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株式日記と経済展望
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浜田宏一氏は、日銀の最近の資産買入枠5兆円(約600億ドル)で最新の
FRBの国債購入プログラムの10分の1に過ぎず、小さ過ぎると指摘する。
2011年3月5日 土曜日
日銀は2006年まで資金供給を行なってきたが、急激に絞った結果、
2年後の2008年にアメリカでリーマンショックが起きたと思われる。
米連邦準備理事会=FRB、欧州中央銀行=ECB、日本銀行=BOJ
最近10年間の日経平均のグラフ、
日銀の金融緩和と2年のズレで連動しているのが分かる
アメリカもリーマンショックから2年のズレで株価も回復した
◆白川総裁、日銀批判に反論―「日本のバーナンキ」の巻き返し 3月1日 ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/index.php/Economy/node_189811
白川総裁は、デフレについて自身の考えを展開している。彼はミルトン・フリードマン氏の教えも受けている。伝説のエコノミスト、フリードマン教授が1975年に行った最後のシカゴ大学の授業を受けたことを、白川氏は誇らしげに語る。フリードマン氏は、インフレについて、中央銀行がどれだけ資金を経済に循環させるかという仕組みにすぎないと述べている。資金の多寡で、インフレの強弱も決まるという考えだ。
白川総裁は、デフレは現金の経済への大量注入だけでは対処できないということを日本の経験が示していると指摘。「(フリードマン氏の)命題は事実によって反証されている」と述べた。
総裁は別の要因も挙げる。日本の企業と家計は、人口減少と生産性上昇率の低下などによって、日本の長期的な成長見通しに弱気になり、支出と消費を抑制し続けている。総裁は、日銀が問題解決の一助となる得るプログラムを提供しているが、こうした問題は日銀が独自で解決できないと語った。
日銀を批判する向きは、これまでずっと日銀の対応が「遅すぎ」、実際に動いても「少なすぎ」だったと指摘してきた。また、景気が回復に向かうとすぐに政策を引っ込める、との批判もあった。
バーナンキFRB議長は、彼が考えるところの日銀の「ミス」は犯すまいとしてきた。米金融危機が深まると、すぐさま金利を引き下げた。また、バーナンキ議長は、2000年代の日本の金融緩和を連想させる「quantitative easing(量的緩和)」という呼び方を嫌っている。
バーナンキ氏は、金融システムに投入した資金量ではなく、民間投資家からFRBに渡った長期証券の量に注力している。これがより多くのリスク・テイクにつながるとともに、長期金利の低下を促すと信じるからだ。
FRBが保有する長期国債と住宅ローン担保証券(MBS)は、2009年1月の4570億ドルから1兆7000億ドルに大幅に増えた。一方、日銀は、国債の猛烈な購入には消極的だ。01年に45兆7000億円だった日銀の保有高は、04年に67兆2000億円(約8000億ドル)に達したが、現在の水準は04年を下回っている。
エール大学の教授で、東京大学で白川氏の師でもあった浜田宏一氏は、日銀の最近の資産買入枠5兆円(約600億ドル)で最新のFRBの国債購入プログラムの10分の1に過ぎず、小さ過ぎると指摘する。
日銀総裁がはっきりと主張するのはプライドだけが理由ではない。中央銀行は、実務的な組織であるのと同様に政治的な存在でもある。中央銀行がそうでないように努めているとしてもだ。世界の中央銀行総裁は、金融危機以来、政治的打撃を受けており、多くの総裁が世論の支持を取り戻そうとしている。バーナンキ議長は、実施した政策を説明するために、CBSの番組「60 Minutes」に3年間で2回も登場した。
日銀もまた、政治的攻撃に直面している。1998年の改正日銀法で確立された日銀の独立性にとって脅威になるものだ。
昨年発足した「デフレ脱却議連」には、現在、衆議院議員の4分の1近くが所属している。日銀への圧力を狙い開催された2月22日のパーティーでは、通常、他の問題では対立をみせる議員らが一堂に会した。この議連は、消費者物価上昇の実現を日銀の目標として強制力を持たせたいとしている。
「デフレ脱却議連」事務局長を務める金子洋一参議院議員は、目標が達成できなければ辞めてもらうべきだと述べた。金子氏は白川総裁の努力を「落第点」だとし、「(白川氏は)学者として優秀かもしれないが、コミットメントをするのを嫌う」と評した。
