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転載開始。
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-466.html より。
Mon.2011.04.25
地震・気象兵器
「アクシデント」が起こらないことを祈るしかない
再臨界が疑われた福島第一原発1号機の「その後」
福島第一原発の1号機で、再臨界の疑いが濃厚であるという記事を書きました。
これは、東電がその時点で発表した内容から、小出裕章京大助教が見立てたものでした。
このときは、1号機から高濃度のクロル38(塩素38)が出ていると東電が発表したことによって、
「すわっ!再臨界か!」となったわけです。
クロル38(塩素38)が出ているということは、再臨界している証拠になるからです。
東電は、3月25日の時点で、クロル38が検知されたことは分かっていたはずでしたが、発表を4月に入るまで意図的に遅らせていたのです。
しかし、東電は、この発表から20日経った今になって、
「クロル38は検出されていなかった」と、前言を翻したのです。
【放射性物質:一部は低い濃度と発表…たまり水再評価】(毎日新聞 4月20日)
「福島第1原発で建屋などのたまり水の放射性物質の分析が誤っていた問題で、東京電力は20日、再評価の結果、塩素38やヒ素74など一部の放射性物質は検出されていないか、低い濃度だったと公表した」。
つまり、東電は、20日もかけて、前と同じ分析結果を再検討してみたら、「半減期が短い物質(=クロル38の半減期は、わずかに15分)を過大に評価していた」ことに気づき、クロル38で出ていたとする発表は事実無根だったので「なかったことにしてくれ」と言っているのです。
小出助教は、
「東電の説明は馬鹿げている。東電がやっている測定方法は、
ゲルマニアム半導体検知器という機器を使ってガンマ線を測っているはずだから、
間違えるはずがない。
この機器を使えば、どの放射性核種が、どれだけの量出ているか厳密に分かる。
クロル38は、特殊なので、他の放射性核種と間違えるはずがない」と言っています。
「むしろ、20日も経った今になって、あれは間違いでした、と言うほうが不思議だ。
専門家なら『周波数スペクトル』を見れば一目瞭然なので、ぜひデータを見たいが、今になっても東電はスペクトルを出していない」(小出助教)。
「再臨界しているかどうかの重要な情報なので、世界中が、この情報に踊らされてしまった」。
東電は、4月21日には、2号機の取水口付近から流れ出した放射能汚染水によって海洋に放出された放射性物質の総量を、およそ4700テラベクレルと発表。
これについても小出助教は、
「そんな少ない量で済むはずがない。
この4700テラベクレルという数字は、ピットというコンクリート構造物にできた割れ目から滝のように流れ落ちている(上の画像の右側)分だけを計算している。
コンクリート構造物はピットだけではなく、トレンチもそうだし、坑道もコンクリート。たまたま目に見えるピットのひび割れから流出している分だけを計算して発表しているに過ぎない。総量は、はるかに多いはずだ」。
「実際は、大量の汚染水が地下を通って、海に流れ込んでいるはず。それが海の汚染を引き起こしている」と推測しています。
「過去に事故で、これほどの大量の放射能汚染水を海洋に排出した例はない。
といっても、半ば意図的に流された例としては、イギリスのセラフィールドにある核廃棄物の再処理工場からアイリッシュ海に流された例がある。
それによって、アイリッシュ海は世界一、汚染された海になってしまった。
セラフィールド再処理施設では、日本の多くの原発から出た使用済み核廃棄物が再処理されているが、日本のマスコミは、どこも報道しない」。
【英国 セラフィールド再処理施設から漏れでする放射能汚染 河野太郎議員の問題提起】
(※ 後にアイルランド政府が停止を求めた)
以上は、小出助教が4月21日のラジオの生放送に電話出演したときの動画、クロル38検出は間違いと言うが 小出裕章から、まとめたもの。
同じテーマで、神保哲生氏の「videonews.com」の番組に4月23日、電話出演したときは、
「ガンマ線を出す核物質であるクロル38を専門家が間違えて計測するはずがない。周波数スペクトルなどの基本データを開示せずに、『あれは間違いだった』と結論だけを発表する東電の姿勢に首を傾げざるを得ない」と付け加えています。
つまり、同じデータを見ていながら、「よく目を凝らしてみたら、幻想を見ていたことが分かった」と言っているわけです。
