地震活動が活発な地域にある原発に対しては特にそうなるとみている。

 ブラッドフォード氏は「原発の爆発シーンがテレビで流れるのは初めてだ」と指摘。「議会や州議会での採決を目指している業界にとっていいわけがない」と述べた。

 エネルギー省の政策顧問を務めた経験を持つロバート・アルバレス氏によると、オバマ大統領が提案している原発建設への融資保証拡大計画も打撃を受けかねない。議会が歳出削減を目指していることを考えるとなおさらだ。同氏は「政治の”津波”が来るかもしれない」と語った。

 下院天然資源委員会委員長のエドワード・マーキー議員(民主)は日本の原発での爆発を受け、地震活動の活発な地域での新規原子炉建設の一時停止を命じ、こうした地域の既存原子炉については格納システムを強化することを義務づけるようオバマ政権に訴えた。さらに、日本の事故で設計の欠陥が一因になったかどうかについて、徹底した調査を呼び掛けている。米国の23基の原子炉は福島第1原発と同じ設計パラメーターを使っている。

 マーキー議員は「日本で次々発生する被害を見て、ここ米国での原発安全対策が劇的に変わるはずだ」と述べた。

 長らく原発を支持してきたジョー・バートン下院議員(共和、テキサス州)は、日本の原子炉の損壊で、米国の世論が原子力を嫌わないよう望んでいると語った上で、日本の事故については「原子力支持者ですら真相を知りたがって」おり、どこが悪かったのか、どう修正するのかを突き止めたいと思っている、と述べた。

 同議員は「原子力の未来を確信している」としながらも、推進派は、壊滅的な災害に際しても「何重にも施した安全対策が機能すると強調せざるを得ない」と認めた。

 今回の爆発の前でさえ、経済的な現実が米原子力業界の大がかりな拡大計画を抑えていた。

 電力会社は数十億ドルの建設費用がかかる原発の建設を検討するより、価格の低い天然ガスを発電に利用している。景気後退で電力需要が減り、原発施設に対する多額の投資の魅力がさらに減退した。

 コンステレーション・エナジー社は最近、メリーランド州カルバートクリフスの既存原発に新たな原子炉を建設する計画を撤回した。多額の費用と需要の低さのためだ。エネルギー省が融資保証を認めたのはジョージア州のプロジェクト1件にとどまっている。

 ただ、中国、インド、欧州で新たな原発数十基が計画されるなど、海外では拡大が続く。米国でも、原発懐疑派でさえ、日本の爆発が業界の将来に長期的な影響を及ぼすかどうか見極めるには尚早、としている。シンガー氏は、放射能漏れが最小限で、緊急対応計画が効果的だと分かれば、米国人はいい兆しだとみるかもしれないと述べた。「この厳しい状況のいくつかには対応できると住民を納得させるまで長い道のりになりそうだ」

記者: Stephanie Simon

日本のエネルギー輸入、拡大の必要性−地震の影響で
2011年 3月 13日 6:18 JST
記事 
 【北京】11日の巨大地震で国内で複数の原子炉が停止されたことから、石油と天然ガスの輸入の必要性が増す見通しだ。一方、今回の地震と津波による鉱工業生産への影響の度合いや、原子力発電所ならびに火力発電所の閉鎖期間がどの程度長期化するかについては引き続き不透明な状況だ。


Reuters
東北大地震の影響で火災を起こしたコスモ石油千葉製油所
 既に変動の非常に大きなエネルギー市場では、エネルギー輸入の拡大を受けて価格が一段と下支えられる見込み。日本は原油消費量世界3位で、そのすべてを輸入に頼っている。

 2007年7月の新潟中越沖地震の際には、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所で7基の原子炉が閉鎖され、閉鎖は09年まで続いた。このため東電の電力供給コストが上昇した。

 12日の福島第一原発1号機での爆発の結果、安全点検と調査が完了しても、福島原発ならびに他の原発の原子炉閉鎖が長期化する可能性がある。

 07年時と今回の地震におけるエネルギー需要面の比較は、世界経済危機の影響のために一段と複雑になっている。最近の世界的な経済危機では日本でも他の諸国と同様に、石油と天然ガス、石炭の使用に影響が出た。また、中東での政情不安を受けて、ここ数週間、原油トレーダーは原油相場の高騰と大幅変動を既に織り込まざるを得ない状態になっていた。

 現在、国内で10基の原子炉(発電能力は合計8.6ギガワット)が停止されている。そのうち東電が運営するものが7基、東北電力が2基、日本原子力発電が1基。東電はさらに、5カ所の火力発電所についても操業を停止したことを明らかにした。

 日本は燃料油の輸入大国ではないが、火力発電所で使用される石油製品の輸入ならびに、国内製油所での燃料油への精製もしくは発電所での直接燃焼のために原油の輸入を拡大する必要が生じる可能性がある。

 11日遅くには、アジアの燃料油市場は需要拡大予想を反映する展開となった。このため需給が一段とひっ迫する可能性がある。また、アジアと中東での大規模な製油所メンテナンスのシーズンに当たり供給がすでに縮小していることから、同地域の燃料油のファンダメンタルス(基礎的条件)は既にひっ迫状態にある。

 国内の少なくとも5カ所の製油所(製油量は合計で日量120万バレル)も、今回の地震を感知し自動的に停止した。これは日本の製油量全体の約4分の1に相当する。また、そのうちJXホールディングスの仙台製油所と、コスモ石油の千葉製油所の2カ所では被害が発生し、そのダメージの程度についてはまだ明らかになっていない。

