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http://www.bbc.co.uk/news/business-12427321
2011年2月14日最終更新 05:23GMT
中国が日本を抜き、世界第2位の経済大国になる
中国が日本を抜き、世界第2位の経済大国になる。
2010年末時点の日本経済は5474兆ドル(3414兆ポンド)に相当すると、日本政府が数値を発表した。同期間の中国経済は5800兆ドルに迫っていた。
日本は輸出と消費者需要の落ち込みによって打撃を受けたが、中国は製造業の好況を享受した。
現状の成長率が続くと、中国は今後約10年で米国を抜き、世界最大の経済大国になるだろうと、アナリストたちは見ている。
「現実的な話として、10年以内に中国経済は米国とほぼ同じ規模になるだろう」と、ペキンに拠点を置く経済コンサルタント・GKドラゴノミクスのトム・ミラー氏は語った。
海外リスク
日本は、世界の主要経済大国の構成が大きく変化していることや、40年以上ぶりに世界第2の経済大国の地位を明け渡したことを重視していない。
「一つの経済主体として、私たちはランクのために競争するのではなく、市民生活を向上させるための取り組みを行っている」と、与謝野馨経済担当大臣は語った。
同大臣は、中国経済の好況は、日本にとっても隣国として歓迎すべきニュースだ、と付け加えた。
中国はいまや日本にとって最大の貿易相手国であり、電機メーカーのソニーや、ホンダやトヨタといったの自動車メーカーなどにとって、重要性を増している。
円は、最近ではドルに対して15年来の高値を付けるなど、他国通貨に対して高い水準を維持し、円高によって、日本製品に対する海外の需要を損なわれることへの怖れが生じている。
消極的な消費
日本政府が発表した最新の数値によれば、2010年10〜12月期で、日本経済は年率1.1%縮小した。成長率は前四半期から0.3%減少している。
日本経済が縮小したのは5四半期ぶりで、その原因は国内・輸出需要の落ち込みだと、アナリストたちは語った。
2010年10〜12月期の消費支出は0.7%下降したと、数値は示している。
アナリストたちによれば、昨年初めから需要が持ち直していたことから、日本経済が運良く急回復することはないだろう。
耐久消費財などの工業製品の購買にインセンティブを与えることによって消費支出を増大させるという政府の計画が、すでに終了したり、もうすぐ終了することが、これの少なからぬ理由である。
「日本経済が収縮した主な原因は、政府による景気刺激策が期限を迎えたことと、海外需要が消極的なことだ」と、農林中金総合研究所の南武志主任研究員は語った。
「日本経済が、1〜3月期に低迷を脱するのは難しいだろう。」
「私たちは運悪く、経済の悪化を目の当たりにしているが、その回復は、人々が実感できるほど強くないだろう。」
「失われた10年」
日本は格闘を続けてきたが、1990年代の「失われた10年」とアナリストたちが呼ぶ期間を招いている。このとき、不動産市場と資産の崩壊によって日本経済は転倒した。
内需は急落し、輸出も落ち込んだことから、消費者たちは中国をはじめとした新興国市場から、安価な製品を求めるようになった。
今日、日本が抱える最大の頭痛は、人口の高齢化により支出が減ることや、労働力が割高で、景気変動への柔軟な対応が比較的難しいことだ。
対照的に、中国の成長の大部分は、製造業の好況が長続きし、その結果、国内の産業とインフラが拡張されたことによってもたらされた。
「インフラが重視されたのだ」と、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)のペキン駐在員、ダンカン・イネス−カー氏は語った。
「そこに需要が生じるとの判断があれば、まず道路が造られた。インフラを先に整備したので、企業が進出できたのだ。」
全体的な絵
中国は全体的に見て成長を続け、平均的な人々はより豊かになりつつあると、エコノミストたちの大部分が同意する。日本と同じ程度の経済規模を持つが、中国には正確な絵が描き切れていない、にもかかわらずである。
「中国の一人あたりのGDPは約4500ドルだが、日本は約4万ドルだ」と、GKドラゴノミクスのミラー氏は語る。
