★阿修羅♪ > 経世済民71 > 193.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
米国経済はすでに正常化しつつあり、経済主体のデフレ期待はおおむね払拭されたのではないかと思われる。しかしドル暴落のリスク
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/193.html
投稿者 TORA 日時 2011 年 2 月 28 日 15:09:41: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu234.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
米国経済はすでに正常化しつつあり、経済主体のデフレ期待はおおむね
払拭されたのではないかと思われる。しかしドル暴落のリスクがある。

2011年2月28日 月曜日

◆貨幣面からみる日米経済 2月25日 ラスカルの備忘録
http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20110225/1298633495 

 2月16日のエントリーでは、経済の実物面(実質GDP)の今後の予測から、雇用情勢が今後どのように推移していくかを予測した。今回は、2月14日に公表された2010年第4四半期のGDP速報をもとに、日本経済を貨幣的側面からみるとともに、米国のデータと比較する。

 まず、GDPデフレーターの前年同期比を需要項目別の寄与度でみると、国内需要の寄与は引き続きマイナスであるが、その幅は緩やかに縮小している。ただし、純輸出の寄与も引き続き大きなマイナスであり、これらをあわせたGDPデフレーターの前年同期比は、大きなマイナスが継続している。

 つぎに国内需要デフレーターを貨幣数量方程式に基づき、(1)市中の貨幣量(ベースマネーと信用創造による貨幣供給の増加が物価を上昇させる効果)、(2)貨幣流通速度(貨幣の回転率が上昇することで物価が高まる効果)、(3)財・サービスの数量(商品数量の増加が物価を低下させる効果)のそれぞれの寄与別にみると、このところおおむね同じような傾向がみられており、不況期の特徴である貨幣流通速度の低下は一時期よりも小さくなっている。

 市中の貨幣量(貨幣供給)の寄与は、このところ2%ポイント前後のプラス寄与が継続しており、おおむね一定の幅で推移しているが、貨幣供給の増減率をみると、この1年間は緩やかに低下している。

 ベースマネーが増加する一方で貨幣供給が低下するのは、企業が外部資金を借り入れようとする意欲に乏しいため信用創造が十分に働かず、貨幣乗数が低下しているためである。つぎにこの貨幣乗数の低下要因をみる。要因分解の方法は、2010年5月26日付けエントリーにつぎのように記載したとおりである。

ちなみに、貨幣乗数は、


M3 C+D C/D+1
--- = ---- = --------
MB C+R C/D+R/D

のように表現することができるため、貨幣乗数の伸びは、現金・預金保有比率が変化することによる要因と、準備預金の預金に対する比率が変化することによる要因にわけてみることができます(現金・預金保有比率は、さらに、(A-1)非金融機関の現金・預金保有比率、(A-2)金融機関の現金・預金保有比率にわけられます)。なお、準備預金の預金に対する比率は、通常の経済ではおおむね「法定準備率」に一致していますが、量的緩和政策下では、保有を義務づけられた準備預金額を超える当座預金への需要が喚起されるため、大きく変動することになります。

 結果をみると、貨幣乗数は準備預金・預金比率の上昇によって低下しており、「流動性の罠」と量的緩和が組み合わされる際に生じるであろう傾向から低下していることがわかる。一方、現金・預金比率はこのところ低下していたが、その低下幅はしだいに縮小しており、今後は貨幣乗数を低下させる方向に働く効果をもつであろうことが予想される。これらは、1990年代後半以降のデフレ期の傾向の再現であり、日本経済は、つかの間の回復期を経て、再び長期停滞の様相をみせていることが懸念される。

 続いて米国経済である。米国経済については、これまで再三指摘したように、日本型の長期デフレに陥る懸念はおおむね払拭されているようにみえる。GDPデフレーターはこのところ緩やかに上昇しており、これまでマイナス寄与であった民間設備投資のマイナス寄与もしだいに縮小している。

 また、国内需要デフレーターを貨幣数量方程式に基づく寄与度でみた場合、貨幣流通速度はすでにプラスに転じていることがわかる。

 貨幣供給の増減率も、一時期大きく低下したが、現在は再び上昇に転じている。

 貨幣供給の上昇は、ベースマネーの著しい増加によって生じたものであるが、それに加えて、貨幣乗数の低下幅も縮小しており、金融機関を中心に民間経済主体の現金保有傾向はしだいに改まりつつある。貨幣面からみる限りでは、米国経済はすでに正常化しつつあり、経済主体のデフレ期待はおおむね払拭されたのではないかと思われる。


(私のコメント)


アメリカはFRBによるQE2による6000億ドル、日本円で48兆円もの長期債を買い込んで資金供給することでデフレ危機を回避することに成功しているように見える。おかげで株価は上がり、貨幣乗数の低下傾向も止まってきて金融機能も正常化してきたように見える。QE1と並んでの立て続けの金融緩和政策は、日本の金融政策に比べるとなんとも大胆なものであり、日本でこれくらいの金融緩和政策を行なえば「失われた10年」は回避できたかもしれない。

日本では、インフレターゲット政策を主張することすらキワモノ学者扱いされることを覚悟しなければならない。しかしアメリカのバーナンキERB議長は公言はしていないが明らかにインフレターゲット政策を採っている。イギリスもインフレターゲット政策で2%が目標ですが4%のインフレになってブレーキをかける必要があるほど大胆な金融緩和を行なった。韓国などもインフレターゲット政策を行なっているようだ。