そして、その根拠となるデータも開示しないのです。
小出助教は、「マスコミが、東電に『そのデータを見せろ』と言って、出させるべき。
私(小出助教)でなくても、ちゃんとした専門家の人たちにも見てもらえば、
一発で分かること。私と同じ見解になるはずだ」と言っています。
どう考えても、1号機では、一瞬でも再臨界は起こっていた。
その後、何かの拍子で冷却がうまく行って収まったので、「クロル38検出」の発表が間違いだったことにしてしまったのでしょう。
こういう姑息なことばかり続けてきた東電ですから、記者会見で流される情報など信じられないわけですが、では、実際、現状はどうなっているのか。
小出助教の最悪のシナリオは残されている
東電は、19日、やっと1号機、2号機、3号機で「炉心が溶融していることを」認めたのですが、このことは、
敷地内でプルトニウムが見つかったり、
敷地の外でストロンチウムが見つかっているので、とっくに分かっていたことです。
ペレット自体が溶けなければ出てこない放射性核種だからです。
どうも、東電も、原子力安全・保安院も不気味です。何が言いたいのでしょう。
小出助教は、次のように分析しています。
「炉心部分の上のほうは、何度も水から顔を出している。
少しずつ被覆管が溶けて中のペレットが溶けているはずだ。
ただ、その量が少ないために、炉心本体や構造体に引っかかっていて、圧力容器の底には落ちていないだろう。
しかし、今後、何かのアクシデントが起こって、大量の燃料棒が溶け出して、その重さで圧力容器の底にただれ落ちた場合、圧力容器の下のほうにある水と反応して水蒸気爆発が起こる危険性が高い。
そうなれば、最後の砦と言われている格納容器は薄いので同時に爆発によって吹き飛ばされてしまう。
そして、外部に、今までとは桁違いの放射性物質が大量に撒き散らされることになるのです。
これが最悪のシナリオ。
万一、圧力容器の下のほうに水がない場合でも、結局は溶け出した燃料が圧力容器を溶かして外に出てくる。
そのとき、外側の格納容器の中に溜まっている水と反応して、やはり水蒸気爆発が起こる。
圧力容器、格納容器の両方ともに水がない場合は、核燃料は圧力容器、格納容器を溶かして土台のコンクリートをも溶かす。
その場合でも、大気中に大量の放射性物質が撒き散らされることになる。
ただ、常時、圧力容器、格納容器に水を注入していないとメルトダウンが起こるわけなので、圧力容器、格納容器内に水がないということは有り得ない。
したがって、水蒸気爆発をなんとしてでも防ぐ必要がある。
しかし、むなしくも結局、それが起きてしまうのでないか」と言っています。
原子力安全・保安院は、19日になってやっと1号機、2号機、3号機で「炉心が溶融していることを」認めたのですが、その後、溶けた炉心が「砂状」の細かい粒粒になって、圧力容器の底に溜まっているという見方をしています。
つまり、原子力安全・保安院は、炉心溶融とはメルトダウンのことであると理解しているのです。
炉心溶融=メルトダウン(溶けた燃料が底に落ちた)が起こってはいるが、細かい粒状になっていているため、そして水で冷やされているために圧力容器の底を溶かす現象が起きていない、と分析しているのです。
保安院のこれまでの発表によると、「炉心の損傷」と言っていました。
「炉心の損傷」とは、ペレットを包んでいる被覆管(ジルコニウム)が溶けてペレットがむき出しになってしまう状態。
1号機では、被覆管の70%が溶けており、2号機、3号機では20〜30%溶けている、と保安院は、前に発表しています。
今回は、「1、2、3号機で炉心溶融が起こっている」と言っていますから、やっとペレット本体が溶けていることを認めたわけです。
小出助教の場合は、炉心溶融は、文字通り燃料(ペレットそのもの)が溶け出すことを言っています。炉心溶融とメルトダウンとを同一視していないのです。これが専門家として一般的でしょう。
ただし、ペレットが溶け出しても、炉心構造体は健全なので、その上に降り積もっている状態。それで圧力容器の底を溶かすようなことが起きていない、と。
メルトダウンの定義を除いては、小出助教と保安院とは、ほぼ同じことを言っています。
ただ、問題なのが、被覆管において、1号機では70%、2号機、3号機では20〜30%が既に溶けている、と保安院が言っているので、もし水を絶え間なく入れ続けることができないような「何かのアクシデント」が起こった場合は、今度は一気にペレットが大量に溶け出す可能性が高くなったことを意味します。
こうなると、溶融した核燃料は塊状になって、その重さで圧力容器の底に向かって落ちてくるので、当然、そこには水があるから水蒸気爆発が起こる、と見ているのです。
