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みずほFG、G−SIFIs対応の実現目指す 野村不動産H預かり資産1.2兆円も道半ば
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/140.html
投稿者 tea 日時 2011 年 2 月 18 日 11:12:27: 1W1IXELjjF6i2
 

http://jp.wsj.com/Japan/Companies/node_183447
みずほFG、G−SIFIs対応の実現目指す=みずほコーポ頭取
【東京】みずほコーポレート銀行の佐藤康博頭取は、ダウ・ジョーンズ経済通信のインタビューに応じ、世界の規制当局がみずほフィナンシャルブグループを、国際的にシステム上重要な金融機関(G−SIFIs)とみなさない場合でも、今後それらの大手金融機関に課される(資本などの上乗せ規制の)基準を満たすことを目指すとの意向を明らかにした。
佐藤頭取 Bloomberg

みずほコーポレート銀行の佐藤康博頭取

 佐藤頭取は「自ら進んで飛び込む必要があるかどうかは別として、グローバル金融機関のひとつとして考えれば、そこに向けて努力するのは避けて通れないと思う」と述べた。

 頭取は、みずほFGは自己資本比率を引き上げるための追加増資は検討していないとし、急速に成長するアジア市場で収益性が高い事業機会を追求することでこれを実現する、と述べた。みずほFG、ならびにそのほかの邦銀は、アジアでの事業拡大に乗り出したが、これまでのところ進展のペースは遅い。

 バーゼル銀行監督委員会は昨年、銀行に対する新たな自己資本比率規制を導入することで合意し、コアTier1相当の最低所要自己資本比率を7%に設定した(資本保全バッファー2.5%を含む)。完全施行は2019年になる。

 世界の金融規制当局は、破綻時の影響が極めて大きい「システム上重要な金融機関(SIFIs)」に適用する施策を検討している。金融安定理事会(FSB)は6月をめどに「SIFIs」のなかでも特に規模や国際業務の割合が大きい「G−SIFIs」を選定するという。

 選定された金融機関は、少なくとも2%の自己資本の上乗せを要求される可能性がある。

 日本の金融機関は通常、自己資本の積み増し規制に反対を表明する。それぞれの国が異なる規制と事業モデルを持っており、あらゆる銀行を1つのカテゴリーに収めるのは公正でないとの主張がその背景にある。それと同時に、G−SIFIsに分類されない場合、世界的な評価が低下する可能性があると危惧する銀行関係者も存在する。

 佐藤頭取は「G−SIFIsに指定される方がいいのか、そうでない方が良いのかで何らかの業務の制約を受けるということではないが、信用力で差が出る可能性がある」とし、G−SIFIsはより厳格な自己資本規制を適用されるため、財務面でより健全と投資家は判断する可能性がある、と述べた。

 頭取は、みずほFGは増資を行わずにコアTier1の最低所要自己資本比率を満たすことは可能、と述べた。優先株・証券・繰延税金資産を除外した、みずほのコアTier1自己資本比率は昨年9月末時点で6.34%。

 みずほは過去2年間で2回増資を行っており、計1兆2800億円を調達した。競合する三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループも同様に増資を行っている。

 みずほFGはインドやマレーシアといった国で、非日系企業へのアドバイザリー業務や、M&A、増資でのコンサルティング業務を通じた事業の拡大を目指している。

 頭取は「アジア進出や拡大を進めているグローバル企業とさらなる強固な関係を築いていきたい」と述べた。こうしたことで、融資事業ほど景気動向の影響を受けない手数料ビジネスを拡大することが可能になる。

 みずほFGはアジアの資産運用などの事業を強化するため、欧米金融機関との出資・提携の是非をこれからも検討する見通し。昨年は投資会社ブラックロックに1.6%出資した。アジアでも地域企業との出資・提携を検討する。

記者: Atsuko Fukase

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ECBの緊急融資が16日に急増

 【フランクフルト】欧州中央銀行(ECB)は17日、同行のユーロ圏銀行向け緊急融資が16日に158億0100万ユーロ(約1兆8000億円)と跳ね上がり、1年7カ月超ぶりの高水準となったと発表した。