金融を量的に引き締めたり緩和することでインフレターゲットは可能だと思うのですが、日本ではまともに議論されることもない。日本ではグラフで見ても分かるようにGDPデフレーターはずっとマイナスで終始していますが、それは日銀が金融を引き締め続けているからだ。FRBを見習って48兆円の国債買取を行なって資金供給すべきだろう。今は不況で資金需要がないから銀行は国債が買えないのならドル債やユーロ債を買わざるを得ない。そうなれば円安になる。

円安になることで株価は上がり輸出企業の手取りは増える。さらに株価が上がれば銀行の資本も増強されるから融資余力も出てくる。このように金融緩和すれば「風が吹けば桶屋が儲かる」式に好循環が起きて貨幣乗数も上がって行くだろう。貨幣流通速度も株価が上がることで売り買いが活発になるように上がっていくだろう。つまり金融の量的な緩和はデフレに対しては特効薬であり、アメリカのFRBの金融政策でそれが証明されている。

しかしアメリカがこのような金融緩和が出来るのも。中国や日本がドルを買ってくれるからであり、ドルの暴落が予想されれば出来ないことだ。日本は円高で苦しんでいるくらいだから金融緩和の余地があり、円を売り崩そうと言う動きも無い。円が150円とか200円になれば世界中に安い日本製品が溢れて、ヨーロッパやアメリカの自動車メーカーは潰れるだろう。だから欧米は日本に対して金融緩和するなと圧力をかけているのかもしれない。そして低金利にして金利が高くなったドル債を買わせている。

日本の金融を引き締めておけば、銀行は金を貸さないし、預金の資金運用は国債に限られる。こんなバカのことをさせている日銀は気が狂っているとしか見えないのですが、アメリカやイギリスは金融緩和でデフレの危機からは脱している。池田信夫氏と森永卓郎氏の論争でもそのことを指摘している。

◆経済論戦勝ったのはどっちだ!森永卓郎vs.池田信夫 激突120分日本経済は破綻する? 2月24日 現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2114?page=2

森永 '08年のリーマンショックのあと、イギリスは金融緩和によって通貨の供給量を3倍に増やし、アメリカも2・5倍に増やしました。対して、日本はまったく増やさなかった。

 その結果、どうなったかというと、為替がイギリス(ポンド)はかなり下がり、アメリカ(ドル)とヨーロッパ(ユーロ)はほぼ変わらず、日本だけがどんどん円高になった。その影響で製造業が厳しくなり、日本の生産だけが激烈に落ち込んでしまったわけです。

 だから、日本も欧米と同じように、金融緩和で通貨供給量を増やせば、為替の問題は解決するはず。

池田 その話については日銀が反論のペーパーを書いてますよ。日銀の供給する通貨(マネタリーベース)と円高は因果関係がない。

 リーマンショックのあと円高になったのは、それまで売られていた円が巻き戻されたのと、アメリカのような金融システムの壊れた国よりも、日本のほうが安全だと円に投資が集まったからです。これは日銀の白川総裁も言っている。

森永 いやいや。通貨供給量が増えれば円安になり、物価も上昇する。教科書的な経済理論でも、物価は通貨供給量に比例して決まることになっているでしょ。

池田 そんな経済理論はありません。物価が中央銀行の供給する通貨の量で決まるという素朴な貨幣数量説は19世紀の理論。

森永 ええっ? そうなんですか? 日本も'01年から断続的に日銀が量的緩和をやりましたよね。あのとき'03年、'04年と、物価はずっと上がっていたじゃないですか。その後、緩和をやめてしまったからデフレになったんでしょ。

 もしいま日銀が通貨供給量を100兆円増やすとします。100兆円で国債を買えば、金利1・2%として毎年1兆2000億円の金利収入が得られる。300兆円なら、3兆6000億円ですよ。国庫のおカネが足りないのなら、これをどんどんやればいい。

 でも、じゃ、なぜそれがなかなかできないかというと、インフレになる危険があるからでしょう。逆にお聞きしますが、通貨供給量と物価が関係ないとおっしゃるなら、いっそのこと、どんどん金融緩和をやればいいんじゃないですか?

池田 2000年代前半に、日銀はマネタリーベースを36%も増やしたが、図(次ページ)のように物価はほとんど変わらなかった。だから日銀は量的緩和をやめたのです。300兆円だとか、そんなバカげた話、やめてください。そんなことを実際にやった国があるんですか。

森永 あるじゃないですか。現実にアメリカやイギリスがやっているでしょう。(後略)


(私のコメント)


デフレ経済で一番いけないのは、物価が年々下がり現金や預貯金で持っていることが一番有利になり、貨幣流通速度が低下してしまうことだ。銀行も借り手がなくなり金利は下がりっぱなしになる。このような時に銀行窓口にいくら現金を積み上げても借り手はいない。ならば国民に直接ばら撒いてしまう政策が一番いい。実際には減税政策ですが、菅政権は増税して財政再建路線しか考えていない。デフレをより酷くしようとしている。

貨幣乗数が低下することは信用の創造がうまく行っていないからですが、FRBのように大胆な金融緩和政策を採れば貨幣乗数も上がっていくのでしょう。その辺の事情はラスカルの備忘録を読めば数学的に証明が出来る。だから白川総裁のような自信のない僅かな金融緩和では効果がなかなか出てこない。銀行の増資が相次いでいますが、株価が低迷しているから資本増強に迫られて信用創造もままならない。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2011年2月28日 19:24:23: ibwFfuuFfU
米国経済はすでに正常化しつつあり、経済主体のデフレ期待はおおむね払拭されたのではないかと思われる
--------------------

これが大嘘であることは脊髄で思考していないヒトはみーんな知っている。それは不動産の価格があと10年下がり続けるからだ。現に不動産価格の下落は少しも収まっていない。


