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政局に利用されるムーディーズ 格付け会社は「デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか」
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/127.html
投稿者 tea 日時 2011 年 2 月 16 日 12:20:01: 1W1IXELjjF6i2
 

>格付け会社は「デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか」

最近は、三橋らしくもない愚かな意見が多いな。
格付け会社は別に日銀や今の日本の富裕層の代表ではなく、世界の投資家の味方だから、

1、日本の政治が変わって、デフォルトした方が、長期的に国益になると将来の政治家が判断するリスク、

2、日本の政治が完全に麻痺して、借り換え国債発行や日銀の買い入れ緩和などができなくなるリスク

などを(ほんの少し=AA-くらい)考慮しているのだろう。


http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2011/02/15/011947.php
三橋貴明
第89回 政局に利用されるムーディーズ
2011/02/15 (火) 10:33

 本連載のタイトルは『三橋貴明の「経済記事にはもうだまされない!」』であるが、まさしく典型的な「だまし」の記事が朝日新聞から報道された。
 先日、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスのシニアバイスプレジデントであるトーマス・バーン氏が来日し、各紙の単独インタビューに応じ、記者会見も行った。
 格付け会社といえば、1月27日にS&P(スタンダード&プアーズ)が日本国債を格下げしたが、その後の日本の長期金利は高騰するどころか、むし ろ下がってしまった。格下げにより金利が上向いたことで、過剰貯蓄の運用先に悩む国内金融機関が「それっ!」とばかりに買いに走ったのである。
 そもそも、格付けとは「デフォルト(債務不履行)」の確率である。そして、100%日本円建てで発行されている日本国債が債務不履行に陥る可能性 など、ほぼゼロに近い。それにも関わらず、S&Pは日本国債の格下げに動いた。現在の我が国の国債格付けは、何と財政危機に瀕しているスペインよりも1ラ ンク低いという、もはや笑うしかない状況に至っている。
 スペインよりも格付けが低い国債の金利が、延々と世界最低を続けているわけだ。しかも、S&Pが格下げをすると、金利が却って下がってしまう。格付け会社にとって、これほど嫌な市場は、この世に存在しないだろう。
 繰り返しになるが、格付けとは「デフォルトの確率」である。100%円建ての日本国債がデフォルトする可能性がないことは、「あの財務省」も認める事実である。
『外国格付け会社宛意見書要旨(財務省)http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/p140430.htm(前略)(1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。(後略)』
 本連載で散々に財務省を批判しておいて何だが、まさしく財務省意見書の通り。日本やアメリカなど先進国の「自国通貨建て国債」のデフォルトは考えられな い。無論、先進国といえども、外貨建て国債や「共通通貨(ユーロ)建て国債」のデフォルトの可能性はゼロとはいえない。何しろ、ギリシャにせよアイルラン ドにせよ、実際に共通通貨建て国債のデフォルトの危機に直面している。
 とはいえ「自国通貨建て」国債のデフォルトなど、少なくとも先進国では考えられない。財務省の意見書にもある通り、格付け会社は「デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか」。筆者も心底から知りたい。
 そもそも、世界の国債市場において、95%を国内投資家が消化し、さらに100%自国通貨(日本円)建てという日本は「特殊」なのである。まあ、 アメリカも特殊といえば特殊だが、あちらは基軸通貨国という事情がある。日本の場合は、基軸通貨国ではないにも関わらず、政府の資金調達が国内で賄われて しまっている。
 なぜだろうか。
 理由は極めて単純で、日本が経常収支の黒字を延々と続け、かつ80年代以降の「政府の資金調達はグローバルに」という流れに乗らなかったためであ る。経常収支の黒字である以上、日本は国内で「過剰貯蓄」状態が続いているわけだ。そうである以上、政府が資金調達をしようとしたとき、運用難に悩む銀行 などが国債を購入し続けることになる。
 ちなみに、同じ経常収支黒字国であっても、ドイツは国債の六割以上を海外市場で消化している。これは、ユーロ諸国が「政府債務の資金調達は、資本 市場において、国際投資家の監督下で行うべきであり、それ以外の方法は受け付けない」なる、奇妙なポリシーを持っていたためである。すなわち「国際金融市 場」の監視を受けることで、政府の財政を健全化できるという発想だ。
 とはいえ、ギリシャなどの破綻を受け、さすがにユーロ圏においても、「政府の資金調達は、国内で行った方がいいのではないか?」 という考え方が広まりつつある。
 フランスのルモンド紙は、「市場がその理不尽な規範に日本の経済政策を従属させることはできない。その種の干渉を行うには、国債という手段が必要だからだ。保有なくして介入なし、だ。」 と、露骨に日本を羨む社説を書いている。(参考「ギリシャ危機から脱グローバル化へ」)
 ルモンド紙の社説の冒頭に、「ギリシャ国債の70%は、フランスやドイツの銀行をはじめとする外国の投資家に保有されている。そのため、この国の政策は金融機関の監督下に置かれてい る。同じ状況が、スペイン、イタリア、ポルトガルにまで広がる可能性がある。だが、政策詮議の主権を確保する手段は存在する。政府債務の資金調達先を国内 に戻せばいいのだ。」 とあるが、日本人としては、そもそもユーロ圏が政府の資金調達について「外国の投資家」に頼っていた(経常収支黒字国ドイツの場合は、外国人投資家に頼る必要がないにも関わらず)事実に、むしろ驚かされてしまうだろう。
 