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http://diamond.jp/articles/-/11182
【企業特集】野村不動産ホールディングス預かり資産1.2兆円も道半ば 資産運用事業の正念場 
後発から業界5位と大手の一角に食い込み、近年プラウドシリーズのマンション事業で業 界をリードする野村不動産ホールディングス。じつは顧客から資産を預かり、それを不動産で運用する資産運用ビジネスで地歩を占めているのはあまり知られて いない。成長を託す資産運用事業の実情と課題に迫った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)
 2010年11月、10年間のJリートの歴史で“初”となる、ある不動産投資信託が産声を上げた。
 住宅・オフィスなどを運用する総額400億円の「野村不動産プライベート投資法人」がそれだ。
 通常、Jリートは証券取引所に上場し市場で取引される。これは日本で初の「非上場リート」だ。投資家の3分の1を占めるのが、企業年金の運用を担 う年金基金。「投機的な価格変動を避け、不動産本来の安定的なリターンが得られる商品が欲しいという、投資家の求めに応じ作った」(緒方敦・野村不動産投 信社長)という。
 リートや私募ファンドの組成は、他の不動産会社でも行っている。だが、野村不動産ホールディングスは年金などの特定の投資家の要望に合わせて作ったいわば“セミオーダーメード”に近い証券化商品を多数持ち、販売している。
 たとえば、海外の複数の不動産私募ファンドに分散投資を行う海外不動産ファンド・オブ・ファンズ、不動産保有SPC(特別目的会社)に対し、リス クの低いローン部分を証券化したシニアローンデットなど、日本では不動産会社はおろか証券会社でも組成例がない商品も多数ある。
 年金投資家は「最も“堅く、厳しい”投資家。投資方針や顧問会社の姿勢に十二分に納得できなければ動かない」(金融関係者)といわれるが、野村不動産はこの“難しい顧客”と、歴史的に付き合いが長い。

 1997年には、米年金の資金を元に、オーストラリアで不動産証券化事業を行った。06年には、資金を一括で預かり、顧客の代わりに運用を行う 「投資一任業務」の認可を取得。これは、06年当時、年金の資金を運用するためには不可欠な免許だった。不動産会社でこれを取得したのは野村不動産が初め てである。
 日本証券投資顧問業協会によると、野村不動産投資顧問が年金基金と結んだ投資一任勘定の契約件数は計16件、残高は413億円で、他の不動産系の投資顧問会社を大きく上回る。
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弱いビル賃貸事業を運用事業の強化で補う
組成した上場リートには保有する“看板ビル”も組み込んだ(新宿野村ビル)
 野村不動産がこのように、年金などをはじめとする機関投資家とのパイプ構築に血道を上げるのは、「賃貸事業の弱さ」が背景にある。
 ビルを保有し、賃貸収入を稼ぐ賃貸事業は、財閥系の不動産会社の中核事業だ。三井不動産、住友不動産では連結営業利益の約70%を、三菱地所に至っては、10年3月期は営業利益のほぼすべてを賃貸事業が稼ぐ収益構造だ。
 野村不動産の賃貸事業は、東芝不動産を買収し規模が大きくなっても、連結営業利益に占める比率は50%のみ。

 57年に野村證券から独立してできた比較的新しい企業のため、三井不動産や三菱地所のように、代々受け継がれた、まとまった不動産がないからだ。 そのため野村不動産は、長らくマンションの分譲事業が利益の大半を稼ぐ、いわば“マンション専業ディベロッパー”に近い収益構造だった。
 だがこれを是とせず「投資家と常に接する証券会社出身という特色を生かし、業界でも存在感を発揮できる資産運用事業を強化してきた」(榎本英二・野村不動産資産運用カンパニー副カンパニー長)。
 資産運用事業は、顧客から預かった資金と一部の自社出資(エクイティ)からなる資金を元に、借り入れを行い、現物不動産や証券化された不動産に投資する。収益は顧客に還元し、顧客から運用フィーと、エクイティに応じた配当を受け取る。
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 冒頭の年金基金の資金量は、国内だけで総額約300兆円もある。投資期間が長く、不動産投資には相性がよい。巨額の資金を出せる顧客として、年金向け商品の拡充、年金投資家とのパイプ強化に向かったのは必然だった。
 外部資本を活用しながら資産運用事業で稼ぐことは、いわば「持たざる不動産会社」の成長戦略でもあった。12年3月期を最終年度とする中期経営計画でも、資産運用事業は成長を担う“強化事業”として位置づけられている。