02. 2011年2月28日 19:49:59: uWfaddBdnI
 アメリカ経済は正常化なんかしていない。
QE1、QE2でとにかくバブル化しているだけだ。
たとえQE3をやって延命したとしても、せいぜい来年2012年春までが
精一杯だろう。

 その後は、バブルが弾けて空前の大暴落が起こり、経済は地獄生きだ。
当然、日本経済も巻き込まれるから、2−3年はダメだろう。
たしか2015年ごろに日経平均は4000円になると予想していた人が
いたけど、当時は全く信じられなれなかったが、ほんとにそのとおりになる
かもしれない。

 もっともその前に大戦争を起こしてチャラにするというのがシナリオ
らしいが、かなりの人にバレているようなので、それも失敗するだろうね。


03. 2011年2月28日 19:59:35: kb8FKYsDeA
さまざまな統計数字発表されているが、米国の借金の総計は2010年8月の時点で207兆ドルにまで膨らんでいる。
世界全体のGDPが年間60兆ドルであることを考えるまでもなく、もはや米国が未来のいつかの時点で債務を返済する可能性はゼロに等しい。
米国は現実に存在しているドル以上のドルを負債として抱え、身動きの取れない状況に陥っている。
仮に銀行・企業・納税者・米国外のすべてのドル保有者から「ドル紙幣」を集めても、米国の借金を返済することはできない。
それでも強いドルは、いずれ復活すると唱える人々もいる。だが、いったい米国のどこに信用を回復するに足るだけの富があるのだろうか。
ベースとなるのは、M0・M1・M2・M3のマネーサプライだ。
2009年12月発表
M0:紙幣・通貨の総額(9,080億ドル)
M1:M0+普通預金など(1兆7000億ドル)
M2:M1+10万ドル以上の定期預金・機関投資家保有の投資信託など(8兆5,000億ドル)
M3:M2+金融資本家を筆頭に金持ちたちが持っている投機マネー(約14兆ドル)
*M3は2006年以降FRBが発表をやめてしまったため、米国の監視団体による発表を引用
M0・M1以外のマネーは信用するに足る富ではない。M2・M3は数字の帳尻合わせの遊びのようなものである。
米国が「米国の債務をチャラにする」と意気込んでも、銀行・企業・個人からドル紙幣を取り上げても、国庫に収まるのは「M2の8兆5,000億ドル」に遠く及ばないだろう。

諸外国はすでに米国債の買い取りを避け始めており、これまでは諸外国が50%以上を占めていたが、2010年5月時点で米国国内勢が50.2%となった。過半数が逆転したのは、実に3年ぶりである。

中国の動きを見ると、米ドル崩壊を目指した一手だとわかる。
中国はFRBの量的緩和を見て、「ドルの強制リセット」の疑いを持っており、手持ちの米ドルを世界各地で使い、とにかく現物を買っている。
この、「ドルの強制リセット」が実行されれれば、米国債を大量保有している国々は、大幅な損失を被る。
米国は、新通貨発行・デノミも行う可能性が高い。

だからこそ、日本もこれ以上の米国債購入を止め、早急に米国債を売却すべきである。


04. 2011年2月28日 20:01:09: kb8FKYsDeA

2010年夏以降も円高米ドル安が止まらない。これは従来の為替の動きとは異なる原因によるものだからだ。
円が高いのではなく、あらゆる通貨に対して米ドルが安くなっている。覇権国家米国が誇る世界の基軸通貨米ドルは、貨幣にとって最も重要な「信用」という証を失いつつある。なぜなら、米国は今日も確実に倒産への道を歩みつつあるからだ。その気配は「表のニュース」を見ているだけでも濃厚に感じ取ることができる。

たとえば、2010年8月10日。FRBは量的緩和策の再開を決めた。量的緩和策の再開とは、FRBがじゃんじゃんと米ドルを作っては、米国を支える借金=米国債を買いまくる、とういこと。このニュースは多くの市場関係者を驚かせた。
FRBが量的緩和策を取るのは、2008年秋のリーマン・ショック後に続いてのこと。2010年3月末まで継続されたこの時の狙いは、米金融界の不良債権を減らし、資金難を緩和することだった。FRBが米国債や社債(不動産担保債権)を米民間銀行から買い上げ、市中に大量の米ドルを投入。その間、米金融界はギリシャ危機などを利用した詐欺的な債券金融で復活し、FRBも量的緩和を終了した。

だが、米金融界が息を吹き返す一方で、米国の実体経済は悪化の一途をたどっていた。米株高を演出することで危機の出口を見いだせると読んでいたFRBのバーナンキ議長だったが、その思惑は外れ、2010年8月の米雇用統計で米失業者の高止まりがはっきりした。それによって、量的緩和策を再度復活させることが決まった。

2010年8月の量的緩和策の内容は、2010年3月末までに米銀行から買い取った不良債権(不動産担保債権、ジャンク債)が満期を迎え、現金に償還された時に、その資金で新たに長期の米国債を買うというもの。その総額は1兆3,000億米ドルで、不動産担保債権が償還されるたびに、その資金が米国債の購入に再投入されるという。買い支える対象が不動産担保債権ではなく米国債である理由は、長期の米国債を購入することにより、米長期金利を抑えるためだという。

こうした量的緩和策・米政府による財政支出・ゼロ金利政策の継続・FRBによる米国債を購入のすべてが同時に行われるのは米国史上初のことであり、ゼロ金利下で大量に米ドルを発行するのは極めて異例な政策だ。

そして、「100年に一度の危機に対応するため」というお題目で、この異常事態を主導。市場に溢れかえる米ドルがその価値を落としていくのを眺めているのが、闇の支配者たちの出先機関であるFRBだ。

