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株式日記と経済展望
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他の先進国はみんな米国並みの金融緩和をしているにもかかわらず、
日本はそれを行っておらず、円高となって、「自国窮乏化」を選んでいる。
2011年3月10日 木曜日
図を比べてみれば日銀の金融緩和と円高の関連性は明らかだ。
日銀の白川総裁は日銀はアメリカ並に緩和しているというが大嘘つきだ。
◆新興国のインフレから資源価格の急騰までなんでも米国の金融緩和が原因なのか? 3月10日 高橋洋一
http://diamond.jp/articles/-/11437
為替相場を維持するために、新興国では、ドル買いの為替介入をしなければいけない。となると、新興国内では、ドルが相対的に増えたことを相殺するように、自国通貨が増加する。となると、新興国内で金融緩和状態になる。あたかもカネ余りの米国から、カネが流入したような状況になるわけだ。
この状態は、国際金融のトリレンマから説明できる。国際金融のトリレンマでは、固定為替相場、自由な資本移動、自由な金融政策の3つ全てを、同時に達成できないことが知られている。
固定相場制の上では、自由な資本移動を優先し資本移動規制をしないと、金融政策を放棄せざるをえない。ということは、固定相場制を維持するためには、米国の金融緩和に自動的に追随して、自国も金融緩和になってしまうのだ。ここでのポイントは、決して米国の金融緩和のカネが新興国に流れているのではない、ということだ。
すると、金融緩和によって新興国内の物価がインフレ気味になる。そうした状態では、何かの拍子に、個別価格が急激に上昇することがある。もともと食料品価格や商品価格は、需給状況で価格が上下しやすいので、中東の動乱などのきっかけによって跳ね上がる。
中国のインフレは為替ペッグを
維持しようとする結果起こった
このような固定相場制の国の代表例は中国だ。中国は人民元を固定したいがために、中国国内にカネをまいてしまった。
5日に開幕した第11期全国人民代表大会(全人代)では、温家宝首相はインフレ抑制が今年の最優先事項と位置づけている。
これまで、中国は米国の金融緩和を批判してきた。その発言の狙いはドル安に対する牽制とともに、国内インフレを避けたいからだ。政治的には、現状では為替ペッグを維持して人民元を安くして、中国国内の輸出勢力を味方につけたい。
そこで、中国は、為替ペッグを維持することを第1に考える。その場合、米国が金融緩和すると自国の金融緩和を通じて国内がインフレになるが、まずそれを避けたいから、米国の金融緩和を批判する。それは、同時に、ドル安を牽制することになる。
つまり、米国の金融緩和を牽制するのは政治発言で、経済現象を説明するための発言ではない。だから、ほかの国が中国の発言を真に受ける必要はない。
金融政策の自由度が確保されている
変動相場制採用国
次に、先進国で多い変動相場の国ではどうなるか。
変動相場制の国では自国為替が高くなり、一定の期間(例えば1年)が経過すると対米輸出が減少し対米輸入が増える。その結果、対米経常収支黒字が減少し、対米資本収支赤字(例えばドル債券の取得=自国からカネが出る)も減少する。ということは、米国へのカネの流出が減り、さらにカネが入ってくるようになる。
これらを米国サイドに立って順を追って言うと、金融緩和→通貨安→輸出増→経常収支(黒字)増→資本収支(赤字)増=資本輸出増、という流れになる。もっとも、米国からカネが入ってくるのは、経常収支が変化した後で、はじめからかなり時間が経過した段階だ。
やはり国際金融のトリレンマを使うと、一定期間後には米国からカネが流入するが、金融政策の自由度はその間も確保される。ということは、国内の物価の動きは、基本的にはその国の金融政策によるので、米国が金融緩和しても変わらない。
もっとも、米国と同じような金融緩和をしないと、為替レートが自国通貨高になって、輸出活動は落ちる。だから、金融緩和をしないと、近隣窮乏化ではなく「自国窮乏化」になってしまう。