 過去10年間で、野村不動産の資産運用の事業規模は大きく伸びた。現在上場・非上場を含むリートで5508億円、野村不動産投資顧問が組成した証 券化商品を含む私募ファンド等で6054億円に達し、合計1兆1562億円の預かり資産残高を持つ。これは三井、三菱などの財閥系不動産会社に続く規模。 会社本体の総資産と比較してもかなり大きい。
「資産運用事業と開発事業を合わせた資産運用開発セグメントを伸ばし、賃貸、住宅と同等の利益を稼ぐ。資産運用事業で約100億円、開発事業で約50億円の営業利益を稼ぐことが理想型。これが達成できれば08年3月期の最高益を更新できる」と鈴木弘久社長は力を込める。
CMBSが裏目で2期連続の評価損に

 だが現状は、目標には遠い。資産運用開発セグメントの営業利益は、10年3月期が85億円、11年3月期もこの5年間で最も低い60億円の予想にとどまるのだ。
 確かにリーマンショックの影響で開発事業の利益が激減していることも大きいが、資産運用事業がまだ事業モデルを確立できていないことが影響している。
 資産運用事業の収益の柱は、手数料収入で稼ぐフィービジネスと、組成したファンドの出資エクイティから得る配当である。
 フィービジネスでは、その料率は1%以下にすぎない。利益を稼ぐには、一定の運用規模が必要だが、目標とする資産規模1.5兆円とは、大きく乖離している。
次のページ>>今後存在感を発揮できるかは「持たざる不動産会社」にかかっている
 一方、この2年間は、エクイティから損失が発生した。CMBS(商業用不動産ローン担保証券)の評価減による特別損失である。
 CMBSとは、複数の商業用不動産への融資を組み合わせ、これを担保に証券化する商品だ。通常は、証券会社が組成を行い個人投資家や金融機関が広 く購入する。だが、証券化ビジネスに先行していた野村不動産は、大手不動産会社で唯一、自らCMBSの組成を行い、エクイティ出資した。
 CMBSが保有する資産部分の価値は、リーマンショック後大きく落ち込んだ。そのCMBSへの投資で、最も毀損リスクが高いのがエクイティ出資だ。
 エクイティ出資はCMBSを組成する側が、投資家の信認を得るための“保証金”として出資するケースも多い。だが好景気の際には、組成側がリスクを取り、あえて多額のエクイティを投じて、利益を取りにいくこともある。
 10年3月期末での連結営業エクイティ出資金は949億円。そのうち320億円がCMBSへの出資分に相当する。10年3月期に計上した105億円に続き、11年3月期でも147億円が評価減による特別損失として計上を迫られる。
 資産運用事業は、フィービジネスに徹していれば、好不況にかかわらず、安定的な収益を稼げる。しかし、野村不動産は自ら組成したCMBSに積極的に出資していたことで、多額の損失を出したのである。
 自らもリスクを負って配当利益を狙うなら、その裏づけとなる自己資本の拡充が必要だ。
 野村不動産はCMBS以外の私募ファンド約6000億円に対しても、自社でエクイティを約630億円入れている。これを「自己資本が約3000億 円しかない現状で、運用規模の10%に当たる600億円を拠出するのは多過ぎるのではないか」(福島大輔・野村證券金融経済研究所シニアアナリスト)とす る指摘もある。
 11年3月期、資産運用事業の落ち込みをカバーするのは、皮肉にも、弱かった賃貸事業だ。CMBSで計上した特別損失は東芝不動産保有の不動産売却で相殺した。資産運用事業を「3本の柱」の一つに育てようとしていた会社側にとっては不本意に違いない。
 資産運用事業を伸ばすには、これまで培った実績をテコに顧客を増やし、運用規模を目標の1.5兆円に乗せることが急務だ。
 現在、国内の年金資金で不動産関連投資に流れるカネはわずか1%といわれる。米国の10%と比べると、まだまだ開拓の余地は大きい。10年を超える年金顧客とのつながりという“財産”が生きるのはこれからだ。
 かつ、不動産と金融のノウハウを持つ野村不動産だからこそ、資産運用事業で差別化ができるはずだ。たとえば、運用する不動産への店子の誘致力や、 物件の維持管理といった運営力を生かし不動産の収益力を上げることはその筆頭だろう。大手では売上高第5位の「持たざる不動産会社」が、今後存在感を発揮 できるかどうかは、まさにここにかかっている。
 

