104. 2011年4月24日 10:28:59: GMTgURSOUw
日刊ゲンダイはただ不安を煽っているだけである。確かに引っ越しできる人は、低線量域に引っ越ししたほうがいいでしょう。 しかし、現実問題全員が引っ越しできるわけではない。 ICRPの基準(年間20ミリシーベルト)の採用は、現時点ではまあ妥当なところでしょう。 日本の10倍の放射線量に住んでいる国は世界にもある。 @http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88 人体が放射線にさらされる事を放射線被曝(ほうしゃせんひばく)といい、人体は年間およそ2.4 mSv(世界平均)の自然放射線に常にさらされている。ごく微量の放射線では人体に影響を与えることはないが、大量の放射線は人体に有害である。特に、放射性物質を扱う環境にある人は、自分がどの程度の放射線を受けたのかを、常に厳密に管理しなくてはならない。その際に用いられる尺度の一つがシーベルトである。 放射線を短期間に全身被曝した場合の致死線量は、5%致死線量が2 Sv、50%致死線量 (LD50) が4 Sv、100%致死線量が7 Svと言われている。200 mSv以下の被曝では、急性の臨床的症状は認められないとされるが、長期的な影響については議論があり、また、低線量の被曝についても健康被害が生じたとして訴訟が起きている[1]。 放射線被曝の例 [編集]年間被曝量の例と1回あたりの被曝量の例を示す. 実効線量(mSv) 内訳 0.05 原子力発電所の事業所境界での1年間の線量。 0.1 - 0.3 1回の胸部X線撮影。 0.2 東京とニューヨーク間を航空機で1往復(高度での宇宙線増加)。 1.0 一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度(ICRPの勧告)。#被曝の対策を参照。 放射線業務につく人(放射線業務従事者)(妊娠中の女子に限る)が妊娠を知ったときから出産までにさらされてよい放射線の限度。 1.2 1日1.5箱のタバコを吸う喫煙者と同居する人が、副流煙から受ける年間の線量[2]。 1.5 1年間に自然環境から1人が受ける放射線の日本平均。 2.0 放射線業務従事者(妊娠中の女子に限る)が妊娠を知ったときから出産までにさらされてよい腹部表面の放射線の限度。 2.4 1年間に自然環境から1人が受ける自然放射線の世界平均(宇宙0.4、大地0.5、ラドン1.2、食物0.3の合計)。 4 1回の胃のX線撮影(2011年3月19日以前のバージョンでは「胃のX集団検診 - 0.6mSv/回」という説もある)。 5 放射線業務従事者(妊娠可能な女子に限る)が法定の3か月間にさらされてよい放射線の限度。 6.9 1回のCTスキャン 7 - 20 X線CTによる撮像。 10 日本国原子力安全委員会の指針では一般人の「屋内退避」 ブラジル・ガラパリで1年間に自然環境から1人が受ける自然放射線。 13 - 60 1日1.5箱のタバコを吸う喫煙者の年間の線量(タバコの葉に含まれるラジウム226、鉛210、ポロニウム210等からの放射線)[2][3]。 50 電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が1年間にさらされてよい放射線の限度。 日本国原子力安全委員会の指針では一般人の「避難」 自衛隊・消防・警察(妊娠可能な女子を除く)が1年間にさらされてよい放射線の限度。 100 人間の健康に影響が出ると証明されている放射線量の最低値(これ以下の放射線量についての健康被害は長期的なものを含めて、一部に論争はあるが、証明はされていない)。 電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が法定の5年間にさらされてよい放射線の限度。 電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が1回の緊急作業[4]でさらされてよい放射線の限度。 250 福島第一原子力発電所事故での緊急作業従事者に限って適用されている被曝線量上限。 白血球の減少。(一度にまとめて受けた場合、以下同じ) 500 リンパ球の減少。 国際放射線防護委員会による人命救助を例外とする上限。 1,000 急性放射線障害。悪心(吐き気)、嘔吐など。水晶体混濁。 2,000 出血、脱毛など。5%の人が死亡する。 