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消費税の増税は、パラノイアの戯言
偏執狂に陥ったメディヤ、再び敗戦を繰り返すのか。
消費税の増税は、デフレスパイラルを招きます。デフレ下でなされると、単なる需要の減少ではなく、連鎖的波状的に経済が収縮する大恐慌になるのです。
恐らく今回消費税が増税され、経済が崩壊した場合、橋本政権下で実施された消費税増税の後始末のため、1999年頃の小渕政権のような対策では日本を救済することはできないでしょう。
当時とは違い、麻生政権の14兆円越える大型経済対策でも日本経済は微動だにしないほど衰えているからです。恐らくデフレに消費税を上げるような経済原理を知らない担当者達では、日本を破綻させるでしょう。
デフレ下の消費税の増税がなぜ経済を急落させるのだろうか。それは消費税の増税がデフレスパイラルを招く原理であるからなのです。
今までデフレスパイラルという言葉を多くの方は聞き、そして大きな経済縮小を招く恐るべきものだという事を知っていることでしょう。
しかしそれがなぜ起きるのかと言うと、今まで経済学者ははっきりと言えませんでした。今やそれは明らかになっているのです。
原理というのは同じ経済条件が有れば必ず同じことが起こるというものです。
考えてもらいたいのは、水槽の中の金魚です。(水槽経済学http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/suisou1.htm)デフレの状態は、水が金魚の数に比べ少なくなっている状態です。(金魚が生産物、水が資金)
この時にさらに水が急に減少した場合、金魚の数が多いほど、動きが取れず、水から栄養分や、酸素が取れず、アップアップして窒息していきます。
消費税の引き上げは、この水槽の水を吸い上げる行為を意味します。なぜなら企業や、個人、あるいは政府関係も含めて、あらゆる取引に消費税の税率アップが及び、市場の資金が政府に取り上げられるからです。
デフレスパイラルは、生産量が一定のままで、市場の資金量が急速に減少する事によって惹起されるのです。それは一つの産業や、企業群にだけ及ぶのではなく市場全体に及びます。
なぜなら消費税増税による資金の減少は、間接税などのように特定の商品に掛け、その商品の需要や供給だけが左右されるものではなく、市場の消費全体に影響を及ぼすものだからです。
それは市場の資金量と生産量の比率を急激に変えることになります。このことがデフレスパイラルや、インフレスパイラルを、起こすのです。
(デフレスパイラルは、生産量が一定で、資金量だけが急速に減少した場合。インフレスパイラルは、逆に生産量が一定で資金量が急激に増えた場合です。
ドイツで起こったハイパーインフレは、戦争により生産手段が破壊され、生産量の減少と同時に、政府が貨幣流通量を増やしたことによる資金の増加の同時進行によって惹起されたことが簡単に解るでしょう。)
デフレスパイラルは、所得線の角度の下降という形で表すことができます。(生産量が横線、縦に資金量をとって描いた所得線)インフレスパイラルはこの逆です。
市場の資金の減少は、全産業の需要に大きな影響を及ぼします。一つの産業の需要減退は、他の産業の需要の減退を招きそれが波状的に市場全体に及んでいくのです。一つの商品や産業の衰退では有りません。
波状的連鎖的な収縮が繰り返されながら、やがて資金の最下点で止まります。消費税によって減少させられた資金量に見合う生産量で不安定ながらも一応の均衡に達します。
そこが所得線の下降の最下点です。
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/20nennzuhyou.html
デフレスパイラルは、このように消費税増税前の所得線の角度から、消費税を増税し資金が減少した最下点である所得線の角度まで、波状的循環的に経済を縮小させながら、下降する過程を指します。
多くは大恐慌を伴います。
消費税の増税は、市場のあらゆる取引から一定率の資金を政府に引き上げる行為です。それは市場からの資金の流出になります。
この一定率の割合が多いほど、資金の市場からの流出量が増え、生産量と資金量の比率が変わり、角度が下がります。資金の流出が大きいほど、デフレスパイラルが激しく、急激に経済が縮小することになります。
インフレのバブル状態の時(投資が貯蓄を上回る状態)、消費税を増税することは、市場の過熱を防ぎ、資金を吸収することで、金融資産や土地に過度に資金を流出することを防ぐことができます。その結果、資産価格を安定させるのになるほど貢献します。
逆にデフレの時(借金や国民負担が、貯蓄を上回る時)、消費税を上げることは、破壊的な経済収縮を招くのです。
間接税との一番の違いは、先程も申しましたように、間接税は特定産業のある種の商品製品にかかるものであり、市場全体に及ばず、その製品だけの需要を左右するものです。
それは所得線の角度を上下させるものではなく、所得線上を上下するものです。市場全体を縮小させるものではないのです。
