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福島第一原発のコアな作業員が、二百人程度になってしまっているという情報。
2011-04-22 00:43:15 |
福島第一原発の兵站の問題は再三再四、書いています。なぜ書き続けているのかというと、答えは簡単です。この兵站が続かなければ、事態はどこまで悪化するのか皆目検討がつきません。とにかく一定程度の被曝を引き受けることも含めて、請け負う人々がいないと、どうにもならない状況になります。具体的な作業をどのように行うのかということが、ポイントです。産業医の情報も、メディアにも出ていますが、作業員の肉体的かつ精神的なストレスは、尋常ではありませんし、一ヶ月以上経っていますから、緊張感が続くかどうかも、微妙だと思います。なかなか厳しい状態だと思います。ただし、ここが続かないと、被害は今のレベルではとどまらないからです。
この上、 入ってきた話は、現場の状況は、コアな作業をおこなうのが二百人程度しか作業員が現在いないという情報でした。例えば、外国から作業員をもってこないとどうにもならないという話です。これは、高濃度の線量の環境下で作業をしなければならない中で労働者がどういう状況なのかと言う懸念を持つ状態です。労働者の数が足りないと作業は厳しくなってきます。作業員と言っても単純作業ばかりではありませんから、分かっている人がいないとなんともできません。海外ですと、いろんな発電所ごとに中身が違うのをトレーニングして、対応できるようなスキルのシステムもありますが、日本の原発は、相互にこうした状態でもありません。作業する人員の状態についても、京大の小出先生とも話しました。
小出先生は「木下さん、予想の範囲内と僕は思いますよ。廃液処理の装置をアレバが請け負ったと言っていることはご存知ですよね。あれも、日本で技術的に処理ができないと言うことでは無いんですよ。それよりも、物理的に日本では現場労働者確保できない状態になりつつあるんですよ。恐らくフランスやアメリカから、作業員をもってきてなんとかしようとしているのですね。同じことですが、間に合うのかどうかという事だけではないんですかね。僕は間に合うことを希望しますが」と。「この事態は予想通りですが、できることが、どこまでで、間に合うかどうかです。」
九州大学の吉岡副学長にも伺いましたが、吉岡先生は「外国のアレバやGEなんかに、コストは無視してお願いするしかないんでしょう。人間も含めて、物理的にいろんな手が入らないと、なんともならない状態なんだと思いますよ。恐らく数千人単位で人を入れないと、本当に止めることは難しいですから、桁が違う。昔なら、若い人に赤紙が来たものですが、今回は年寄りに赤紙がこないといけないレベルですね。志願者をつのる作業はもっと大切になっていると思います。そうした人の配置をなぜはやくやろうとできていないのか、これは東京電力単体の問題と考えるレベルでは、既になくなっている気がします」と。
「木下さん、ここ数日の報道を見ても、原子炉建屋の中はものすごい被曝環境でしょう。ハッキリ言って、そんなところで作業ができるのかと思いますね。責任をどうもつのか。このままの体制では、ジリ貧になっていくだけだと私は思います。人的には、一ヶ月も、もたない感じがしますね。恐らく、水さえ流せば、とりあえずは、今は持つという対応が全てでしょう。なんのアクシデントや嫌な進展が無ければともかく過ごせますけれども、そうした進展がおきてきたら、どうにもならないですよ。これは、怖いなあ。」
「まあ、工程を見ていてもコンクリートの下をふさぐと言うのは技術的にはかなり無理がある話です。東京電力と政府の虚勢というか、意味のない漫画を見ている気がしますよ。笑ってはいけないけど、笑うしかないような現実ですね。この体制で、どうやって収束できるのか、コアな作業員の数が限られてきているのであれば、事態は難しいと私は思います。でも、ほんとに暗い話ばかりだなあ」と。
東電の内部事情に詳しい人は、「でも木下さん、もしかすると今、できる作業が少ないから、人もこのくらいで回せるのかもしれませんよ。外部に何かを構築する資材も、大掛かりには届いていないし、できることが限定的ではないですか。原子炉建屋の中に瓦礫があった。手作業でこの瓦礫はとても片付けられない。だから、外回りとタービン建屋などでの作業になる。それに、放射線管理がきびしいから、人員も、午前二時間、午後二、三時間、入れて出してが限界。ポンプ周りの対応も含めて、たぶん人海戦術でやる作業が今の時点はない気がします。だからこの人数でも回っている気がします。やることはあるのですけれども、できることは、今は少ないのが現実なのかもしれません。ただし、これから何かはじめるとなったら、今の数倍は人員が必要になりますけど。まあ、何もかも後手後手なんですよね。」
僕の友人で、福島第一原発の仕事もしていたメーカーの技術者は「原子炉建屋の配電盤のパネルが飴の様にまがっているのを見ても、建屋のなかの損壊は、僕の想像を超えていた。ここから、どうやって再度、作り直すのかは、本当に難しい作業になるなあ。ただ、多くの作業員が中でできることが本当に今は無くて、事態の推移を見守るしか実際にはないのかもしれない。東京電力というよりも、原子炉のことは結局はメーカーで、東芝と日立がやる方法論を、東京電力と協議して進めるだけ。こんなに線量が高くて、状態がひどいと、なんとかこれがおさまってくるまで、始められることも始められないという感じではないかなあ」と。