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コメント
 
01. 2011年2月18日 21:03:46: nJF6kGWndY
債券上昇、長期金利は1.3%割れ−流動性供給入札結果や投資家の買い 

  2月18日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。長期金利は3日ぶりに1.3%割れとなった。朝方は前日の米国債相場が上昇した流れを受けて買いが先行した。午後に入って流動性供給入札の結果が順調となったほか、投資家から現物債に買いが入ったことも相場水準を押し上げた。

  みずほ信託銀行の吉野剛仁チーフファンドマネジャーは、「流動性供給入札の結果を受けた面もある。米国債市場が落ち着いているので、持ち高を圧縮気味にしていた投資家がキャリー(金利収入)狙いの買いを入れて持ち高を復元しているようだ」と説明した。

  現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の 312回債利回りは、前日比1.5ベーシスポイント(bp)低下の1.32%で始まった。午前は1.32−1.325%で推移したが、午後に入ると徐々に水準を切り下げ、1時40分過ぎには1.3%ちょうどまで低下。いったんは1.305%を付けたものの、午後3時過ぎからは4bp低い1.295%に低下し、15日以来の1.3%割れとなった。

  財務省がこの日に実施した国債の流動性供給(第88回)の入札結果では、募入最大利回り較差はマイナス0.013%、募入平均利回り較差はマイナス0.015%だった。応札倍率は4.25倍と昨年10月以来の高水準となった。

7年ゾーンに買いとの声

  大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、「前日に中東情勢の緊迫化などを受けて、米国債が買われた流れを引き継ぎ、先物に海外勢から買い戻しが入ったほか、現物市場でも7年ゾーンに買い戻しが入った」と述べた。

中期債も買われた。新発5年債利回りは3bp低い0.575%、新発2年債利回りは1bp低い0.225%まで低下した。みずほ信託銀の吉野氏は、「来期を見据えて、水準感から割安な銘柄を買っておこうという動きになっている」と指摘。足元は米国債相場につれて、2年―5年債利回りの膨らみが顕著になっているものの、割安感から中期債も需要があるとの見方を示した。

  17日の米国債相場は上昇。中東で政情不安が高まっていることが買いを誘った。先週の米新規失業保険申請件数が増加し、労働市場の改善には時間がかかるとの見方が広がったことも買い材料となった。米10年債利回りは前日比5bp低下の3.57%程度。これは4日以来の低水準。

バーレーン政府は17日、民主化を求めるデモを鎮圧するため首都マナマに軍を出動させ、デモ隊に向かって催涙弾やゴム弾を発砲した。米海軍の第5艦隊司令部があるバーレーンにも、エジプトとチュニジアの独裁体制を退陣に追い込んだ反政府運動が波及。中東の原油生産の大半が行われているペルシャ湾諸国に政情不安が広がっている。

           債券先物は続伸

  東京先物市場で中心限月3月物は続伸。前日比11銭高の138円80銭で始まった。午前10時過ぎには3銭高まで伸び悩んだが、午後に入ると水準を切り上げ、午後2時20分前後には39銭高の139円08銭と15日以来の高値を付けた。結局は2銭高の139円02銭と、終値ベースで7日以来の139円台回復となった。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミストは、「米国債相場の上昇を反映する格好で買いが先行した。昨日は10年債利回りの1.35%が節目となって、相場が切り返したことで市場の地合いもやや改善している」と述べた。

  民主党の小沢一郎元代表に近い衆院議員16人が前日に会派離脱届を提出したことで、政治の先行き不透明感が強まっている。日興コーディアル証券の末沢豪謙金融市場調査部長は、「政局リスクはいったん株売り、債券買いなどの『質への逃避』を招くのではないか」とみている。

もっとも、足元の債券・為替・株式の各市場ではほとんど材料になっていない。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、マーケット側としては、「続投、総辞職、解散といったいくつかのシナリオがある中で、たった一つのシナリオを強く織り込んでいくのは難しく、基本的には様子見にならざるを得ない」と説明した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美Yumi Ikeda yikeda4@bloomberg.net
更新日時: 2011/02/18 16:20 JST


