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http://www.news.janjan.jp/government/0603/0603070453/1.php
政治「受益=官僚・族議員、負担=国民」の特別会計
矢本真人2006/03/09 国民の監視の目が届きにくい国の「特別会計」は、実は予算≠フ3倍、225兆円もの規模。官僚と族議員が既得権確保に知恵を絞ってきたからだが、改めさせる第一歩は官僚たちの意識改革しかない。「ISO」の活用を提案する。
衆院予算委員会での疑惑メール問題で国会は空転し、約80兆円の一般会計が楽々、衆議院を通過した。4点セットでの攻勢を目指していた民主党の追及は、参議院でも迫力を欠いている。
一方、元財務大臣の塩川さんが、在任当時、「母屋ではおかゆをすすっているのに、離れでは子供がすき焼きを食っている」と慨嘆したように、国会のチェックも受けず、国民の監視の目からも離れていた特別会計は、一般会計の約3倍に当たる225兆円の歳出が予定されている。
社会保険料やガソリン税などを財源に持つ31の特別会計は、所管官庁が自由に予算を使えるようになっているようだ。グリーンピアなどの事業にみると、"国民のため"を名分に掲げながら、杜撰な事業計画による採算性の無視が甚だしい。その一方で、莫大な維持管理費を使い、官僚の省利省益、そして不良資産のたたき売りの横行など、目に余る悲惨な状況である。
しかし、特別会計と言っても官僚が好き勝手にやったことではなく、法を制定あるいは改訂してこのようなシステムが作られたのであり、国会議員も加担したことになる。おまけに族議員の既得権益の温床になっているのだから、官僚も国会議員も同罪である。
どうすれば、こういう無駄の防止/改革ができるのか。国会の監視を受ける一般会計の約3倍の特別会計は、「国民の受益と負担」をわかりやすくし、効率的に予算執行するのが本来の趣旨だが、いまは「官僚・族議員の受益と国民の負担」で不透明な予算執行という最悪の状態になっている。
小泉政権では、特別会計改革に向けて、その事業の必要性および成果目標、歳出抑制目標、そのスケジュールなどを盛り込んだ改革が、平成16年9月に提案され、財務省も予算執行調査などで無駄遣いの洗い出しをさらに進めるという。期待したいが、所詮、その作業を担当するのは、同じ官僚なのだ。大きな期待はできない。
行財政改革といっても、改革案を作るのは官僚。自分たちの既得権は、ちゃっかり確保するのだろうし、政策の多くを官僚に頼る政権与党、官公労を支持組織に持つ野党第一党の民主党に、大きな期待はできない。
官僚の意識をどう変えていくか。まず、公僕(昔はよく言った言葉だが、今はトント聞かなくなった…)として仕事をする、という意識改革が必要である。かつて、ある東大総長が卒業式で「太った豚より、やせたソクラテスになれ」と訓辞したが、官僚は太った豚になってしまった。
国民のために貢献する意識改革、行政サービスの質の向上、目標管理、政策のP→D→C→A(立案、実行、チェック、行動)など「ISO(国際標準化機構)9000シリーズ」を活用して監査し、国民に公表するのも一つの方法である。
「ISO 9000シリーズ」というと、企業の財、サービスの品質管理規格を想像し勝ちだが、行政機関でも国民へのPR、国民志向の行政の実現、行政の品質改善などに活用すれば、メリットは大きい。日本総合研究所も「ISO 9000」のコンセプトを活かした行政経営品質の改善を謳っている。三重県では住民満足度の向上を目指し、認証取得に取り組んでおり、日本適合性認定協会の産業分野別取得件数で公共行政は56件という報告がある。
まずやらなければならないことは、官僚の意識改革だ。
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