FRBの実態はロスチャイルド家の影響下にあるJ・P・モルガン商会やロックフェラー家といった金融資本家たちが主導して設立した私的な組織。彼らには米連邦準備券=米ドルの発行を行う権利が与えられ、まるで中央銀行のような顔をして、米国の金融政策の舵取りを行っている。

だが、FRBの株は今もJ・P・モルガン・チェース銀行やシティ・バンク(デイビッド・ロックフェラーの強い影響下にある)などの大資本が半数以上を所有。実態は、株主のために利益を出すというDNAを受け継いだ民間企業にすぎないのだ。

そんなFRBが発行した米ドルを世界が基軸通貨として認めてきたのは、米国の国力と石油の決済に米ドルを使うという暗黙の了解が「信用」となってきたからだ。

ところが、2008年の金融危機によって世界中の人がその信用のカラクリに気づいてしまった。そして、力をつけてきた新興国、特に中国は2006年のユノカル事件をきっかけに米ドル石油体制を維持してきた闇の権力者たちの仕組みから離脱することを決め、行動を開始した。

ロシア・ブラジル・インドといった新興国も脱米ドル後を探る動きを本格化させており、G20の席上でも新たな基軸通貨が話題に上るようになっている。もう米ドルはダメだ。もう米国は終わっている。これが日本をはじめとする対米隷属国では封殺されている「世界の常識」だ。

だからこそ、2010年8月にFRBが再び米国債を買い支える政策を復活させたことは、改めて米ドルと米国債と米国に対する国際的な信用を失わせた。
そもそも中央銀行がその国の国債を大量に購入し始めたら、その国の国債は終わりだ。なぜなら、買い手がいないからこそ、仕方なく中央銀行がその国の国債を購入しているのが実態だからだ。

そして、米ドルは安くなり、日本の企業は円高に苦しんでいる。一方、中国は貿易の決済に米ドルを使わずにすむよう人民元の国際化を急ぎ、米国の財政破綻を恐れて長期米国債の買い控えに入っている。

日本も中国・ロシア・ブラジル・インドをはじめとした新興国を見習って、いいかげん「対米隷属」を止めるべきだ。


05. 2011年2月28日 20:03:24: kb8FKYsDeA

●経済復興は見えない:アメリカ経済崩壊を示す40の統計値
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=20591
【8月12日 Global Research】
 殆どのアメリカ人は「リセッション」はまもなく終結し、事態は元に戻る、という幻想の中で動いている。残念ながら、これは真実から程遠い。我々が今目撃していることは、アメリカ経済の根本的で完全な崩壊の初期段階である。アメリカ政府、州政府、地方自治体、ビジネス、消費者らは一致して負債を積み上げており、それはほぼGDPの360%と同額である。大恐慌時のどの時期にも(わが国の歴史上)なかった値に近づいたことになかった数字である。我々は世界がいまだかつて見たこともないような最大の負債の山を築いてしまい、その負債のバブルが今やはじけようとしているのだ。このカードの館が崩れる時、経済的な痛みは想像を絶するものとなろう。

 失業は衝撃的な高さにある。差し押さえと個人破産は記録の更新を続けている。ビジネスは信じがたいほど操業停止に追い込まれ、4000万人以上のアメリカ人がフード・スタンプのお世話になっている。そしてアメリカ政府は盲目的な速さで負債を積み上げている。