02. 2011年2月18日 21:07:05: nJF6kGWndY
【コラム】金融危機の真の原因教えます、調査委報告は的外れ−ルイス 
  2月16日(ブルームバーグ):私がここ1年半、米金融危機調査委員会(FCIC)の委員を務めていたことを、驚くほど多くの方々がご存じないようだ。

  このため、過半数の委員が同意し、それに3人の少数派が異議を唱え、さらに共和党委員のピーター・ウォリソン氏が別の意見を表明した報告書に私が署名しなかったのはニュースかもしれない。つまり私はそこに示されたどの意見にも賛同できないので、ここで物申してみたい。

  そうするのは私自身が注目されたいためではない。ましてやJPモルガン・チェースに雇ってもらう確率を高めるためでもない。とにかく、国民に金融危機の真の原因を知らせたい。それだけだ。あまりに簡略的な要旨だけだが、説明しよう。

◎原因その1:ウォール街の人口動態変化  FCICの報告書によると、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は一連の出来事を「大恐慌を含めて、世界の歴史で最悪の金融危機」と表現した。要は前例のない出来事だったということで、そうした展開を理解するにはかつて存在しなかった要因から考えていかねばならない。ウォール街において、その最も明らかな要因は女性だ。

  もちろん、危機前にウォール街の金融機関になだれ込んできた女性たちは通常、大きなリスクを取ることを許されていなかった。裏方で「助っ人」として働くことが決まりだった。しかし、彼女らの存在が明らかに男性の債券トレーダーの判断を狂わせた。だが、どのように影響を及ぼしたのかのメカニズムについては、複数の女性委員もいるFCICでは解明されないままだった。

            衝動に駆られる

  彼女らの存在によって、男性のリスクテーカーは「淑女らに自分の力を誇示したい」衝動に駆られたのかもしれない。あるいは答えに窮する質問を受けて、自信を失っただけかもしれない。

  とにかく、金融危機における女性の重要性を示す確かな兆しが危機後の市場の反応に見られた。ウォール街の幹部職からの女性追放だ。今のところ、このジェンダー(性差)の問題について関心が高いのは学界だけにとどまっているようだ。

◎原因その2:米労働階級のモラル(道徳)崩壊  保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のロバート・ベンモシュ最高経営責任者(CEO)は最近、同社が成功した理由はまさに、米国人の大多数を対象にした保険販売を回避したことにあると指摘した。こうした人々は同CEOの言葉を借りれば「身の回りの出来事は政府に責任がある」と考えている。

          疑うことを知らないCEO

  JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOもしばしば、金融界以外の米国人による異常なまでのバンカー叩きに注意を促してきた。ウォール街のリーダーらは今、自らの認識がこれまで間違っていたと理解している。純真で疑うことを知らない彼らは、普通の米国人がもっと責任ある行動を取るはずだと信用したのだが、それは見事に裏切られた。

  驚くべきことに、こうした普通の人々は自らの行動に罪悪感を抱いていないようだ。人間を恐れなくなった野生動物のように、ごみ箱をあさっているようなものだ。

  FCICの報告書は率直に言って、国民の道徳改善には役立たない。例えば、1977年の地域再投資法(CRA)の役割に関する部分で、低所得層向け融資など地域社会への貢献を義務付けた同法に従って大手銀行が提供した融資は、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンのパフォーマンスを大きく上回ったとしている。

  重箱の隅をつつくようなこうしたやり方では重要な点がぼやけてしまう。少なくとも2世紀にわたり、米政府はウォール街で働いていない人々に「平等」であると思わせるよう促してきた。そうした政策によって普通の人々はつけあがり、返すつもりもないのに金持ちのように金を借りるようになった。これと似た原因を次に指摘しよう。

            中国にも責任

◎原因その3:中国人  驚くほど低価格で品物を売ろうとする中国人の姿勢も混乱を引き起こす。貧しい人々にもたくさんの品物が買えると確信させてしまうからだ。中国が信じられないほどの低利で米国に貸してくれる大量のドルも、米金融機関には負担だ。それをどこかに回さなければならないからだ。