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コメント
 
01. 2011年2月16日 12:45:40: cqRnZH2CUM
ついでに言えば格付け会社は、日本の投資家の過剰なホームバイアスを、日本人ほど信じていない。

だから「国内投資家が買っているから大丈夫」などという論理は、
彼らには、「日本の投資家は、今後も必ず低金利と円安で損をし続ける」
という非合理的な意見にしか見えないわけだ。

だから英国や米国のなど多くの海外の政府は、国内投資家に過度に依存しなくても大丈夫なように
国際債券自警団を満足させるために、緊縮財政や増税も厭わない。
目先の国民の利益だけを最大化させようとはしないから、格付けもAAAと高いわけだ

ただ国内産業や国力が衰退すれば、元も子もない
増税して金利を返すのは損だとして、デフォルトを選ぶ(選ばされる)リスクは
将来的には米国にも当然ある。
その辺のリスクをS&Pらは逆にホームバイアスで低めに見積もっている可能性はあるw


02. 健奘 2011年2月16日 13:26:16: xbDm84QDmOFmc : FY4u2WPdes
> だから「国内投資家が買っているから大丈夫」などという論理は、
> 彼らには、「日本の投資家は、今後も必ず低金利と円安で損をし続ける」
> という非合理的な意見にしか見えないわけだ。

何が合理的で、何が非合理かは、結局、誰にも分からないでしょう。

たとえば、日本の場合、暗黙の了解が、財務省、金融機関のトップ、の間で、おおよそ形成されているのですね。なぜって、それが、むしろ合理的だからでしょう。

あるいは、世界の金融資産が、2.5京と推定している人々もいれば、いやデリバティブを含めれば5京ある、と推定している人々もいます。

2.5京のための金利が1%として、作らなくてはならない利息としての金額は、250兆、合理的に考えれば、非常に難しいでしょう。


03. 2011年2月16日 14:00:34: cqRnZH2CUM
>日本の場合、暗黙の了解が、財務省、金融機関のトップ、の間で、おおよそ形成されているのですね。なぜって、それが、むしろ合理的だからでしょう。

勿論、将来が確実に見えるわけではないから、最終的に、何が当人にとって合理的(利益を最大化)な判断かはわからない

現状の手持ちの情報で、人々は、合理的な意思決定をしようとするしかない

そして金融機関の資産内容は、トップではなく、最終的には預金者や投資家の意思が決めている

もうリスクを取りたくない日本の多くの高齢富裕層にとっては、
(輸出競争力が維持され、ディスインフレと円高が今後も暫くは続くと予測するなら、)
日本の金融機関の超低金利に甘んじるのがローリスクで合理的に見える