日銀にとってのもうひとつの悪夢のシナリオは、成果の出ない長年の財政刺激策でGDPの2倍まで膨れ上がった政府債務の引き受けを政治家から強制されるという事態だろう。白川総裁は、そうはさせないと可能性を否定した。
白川総裁は批判に対して弱腰を見せない。総裁は、こうした批判は精査に耐えないとの見方を示した。
たとえば、日銀の措置は規模が十分でない、との批判がある。これに対して白川総裁は、日銀の保有資産は対GDP比でFRBを上回ると反論する。
日銀の資産保有は最近、大きく増えておらず、2005年12月のピークを下回っている。しかし、過去10年間、日銀が日本経済を回復に導こうと努力する過程で、資産保有がどれほど増えたか理解されていないと総裁は述べた。
白川総裁は、キャリアの大半を日銀内で積み重ねてきたが、1970年代の若かりし頃、2年間シカゴに留学した時期があった。教授陣は彼に感心し、残って博士号(PhD)を取得するよう勧めた。しかし、日銀からは、戻るか、辞めるかの選択しかないと言われた。「辞める勇気はなかったので、日銀に戻った」と白川総裁は言う。
ある意味においては、白川総裁は、若き日のハードな大学院の経験と同じように中央銀行を運営している。彼は出世階段を上るにつれ、何時間ものブレーンストーミングを行い、徹底的な調査をスタッフに求めることで有名になった。
総裁は、休む間もなく走り続けるところが似ているのか、行内ではひそかに「Qちゃん」(マラソンの高橋尚子選手の愛称)と呼ばれている。
総裁はそうたとえられることを嫌っていない。彼は言う、「日銀も、いわば、非伝統的政策を推し進めるフロントランナーのようなものだ」と。
(私のコメント)
昨日は東大卒がトヨタを蝕んでいる事を書きましたが、一番蝕んでいるのが霞ヶ関であり、日銀もその一つに入る。最近の霞ヶ関のキャリア官僚を見ても能力の低下が著しい、高橋洋一氏も東大卒ですが理系であり、文系に比べれば理系はまだマシのようです。最近の東大生の学力の低下は問題であり、昔の法政・明治程度の学力らしい。だから中学程度の数学も解けない大学生も出てくる。
国会議員の学歴を見ても東大出がずらりと並んでいるが、テレビなどの政治討論会などを見ても馬鹿ばかりだ。私が言いたいのは学歴よりも、社会に出てからどれだけ勉強したかが問題であり、卒業して霞が関に入って全く勉強しないのでは、普通の大学卒よりもたちが悪い。
白川日銀総裁も東大経済学部卒ですが、いわゆる専門バカになってしまって世界的な金融常識からかけ離れてしまっているようです。冒頭のグラフを見ても分かるように2006年頃に日銀の財務諸表は大きく低下したままだ。確かに2007年度にはミニバブルの発生があり引き締める必要がありましたが、日銀はリーマンショック以降も低下したままだ。その為にデフレ状態に陥ってしまった。この事は以前にも書きました。
FRBやECBがバランスシートを拡大させているのに日銀はそのままだ。高橋洋一氏が言うように日銀はデフレターゲット政策をしているように見える。その為に国の財政は逼迫して税収も落ち込んだままだ。日銀や財務省は金利の上昇を何よりも恐れているようだ。何しろ国公債の残高は1000兆円にも達してしまって、金利が上がれば利払いで財政破綻だ。
一見もっともな見方に見えるようですが、景気の回復と金利の上昇は、現在ではリンクしなくなっている。金利の上昇無き景気の回復は可能だ。なぜならば日本のデフレギャップが大きいからだ。しかし財務省や日銀は最近までデフレギャップの意味が分からなかったようだ。2007年のミニバブルの時でも金利はさして上昇していなかった。
昔は景気が良くなれば金利が上昇しましたが、それは生産性が悪かったからで、需要が増えてもなかなか供給が追いつかなかった。しかし現代では生産性の向上で製品の作りすぎが直ぐに問題になる。グローバル経済になって世界中が工業国になって自動車や家電を生産している。だから物の値段が上がらず企業はよりコストダウンを求められている。
高橋洋一氏や管直人財務大臣のように理系の学部を出た人なら数学的な考え方でデフレ・インフレがよく分かるのですが、法学部や経済学部では数式を用いた数学的な考えが出来ない。先日もNHKの番組で落ちこぼれの問題をやっていましたが、今の中学生や高校生でも九九が出来ない生徒がいるそうです。九九が出来なければ掛け算や割り算も出来ない。
私自身も大学の電気工学部も出ているので、数式が分からないと電気配線も分からない。アンペアやボルトの関係も分からなければ電気工事士にはなれない。ところが東大法学部では法律的な考え方は出来ても数学的な考え方が出来ないのが霞ヶ関にいる。だからデフレギャップが出来ている事が理解できない。