◎原因その4:個人に帰属しない歴史の勢いに打ち勝つという不可能な偉業を、お人よしで勤勉ながらも感謝されない金融機関に押し付けるということ。

  FCIC報告書で最も悲惨なのは、金融危機の責任を実際の人間に負わせようとしていることだ。対象に挙がったのは、債務担保証券(CDO)運用担当者や格付け会社、ウォール街の債券トレーダー、金融機関のCEOだ。しかし考えてみてほしい。ウォール街全員に罪があるなら、特定の個人にどうやって責任を負わせられるだろうか。誰も危機を予想できなかったなら、見抜けただろうと誰に期待できたというのか。

大局的見地

  とにかく、ウォール街の複数のCEOがFCICに辛抱強く説明しようとしたように、彼らには細かい責任はない。破綻寸前となる前の3年間にわたってAIGのCEOを務めたマーティン・サリバン氏に至っては、自身の報酬額さえ把握していなかったことを露呈したぐらいだ。(金額は1億700万ドル=約90億円だった)。

  委員会は結局ポイントをつかむことができなかった。すなわち、ウォール街の大手金融機関を経営できる類まれな人材は引き続き、大局的な流れに照準を定めている。その全体像の中では、金融機関と業績の観点からすると、金融危機はささいな出来事にすぎない。彼らはもう既にそんなことが起きたのを忘れてしまった。

  そして、あなたもいつかは忘れてくれると彼らは考えている。

(マイケル・ルイス氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストで、最新作の「The Big Short」はベストセラー。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
更新日時: 2011/02/16 14:47 JST


03. 2011年2月18日 21:07:31: nJF6kGWndY
【コラム】JPモルガンが「史上最大の災厄」になる日−Sジョンソン 
2月17日(ブルームバーグ):米議会の金融危機調査委員会(FCIC)が最近公表したインタビュー資料によれば、米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は昨年秋の証言で、政府支援機関のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)を「史上最大の災厄」と表現した。

  マサチューセッツ工科大学(MIT)の同僚であるダロン・アセモグル教授が非常に明晰に分析したように、ダイモン氏は他の人と同様に、金融危機でファニーメイとフレディマックが果たした役割を誇張し過ぎている。

  余りに多くのバンカーが、ファニーメイのせいでやむなく行ったという趣旨の言い訳を口にしている。しかしFCICのリポートで明らかなように、莫大なサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)を推し進め、複雑なデリバティブ(金融派生商品)を駆使して下振れリスクを拡大させることにより、われわれを金融危機に陥らせたのは民間部門だった。

  ただ誇張し過ぎている部分はあるものの、ファニーメイとフレディマックは政治的に強大になり過ぎており、債務水準と比較して株主資本があまりに少なく、無謀にリスクを冒したというダイモン氏の指摘は的を得ている。納税者に多大な負担を残して彼らは自爆したのだ。

             真の「政府支援機関」

  今日、真の意味で政府支援機関と言えるのはどのような組織だろうか。議員や当局者の目から見て「大き過ぎてつぶすことができず」、無償で暗黙の政府保証を得ている組織はどこだろうか。

  それは、資産額でバンク・オブ・アメリカ(BOA)に次ぎ米国2位の銀行であるJPモルガンのような大手銀行持ち株会社だ。これは、米問題資産購入計画(TARP)を管轄するバロフスキ特別監察官が最新の四半期報告で指摘した点だ。

  株主資本と比較して債務を大きく拡大させるインセンティブを有するのはどこだろうか。それもまた大手銀行だ。銀行の経営幹部の報酬は、株主資本利益率(ROE)によって決まるが、ROEを最も簡単に引き上げる方法はレバレッジを大きくすることだ。もちろん、レバレッジの拡大が奏功するのは好況時に限られ、市場が急速に悪化する時には潜在的損失を押し上げる。つまり、レバレッジを高めればリスクが拡大する。

  しかし、数週間前にスイス・ダボスに集まった世界の企業幹部らは一様に楽観的であり、ダイモン氏をはじめとする金融業界の首脳の前向きな発言によってさらに自信を深めていた。

  政府は誠実に努力しているものの、銀行の経営幹部の報酬がリスクを調整して適切になることは決してないだろう。実際、サンジャイ・ブハガト氏やブライアン・ボルトン氏が論文で指摘したように、民間銀行の首脳は株を売り払う時期を知っている。だまされやすい人たちが全てを失う前に売却するのだ。そして、2000−08年に米大手金融機関14社のCEOが受け取った現金は26億ドル(約2170億円)に達した。