作業員数が減り続けている
この「何かのアクシデント」とは、何でしょう。
1)第一は、もちろん大きな余震によって、外部電源がシャットダウンしてしまうこと。冷却に手間取ってしまったら、今度は被覆管がありませんから、一気にペレットが溶け出します。
震度6強の余震が起これば、そうなるのでしょうね。東電は「重層的に電源を確保する方法を考える」と言ってはいますが…。
2)もうひとつは、心配されているアウターライズ地震による大津波によって、再びディーゼル、ポンプが破損してしまうこと。これを防ぐために、20mの高台に移設する作業を行なうことを決定したのですが、その後、具体的な情報は出ていません。
そして毎日1、2、3号機に入れている500トンの水のうち、半分程度が大気中に蒸発、一部がトレンチなどにどんどん流れ込んでいき、残りが「行方不明」。
おそらく地下に浸透しているのです。
たまりに溜まった6万トンの高濃度汚染水を移す作業に取り掛かっている作業員の数は、たった30人だけと言います。
被曝の上限値を超えてしまった作業員が現場をどんどん離れているからです。
水を移さないと、再び、海洋への垂れ流しになります。これを続ければ日本は世界中から、今度こそは、あからさまに批難されるようになりますし、何より、あらゆるメイド・イン・ジャパンに「日本産=放射能」というレッテルが貼られ、さらに経済復興の重しになるでしょう。
で、水冷方式ではなく「空冷方式」などのアイデアも出ているのですが、
空冷など、効果は期待できませんから、最初から「気休め」に過ぎません。
つまり、今のところ材料で尽くしで「持ち駒」がないのです。
今後、半年間、今のやり方で冷やし続けても、大して冷えません。長い長い時間が必要です。
その間、幸運なことに大きな余震が起こらず、世界中が今までにないほど寛大で、高濃度の汚染水を大洋に流し続けることを容認したとしても、作業ができないのではお手上げです。
政府は、情報統制することが仕事とばかり、国民の顔色を伺うことに腐心し、文部科学省の役人はド素人のくせに被曝線量を勝手に計算して将来の日本を本当の意味で復興する子供たちの健康をダメにし、厚生労働省が考えていることといったら、作業員の被曝線量上限値を上げることだけ。
厚生官僚の一人からでも、夏場に備えてクール素材の防護服を開発させるととか、あるいは多少、重量が増えても冷却装置付きの防護服を特急で開発させるとか、実際的なアイデアが出ないのでしょうか。
オリンピックのときは、水泳選手の水抵抗を少なくするために、新素材の水泳パンツの開発にあれほど湧いていたのに、自分たちの命を守ってくれる作業員の人たちに対しては、何もしようとしないのでしょうか。
これでは、金銭面の待遇を良くしても人は集まらなくなっていくでしょう。
厚生労働省が、作業員の被曝線量を250ミリシーベルトから500ミリシーベルトに上げたときが、その「境目」です。
官僚には、こんな簡単なことさえ分からないのです。
彼らは、完全に思考ができない状態になっています。
このままでは、小出助教が心配している最悪の事態に向かっていくような気がしてなりません。
国民の生命・財産を守ることを忘れた官僚たちは、すべからく違法者です。
政治家は政治家で、愚かな党派争いをやっています。
ACジャパンの復興キャンペーンのスローガン、「みんなでやれば、大きな力に」…。
その軽薄な呼びかけが空しく響きます。
そして斑目のようなC調の御用学者たち…。そして、完全にサラリーマン化したマスコミ人たち。
石原慎太郎が「この震災は天罰だ」と暴言を吐きました。
そのとき、私は怒りました。
これから私たちは、無能な政府、人の心を喪失した官僚たちに苦しめられようとしています。
「この震災は天罰だ」。
この言葉は、再び安穏に暮らそうとしている私たちに向けられたものであるようです。
転載終了。
投稿者コメント。
現場は、必死の努力をしているのだろうが、どうも、最悪の状態は、
まだまだ脱出していないようだ。
最悪の状態になったときの事を、想定しておきましょう。
少なくとも、近郊住民は、すぐには死なない。
あわてず、身の回りのモノ、現金、運転免許、通帳、印鑑、などなど。
衣類など、たくさん持って行こうと、逃げようと、してはいけない。
必要最小限のものだけですよ。身軽が一番です。
クルマ、バイクの燃料は、家に帰る前に、かならず、
満タンですよ。
100キロ離れれば、まあ、なんとか、なる。
スーパーも、ガソリンスタンドも、開いているはずだ。
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