 以下は、アメリカ経済の崩壊を示す、40の統計値である。

1. 28%の世帯が少なくとも一人が常勤の仕事を求めている
2.ピューリサーチ社の最近の調査では、リセッションが始まってから、55%の労働人口は、失業ないし賃金引下げ、労働時間短縮、パートタイムへの望まない移動、を経験している。
3.失業保険を受け取っていない920万人の失業者が存在している。
4.仕事を見つけるのに、平均35.2週間掛かっている
5.2007年以来、アメリカは1050万の仕事が無くなった
6.中国貿易収支の黒字(多くは対アメリカ)は1年前と比べて140% 増加した
7.アメリカ人労働者は以下の情勢に対応しなければならない:中国の衣料品労働者は1時間86セント、カンボジア人は22セント稼いでいるだけ
8.2009年の調査では、「常にあるいは通常」その日暮らしをしているアメリカ人は、2007年の43%、2008年の49%に比べて今や61%になっている
9.ブルームバーグの調査では、71%のアメリカ人が経済は未だにリセッションにあると感じているという
10.銀行は2010年の第2四半期で 269,962 件の住宅を回収した、これは記録を塗り替えた
11.銀行はサウス・フロリダの2010年の最初の月で4000件の不動産を回収したが、これは2009年の同月に比べ83%増加だ
12.RealtyTracによると、2010年前半期で、165万件の不動産が差し押さえ通達を受けた、という
13.不動産銀行協会は最近、住宅購入ローンの申請数が13年来の低さになったと発表した
14.アメリカの世帯でトップの5%のみが、1975年以来上昇する住宅費用にマッチする収入増を得ている
15.2009年には141万人が個人破産を申請したが、2008年に比べ32%増だ
16.各退職者社会保障給付金は1950年には16人の労働者によって支払われた。今日、それはほぼ3.3人によって支払われる。2025年になると、二人の労働者によって一人の退職者に支払われる計算になる、という
17.新しい世論調査によると、10人の内6人の非退職者は自分達が退職した時には社会保障給付金は支払われることはないだろうと考えている
18.43%のアメリカ人は退職用に1万ドル以下の貯金しかもっていない
19.ある調査によれば、36%のアメリカ人は退職後のための貯蓄になにもしていない、と言う
20.最近の調査では、24%のアメリカ人労働者は自分達の退職年を延期したと語っている
21.全国産業審議会の消費者信頼感指数は6月52.9%の大幅な下落を示した。殆どのエコノミストは7月の指数は62ほどになると予想している
22.アメリカの小売は6月は連続して2ヶ月落ちた
23.ショッピングセンターの空き室と賃貸率は2010年第2四半期更に悪化している
24.アメリカの消費者金融は過去16ヶ月の15ヶ月収縮している
25.2010年の第1四半期、少なくとも3ヶ月超過のローン合計は16四半期継続して増加している
26.カリフォルニアでは事態はいよいよ悪化してきていて、首府サクラメントのビジネスは6件に1件操業停止に追い込まれている
27.イリノイ州では、公債証書所有者デフォルトで世界で8番目にランクされている。カリフォルニアは9番目
28.アメリカ人の25%はクレジットスコア599以下となっている。それの意味するところは破綻寸前だ、ということ
29.8月6日、アメリカ当局はフロリダで3つ、南カロライナで2つ、ミシガンで1つの銀行を閉鎖した、合計2010年で閉鎖されたのは96件になる
30.FDIC(連邦預金保険会社)の預金保険は207億ドルの赤字だが、2009年末よりか多少改善されている
31.連邦政府財政赤字は3ヶ月残して1兆ドルに上った
32.アメリカ財務省の議会に付したレポートによれば、アメリカの負債は今年13.6兆どるになる、2015年には19.6兆ドルになると予想されている
33. M3マネーサプライは2010年第1四半期で年率9.6%の落ち込みだった
34.44歳から75歳までのアメリカ人で、61%が金に窮するようになるのが一番の恐怖だと語った。残り39%は死ぬ方が怖い、と言う
35.ある研究では、アメリカの低層の80%の世帯は2007年の時点で7%の流動資産を持っていたのが分かったという
36.アメリカの下層40%の所得者は合計して国家の富の内1%以下しか所有していない
37.公的な貧困ライン以下の収入のアメリカ人の数は、2000年から2006年の間で15%上昇した。2008年には3000万人以上のアメリカ人労働者は1時間10ドル以下しか受け取っていない
38.最近の調査によると、アメリカの全ての子供の21%が2010年の時点で貧困ライン以下の状況にあるという。これは20年間で最高の値である
39.アメリカの歴史始まって以来、4000万人以上のアメリカ人がフードスタンプで生きている、また農務省は2011年にはその数が4300万人に上昇すると予想している
40.ラムッセン・リポートはアメリカ人投票者のわずか23%が、連邦政府が被統治者の同意を受けていると考えているということを発見した


06. jesusisinus 2011年2月28日 22:05:00: veLsqfdw2ggms : A4BBg4Gbso
米国の金融は一見回復したように見えるのかも知れないが、弾けた住宅不動産系を除くとしても、雇用が一向に伸びないところを見ると、米国国内市場は未だかなり冷え込んでいるのではないか?

日本はこの後、橋本君の消費税増税や、速水君の金融緩和を解除なんかがあったので、桜が咲いた後に雪が降るほど、一般家庭の懐は冷え切ってしまっているがw

米国の経済はこの後順調に回復し、米国国内消費が以前のように戻るようには思えないのだが…


07. 2011年2月28日 22:19:21: PJFNl7NoT6
>森永 もしいま日銀が通貨供給量を100兆円増やすとします。100兆円で国債を買えば、金利1・2%として毎年1兆2000億円の金利収入が得られる。300兆円なら、3兆6000億円ですよ。国庫のおカネが足りないのなら、これをどんどんやればいい。

300兆円くらいやると、世界中がインフレになり、当然、日本もインフレになるだろう
ただし3%なんて、生易しい水準ではなく、福祉が破綻して多くの餓死者や自殺が出る水準だろうが
賃金も上昇するから、今、年収300万円で生きている健全な世帯や地方で食料をかなり自給できている世帯であれば、全然問題ないだろう
森永の考えでは、そのくらいやらないと、日本の累積財政赤字や、年金・医療問題は解決しないということかな


08. 2011年2月28日 23:13:01: BW3zrA4caY
ドル暴落
 国債暴落

 暴落って、どの程度のことを言っているのですか? 誰も定義していないように思えるのですが。


09. 2011年3月01日 02:43:47: mOBhm84jvQ

バカバカしい。
いつものアメリカ的ハッタリ、自己暗示・啓蒙。

今回の米経済問題の出発点と根幹は住宅を中心とした不動産バブル。

故に住宅を中心とした不動産価格が底打ち回復するか、値下がり損失分を誰かが穴埋めしバランスシートが回復し、新規投資・消費に金が回せるようにならなければ、本格的な経済的な回復もないのが理屈。

結局は、文中にもある2003、4年の大量の量的緩和を実施していた頃の日本と変わらない状況、時間稼ぎ政策になると思う。


10. 2011年3月01日 12:27:39: DzfcEgtaX6
米国経済はすでに正常化しつつあり、経済主体のデフレ期待はおおむね払拭されたのではないかと思われる。

今やこれを信じる人はいない!