  ダイモン氏はまた、新興市場への進出拡大を柱に、よりグローバルな企業を目指している。ガイトナー米財務長官は米誌ニュー・リパブリックとのインタビューで、われわれは高レバレッジの米大手銀が、極めて変動性の高い新興市場に多大な投資をすることを望むべきだと述べ、こうした方向性を支持する考えを示した。

  ガイトナー長官に加え、JPモルガンでロビー活動を担当していたウィリアム・デーリー氏が米大統領首席補佐官に就任し、ダイモン氏は必要な政治の後ろ盾を手にした。

  ダイモン氏自身も、「大き過ぎてつぶせない」問題の解決にはまず、大手銀の秩序立った清算を管理する方法を策定することが必要だとの考えを示していた。しかし、金融規制改革法(ドッド・フランク法)が成立したものの、いまだに破綻処理プロセスは確立していない。

  このため、次に大手銀が危機にひんした場合、金融システムへの極めて甚大な影響を覚悟して破綻を容認するか、財政に大きな負担を強いる可能性がある救済を実施するかのいずれかを選択することになるだろう。

             アイルランド危機の教訓

  最近のアイルランド危機は、ガイトナー長官の「必要な時に救済を発動する」というスタンスへの警鐘と受け止めるべきだろう。同国の大手3行の資産は合わせて国内総生産(GDP)の約2倍に膨れ上がっていた。これらの銀行は、ユーロ圏内から資金を借り入れ、商業不動産に多大な投機を行った。銀行の破綻と救済により、アイルランド政府の支払い能力は損なわれ、国際通貨基金(IMF)主導による救済の要請を余儀なくされた。

  ダイモン氏は10年10月のFCICへの証言で、ファニーメイとフレディマックについて、「それは、起こるベくして起こった事故だ」「われわれは全員がそれを知っていた。全員がそれを懸念していた。しかし誰も何もしなかった」と語った。同氏は、「政府支援機関」が関与する新たな危機が発生した時も、全く同じ発言をするに違いない。ただし、この時に「政府支援機関」が意味するものはファニーメイなどではなく、ゴールドマン・サックスやBOA、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレー、そしてJPモルガンになるだろう。(サイモン・ジョンソン)

(サイモン・ジョンソン氏は米マサチューセッツ工科大学スローン・スクール・オブ・マネジメントの教授で、「13バンカーズ」の共同執筆者です。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
更新日時: 2011/02/18 15:09 JST


04. 2011年2月20日 00:49:44: NwnWqvxZZs
日本の銀行の株主は、米国人が過半数占めてる可能性がある。日本人名義でも買ってるだろうからね。日本のものではない。

日本の銀行は、巧妙に無価値になる米国債なんかを買わされて銀行に入る日本国債の金利などを米国に移転してるでしょう。ドンドン日本の銀行から富の移転が米国に見えない形で行われてる。日本の銀行はすでに無意味なのでは。

米ドルからは他の欧州の土地などに富の移転が完了してるようだから米ドルは中身がカスの無価値になった。そろそろ全部御破算にして政府紙幣を出す時では。

早雲さんのブログより転載です。

http://sun.ap.teacup.com/souun/301.html


05. 2011年2月21日 18:08:25: cqRnZH2CUM
遅れている日本の企業統治−企業自身だけでなく経済全体に損失
HEARD ON THE STREET

* 2011年 2月 21日 10:51 JST 

 日本のコーポレート・ガナバンス(企業統治)は一歩前進、二歩後退と形容できる。

 日本株式会社は、企業の内部者が経営し監査しており、株主の利益は二の次になるケースが少なくない。企業統治の強化に抵抗する勢力が忘れているのは、後回しになる株主はたいてい退職者のための年金基金であるということだ。日本企業の株主へのリターンが他の先進国に後れを取っている一因としては、投資家からの圧力が弱いことではなく、企業統治が手ぬるいことがある。 

 残念なことに、株主へのリターンの改善を求めていた日本の大手年金基金が昨年後半にひっそりと投資ガイドラインを骨抜きにしてしまった。1300億ドル(約10兆8000億円)に上る日本の厚生年金基金を運用している企業年金連合会が、3年連続して株主資本利益率を8%以上に維持出来なかった企業に対しては、取締役の再任に反対するとの方針を撤回したのである。この変更は今年 2月になって明らかになった。同連合会は方針変更の理由として、方針があまりに硬直的で、金融危機後の経済状況に合っていないことを挙げた。

