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東日本大震災:福島第1原発事故 計画的避難区域に指定の飯舘村 移動先は、学校は
◇「1カ月で完了」課題山積
東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県飯舘村、葛尾村、浪江町など5市町村にまたがるエリアに22日指定された「計画的避難区域」。区域内の住民は計約3000世帯約1万500人に上る。一部が警戒区域(21日までは避難指示区域)に指定され自主避難が進んでいた葛尾村や浪江町に比べ、これから全村避難を強いられる飯舘村は課題が山積している。「1カ月で避難完了」という政府の青写真には早くも疑問符が付いている。【古関俊樹、松谷譲二】
◆残る村民5000人
村は22日、役場機能を福島市内の旧飯野町舎に移す方針を明らかにしたが、現在も残る最大約5000人の村民をどこへ移すかの結論は出ていない。「村から1時間前後でコミュニティーを維持できる3、4カ所」(担当職員)にいったん分散する方法を模索するものの、比較的好条件の避難先は浪江町など3月に避難指示を出された自治体が既に使用している。
高い放射線量が問題化したのは約1カ月前なのに、区域指定が22日になったことは、避難先確保を困難にしただけでなく、村民の離散も招いた。公的住宅への優先入居ができる被災証明書も発行されないまま、家族の健康や職探しを懸念して自力で避難した人も多く、「国や村の対応は遅い」との批判も出ている。
菅野典雄村長は「(避難にかかる時間が)どれくらいになるのか(分からない)。国には一刻も早く具体的な補償内容も示してほしい」と話し、円滑な避難・移転に国の支援強化が必要との認識を示した。
◆畜産業の危機
村の経済を支えてきた畜産業は危機的な状況に陥っている。村内には肉牛や乳牛が計約2000頭おり「牛を残したまま避難できない」と訴える農家も多い。県は、計画的避難区域や緊急時避難準備区域で飼われている計約1万頭の牛を県内外の牧場などに移す計画を作成中だ。
計画によると、移転に際して1頭ずつ被ばくの有無を調べるスクリーニングをし、汚染されていれば除染をする。しかし、手続きが煩雑なため、村の牛を1カ月程度で動かすことは極めて難しく、畜産業にかかわる村民の避難の遅れに影響する可能性がある。同村を管轄するJAそうまも「(村から)移転する敷地や餌の確保のめどが立っていないし、移転に伴う費用をどこまで国が補償するかも分からない」と移転の困難さを指摘している。
◆始まった1学期
村の小中校と幼稚園は21日、隣接する川俣町の施設の空き教室を使って、1学期の授業を始めたばかりだ。しかし、役場機能は福島市に移転することになり、保護者の間に「また移転しなければならないのか」と戸惑いが広がっている。
村中心部から約10キロと比較的近距離にある川俣中には、飯舘村内の三つの小学校が間借りし、児童はスクールバスで村から通う。その一つ飯樋小(児童数84人)の竹之下道子校長は「なじみのある川俣だったので児童も保護者も安心していた。また移転するのかと不安な保護者もいる」と打ち明ける。
村教委は「当面は、川俣町で授業を行う。今後は未定だが、移転するにしてもスクールバスで通学ができる範囲に場所を確保したい」という。
◇政府調整遅れ、地元から不満噴出
政府が22日に設定した「計画的避難区域」と「緊急時避難準備区域」は、住民の権利を大きく制限する一方、法律に制度は明記されていない。これまで国が原子力災害に対する地域防災計画を作成させていたのは原発から半径10キロ圏内の自治体だけで、それ以上の避難は想定外だったためだ。
政府が今回、根拠としたのが、首相に広範な権限を認める原子力災害対策特別措置法の第20条3項だ。原子力災害対策本部長を務める首相には、国の機関だけでなく、地方自治体、ガス、輸送、通信などの公共機関、電力会社に「応急対策を迅速に実施するため、必要な限度で指示できる」権限が与えられる。政府関係者が「何でもできる条文」と指摘する強力な規定だ。
政府はこれを活用し、当初3キロ圏内だった避難指示を20キロ圏内まで拡大し、立ち入りを禁止できる「警戒区域」も設定した。ただ、前例のない事態に円滑な対応ができず、事故当初は、地元自治体に事前連絡をしないまま政府方針を発表する不手際が続き、地元の不満と不信をあおった。首長の一人は「住民の問い合わせに答えられなかった」と憤る。
結局、政府が住民避難を巡る福島県側との調整を本格化させたのは、福山哲郎官房副長官らが福島入りした4月10日以降。事態を憂慮した片山善博総務相は、12日の記者会見で「より丁寧に市町村に接してほしい」と苦言を呈し、連日官邸入りして枝野幸男官房長官らに善処を求めた。原発対応に当たる松下忠洋副経済産業相も、菅直人首相を含めた地元入りを訴えた。
これを受け、首相が21日に福島県を視察して原発被災者を見舞ったが、「私らは怒りでいっぱいだ」などの厳しい反応が相次いだ。首相は視察後、記者団に「改めてもっと被災者の立場に立って考えねばならないと痛感した」と語ったが、政務三役の一人は「官邸は原発被災者の心が分かっていない」と嘆いた。【影山哲也】
福島第1原発:避難先探し、難航 計画区域指定
福島第1原発:浪江町など「計画的避難区域」指定
記者の目:全村避難求められる福島県飯舘村=関雄輔
福島第1原発:警戒区域設定、避難の8万人切実
福島第1原発:警戒区域、22日午前0時から…20キロ圏
毎日新聞 2011年4月23日 東京朝刊
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