海外の富裕層にとっては、
政治が麻痺して長期的に衰退していく日本国債を大量に保有するのは、
よほどのリスク回避時以外は非合理的であり、
基本的には米英などの国債や、ボラティリティは高くても商品や新興国に
投資するweightを高めた方が合理的に見えるということだろう。>>2.5京のための金利が1%として、作らなくてはならない利息としての金額は、250兆、合理的に考えれば、非常に難しいでしょう。

だから普通は、今後もGDP成長率や実質金利が高いと予想される場所(新興国など)にマネーは流れる
それに、この世界にはインフレや中央銀行という便利なものもある


04. Aki 2011年2月16日 19:18:16: fOE3/yYPGSgxE : q3KlgRwXGo
国には自国のお金を発行する権利がある。
国内で消化されている国債は、いざとなれば国が額面+金利分のお金を発行して買い取ることができる。
だからデフォルトなんて起こる訳がない。
なんでこんな当たり前のことがわからないのだ。
お金を発行することがモラルハザードだなどという、大馬鹿の壁を抱えた輩もいる。
ついでに言えば、国債を買い取ることでインフレになれば、買い取りを減らせば良い。
デフレになれば、お金を発行して政府の財源に回すとか国債を買い取れば良いのだ。
なぜそれができないのか不思議で仕方がない。
しかし、外貨建てで引き受けてもらった国債はそう簡単にはいかない。
買い取るための金額が為替レートに影響されるからだ。

国によるお金の発行は、薄まった分の通貨価値のかすめ取りだが、
本質的には預金価値を減らす必要性があるからだ。
どうして預金価値を減らす必要性があるかと言えば、
世の中というのは、放っておけばある一部の人の貯金が増え、
それに伴い世の中を回るお金は減っていくという宿命にあるからだ。
それを解消するためにはお金を増やして、適度なインフレを継続するしかない。
そして、お金を増やす方法は、国お金を発行するか、誰かが借金をして信用によって増やすしかないのだ。

ユーロのように、財政単位と通貨圏が異なった場合は悲劇である。
自国で勝手に通貨を発行できないから、財政赤字国は最後は国債の買い手がないということが起こる。
その先に何があるかは歴史が証明するであろう。


05. 2011年2月16日 22:40:07: XNvcPAMjVI
>お金を増やして、適度なインフレ

そう簡単にコントロールできないから、日銀も苦労しているのだ


06. Aki 2011年2月16日 23:10:20: fOE3/yYPGSgxE : q3KlgRwXGo
>日銀による国債の直接引き受け禁止は「人類の英知」
思考停止、つまりバカの壁。
まず必要なのは日銀法の改正。

07. 健奘 2011年2月17日 00:40:04: xbDm84QDmOFmc : FY4u2WPdes
> 今後もGDP成長率や実質金利が高いと予想される場所(新興国など)にマネーは流れる

そう願いたいのですが。
実際には、新興国に行き先を見つける額は、2.5京の2割にも満たず、過半は、合衆国、ヨーロッパ、日本にあって、”うろうろ”しているわけです。

資源に向かっても、すぐに資源価格は高騰し、そもそも桁が違いますからね。取引額の点からは。金(ゴールド)には、兆の単位で向かうだけで、高騰でしょ。

すでに、行き場所がなくて、”サブプライム”などを組まざるを得なかった、というのが実情でねえ。

今までのやり方は、とうに、行き詰っているのだと思っています。。。


08. 2011年2月17日 13:28:50: cqRnZH2CUM
>新興国に行き先を見つける額は、2.5京の2割にも満たず、過半は、合衆国、ヨーロッパ、日本にあって、”うろうろ”している