 同連合会は代わりに、株主資本利益率が「長期にわたって非常に低い水準」であった場合には、取締役会に注意を喚起することにした。あいまいな表現で、既得権にしがみつく取締役にとってはうれしいものとなった。新方針ではまた、株主価値引き上げの優先順位が落とされた。

 企業統治の優劣の差ははっきりしている。例えば、同連合会の最近5年間の平均リターンは2.4%にとどまり、スウェーデン(5%)、カナダ(4%)の公的年金に比べ大きく水を開けられている。

 日本の企業では、構造的な問題のため、株主へのリターンはいうまでもなく、株主価値の破棄を食い止めるのが難しい。はなはだしいのは、既存の株主にとっては納得のいかない大量増資による株式の希薄化である。その多くは、経営の失敗を埋め合わせるものだ。さらには、取締役会を守ることになる親密企業との株式の持ち合いがある。

 英国の一部主要年金基金を代表する企業統治関連会社ガバナンス・フォー・オーナーズ(GO)は、過去2年間日本の大手企業に対し株式の持ち合いを引き下げ、被買収防止策を撤廃するよう働き掛けてきた。GOは、日本スタイルの目立たない形で説得を続けているという。

 日本企業の間では、総じて企業統治強化に対する意欲は低い。だが、それを無視すれば、日本株式会社だけでなく日本経済全体にとっても損失となる恐れがある。

[ハード・オン・ザ・ストリート(Heard on the Street)は1960年代から続く全米のビジネス・リーダー必読のWSJ定番コラム。2008年のリニューアルでアメリカ、ヨーロッパ、アジア各国に 駐在する10人以上の記者が加わり、グローバルな取材力をさらに強化。刻々と変わる世界市場の動きをWSJ日本版でもスピーディーに紹介していく]  


Governance Logjam At Japan Inc.
HEARD ON THE STREET

* 2011年 2月 21日 10:51 JST

 
By JAMES SIMMS

For corporate governance in Japan, it's one step forward, two steps back.

Japan Inc. has been run, and overseen, by corporate insiders, with shareholders' interests often taking a back seat. Forgotten by opponents of better governance is the fact that those shareholders more often than not are pension funds charged with providing for the increasing legions of retirees. Returns at domestic companies lag behind those in other industrial nations in part because of lax governance and not enough pressure from investors.

Unfortunately, one major establishment voice pushing for better returns quietly watered down its investment guidelines late last year. Japan's Pension Fund Association, which oversees nearly $130 billion in corporate retirement funds, dropped its famous provision to vote against the reappointment of boards at companies that failed to attain an 8% or more return on equity for three consecutive years. The reason for the changes, which didn't come to light until earlier this month, were that such provisions were too rigid and didn't jibe with the post-financial-crisis economic conditions.

Instead, the association now will rap directors if return on equity has been "significantly poor over a long term"―an ambiguous provision that should suit the most entrenched executive. The new guidelines are also much briefer and lower the priority of promoting "shareholder value."

The difference between good and bad corporate governance is stark. For example, the fund's most recent five-year average return was 2.4%―much lower than even public pensions in Sweden and Canada at 5% and 4%, respectively.

That said, structural issues make it difficult to prevent value destruction, let alone improve shareholder returns. Especially egregious are the massive dilutive, follow-on issues that lack compelling equity stories―many of them to make up for mismanagement. Equally so are cross-shareholdings, which are the large blocs of shares held among friendly companies that protect board and executive jobs.

Still, it's not all backsliding. The Japan branch of the U.K. governance advocacy firm Governance for Owners, which represents some large U.K. pension funds, said that over the past two years it's helped persuade some major Japanese corporations to reduce cross-shareholdings and abolish poison-pill measures, among other things. Toshiaki Oguchi, the representative director for GO Japan, partly owned by Tokio Marine Asset Management, said that has been done through a low-key, Japanese style of engagement.

The appetite for strengthening governance is low in Japan overall, but ignoring it runs the risk of inflicting more damage to both Japan Inc. and the nation as a whole.

Write to James Simms at james.simms@dowjones.com

記者: JAMES SIMMS


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