11. 2011年3月01日 13:41:58: DBsOENSLUI
たしかに、日銀は、1995年あたりから2005年
まで通貨供給量を増やしていき、デフレも回復しつつあった。
ところが、2006年に、日銀はゼロ金利をやめて通貨供給量を
抑え始め、デフレが進行に逆戻りしてしまった。

金融論的には、デフレには通貨量を増やしてやればいいのだが
日銀は過去の政策を効果なしとみなしているのかもしれない、
またその原因がつかめてないのかもしれない。



12. 2011年3月01日 16:28:59: c3MGH08xSU
おい等ど素人でも信じるに足りない。サブプラどうやって解消したの?唯の粉飾?に加担の投稿!(笑)躍起になって、サウジ・リビア・イラン・韓国攻撃・尖閣等、全世界撹乱工作で石油価格高騰・ドル防衛じゃないの?(笑)そして、とどのつまり、紛争・戦争捏造だよ。そうやって、今まで維持してきた。歴史が示している。このような茶番に終止符を、そのイニシアチブを日本が!などと思いきや、頓珍管の幼稚さ、目を覆うばかりだ。(笑)然し、小沢の読みも今一?(涙)拝

13. 2011年3月01日 16:56:54: mHY843J0vA
つまり日本のバブル崩壊後と同じように
中央銀行の緩和によってもたらされた
雇用なき景気回復ですね
デフレ圧力はまだ暫く残るでしょう

http://jp.wsj.com/
1月の米個人消費支出、伸びが鈍化
* 2011年 3月 1日 4:30 JST

世界経済 一覧へ

 高失業率が持続するなか、米景気てこ入れを目指す政府の減税措置にもかかわらず、米個人消費は今年年初に鈍化した。

 米商務省が28日発表した1月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増加した。一方、1月の貯蓄率は5.8%と前月の5.4%から拡大し、米消費者の間で慎重姿勢が広がっていることがうかがえる。

 1月の米個人所得は前月比1.0%増と、2009年5月以来最大の伸びとなった。連邦政府は所得を少しでも膨らませることにより個人消費の拡大につなげることを目指し、昨年末に所得税減税措置の延長を決定した。

 ダウ・ジョーンズ経済通信がまとめたエコノミスト調査では、1月の個人消費支出と所得はともに0.4%増と予想されていた。

 昨年12月の所得は0.4%増と、速報値から修正されなかった。同月の個人消費支出は0.5%増と、速報値の0.7%増から下方修正された。

 このところの商品相場の高騰にもかかわらず、消費者段階のインフレは依然、抑制されている。米連邦準備理事会(FRB)が注目する食品とエネルギーを除くコアPCE価格指数は1月に前年同月比0.8%上昇と、昨年12月の上昇率と同率となった。1月のコアPCE価格指数は前月比では0.1%上昇した。

 1月のPCE価格総合指数は前年同月比1.2%上昇。前月比では0.3%上昇した。

記者: Jeff Bater and Andrew Ackerman


14. 2011年3月01日 17:05:39: mHY843J0vA
白川日銀総裁は、円高に対して強気ですが、一応、対応もするということでしょうか
後手に回らなければ良いのですが。。


◆追加的なリスク要因ではない=現在の円高で白川日銀総裁
 http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_189474/?nid=NLM20110301

◆成長を促すためにさらに行動する用意がある=白川日銀総裁
 http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_189478/?nid=NLM20110301
【東京】日本銀行の白川方明総裁は、現在の円高は国内経済にとっての大きな脅威とはなっていないとの考えを明らかにし、当面は通貨安を促すような新たな行動は控える可能性があることを示した。
白川方明総裁 Reuters

日本銀行の白川方明総裁

 ウォール・ストリート・ジャーナルとダウ・ジョーンズ経済通信のインタビューに応じた白川総裁は25日、現在の円高水準を懸念していないのかとの質問に対し、「現時点では追加的なリスク要因とはなっていない」と答えた。しかし、「為替レートの行方は誰しも見通しがたい」として、ふたたび懸念材料となり得ることも付け加えた。

 昨年半ばから急速な円高が始まって以来、大手輸出企業の収益性を圧迫し経済全般の行き詰まりにつながったため、日銀は円相場に注目してきた。

 そして昨年8月には、それまでの3カ月物資金20兆円の固定金利資金供給に加え、6カ月物資金10兆円を0.1%で供給する施策を講じて日銀は対応した。この追加資金供給は、円相場を抑えるうえで役立った。

 10月には官民の債務を5兆円買い入れる措置を含む「包括的金融緩和」措置を打ち出し、オーバーナイト物無担保コールレートの誘導目標を、それまでの0.1%からゼロ〜0.1%に引き下げた。

 当時日銀は、円高が輸出部門に影響し、ひいては経済全体を損ねているとの懸念に対応する一環として行動しているのだと説明した。

 「昨年の8月、円は急激に上昇し、企業センチメントは悪化した。しかし秋以降、円はそれほど上昇していない」と白川総裁は指摘し、「その意味において、企業心理は幾分落ち着いた」との認識を示した。

 円高は日本の財やサービスを海外において一時的に割高なものにするので、輸出部門に一段の圧力をかけることになるが、昨年の円高により商品相場上昇の影響が相殺されていると指摘した。

 「他の国とは異なり、円高が、交易条件の悪化に伴うマイナスの影響を相殺している面もある」と語った。

 年初来、円はドルに対し81円00銭〜84円00銭の値幅で安定している。ドルは昨年11月、15年ぶりの安値80円21銭をつけ、1995年につけた過去最安値の79円75銭に迫った。今回のインタビューを行った時点のドル相場は81円70銭前後だった。

 白川総裁の発言は、円相場をさらに弱める当面の必要はないと日銀がみていることを示したが、外国為替相場の動向は注視し、特に中東情勢が混乱するなか、必要に応じて行動を取る用意があることも明らかにした。