実質の平均投資収益率(実質金利)を高めるには、世界の実質GDPが、絶えず増大していく必要があるが、それを仮定するのは、あまり現実的ではない。

そして、スティグリッツらが指摘するように、度重なるバブルの崩壊と、国家による借金の引き受けによって、GDP比の金融資産(=負債)が過大になり過ぎているのが諸悪の根源だ。

世界が日本化しているのだ。

根本的な解決策は、アルゼンチンやロシアが行ったような借金の踏み倒し(債務のデフォルト)のような強制的な負債と資産の対消滅しかないだろう。

日本と米国が率先してやると、金融資産の金利低下問題は大幅に解決するだが、まあ無理だろうw


09. 2011年2月17日 13:38:06: cqRnZH2CUM
>借金の踏み倒し(債務のデフォルト)のような強制的な負債と資産の対消滅

もう一つの手段として、高インフレによっても解決できる
この場合は、金融資産保有者だけでなく、世界の主に低所得層への厳しいインフレ税が加算されることで、負担は分散されることになる。
普通は、為政者は富裕層側なので、こちらが好んで選ばれることになる。


10. 2011年2月17日 13:40:35: cqRnZH2CUM
>為政者は富裕層側なので、こちらが好んで選ばれることになる。

頭の悪いB層も、こちらを支持することが多いなw


11. 2011年2月17日 20:21:48: cqRnZH2CUM
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第89回 政局に利用されるムーディーズ
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2011/02/15/011947.php