3,000 - 5,000 50%の人が死亡する(人体局所の被曝については3,000 : 脱毛、4,000 : 永久不妊、5,000 : 白内障、皮膚の紅斑)[5]。 7,000 - 10,000 99%の人が死亡する。ただし、頭部や胴体ではなく手足のみに被曝をした場合は、手足の機能に障害(熱傷等)が出る。 10,001以上 放射線の人体に対する影響は、被曝した体の部分などにより異なる。上記の表ではX線撮影、X線CTおよび注記されているもの以外は全身に対するものである。 X線検査の数値は調査年代(検査装置の性能)や報告(調査対象となった医療機関による使用方法)によってばらつきがあるため、目安である。 放射線の線量限度には、自然放射線被曝と自己の診療に関わる医療被曝は含まれない[6]。 なお、一度に大きな線量を被曝した場合の線量単位にはシーベルトではなくグレイが用いられるが、X線とガンマ線による被曝に関しては数値に違いがない。 Ahttp://smc-japan.org/?p=1355 李玲華(り・りょんふぁ)博士 ドイツ・ダルムシュタット、重イオン研究所、生物物理部(聞き手・再構成:SMC) 被ばく量の計算の仕方:はじめに どれくらい被ばくしたかを計算する方法について、何件か問い合わせを受けました。 計算の仕方は単純なので、以下に例を挙げておきます。 1. モニタリングポストの数値から計算する方法 自分が、どれだけの放射線を受けたか、各地で計測されている放射線モニタリングの数値から計算、外部被ばくによる放射線量を推定する方法についてです注1。 【注1】 計算するときは、マイクロシーベルトとミリシーベルトの換算を間違えないようにして下さい。 1 ミリシーベルト(mSv) = 1000 マイクロシーベルト(μSV) 逆に言えば、 1 マイクロシーベルト(μSv) = 0.001 ミリシーベルト(mSv) です。ここで計算を間違えると、3けたも違ってしまい、慌てることになります! 1)まずは自分の住む近所で観測された、放射線モニタリングの結果を調べて下さい。 (例えばこのSMCサイトの「全国の公的機関における放射線モニタリング情報リンク」から調べられます) 2)次に、線量率を調べてください。線量率の単位は毎時マイクログレイ、 マイクログレイ/時、microgray per hour, μGy/hour, μGy/h などと表記されます(一部の機関ではマイクロシーベルト/時などで記述しているところもあります)。 いまは1 シーベルト = 1 グレイと考えてもらって差し支えありません。 3)線量率に(被ばくした)時間をかけあわせる事によって合計の線量を求めます。 例えばこの稿の執筆時までに、東京都で測定された線量率で一番高かったのは、3月15日の0.1 μGy/h(一日の平均値)でした。3月15日の一日に東京で受けた合計線量は:0.1(毎時マイクログレイ)x 24(時間)= 2.4 マイクログレイ = 約2.4マイクロシーベルト(μSv) と見積もる事が出来ます。(瞬間的な最大値ではなく、平均値から計算するように気をつけてください) 3月15日以降は線量率が下がり、3月18日から20日にかけて一時間毎の線量率平均値が0.04から0.05 μGy/h の間を上下しました。この場合18-20日の間の一日で浴びた放射線量は(多めに見積もって0.05として): 0.05 (毎時マイクログレイ) x 24 (時間) = 1.2 マイクログレイ = 約1.2 マイクロシーベルト(μSv) となります。今回の事故以前の測定では、東京において0.03-0.08 μSv/hの値で線量率が推移している(東京都のサイトより)ので、今回の事故が無くても、東京の人々は同程度の線量を被ばくしています。 このように:3月15日の合計線量 + 3月16日の合計線量 + 3月17日の合計線量 + … と足し算をしていく事により、ある一定の期間に受けた線量を計算する事が出来ます。 さて、事故が収束に向かえば、線量率は徐々に環境放射線レベル(普通の状態で浴びている放射線のレベル。東京では0.03-0.08 μSv/hで推移しています)へ下がっていくはずです。 しかし、仮にこの先一年間の線量率が常に平年の倍以上、0.12 毎時マイクロシーベルト(μSv/h) だったとすると、その一年で被ばくする線量は:0.12 (毎時マイクロシーベルト) x 24 (時間) x 365(日) = 約1051 マイクロシーベルト(μSv)= 1.051 ミリシーベルト(mSv) 小数点一桁で四捨五入して、1.1 ミリシーベルトになります。 