もう一つ、問い合わせの多い、福島県内の学校の問題です。官邸の内部スタッフから聞いた話では、現地の幼稚園、小学校では、父兄から相当な話が来ている状態になっていて、ある意味では、パニックになりかねないようなニュアンスを感じていると言うことです。まず、年間二十ミリシーベルトを容認するということの安全性について、具体的な根拠が明示されないままで、子どもを通わせることへの不信感が現地で聞かれるようになっているということです。「木下君、こんなのではどうしようもない気がする。安全性についての当局の担保がない。このままでは、いられないんじゃないか。限界とも思う」と。
こどもばかりではありません。若い世代にもシビアな話は迫ります。福島大学が学校の再開を当局としてごり押ししようとしていることについて、憂慮している教員が多数いらっしゃって、相談が舞い込んできていると聞きました。その専門家は、年間で、放射線量の外部被曝を10ミリまで認めたら、三千人の学生がいたら、将来1.5人の死が増えることを許容しなければならなくなるし、さらに内部被曝まで考慮に入れると、数人が死が増える事を容認しなければならないと。そんなことを文部科学省は強要してきていると言う話です。再開に反対することが許されないと言う構造にされると、いったい人間は何を優先して生きていくべきなのかという判断を迫られているという事態がおきているということです。
吉岡先生に言わせれば、空間線量が毎時3.8マイクロシーベルトという判断は、桁が違うレベルではないかと言うことです。こんな数字を容認したら、子どもに何がおきるのかは全くわからないし、国が基準としている、ICRPでも緊急時に年間1から20ミリシーベルトを許容するだけであって、極力1に近づけていくのが望ましいと言うことのはずなのにということです。もちろん緊急が長期間、続くと言う想定ではありませんが、今回は本当に長期間続く事故になっています。日本国がこれまでの技術立国、先進国としての矜持があれば、被曝量を多くさせない施策をとるはずであって、信じられない話だとも。「チェルノブイリのことを考えると、福島から退去したい人にはお金を出して退去を促す政策があってもよいのになあ」と。チェルノブイリの時にできていたことが、レベル7でも日本では為されない事もあるということです。
「問題がない」という政府側の専門家の見解を信じて大丈夫であるとは僕には思えません。事がおきた場合、一体だれが責任を負うのか。チェルノブイリについて書かれた数冊の書籍でも読めば、当初情報が開示されず、様々なことが起きたプロセスが書かれています。日本政府の対応と当時のソ連の対応とが本質的に違うかどうかは、何冊か、例えば「チェルノブイリ極秘」(平凡社)などを読むと、当局が情報の隠蔽に終始し、巨額の賠償を恐れ、不透明な現実があったことが明示されます。もちろん、社会主義国と民主主義国家の違いはありますから、日本にはあてはまらないと言うことは当然あろうかと思います。ただし、今回、福島第一原発で起きているような現実と、同じようなことは、チェルノブイリでしかありません。意図的に隠蔽をしようとしていなくても、全ての事実を全面的にオープンにしようとしたり、様々な危険を回避するべく、できる限りの想定をして調べ続ける作業が、今の政府に果たして行われているのかは、僕は疑問です。こうしたことを、「政府が言うから科学的」と判断する人々の感覚は、僕にはよくわかりません。先ほど、あげた書籍のストーリーの中に、今、僕たちのいる世界とストーリーと似たような話があるのですから。
「追記」
母乳について、広範囲で調べるべきではないかということについて、政府は会見では、はっきりした返事をしていないという事です。この数字だから、大丈夫なとど判断する前に、広範囲でおきている状況を政府が責任を持って調べるよう我々が声を上げるべきです。原発周辺は当然のことですが、関東圏も含めて調べるべきでしょう。隠蔽でなくても、やらないことで、情報が出てこないというのが、現在の政府の実態と思います。見過ごす訳にはいきません。
原発周辺、母乳調査へ 枝野官房長官が方針(朝日新聞) - goo ニュース
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2011042105460.html
また、女優の田中好子さんが亡くなりました。彼女の代表作は映画「黒い雨」。内部被曝におびえる若い女性を好演していました。この映画も井伏鱒二の小説も、この時代の中で、もう一度、見直すものになっています。ご冥福をおいのりいたします。
「キャンディーズ」田中好子さん、乳がんで死去(読売新聞) - goo ニュース
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/entertainment/20110421-567-OYT1T01006.html
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