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日本公開天文台協会はこのほど、夏の電力不足対策として提唱されているサマータイム導入に反対する声明を発表した。節電効果には疑問が多く、むしろ社会的なデメリットが多いと指摘している。
2011年04月20日 11時53分 更新
各地の公開天文台で構成する「日本公開天文台」はこのほど、夏の電力不足対策として提唱されているサマータイム導入に反対する声明を発表した。サマータイムの節電効果には「有効性の確証にあたり考慮が必要な要素が多い」としている。
声明では、
(1)年に2度の時刻の書き換えを要し、会社、家庭、公共機関等に配置されている時計、コンピュータ、GPSその他の機器の時刻の書き換えには、その前後で多くの人的作業が発生する。時間の変更に伴う設定や仕様の変更は広範囲に及ぶことが多く、膨大な作業とそのための電力消費を伴うことが予測されるが、この点の評価が存在しないようだ
(2)日本睡眠学会・サマータイム制度に関する特別委員会では、睡眠覚醒リズムが混乱し健康を害する可能性と、日本人の文化とライフスタイルの特性から、睡眠時間の短縮を危惧している。後者は電力消費の増加をもたらすものとして懸念されるが、この点の評価はまだのようだ
(3)こうした要素は、人的、物的に疲弊している被災地では特に大きな問題になるだろう。災害復興への悪影響が懸念される
──と、「『時制』を強制的に変えることによるデメリットであり、どれをとっても社会的に大きな負の要素となることが懸念される」として反対している。
節電目的であれば、フレックスタイム制の拡充や生活時間のシフトなどのほうが社会や生産活動に大きな負荷がかかりにくく、柔軟な対応が可能になると提案している。
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