 「円はこの数年間、安全資産の通貨とみなされてきた。このため、世界経済や国際金融市場の不確実性が高まれば、円がさらに買われる可能性はある」と語った。

 したがって、日銀は引き続き他のリスク要因とともに、円相場に注目する姿勢を明らかにした。総裁は、「円を含めて、為替の動向についても注意深くみていく」と述べた。

 そして、日銀は日本経済に対するリスク要因を点検しており、「円を含めて、為替の動向についても注意深くみていく」と続けた。

 また、日銀が金利をゼロ近傍に維持すると約束していることも、他の主要通貨に対して円安方向に押すうえで役立ったと述べた。

 2000年代はじめに開始した量的緩和措置について総裁は、低金利維持への日銀のコミットメント(約束)が他の主要通貨に対して円を安く押し下げることに役立ったとの見解を示した。

 日銀は「ゼロ金利の維持を約束していたため、国民はゼロ金利が継続するものと予想した。一方で、この間海外では金利が上昇した。これは、国内のゼロ金利継続予想と相まって、円安につながった」と総裁は語った。

 また、新たに急速な円高が進むことは歓迎されず、日本のぜい弱な回復にとってマイナスの効果を及ぼすことになるかどうかについては、白川総裁は直接答えることを避け、「中銀総裁として、円の望ましい水準や方向性についてのコメントはしないことにしている」と述べるにとどめた。

記者: Megumi Fujikawa and Jon Hilsenrath


【東京】日本経済は緩やかな回復に向かいつつあるようだが、日本銀行の白川方明総裁は景気を刺激するために追加措置を講じる用意が引き続きあることを明らかにした。追加措置には、企業部門に対するさらなる低金利での資金供給や資産買入措置の拡大が含まれる可能性がある。
日本銀行本店 Getty Images

日本銀行本店(東京・中央区)

 次回の政策委員会・金融政策決定会合を3月14日・15日に控え、最も成長が見込まれると思われる部門に対する民間金融機関の融資を支援するための革新的な貸出措置を拡大するかどうかについての議論を、中央銀行の政策担当者らは深める可能性が高い。

 白川総裁はウォール・ストリート・ジャーナルとダウ・ジョーンズ経済通信とのインタビューにおいて、成長基盤強化を支援するための資金供給などについて「われわれはこれらの施策の効果について評価」しており、「注意深く効果と副作用を比較考量した上で、今後拡大すべきかどうか決めることになる」と語った。

 今回の取材は、日本経済が2010年10-12月期の前期比マイナス成長から緩やかな成長を回復しつつある兆しが見られる中で行われた。日本銀行も政府も、先ごろ景気判断を上方修正した。ただし、日銀の見通しによると、4月から始まる2011年度全体の実質GDP(国内総生産)成長率は前年度比1.6%程度と予想されている。

 白川総裁は、「これまでのところ、日本経済はわれわれの見通しに沿って動いているとみている」と述べ、「日本経済は昨年秋口以降、一時的に改善ペースが鈍化したが、現在はこうした状況から脱しつつある。日本経済は再び、緩やかな回復経路に復していくと考えている」との見通しを示した。

 低金利の資金供給を拡大して始まったばかりの市場の発展を促すためには、資産買入の規模を拡大するだけでなく、特に経済的基盤の強化に役立つように目論まれた証券化投資やローン債権を中央銀行の適格担保として受け入れる措置の多様化も検討する選択肢のひとつとなる。これが、他の主要諸国に日本が遅れをとっている証券化市場の育成に役立つだろう。

 この施策は、銀行部門への大量な流動性供給が高水準な融資につながらなかったことを受け、中央銀行が企業に直接供給しようとする幅広い戦略の一環だ。

 総裁は同時に、日銀は当初の刺激を与えることはできるが、長期的に市場が成長発展できるようになるかどうかは民間部門次第との見解を強調した。

 白川総裁は「資産担保証券の市場が成長することを期待している」とした上で、この市場の改善策について「今後も市場関係者による真剣な議論を期待したい」と語った。

 日銀は昨年6月、銀行融資市場から締め出された企業が低金利の融資を受けられるよう、3兆円の資金供給支援策をまとめた。また、どのような分野への融資が経済に有益かを判断するという異例な措置も講じた。この施策においては、融資を実行する金融機関はあらかじめ日銀に、融資資金の使途を説明しなければならない。日銀は、環境関連事業や保育サービス事業などの「成長基盤強化に資する事業」を融資先とすべきとしている。

 各金融機関の貸付限度額は1,500億円を上限とし、1年間の資金を0.1%で日銀から借り入れることができる。3回までの借り換えが可能で、最長4年間の貸し付けを受けることができる。

 日銀はこれまでに成長基盤強化を支援するための資金供給を3回実施し、すでに3兆円の枠の70%を使った。28日午後に明らかになった3回目の資金供給では、122の貸付先に対し総額7,221億円を貸し付けた。政策委員会は、この措置を拡大するかどうかの判断を急ぐ必要に迫られている。

  この施策は「中央銀行の仕事の領域」を超えており、議論を呼んだことを認めつつも、白川総裁は経済全体に対する効果に自信を持っているようだ。

 「支援策そのものが日本の構造的な問題を解決することはできないかもしれないが、いま必要とされている政府、企業、銀行による一体的な取り組みへの『呼び水』あるいは触媒にはなり得る」と白川総裁は述べ、「それ自体は小さくとも、連鎖反応を加速することができる可能性がある」と語った。

 また、経済の見通しがふたたび悪化した場合には、資産買入の革新的措置を拡大する用意があることも明らかにした。

 日銀は昨年10月、オーバーナイト物無担保コールレートの誘導目標をゼロ〜0.1%に引き下げ、官民の債務を5兆円程度買い入れる措置を含む「包括的金融緩和」を導入した。また、日本経済がデフレ圧力を克服し始めるまでは金利をゼロ近傍に据え置くことも約束した。

 「私は常々、包括緩和の拡大の可能性を排除しないと言っている」と白川総裁は述べ、「これまでのところは効果が副作用を上回る。これらの施策は効果を上げている」と評価した。