ちなみに、通常の東京における環境放射線レベルを、約0.05 毎時マイクロシーベルト(μSv/h)と考えて計算すると、通常の年でも:0.05 (毎時マイクロシーベルト) x 24 (時間) x 365(日) = 438 マイクロシーベルト = 0.438 ミリシーベルトは浴びている計算になります。(ちなみに、東京は日本の中でも環境放射線レベルが「低い」地域です。例えばこちらのKEK提供情報をご覧下さい) さて、この「モニタリングポストの数値から計算できる被ばく線量」の他にも、空気中に存在するラドンを吸いこむことによる内部被ばくや、食物注2、一年で約0.8 ミリシーベルト(mSv)の放射線を受けています。 【注2】 放射能汚染されていない食物にもカリウム40などの放射性物質が含まれています。従って、線量計を農作物にあてて測定すれば何かしらの数字が出てくるのは当然の事であり、これのみによって「放射能汚染がある」とするのは間違いです。線量率が顕著に高い場合、セシウム137やヨウ素131などの放射性物質を同定し、それぞれの放射能の強さを測る必要があります。 従って、上の条件で、一年間に受ける被ばく線量は1.1 + 0.8 = 1.9 ミリシーベルトと見積もる事が出来ます。 環境放射線の量は世界各地で異なり、年間1ミリシーベルト以下から10ミリシーベルト程度まで様々ですが、被ばく量の世界平均は、2.4 ミリシーベルト(mSv)です。(国連科学委員会報告、2000年) この数字と比較すれば、上記の計算結果は「どこか違う町へ引っ越した」と言えるレベルであることはおわかりいただけるかと思います。 2.放射性物質を含む飲食物の摂取による内部ひばくの線量を計算する方法 上記のように、モニタリングされている線量率から外部被ばくによる放射線量を見積もる事が出来ます。外部被ばくは放射線を受けるのが一過性であるのに対し、内部被ばくは放射性物質が体内に取り込まれると放射線の被ばくが継続します。「内部被ばく」と聞くと特殊なことのようですが、先に述べた通り、私たちは普通の生活のなかでも内部被ばくしています。 内部被ばくによってどれだけの線量を受ける事になるかは、様々な因子について考慮しなければなりませんが、基本的には摂取した放射性物質の量(Bq)に線量計数(Sv/Bq)という数字をかけあわせる事により放射線量を推定、算出する事ができます。 コメント欄で質問いただきました線量計数(実効線量計数)は「内部被ばくによってどれだけの放射線量を体内で受ける事になるのか」を計算するために用いられる係数です。単位はSv/Bqで、Bq(ベクレル)は一秒あたりに崩壊(=放射線を発生)する原子数の事です。線量計数は、次のような物理学的、化学的、生物学的な因子を考慮に入れて放射性核種ごとに定められています((1) ICRP Publ 68 (1994), (2) ICRP Publ 72 (1995)。 たとえばこちら:http://www.remnet.jp.cache.yimg.jp/lecture/b05_01/4_1.html やこちらhttp://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040214/01.gif で主な核種の線量計数が紹介されています)。 実行線量係数を定めるにあたって考慮されている因子は次の通りです: •半減期(物理的半減期) •放出される放射線の種類 •放射性物質の化学形 •摂取方法(吸入、経口) •摂取者の年齢 •各臓器への分布や代謝、排泄(生物学的半減期) •各臓器組織の放射線感受性 ここで得られた値は預託実効線量といい、成人の場合は放射性物質を摂取時から50年間の、子供の場合は摂取時から70歳まで積算した線量です。従って、この線量は放射性物質を体内に取り込んだ後ですぐに被ばくする線量ではなく、数十年にわたって受ける事になる放射線の合計線量です。しかしながら、半減期の短いヨウ素131などは摂取後数十日でほとんどの線量を受ける事になります。 内部被ばくの線量を見積もるには、空気中に浮遊している放射性物質の吸引や、飲食などによって摂取するすべての放射性物質について見積もられるべきです。今回、ここでは以下のような簡便化した式を用いて、放射性核種を含むものを飲食した場合どれだけの線量を受ける事になるのかを、ヨウ素131を例として示したいと思います。 