「中国人の大部分はまだ貧しく、都市人口よりも農村人口の方が大きい。平均的な日本人は、平均的な中国人よりもずっとずっと豊かだ。」
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(投稿者より)
日本の2010年10〜12月期のGDPが発表され、日本が中国に世界第2位の経済大国の地位を明け渡したことを伝えた、イギリスBBCの記事です。発言部分は、テキストを直接日本語に変えています。誤訳があるかも知れません。ご容赦ください。
日本が陥落すること自体は、10年以上前から分かっており、昨年の夏には既定のこととして扱われていました。隣国が豊かになりつつある、ということは、素直に祝ってあげればいいわけで、今更騒ぐほどのこともないと思われます。
今回の発表を、市場もまた軽視しています。今日の東京株式市場は高い水準で取引が続き、日経平均の終値は、1万0725円54銭で前日比119円89銭高です。これは、エジプト情勢の沈静化と、それを受けた週末のニューヨークの株高などの影響です。日本のGDP発表の影響は限られたようです。
ただ、ここで問題にしたいのは、日本経済の縮小は5四半期ぶりで、内需と輸出の落ち込みがその原因であること、さらに、「エコポイント」などの諸政策の終了が大きく影響している、ということです。
5四半期前の昨年8月、総選挙があり、マニフェストを掲げた民主党が政権を獲得しました。鳩山内閣の「こども手当」「中小企業向けモラトリアム」などの政策は、批判も大きかったですが、必要な人に必要な手当を直接行う、ということで画期的なものだったと思います。
事実、政権交代の直後、自殺者数は前年比で減少を続けました。株の世界では「こども手当銘柄」という言葉まで登場しました。これから世の中は変わる、という期待感は確かにあったのです。
それに抵抗したのが、既得権益を守りたいという勢力でした。さらに、6月の政変がマニフェスト路線を見事に壊してくれました。「エコポイント」も年度末で終了しますので、景気対策はすでに「弾切れ」の状態です。
マニフェスト路線が続いていれば、今頃、「国民の生活が第一」の観点から、政治主導によってはじめて総予算を組み替えた、2011年度予算案が国会に上がっていたはずです。
世界的には景気回復が続き、アジアの国々の経済の課題は、むしろインフレの抑制となっていると聞きます。今回の数字は、単に国内政治の無策の帰結だと思いますが、そのために多くの人々の生活がさらに疲弊し、少なからぬ人が自殺に追い込まれる、という状況は迷惑です。
同じテーマについて、毎日新聞が簡潔に伝えていますので、下に付しておきます。
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(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/world/news/20110214k0000e020033000c.html
GDP:日中逆転が確定
内閣府が14日発表した10年の日本の名目国内総生産(GDP)は、国際比較で用いられるドル換算で5兆4742億ドル(479兆2231億円)となり、中国が既に発表した10年の名目GDP5兆8786億ドル(39兆7983億元)を下回って、世界3位に転落したことが確定した。日本は1968年に当時の主要指標だった国民総生産(GNP)で旧西ドイツを抜いて米国に次ぐ「世界2位の経済大国」の地位を守ってきたが、43年ぶりにその座を明け渡した。
中国は01年の世界貿易機関(WTO)加盟を機に「世界の工場」として存在感を高めた。過去10年間は年10%前後の高成長を続け、名目GDPは約5倍に伸びた。09年の名目GDPは日本が5兆420億ドル、中国が4兆9905億ドルだった。
デフレや人口減でGDPが伸び悩む日本に対し、中国が今後も差を広げるのは確実と見られ、内閣府の推計では、25年ごろには中国は米国も抜いて世界最大となる見通しだ。ただ、中国の人口は約13億人と日本のほぼ10倍で、10年の中国の1人当たり名目GDPは日本の10分の1程度にとどまる。【山本明彦】
毎日新聞 2011年2月14日 11時31分(最終更新 2月14日 12時32分)
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