今の日本がその例だ。他の先進国はみんな米国並みの金融緩和をしているにもかかわらず、日本はそれを行っておらず、円高となって、「自国窮乏化」を選んでいる。世界からみれば、なんと「お人好し」の国だろう。(後略)
(私のコメント)
去年も自殺者が3万人を越えたそうですが、特に若い人に自殺者では就職に失敗して自殺する人が多いらしい。経済的な失敗で自殺する人も5000人近くいますが、3万人を超えるようになったのはバブル崩壊以降だ。つまり経済金融政策の失敗が自殺者の増加の大きな原因になっていることは確かだ。しかし政府日銀は頑として金融緩和に消極的であり、不況を放置したままになっている。
20年近くも続けば、バブル崩壊後の不況の原因がはっきりと分かってきましたが、政府日銀はそれを認めようとはしない。いまさら金融緩和して景気が回復してしまったら政府日銀の政策が間違っていたことが分かることになる。そうなると責任問題が浮上してくるから、いまさら金融緩和することは日銀のメンツにかかわる。
株式日記では金融緩和を長年主張してきましたが、マスコミはもっぱら財政再建を主張しており、緊縮財政で不況を長引かせてきた。だから財務省の官僚や日銀の官僚は馬鹿だと書いてきましたが、高橋洋一氏のように財務官僚の中でも、金融緩和論を説く人も出てきました。しかし財務省は緊縮財政と増税で財政再建が主流になっており、金融緩和を言うと高橋氏のようにはじき出されてしまう。
2008年に欧米でもバブル崩壊が起きて、欧米の政府・中央銀行がどのような対策を打つか注目していましたが、株式日記が主張しているとおりの政策を行なっている。中央銀行が国債などを買い取って資金供給して市場の混乱を収めた。特にFRBは不動産担保証券を買い取って金融機関を救済した。だから株価も一気に持ち直して新高値を付けている。
株価は景気の先行指標であると同時に、金融緩和のバロメーターでもあるのですが、日本の株価はバブル崩壊以降は、景気対策を打っては持ち直し始めると増税で景気を潰してきた。特に消費税を5%に引き上げたことで強烈な不況をもたらして、本格的な不況が始まった。自殺者が3万人を超え始めたのもこの頃からだ。
つまり政府日銀の政策の失敗と自殺者の増加には明らかに関連性があり、政策の失敗が明らかになれば責任は問われなければならない。官僚たちは「自分たちは一般人より頭がいい」事で高給をもらっていますが、学歴は確かに優秀でも能力的には私に比べれば遥かに下だ。私に日銀総裁をやらしてくれれば森永卓郎氏ではありませんがデフレは直ぐに解消できる。
日本の経済議論が不活発なのは、マスコミの経済記者たちは日銀記者クラブや財務省記者クラブによって言論統制されているためであり、今でも記者クラブは財政再建と増税路線が主流になっている。そのように書かなければ日銀や財務省から記事を貰えなくなる為だ。以前にはインフレターゲットを主張する学者はテレビに出ることが出来ず議論が出来なかった。
リチャード・クー氏が公共事業による景気対策を主張していましたが、その為にリーマンショックが来るまでテレビに出ることが出来なくなってしまった。しかしアメリカもヨーロッパも財政金融の大出動していることからも分かるように、財務省の緊縮で財政再建路線は間違いなのだ。円高対策にしても金融緩和と為替とが関連があることがはっきりと分かるようになり、90年代からの円高は日銀の金融引き締めによるものだ。
冒頭のグラフを見れば、中央銀行の金融緩和と円高の関連性は明らかですが、白川日銀総裁はこれを否定している。中央銀行は金融調節で為替をコントロールすることが出来る。中国やアジア各国でもドルとの固定相場を維持するために金融緩和を行なって、それが結果的にインフレをもたらしている。日本のように変動相場制だと外国のインフレが日本には波及しない。
アメリカもイギリスも韓国もインフレターゲット政策を行なっているのですが、日銀はこれを頑強に否定している。菅政権では経済政策を財務省や日銀に丸投げしてしまっており、国会論議は見ていても時間の無駄だ。白川日銀総裁は総理大臣よりも権力があり、所得を見れば総理大臣の年収は4000万円ですが、日銀総裁の年収は5000万円だ。
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