 日本の昨年の原油輸入量は日量平均370万バレルと、前年比0.8%増加した。一方、液化天然ガス(LNG)の輸入量は昨年、632万メトリックトンと前年比3%減少した。

 バークレイズ・キャピタルは12日に発表したリポートで、現在、停止している原子力発電所のすべての発電量を天然ガスで置き換えるとすると、日量10億-12億立法フィートが必要となるため、アジアと欧州でのLNGの現物価格に影響が出る可能性がある、との見方を示した。

 同リポートはまた、「日本を含めアジア地域でのこれまでの大規模災害では、需要が目立って落ち込むことはないという傾向があった。復興は非常に資源とエネルギーの集中する活動となる傾向がある」と指摘した。

記者: Simon Hall and Mari Iwata


04. 2011年3月14日 16:43:41: cqRnZH2CUM
地震で日本のGDPは打撃―1、2四半期

* 2011年 3月 14日 8:34 JST

 【シンガポール】日本の巨大地震・津波についてアナリストらは、日本の国内総生産(GDP)は今後1、2四半期は横ばいないしマイナスとなるかもしれないが、今年最終四半期には復興事業で上向く、とアナリストらはみている。
イメージ Reuters

建物の上に乗り上げたフェリー(13日、岩手県大槌町)

 マグニチュード9.0の地震と津波はあまりにも巨大で、エコノミストや日本政府はまだ経済的予測を提示していない。しかし、過去の経験から、エコノミストらは今年第2、第3四半期の日本のGDPは輸出インフラストラクチャーと工業生産の被害の影響を受けるが、復興事業が活発化することで、第4四半期はプラス成長になるとみている。

 ソシエテ・ジェネラルのアジア太平洋部門のチーフ・エコノミスト、グレン・マグワイア氏は「自然災害は目先の成長にとってマイナス要因だが、中期的にはプラス要因に転じていくだろう」と指摘した。同氏は「第1四半期の成長率は極めて弱いものになるリスクがあり、マイナス成長の可能性もある」としながらも、中期的には投資が回復し、これによって日本経済は成長するだろう」と語った。

 野村のエコノミストらは、現在の低迷からの予想回復時期を第2四半期としていたが、第3四半期か第4四半期にずれ込むと修正した。

 菅直人首相は13日、今回の巨大地震は第2次大戦後に日本が経験した最大の危機だと述べた。これまで公式に確認された死者の数は1600人だが、これが大きく膨らむことは間違いない。宮城県だけでも1万人以上になるとみられている。避難所にいる人の数は36万人以上、このほか百万戸単位の家が停電している。

 現在は生存者の捜索と遺体の収容、太平洋沿岸部の原子力発電所の溶融回避の努力が続けられている。

 製造業界では週末、生産が止まった。自動車業界のほか、家庭用電子機器から鉄鋼、製紙業界まで操業を停止した。政府は14日から輪番制の停電を始めると発表。これは少なくとも数週間続くとしている。

 巨大地震発生まで予算をめぐって対立していた政府・与党と野党は危機を乗り越える措置で協力することを約束、補正予算の検討で意見が一致した。自民党の谷垣総裁は13日、菅首相との間で、暫定的な増税について話し合うことで合意したと述べた。枝野官房長官も、再建資金のための増税の可能性を否定しなかったが、今これを検討しているわけではないと強調した。

 日銀は14、15の両日、金融政策決定会合を14日の1日だけに短縮することを決めるとともに、市場に十分な資金を供給することや、取引決済に必要なあらゆる支援を行うことを約束した。ただ、円が急騰しなければ、金融緩和措置は取らないと見られる。

 ゴールドマン・サックスのエコノミスト、李智雄氏は顧客向け調査リポートで、製油所や製鉄所、その他の施設の閉鎖に伴う影響が予想されるとしながらも、「被害を受けていない部門での生産増加がこれを相殺する可能性がある。このためわれわれは、長期的な生産への影響はそれほどでもないと考える」としている。

 何人かのアナリストは1995年の阪神淡路大震災から教訓を学ぼうとしている。この地震では約6000人以上が死亡し、被害額は10兆円に上った。これは日本のGDPの2.5%に当たる。地震では主要な港が破壊され、日本の生産への影響は今回よりも深刻だったとみられている。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、阪神淡路震災で最も甚大な被害を受けた二つの地域のGDPに占める比率は12.4%だったが、今回大きな被害を受けた五つの県の場合は合わせて7.8%だ。

 メリルリンチのアナリストは、11日の地震と津波がこれらの地域に同じ被害を与えたなら、日本の成長率は0.2〜0.3ポイント押し下げられるとみている。ただ、実際の影響は他の地域の被害、インフラの破壊、追加的な津波の被害次第で大きくなる可能性があるがとしている。

 しかしアナリストは、阪神淡路の際と同様に、生産損失分を相殺できるだけの比較的大きな生産余地が今の日本にはある、と指摘した。さらに、「復興費用(需要)はGDPの1.0%かそれ以上になる可能性がある。ただ、現在のところその規模を推定するのは非常に難しい」と述べている。

 マグワイア氏はこのケースで経済活動が回復するペースはどれだけ早く復旧作業が始まるかによるとし、これは早期に始めるべきだと指摘した。

記者: Michael S. Arnold


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