(1/3の続き)
 話がそれてしまったが、要はS&Pが国内市場で資金調達ができる日本政府の国債を格下げしたところで、ほとんど何の影響もないというのが現実ということである。何しろ、デフレ下で過剰貯蓄の運用先に悩む日本の金融機関は、「国債を買うしかない」状況に置かれている。
 ちなみに、金融機関が国債購入に走り、長期金利世界最低が続くという状況は、全くもって自慢できる話ではない。何しろ、それだけ国内の民間企業に資金需要がない、すなわちデフレ不況が深刻化しているという話なのだ。
 とはいえ、日本経済の問題は、あくまで「デフレで民間の資金需要がない」という話であって、財政危機云々ではない。ましてや、格付け機関がどう評価しようとも、日本国債の「デフォルト」など有り得ない。
 とはいえ、この手の話を理解していない国内の新聞各社は、S&Pが日本国債を格下げした後に、ムーディーズのシニアバイスプレジデントが来日した ということで、大変注目したようである。米ブルームバーグ紙などは、バーン氏に単独インタビューを行い、自社記事として掲載しているが、日本の大手紙は記 者会見を中心に記事を書いている。
 まずは、産経新聞のバーン氏記者会見に関する記事から見てみよう。
『2011年2月9日 産経新聞「格付けに「下振れ要因」 日本国債でムーディーズ」
 米大手格付け会社ムーディーズの国債担当アナリストのトーマス・バーン氏は9日、東京都内で記者会見し、「安定的」との見通しを示している日本国債の格付けについて「下振れ要因は高まっている」と述べた。
 日本国債をめぐっては、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が先月、上から4番目に格下げしたばかり。ムーディーズは、上から3番目に据え置き、見通しも変更していないが、財政の先行きに対する市場の懸念が高まっていることを裏付けた。
 バーン氏は格下げにつながる懸念要因について、(1)低成長から抜け出せないリスク(2)デフレ脱却の時期が見通せないこと(3)景気回復が税収 に反映されていないこと−の3点を列挙した。格付けを支える要因では、国債の国内保有率の高さなどを指摘、「財政危機が表面化するには長い時間がかかるだ ろう」とも語った』
 ちなみに、バーン氏はブルームバーグ紙における単独インタビューにおいて、日本国債の格付け見通しについて「安定的である」と指摘している。日本国債の大半が国内で消化されている結果、最上位の格付けを持つ国々の国債と同様の安全性があるとの見方を示したのである。
 バーン氏は、同じくブルームバーグの単独インタビューにおいて、「日本の格付けの強さの一つは、国債が自国で消化されているというだけではなく、世界的な金融危機を通じて国債に安全資産の側面があることだ。その意味で、日本国債は米国債と同様の特徴を有している」 と、述べている。すなわち、先ほどの財務省の「外国格付け会社宛意見書要旨」同様に、日本国債はアメリカ国債同様に安全であると語っているわけだ。
 ブルームバーグのインタビュー記事に比べると、産経新聞の記事は見出しからして、かなり「ネガティブ」な印象を与えるが、実はこれでもまともな方なのだ。何しろ、「財政危機が表面化するには長い時間がかかるだろう」 と、財政破綻論者の方々が聞こえない振りをしたがるような発言を、そのまま掲載している。
 加えて、バーン氏の日本経済に関する指摘、すなわち「低成長から抜け出せない」「デフレ脱却の時期が見通せない」「景気回復が税収に反映されてい ない」については、あまり反論する人はいないだろう。筆者を含めて「まことにもってその通り」と、肯定する人の方が多いのではないだろうか。
 実際問題として、日本経済や財政の問題は、バーン氏の指摘のままである。
「だからこそ、どうするのか」 という話を考えるべきであって、悪戯に「格下げの危機!」「財政破綻目前!」などと新聞紙面で煽っても、日本経済の成長路線への復帰には、何の役にも立たない。役に立たないどころか、はっきり言えば有害である。
(3/3に続く)
(2/3の続き)
 産経新聞の記事を読み、筆者は「他紙」がバーン氏の発言を深読みし、財政破綻論を煽ってくるだろうと予想はしていた。それにしても、同氏の記者会見に関する、朝日新聞の記事は酷すぎる。
『2011年2月9日 朝日新聞「ムーディーズ幹部「税・社会保障改革失敗なら格下げも」 米国の格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスで日本国債の格付け責任者をしているトーマス・バーン氏が9日、記者会見した。菅政権が6月ま でにまとめる「税と社会保障の一体改革」が実現できなければ、日本国債を格下げする方向で見直す考えを示した。(後略)』
 唖然、である。
 産経新聞のように「格付けに下振れ要因がある」と書くならばまだしも、何と現与党が進めている「税・社会保障改革」が「失敗」すれば「格下げ」との見出しに掲げている。さらに、記事中に、「菅政権が6月までにまとめる「税と社会保障の一体改革」が実現できなければ、日本国債を格下げする方向で見直す考えを示した」 と、断定口調で書いているわけであるから、呆れかえってしまう。
 一応、朝日新聞は記事中(後略部)において、バーン氏が「税と社会保障の一体改革」を実現できない場合、「格付けのマイナス要因になる。格下げの可能性を示唆することがありえる」 と回答したと書いている。すなわち、朝日新聞の記者が、バーン氏に、「管政権が税と社会保障の一体改革を実現できない場合は、格下げの可能性はありますか?」 とでも質問したのだろう。
 それに対し、バーン氏は「格下げの可能性を示唆することがありえる」と答えたわけだ。当たり前の話だが、6月という先の時期における格下げの可能 性について、ムーディーズのシニアバイスプレジデントの立場にある人物が、「格下げる」「格下げない」などと断言できるはずがない。バーン氏としては、 「格下げの可能性を示唆することもありえる」と、恐ろしく曖昧で、かつ微妙な言い回しで回答するしかなかったわけである。
 それを受け、朝日新聞の記者が『ムーディーズ幹部「税・社会保障改革失敗なら格下げも」』などという見出しの記事に仕立てあげてしまうわけである。率直に言って、これを「世論操作」あるいは「情報操作」と言わずに、何と呼べばいいのだろうか。
 そもそも、バーン氏が「可能性を示唆することもありえる」などと、回りくどい言い回しを使ったのは、自身の発言を政局に利用されるのを避けるためだろう。常識ある人物であれば、自身の発言を他国(日本)の政局で利用されるなど、真っ平ごめんである。
 ところが、バーン氏の恐ろしく回りくどい言い回しであっても、朝日新聞は政局、ずばり言えば菅直人政権のサポートのために「活用」してしまうわけだ。他紙の記事と比較する限り、この記事を書いた朝日新聞記者の目的は、「6月の「税と社会保障の一体改革」が実現できなければ、ムーディーズが日本国債を格下げする! 大変なことになる!」 と、無意味に国民の危機意識を高め、菅政権を支援しようとしているとしか考えられないのである。
 そもそも、先にも書いたように、外国の格付け機関が格下げしようが、あるいは格上げしようが、日本国債の金利はほとんど変動しない。理由は、 95%国内金融機関などに消化され、同時に金融機関が過剰貯蓄の運用先に困っているためだ。と言うよりも、国内の金融機関が運用難に悩んでいるからこそ、 95%が国内消化になっているわけである。
 最近はこの手の「事実」が、ようやく日本国民の間で共有されつつある。とはいえ、朝日新聞の読者の多くは、先の見出しの記事を見て、「「税と社会保障の一体改革」が実現しなければ、日本は大変なことになる」 という印象を覚えてしまうだろう。
 この種の無意味、無用な危機感を煽ることが、果たして日本のジャーナリズムの常識なのだろうか。(常識だ、と言われれば、それまでだが)
 いずれにしても、「可能性を示唆することもありえる」と懸命に曖昧な返答をしたにも関わらず、菅政権支援に利用されてしまったバーン氏に、是非とも感想を伺ってみたいところだ。
本ブログの「デフォルト」関連記事はこちら。