 日本銀行の白川方明総裁は同時に、過去15年間にわたり日本経済にしつこくつきまとう慢性的なデフレへの日銀の対応が不十分との、政治家や一部の学者からの批判に対し、日銀を強く弁護した。

 「日本の短期および長期金利は最低水準にあり、信用スプレッドも最も縮小している。日本銀行の実施している金融緩和策は、量という点で最大であり、質の面でも海外諸国と比較して非常に緩和的な政策を実施している」と総裁は語った。

 また、日銀が経済に注入した資金量の尺度となるバランスシートのGDP(国内総生産)比での規模は、世界のいかなる先進諸国の中央銀行よりも大きいと指摘した。

 総裁は政策の選択肢を残しつつ、金融政策だけではしつこく続くデフレを解決することはできないとの立場を繰り返し示した。

 「金融政策が重要ではないと言うつもりはない。金融政策は確かに重要だ。そして、日本銀行はデフレを克服するために全力を尽くしている。私が言いたいのは、日本のデフレはマネタリーベースの大幅な増加のみでは解決できないということだ。日本社会が今、取り組んでいる他の構造改革を合わせて実現していく必要がある」と語った。

 日本経済が緩やかながらもこれほど長期にわたりしつこくデフレに悩まされている理由は、主に二つあると述べた。

 第一の要因は、過去20年間にわたる成長率の趨勢的な低下だ。その影響が極めて大きなものとなった二つの原因として、「バブルの崩壊や、グローバル化に対応したビジネスモデルへの転換の遅れを背景とする生産性の低下」と「急速に進む高齢化による労働人口の急減」を挙げた。この趨勢的な成長率の低下により、将来の所得増加期待が低下し、支出が抑制されていると説明した。 

 二つ目の理由は、経営者と労働者が雇用の確保を優先した結果、賃金の低下を労働者が容認し、「名目賃金のいわゆる下方硬直性が失われ」たことにあると語った。

 1990年代以降、日本銀行はバブル崩壊とそれに続く金融危機の問題に取り組んできた。「日銀は新手の革新的な施策を大規模に実行する『孤独な先駆者』だった」と白川総裁は考えている。

 「日本はこうした問題を経験した最初の国だった。当時、教科書に対処法は掲載されていなかった」 と白川総裁は語った。

 金融機関が保有する資産担保証券やコマーシャルペーパー、株式などの買い入れは、導入された当時には「ほとんど関心を集めることはなく、奇妙な策と受け止められた」が、金融システムの安定性を維持し、極めて緩和的な金融環境を作り出すうえで非常に有効だったと述べた。

 そして総裁は、「私は教科書が役に立たないとは言っていない。ただし、新たな章をいくつか加える必要はある」との認識を示した。

記者: Megumi Fujikawa and Jon Hilsenrath


15. 2011年3月02日 00:01:19: Iho1dYzAKG
TORAも馬鹿だな。
ジャパンだって、小泉の初めころちょっと持ち直したけど、結局失われた20年だろ。

アメリカはこれからその失われた20年が始まるのだ。阿修羅のおじんたち、わくわくするかい?


16. 2011年3月02日 18:51:19: z6FPymHZG6
日銀が緩和、ここ笑うとこですよ

緩和してたら円高になるわけねーじゃねーか


17. 2011年3月02日 22:52:48: gf36XRKlK2
それ以上にドルが緩和してるのだろう

18. 2011年3月03日 00:57:22: bngsHWyya6
日銀がどんな緩和をしても銀行が貸出しを増やさない限り、資金は国債に回り、政府が唯一の借り手になる。
よって、デフレ不況は解消されない。
BIS規制をインフレに振れるまで解除すべきだろう。流動性の罠からの脱却が最優先。
皆がバランスシートを綺麗にしようとして、経済を収縮させる合成の誤謬だ。

19. 2011年3月04日 12:08:35: BW3zrA4caY
菅原晃

日経H23.2.9『日銀、景気判断前進へ』
 日銀は、1%程度の物価上昇率が見通せるまではゼロ金利政策を続けることを約束している。景気判断を前進させても、金融政策は現状を維持するとみられる。

日経同『マネーストック1.8%増』
…代表的な指標であるM3の平均残高は前年同月に比べ1.8%増え、1085兆3000億円となった。伸び率は前月と同じだった。

 一応、マネーストック(市中に出回るカネの量)は拡大しています。また、1月の消費者物価についても、高校の授業料無償化と、タバコ増税の影響を除くと、「プラス」の値になりました。

 そもそも、「ドル暴落」とか、「国債暴落」とか、騒がれていますが、「暴落」がどの程度を示すのかについては、誰も定義していません。「何%を暴落」と言ってくれないと、判断の使用がありません。
 近年では、2年で円が2倍になった「プラザ合意」は「ドル暴落」でしょうか?そうすると、今の基準で行けば、「1ドル=40円」になったら、「暴落」なのでしょうか。

「アメリカ経済崩壊」といっても、リーマンショックが100年に1度の経済危機といわれましたが、「崩壊」してはいません。「崩壊」って何のことですか? 基礎消費があるのに、「崩壊」はありえないでしょう。

 「崩壊」も、「暴落」も、あいまいな言葉が一人歩きしているだけのように見えますが。


20. 2011年3月05日 07:56:02: bIX3EOGsPM
単純に政策金利を上げて、FRBが米国債を買わなければ
アメリカ経済回復のサインなんだけど・・・・
FRBに因る追加の金融緩和も必要と言われている現状で
回復?

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 重複コメントは全部削除と投稿禁止設定  ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民71掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民71掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