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追加の電源装置、冷却機能に懸念 9社の原発ともんじゅ
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042501000984.html
2011/04/26 00:20 【共同通信】
東京電力福島第1原発事故を受け、外部電源と非常用発電機の全ての電源が断たれた場合に備え配備した電源車や発電機について、電力9社などでは、原発で原子炉を安定した停止状態にすることはできないことが25日、電力会社などへの取材で分かった。
容量が小さく、原子炉を冷却する装置を一部しか動かせないのが理由。地震後の福島第1原発と同様に、非常用発電機が使えない場合には代替電源がないという状況は事実上、改善されていない。経済産業省原子力安全・保安院は、電源車配備などを緊急安全対策の一つに位置付けているが、こうした状態での運転継続は議論を呼びそうだ。
原発を所有する電力10社と、高速増殖炉もんじゅ(福井県)を持つ日本原子力研究開発機構によると、事故後に電源車や可搬式発電機を原発に配備した。だがこうした電源で動かせるのは計器類や小規模の注水装置だけで「非常用発電機のバックアップとは言えない」(電力関係者)という。
東京電力だけは、柏崎刈羽原発(新潟県)に配備した4500キロワット1台、500キロワット4台の電源車などで運転中の4基の冷却が可能だとしている。
日本原子力発電によると、敦賀原発2号機(116万キロワット、福井県)の安全な冷却には約3500キロワットが必要だが、配備したのは220キロワットと800キロワットの電源車1台ずつ。1825キロワットの電源車3台を手配したが、配備は「来年3月ごろまでに」としている。敦賀1号機では220キロワットを1台配備、800キロワットと1825キロワット1台ずつを手配した。
中部電力は東海地震の震源域にある浜岡原発(静岡県)で、廃炉手続き中の2基を含む5基に追加対策。現在ある非常用発電機に加え、津波の影響を受けないように海抜約14〜30メートルの原子炉建屋屋上などに新たにディーゼル発電機計9台を設置したが、容量が小さいため、さらに敷地内の高台にガスタービン発電機3台を配備する。
北海道電力は、泊原発に3200キロワットの電源車1台を配備したが、1〜3号機共用で3基の原子炉を安定的な停止状態にするには容量が十分でないため、2年以内をめどに1台追加するという。
ガスタービン発電機の設置などで十分な大容量電源が確保できるのは「2012年度初め」(九州電力)、「2年程度」(北陸電力)と比較的時間がかかる施設と、秋―年内という東北電力東通原発(青森県)、日本原電東海第2原発(茨城県)、関西電力、中国電力、「速やかに」(四国電力、原子力機構)などに分かれている。
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