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http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2011/01/k.html
1.私が直接読んだわけではないのだが評論家の立花隆氏が「日本の財政が大丈夫と主張する評論家はインチキだ」という趣旨のことをどこかに書いたそうだ。全くその通りである。希望と分析は違うのだ。
「大丈夫だ!大丈夫だ!」と喧伝する識者がいたから、民主党のばら撒きは止まらず財政は最悪のところまで来てしまった。
私が財政に警告を始めた(1990年代後半から日経新聞、日経金融木曜ゼミナール、日経金融新聞複眼独眼等で「財政破たんリスク」について何度も書いている)10数年前ならば、まだ累積赤字も現在の3分の1で円安政策により日本を立て直すことが出来た筈だ。
私は2002年に「1j200円で日本経済の夜は明ける」(講談社)と言う本を出したが(今は絶版)あの本で日本経済を救う唯一の道は円安政策だと書いた。よく「1j200円にならなかったではないか?予想が外れている」という批判を受けるが、よく読んでほしい。あの本には「予想」ではなく「べき論」を書いたつもりだ。円安になれば経済が回復し財政出動もせずにすみ財政赤字も増えない、という内容だった。
もし「円安になったにも関わらず景気が低迷していた」のなら私は間違っていたことになる。しかし円高が続いてしまったから景気は低迷を続けているのだ。その点で私は正しかったと今でも確信している。円安政策が必要だったのだ。ちなみに日本は社会主義国家で「市場原理」が働かなかったから円高になった。インフレ必要論が今、はやっているようだが、それも円安にすれば簡単なのは従来主張している通りだ。
一時、円安が進みかけ、そのおかげで株価が上昇を始めたので資産効果で何とかなると思ったこともある。講演会でも「かなりNarrow Path(狭い道筋) だが円安で資産価格が上昇すれば日本経済は何とかなるかもしれない」と説いていた。しかし、円安は進まず、政府が為替政策の重要性に気づかなかったせいでNarrowでも存在したPathはついに消え去ってしまった。ここまで累積赤字が溜まっては、いかんともし難い。それでもまだばら撒いているのだから救いようがない。社会福祉とは再分配のはずなのに、分配するものが無くなったのに分配を続けている。もう分配するものがないので子孫の財産を分配しているのだ。
おかげでH23.1.23・日本経済新聞1面「崖っぷち国会」の表現を借りれば、首相自ら「内閣以上に日本は崖っぷちにある」と認める状況になってしまった。
ここまで累積赤字が溜まってしまった以上、何をやっても残念ながら時すでに遅しなのである。景気が悪ければ累積赤字が積み上がる。景気が回復すれば、支払い金利が急増し、累積赤字は加速度的に積み上がる。そうであるならば自分で自分の生活と財産を守ることを考えざるを得ない。個人は、国際分散投資を考えるべきだ。私はドルが好きだが、どの通貨でもいいから、最低限、円から他国通貨に変えておくことが重要だ。私は日本国が大好きだが、政治家の為に、日本(円)と一緒に轟沈するのはまっぴらだ。
2.こんな時に「円」や「日本国債」を買う人、または日本に投資を続ける人の気が知れない。直近の危機は「予算関連法案」が国会で討議されるときだ。
1月20日付、日経新聞、朝刊3面「日本国債 保証料率が上昇」の記事は重要だ。海外の投資家も、その事態を予想している証拠だ。海外投資家は日本国債にものすごい興味を持ち始めている。喜んではいけない。買いではない。売りの興味である。債券先物では売りも買い同様に簡単に出来る。ここまで利回りが低ければ、債券先物の売りは、まさにプットオプションの買いと同じ感覚(損が限定されているという意味で)でやってくるだろう。
国債保有者が国債を売って逃げ切る最後の逃げ場の日が近づいているのではなかろうか?
3.「円を売って海外に投資をしろ」というとキャピタルフライトだとかいって、悪行のように言う人が入る。マーケットを知らない人だ。全盛期の大英帝国が海外投資を盛んにしたのは悪行か?海外に円が流れれば円安ドル高になり、日本経済は回復する。そうすると初めて日本国内に有望な投資が出てきて、円は再び国内に戻ってくるのだ。それが市場原理と言うものだ。市場は文学のように「善・悪」で色分けは出来ないのである。
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