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■電力の需給状況
計画停電が実施された当初、筆者は、他の電力会社からの融通を唱えたが、そのような態勢が整っていないのである。マスコミはこれを東日本と西日本の電気の周波数が異なるからといった説明をしていた。しかし、これは周波数などの技術的な問題ではなく、電力各社がやる気がなく設備の設置を怠ってきた結果であると筆者は指摘した。
テレビ東京系のWBS(ワールドビジネスサテライト)という番組で、この問題を取上げていた。ここで専門家に「変換所の建設に3〜6千億円という莫大な費用が掛かり、これは火力発電所建設費用に匹敵する」という明らかな嘘の説明をさせていた。実際の変換所を内側・外側から映していたが、発電所に比べはるかに簡素なものである。
変電所が火力発電所と同じくらい建設費用がかかるなんて誰も信じないであろう。火力発電所は、発電用タービンだけでなくLNGや石油の受入れ施設が必要であり、海に面した広い用地が必要である。さらに環境アセスメントなども大変で、建設には10年はかかるであろう。一方、変換所はどこでも良く、山奥の国有地に建設することもできる。
この番組は「電力の融通は無理ですね」という言葉で締めくくられた。つまりこのレポートは、電力会社間で電力の融通ができないといった異常な状態を追認することが目的であった。筆者は、テレビ局はこの番組でとんだ情報操作をやっていると憤った。
そこまで明らかな嘘の説明を行っていた専門家が、よほど良心が痛んだのか「既存の変換所の設備増設なら安くつく」と付加えていた。
・・・現時点における実際の需給状況が分らない。このデータを持っているのは東電だけである。そこで東電が、テレビで常時(あるいは随時)、この電力の需給状況モニターを流せば良いと考える。個々の電力ユーザは、それを見ることによって例えば90%を越えたら冷房を緩め、あるいは95%を越えたら冷房を切るといった節電行動を取ることができる。
■放射線汚染物質の処理
福島第一原発の事故発生から一ヶ月・・ある原子力の専門家が「福島の原発事故は、2号機と3号機が3月の21日頃、1号機は25日頃それぞれ山を越した」と言っている。
圧力容器の内圧と圧力容器の温度を見る限り、2号機と3号機は落着いた状態という説明も納得できる。2号機と3号機は冷却水もスムーズに入っているようであり、圧力容器の温度も比較的低くなっている。つまり原子炉に限って、依然比較的高い反応が続いているのは1号機だけということになる。
ただ2号機と3号機の格納容器の圧力が外気圧とほとんど同じということは、格納容器が壊れていることを示す。つまり壊れた格納容器を通して放射性物質が外部に放出されたのである。特に水素爆発によって2号機の圧力抑制室が壊れ、3月15日から16日にかけて大量の放射性物質が放出されたのは事実である。また3号機の格納容器もどこかにか破損があり、放射性物質がある程度漏洩しているようである。
ところで格納容器に大量の放射性物質が発生するのはおかしいので、当然、これらは圧力容器から流れてきたものと見られる。つまり壊れるはずがないと言われていた圧力容器のどこかが破損しているのである。一番怪しいのは制御棒の出入り口のようである。
このように圧力容器や格納容器が壊れ放射性物質を放出させた2号機と3号機が安定に向かい、損傷の少なかった1号機が依然不安定という皮肉な経過となっている。ただし2号機と3号機の計器の一部は故障していて変な数値が出ている。つまり現時点では確定的なことまでは言えないのである。例えば最近3号機の圧力容器の温度が急に90度くらい上がったりした。これに対して保安院などは計器が故障しているからではないかと説明している。何とも頼りがない。
冒頭で「山を越えた」という原子力専門家の言葉を紹介したが、筆者は「山を越えた」と言うより山の状態がそのまま続いているという感想を持つ。例えば汚染水の処理が問題なっていて、冷却水の注入をセーブしているという話がある。また今後も大きな余震が有りうる。テレビなどのメディアの関心が薄くなっているだけであり、「山を越えた」という言葉を率直に受取ることはできない。
今やるべきことは、高い放射線を発している場所を特定し除染を行うことである。当然、汚染されたガレキや土を除去することが必要になる。ところがガレキや残土を持って行く場所が決まっていないのである。端的言えば、現在、福島原発の周辺は無政府状態に近い。(以上抜粋 )
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