12. 2011年2月17日 21:21:17: cqRnZH2CUM
>日本の政治が完全に麻痺して、借り換え国債発行や日銀の買い入れ緩和などができなくなるリスク


公債特例法案の成立にハードル、深刻化で一部予算停止も
2011年 02月 17日 18:47 JST

11年の米小売売上高は4%増に、消費の改善続く公算=小売業協会
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 [東京 17日 ロイター] 2011年度の予算執行に暗雲が垂れ込めている。政府は、一般会計総額92.4兆円の予算案を提示しているが、公債特例法案が成立しなければ財源の4割を占める赤字国債は発行出来ない。

 財務省には「6月までの必要経費は賄えるが、それ以降は厳しい」との声もあり、事態が深刻化すれば、一部予算の執行停止に追い込まれかねない情勢だ。

 複数の報道によると、社民党が16日、11年度予算関連法案の焦点である公債特例法案に反対する方向で調整に入った。同法案に賛成すれば、米軍普天間基地の名護市への移設を認めることにつながりかねない、との判断からだという。

 公債特例法案では、赤字国債38.2兆円と埋蔵金2.5兆円の一般会計への繰り入れを定めている。同法案をめぐっては、民主党と国民新党の全員が賛成するとした場合、社民党が賛成すれば衆院で再可決できる可能性があったため、社民党の判断が注目されていた。

 市場では「市中消化される国債に『赤字』や『建設』などの色分けはない。当面、発行計画が変更されることはないだろう」(邦銀)との声が多い。

 制度上は政府短期証券(FB)で財源をつなぐことも可能なため、17日の東京債券市場では、長期金利の指標10年債利回りが前日より0.010%低い1.335%に低下。冷静な反応が目立った。

 危機感を募らせているのが財務省だ。「一般会計のうち財源の裏付けがあるのは50兆円程度しかない。法案が通っていないのに支出して平気か」(同省幹部)。FBのうち財務省証券については年度を越える発行は出来ず、出納整理期限である5月末までに返済しなければならない。

 税などで返済できるケースは別だが、最終的に法案が成立しない場合、デフォルトのリスクにさらされる可能性もゼロではない。

 野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストは「法案成立のメドがたたなければ成立している予算の財源的裏付けがなくなり、利払い費や交付税、義務的経費などを除く一部予算の執行が停止される可能性もある」とみている。 

 (ロイターニュース 山口貴也;編集 石田仁志)


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