預託実効線量 (μSv) = 実効線量係数 (μSv/Bq) x 放射性核種摂取量 (Bq) 表1にヨウ素131を経口摂取する場合の実効線量計数を示しました。係数は年齢ごとに異なる値が定められていますが、これは年齢によってヨウ素の(主に甲状腺への)集積、代謝、排出などが違ってくるためです。年齢による実効線量計数の違いは核種によって異なってきますが、例としてセシウム137の計数も合わせて紹介しておきます。また、母親から乳児への授乳によるヨウ素の移行についてですが、母体の摂取したヨウ素の1/4程度が母乳へ分泌されると考えられています注3。 【注3】 参考資料は次の通り: ・日本産科婦人科学会「水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内」 (PDF, 2011/3/24) ・原子力安全委員会「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」(PDF, 平成14年4月) ※前者の方が一般向けです。 表1:ヨウ素131とセシウム137を経口摂取した場合の実効線量係数 摂取者の年齢(歳) ヨウ素131 実効線量係数(μSv/Bq) セシウム137 実効線量係数(μSv/Bq) 0-1 0.18 0.021 1-2 0.18 0.012 2-7 0.10 0.0096 7-12 0.052 0.010 12-17 0.034 0.013 17歳以上 0.022 0.013 飲料水や牛乳などの日本でのヨウ素131の基準値は成人で300 Bq/kg、乳児では100 Bq/kgで、この基準値を超えるものは出来るだけ飲食を控えるように勧められています。この基準値の水道水を成人は一日に2リットル (=kg) 、乳児は一日1リットル飲んだとします。 成人の場合は 0.022 (μSv/Bq) x 300 (Bq/kg) x 2 (kg) = 13.2 μSv 0-2歳の子供の場合は 0.18 (μSv/Bq) x 100 (Bq/kg) x 1 (kg) = 18 μSv の線量を摂取後に受ける事になります。 この数値の水を100日間飲み続けたとすると合計線量はそれぞれ1320 μSv = 1.32 mSv、1800 μSv = 1.8 mSv となり一年で浴びる自然放射線の量と同程度になります。 この基準値は、長期間にわたって放射性物質を含む飲食物を摂取する事になった場合を想定して算出された値です(原子力安全委員会「原子力施設等の防衛対策について」(PDF) 平成15年7月改訂)。したがって、この基準値の水を数ヶ月にわたって飲み続けたとしても、ただちに人体への影響が出る事はありませんし、子供が甲状腺がんになるリスクが顕著に高くなるものでもありません。 被ばくに関する不安を感じている方々の中には、ストレス性の症状を訴える方が多くいらっしゃる様です。精神的ストレスによる不定愁訴(胸焼けやむかつき等)や身体症状はあり得る症状ですが、現状の環境汚染による放射線の被ばくでは、熱や腫れ痛みその他の身体症状が出る事はありません。 また、一日で被ばくした線量がたとえ数ミリシーベルトだったとしても悲観する必要はありません。ご周知の通り、同程度の放射線量はCTなどの医療検査で受けるもので、すぐに健康に支障の出る線量ではありません。重要なのは、環境放射線やラドンの吸入、医療行為や今回の事故などによって、一年なり一生の間に合計でどれだけの線量を受けたかという事です。通常の生活を送る人ががんになるリスク約30 %に、被ばくした合計線量に応じて放射線が原因でがんになるリスクが追加して増加すると考えられています。詳しくは先のコメントをご覧ください。 以上、参考になりましたら幸いです。 参考文献 (1) ICRP, 1994. Dose Coefficients for Intakes of Radionuclides by Workers. ICRP Publication 68. Ann. ICRP 24 (4). (2) ICRP, 1995. Age-dependent Doses to the Members of the Public from Intake of Radionuclides – Part 5 Compilation of Ingestion and Inhalation Coefficients. ICRP Publication 72. Ann. ICRP 26 (1). |