それ故例えば、消費税を上げ、福祉の介護にだけ投資をした場合。どうなるでしょうか。
デフレにおいて消費税を上げ、増収になることは無いので、架空のことになりますが、ここでは、別なところから介護への投資資金が調達できたとしましょう。
消費税上げで、デフレスパイラルが生じている中で、
すなわち全産業で波状的に循環的に経済縮小が進んでいる時、一つの産業に肩入れし、補助金を与え、奨励するとしますと、他の産業がより一層衰退することになります。
何となれば、肩入れした産業の生産が伸び雇用が伸びると、他の産業から、資金、生産材料、労働者が集中することになります。これにより、他の産業から、人材、資金、資料が枯渇してゆくのです。
そして肩入れされた企業は、資金、人材、生産資材などが、値上がりする事なく安く流入することになります。
資金はより低利で、賄われ、労働賃金も叩くことができるのです。生産資材も他が使わない分だけ安くなって入ってきます。
結局、肩入れされた企業の補助金分が他の産業を余計に衰退させることになり、全体の縮小はなんら解消されることはないのです。
このようなことから、デフレにおける消費税増税とそこから得た資金による経済復興は有り得ない空論であることがお分かりいただけると思います。理論的に破綻しているのです。
このことから、税と社会保障の一体改革などは、その美名のもとになんらかの利点が有るかのように錯覚させるものですが、論外の議論であることが分かります。時間の無駄、議論の俎上に載せる類いのもではないのです。
現状での消費税の引き上げはただ国民を塗炭の苦しみを味合わせるだけになりましょう。
現在金融モラトリアムにより生きながらえている企業への鉄槌となるでしょう。その申請が100万件近くに上っていると聞いています。
それらに従業員が4、5人いたとしても4、5百万の失業者が発生する勘定になります。彼らの生活費の援助や福祉に資するだけでも、消費税増税分は足りないでしょう。介護の雇用を2、3百万増やしたとしても足りないのです。
増収を期待して消費税を増税しても、引き起こされる現象は、大幅に増えた福祉関係への出費のため、借金がさらに増え、さらなる増税をしなければならなくなる断末魔の様相を呈するのです。
デフレの市場の本質的な特徴は、生産能力に比べ、消費額が著しく少なくなっていることです。消費に回る資金量が不足しているのです。にもかかわらずさらに消費に回るべき資金量を吸い上げる事は、営業活動の結果得られる付加価値を全く無くす行為になります。
消費税増税パラノイアと思われる自民党、菅政権、新聞、メディヤは、既に消費税増税が不可欠という論をあおりはじめており、大本営発表に明け暮れ始めています。
デタラメな見通しや理論を無視した政策は如何に国民生活を破壊するかは、敗戦で明らかになっていますが、今回も冷静に考えれば蟻地獄に陥ることはわかっています。いったい何が理由で狂信的に経済破壊を目指すのでしょうか。私にはわかりません。まさしく偏執狂です。
しかしデフレの実態が消費の不足であることが分かるならば何をすればよいかが分かるでしょう。あとはこれ以上国民に負担を掛けずに、予算をやり変え、消費額を増やす方向に投資をすればよいだけなのです。http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/080606.html財源病、財源馬鹿
それは間違っても低金利でないことは私の読者であるなら分かっていただいていると思います。デフレは簡単に直るものです。悲観的なものではありません。断言できます。
(納得いかない方は私のブログ等を参照してください。http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/091111.htmlデフレの成長戦略とは何か)
一言主。
追:最近の阿修羅版では多くの方が消費税に反対されています。心強い限りです。しかしデフレ解消法については、ほとんどまともな意見が見当たりません。
現在版船中八策を書いています。近いうちにご紹介できると思います。
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
参照のこと:
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html
2千8年8月12日デフレと日本の移民政策
2千8年8月21日デフレ下の諸物価の高騰と消費税増税の類似性
2千8年8月26日消費税増税で突然死、上げ潮政策でも突然死
2千8年9月22日デフレの原理と消費税
2千8年10月6日デフレと収穫逓減の法則
2千8年10月26日資金低減の法則が支配するデフレと政府の犯罪的政策
2千9年9月24日デフレにおける雇用政策の基本
2千9年11月11日デフレの成長戦略とは何か
2千10年4月9日世界のデフレ像を描く
2千10年5月7日デフレとばらまき
等
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