デフレギャップを解消するには需要を作り出すことであり、「株式日記」では国民一人に100万円配れと書いてきました。4人家族で400万円だから車一台が買えるようになる。10人家族なら新築の家が建てられる。一人100万円配っても全部で120兆円だから、FRBやECBが行なった量的な緩和策の金額と大して変わりがない。
普通の国なら、そんな事をすれば為替が暴落して出来ませんが、アメリカやヨーロッパや日本ならそれが出来る。しかしアフリカのジンバブエでそれをやればハイパーインフレになるだけだ。これらのことが感覚的に分かるには数学的な頭脳が必要だ。だから政府は100兆円の国債を発行して日銀が買って、国民一人に100万円配ればいい。それだけ日銀のバランスシートは膨らみますが、欧米ではそれをやっている。日本はそれをやらないからデフレ経済になっている。
財務省や日銀の官僚たちは、従来の常識に囚われて景気がよくなれば金利が上がると考えている。確かに需要が供給を上回れば物価や金利が上昇していくだろう。しかしデフレギャップが45兆円もあるのでは全部で2兆円の定額給付金では意味がない。一人当たり2万円の定額給付金でも使わなかったり、貰いに来なかった人がかなりいるようだ。あまりにも金額が小さいので、その割には手続きが面倒だったからだ。
今年の新卒者の就職率の内定が悪いそうですが、日本がデフレ経済に陥ってしまっているからであり、日銀の金融政策が間違っているからだ。だから3月の高校や大学を卒業する学生たちは日銀に対して抗議すべきなのですが、フリーターや日雇い派遣になるしかないのだろう。そうなれば消費需要はさらに落ち込んで税収も落ち込んでデフレスパイラルに陥っていく事になる。
FRBやECBでは100兆円規模の量的緩和政策を実施している。2010年2月9日 株式日記より
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/a3844a5738a1484c4edfd2e196202ad0
福井日銀総裁の頃、小規模な金融緩和を行い、2007年には株価は17000円まで戻り、円は1ドル120円まで安くなった。そしてミニバブルとまで言われて都心のビル価格が高騰した。その後白井日銀総裁になって金融の引き締めで株安と円高が復活して不動産も冷え込んでしまった。だからデフレ脱却には金融の量的緩和が特効薬なのですが、現場を知らない日銀総裁や財務省はその感覚がわからない。
「不動産でラクラク」な勤め人やサラリーマン大家さんになるための心構え 3月4日 株式日記より
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/a08c0d6bfba6bbf2122dc5af8e95cbdd
(本日の私のコメント)
ウォールストリートジャーナルの記事によれば、デフレ脱却議連が日銀に対してインフレターゲット政策を求めています。インフレ目標を定めてそれを達成できなければ日銀総裁を首に出来る法案が制定されるかもしれません。だから日銀側は必死に金融緩和はデフレ脱却には効果が無かったと言うインチキ論文を発表していますが、暴徒yのグラフを見ても分かるように金融緩和と景気との関係は明らかだ。2007年には家具かは17000円にまで上がったし、円は120円まで安くなり輸出企業が儲かり、都内のビルの価格も上がった。就職事情も好転した。2007年の高校生の就職内定率は88・1%、大学生の就職内定率は87・7%だったそうです。アメリカも2年経って超金融緩和政策の効果が出てきている。
◆米失業率、2年ぶりに8%台まで改善 3月5日 JNN
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20110305-00000007-jnn-bus_all
アメリカ労働省の発表によりますと、2月のアメリカの非農業部門の就業者数は前の月に比べ、19万2千人も増え、事前の予想をやや上回る9か月ぶりの増加となりました。
政府部門の就業者こそ減ったものの、民間部門の雇用増加は22万を超え、業種別でも製造業、建設業をはじめ、小売り以外はすべてプラスとなりました。
2月の失業率は0.1ポイント低下し、8.9%と、2009年4月以来、1年10か月ぶりに8%台にまで改善しました。
アメリカの失業率は金融危機で、一時10%を越える水準まで悪化し、去年の11月にはなお9.8%をつけていましたが、3か月で0.9ポイントもの急低下で、アメリカの雇用の回復ぶりを示すものとなりました。(後略)
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