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2010年7月14日
実験始まる洋上浮体風力 日本の海洋エネルギー期待の星か
金子憲治、花澤裕二、半沢智(日経エコロジー)
瀧本大輔、山根小雪、小瀧真理子(日経ビジネス)
日本は世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を持つ海洋国家。豊富な海洋エネルギーのうち、最もポテンシャルが高いと目されているのが洋上浮体風力発電だ。
その地理的特性から海洋エネルギーを積極的に開発し、有効利用することは、日本が低炭素社会に移行する上で欠かせない条件といえる。海洋エネルギーのうち、最も開発が進んでいるのが洋上風力発電だ。
洋上風力は着床式と浮体式に分かれる。着床式は深さ50m程度までの比較的浅い海底に風車を固定するタイプ、浮体式は50〜200m程度の海に風車を浮かべるタイプだ。
英国をはじめとする欧州では既に着床式が実用化され、大規模洋上ウインドファームが誕生している。だが、日本での開発はまだこれから。東京電力が千葉県銚子沖で2000kW級の着床式の実験を、今年から始めることがようやく決まったばかりだ。
中長期的に見ると、日本で最も可能性があるのは浮体式。東京大学の鈴木英之教授は、「日本近海は海底が急に深くなるため、浮体式の開発が重要になる」と言う。日本風力発電協会の試算では、洋上風力の導入可能量6800万kWのうち、浮体式が3900万kWを占める。これは原子炉30〜40基分に相当する。発電コストは太陽光より安いとみられている。
既にノルウェーでは2000kW級の浮体式の実証実験を2009年夏に始めており、日本はここでも「周回遅れ」。だが、ここに来て開発に動きが出てきた。模型による室内実験の段階は終わり、いよいよ実海域での実証段階に入ってきたのだ。
漁業との複合基地にも
京都大学の宇都宮智昭准教授は昨年、佐世保重工業などと共同でスパー型と呼ばれる浮体式風力発電の実験を実施した。スパー型とは電柱のような細長い浮体を釣りの浮きのように縦に海面に浮かべ、その上に風車を載せる方式。ノルウェーで稼働中の実証機もスパー型である。
京大の実験では2000kW級の風車を想定し、その10分の1サイズの浮体を製作。佐世保港内に1kWの風車を載せて浮かべ、施工法や安定性、発電性能を確認した。次のステップとして、2分の1の浮体に100kW級風車を載せて沖合いに設置する実証実験を2011年に実施したいという。
九州大学の経塚雄策教授のグループは、六角形の浮体を複数連結させ、日本独自の「風レンズ風車」を搭載する案を研究中。25分の1模型による実験データを基に、直径60mの鋼鉄製の六角形浮体に100kWの風車を2基載せる実証機を計画中だ。
六角形浮体の内水面を魚の養殖いけすに使ったり、浮体の外縁に波力発電装置を備えたりするなど、複合的な海洋エネルギー基地としての活用を目指す。風レンズ風車は九大発のベンチャー企業が独自に研究を進めており、通常の風車の2倍以上の発電能力を持つという。
三井造船が研究するのは、海底油田の採掘などで実績がある緊張係留型浮体(TLP)。半潜水型浮体をスチールパイプなどのテンドン(垂直緊張係留ライン)で海底基礎につなぐもので、特に安定性に優れる。三井造船は概念設計を進めており、既に2400kW級を終了。次は5000kW級に取り掛かる段階だ。
こうした状況を受け、環境省は浮体式洋上風力の実証実験を2010〜15年度に実施する計画で、参加企業・大学を6月にも公募する。欧州などのように十分な公的支援があれば、日本でも実用化に向けて開発が一気に加速しそうだ。
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