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中国の原発ビジネスもあまり期待できないかもしれない
本来、資本主義の次であるはずの共産主義が後進国でしか生き延びられなかったように
最先端技術の原発も同じ運命だとしたら皮肉な話だ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5871
中国人が自国の原発を信用しない理由
政府は「中国の原発は大丈夫」と連呼しているが
2011.04.18(Mon) 姫田 小夏
福島第一原発の爆発事故が起こって以来、中国政府は「中国の原発は安全だ」と声高に叫ぶようになった。しかし、過半数の国民はそれを信じてはいない。
地下鉄の駅構内で、枝野官房長官の発言を食い入るように見る上海市民
中国の「環球網」が行ったネット調査では、こんな結果が明らかになった(4月8日時点)。「中国の原発の安全性を信用しますか」との問いに、全体 の65%(3857票)が「信じない」と回答した。また、「内陸での原発建設に賛成しますか」という質問には、63%(3724票)が「反対」と答えた。
中国では現在、13基の原発が稼働中であり、1000万キロワットを発電している。そして25基が建設中であり、さらに政府が批准した原発は34基。これらを合わせると6465万キロワットの発電量となる。
中国は、2020年までには7000万キロワットを発電し、原発の占める総電力量の割合を現在の2%程度から7%に引き上げたいとしている。
「世界一のCO2排出国」という汚名を着せられた中国にとって、CO2排出量を抑えつつ将来的な電力需要を満たせるのが原子力発電である。
中国政府は福島第一原発の事故を受けて「新たな原発計画の審査・承認を一時中止する」としたものの、原発推進という方向性に変わりはない。学識経験者らも、「開発のスピードは落ちるだろうが、原発以外に選択肢はない」という見方だ。
連日叫ばれる「中国の原発は大丈夫」
今、中国では「中国の原発は大丈夫だ」の大合唱が連日のように繰り広げられている。新聞、雑誌でもインターネットでも、目にするのは以下のような一本調子のアナウンスだ。
「中国の技術は先進的だ」「中国の原発に問題が起きるわけがない」「そもそも中国の原発は、地震が起きる場所にはない」
しかし、「本当にそうだろうか」と首をかしげる中国国民も実は少なくない。
「中国政府が原発建設の批准を遅らせたことに焦りを感じた利権者が、力の限り『中国は大丈夫だ』と連呼しているのだ」と見る向きもある。専門家も、「目標到達を急ぐあまり、安全性はもとより、人材育成と管理面にしわ寄せが来るに違いない」と危惧する。
現在、中国では原子力発電所の 発電量が爆発的に増加している。2007年に原子力による発電量は660万キロワットだったが、2020年には4000万キロワットに増量することが目標 とされた。最近は、それが上方修正されたらしく、政府の発展計画には「2020年に7000万キロワット」という目標が出てくるようになった。
中国のメディアは、「2015年には4000万キロワット、2020年には8600万キロワットに達するだろう」と、原子力による発電量は目標を上回る勢いで増えていくだろうと見ている。中国政府の批准を待つ原発は、さらに110基もあるという。
原発事故が起きるとすれば「人災」によるもの
「この業界は明らかなオーバースピードで膨張し、原子力発電所の安全な建設と運行を脅かすのではないか」――。中国核安全局の李干杰局長も、2009年4月時点でこう指摘している。
中でも危ぶまれるのが原子力発電所の施工現場だ。
中国の建設現場では、作業を下請けに出すやり方が問題になっている。ずばり言えば、「丸投げ」だ。中国の建築法は、資格のない業者への下請けと丸投げを禁止しているのだが、業者は馬耳東風。丸投げがもたらす事故は枚挙にいとまがない。
その1つを挙げるならば、2010年11月15日に起きた上海のマンション大火災だ。53人の犠牲者を出したこのマンション火災は、外壁に組んだ足場の防護ネットに溶接の火花が引火したことが原因で発生した。
そもそもこの工事は上海市静安区建設総公司が請け負い、上海佳芸建築装飾工程公司に改修作業の一部を下請けに出したものだった。ところが、上海佳芸はさらにそこから2つの会社に丸投げしたのである。
丸投げすれば、管理監督が行き届かなくなる。また、請け負った側にとってはもともと予算に乏しい仕事である。そこから利益をひねり出すには「安全だ、クオリティーだ」などとは言っていられない。「質を問わない施工」になってしまうのは当然だろう。
現地紙「東方早報」(3月28日付)には「死士」という新しい中国語が登場。決死で事故と闘う苛酷な原子力発電所の作業現場が、現実味を帯びて中国人に迫った。
丸投げは日本のゼネコンなどでも散見されるが、品質基準の維持など順法意識という点で中国の建設現場はとうてい日本に及ばない。
つまり、中国の専門家が恐れるのは技術うんぬんではなく、むしろ原子力発電所の建設現場のモラルハザードにある。将来、中国で原発事故が起こるとすれば、それはきっと「人災」によるものだろうと見ているのだ。
技術監察員や安全検査員といった、原子力発電所の検査を行う専門人材もまだまだ足りない。中国政府はここ数年、人材育成のために大幅に予算を増加した。中国核安全局のウェブサイトには、わざわざ「人材資質」というコーナーが設けられ、人材育成が待ったなしの状況にあることがうかがい知れる。
また、中国の原子力発電所には「汚職」もつきまとう。中国核工業集団公司の前総経理は、原発建設の入札を巡る職権乱用で660万元(約8580万円)の収賄が発覚し、2009年11月に無期懲役を言い渡された。
中国の原発は技術以前に、まず、それを支える人間に問題が生じそうだ。
「中国製」「中国の独自技術」の不安
もちろん、技術面でも不安要因はある。
中国の原発は、国産設備の割合がどんどん高まっている。稼働中の原発13基には、ロシア製、フランス製、カナダ製に加えて中国製が3基ある。12基目、13基目は、設計、建設、管理、運転をすべて中国企業が行うという「オール国産」化を実現した。
「東方早報」には、福島原発の現場で働く作業員を描く漫画も掲載された。「東方早報」(3月28日付)紙面より
中国独自の技術開発も進められている。国家核電技術公司の孫漢虹副総経理は、現地メディアに対し、「中国が知的財産権を持つ新型炉『CAP1400』の設計と開発が進行中だ。すでに主要なコンセプトは出来上がった」と語っている。
しかし、「中国製」「中国の独自技術」が「安全・安心」の裏付けにならないことは言うまでもない。
1994年に運転を開始した深セン市の大亜湾原発は、2010年5月に過去最悪の事故を起こした。2号機に異常が発生し、燃料棒が露出。放射性物質の拡散が軽微ではあるが確認された。
従来、フランスが納入した燃料棒を使っていたものを、途中から中国製の軍用燃料棒に交換したことが事故の原因と見られている。燃料棒を交換してから安全性はずっと疑問視されていた。事故を起こした2号機はすでに10年以上運転されていた。だが検査が行われておらず、上半期だけでも異常や停電などが複数回発生していたという。
当時の報道は、こう指摘していた。「電力会社は『一度運転を止めて検査を行うべきだ』との専門家の意見に耳を貸さず、『制御可能』の一点張りだ。いったん停止すれば1日当たり200万元の電力料金の損失になることを恐れたのだ。今回の事故発生にはこうした背景がある」
また、記者らは、取材もままならなかった。取材を申し込んでも、電力会社は「忙しい」の一言で一蹴した。
検査体制の不備に加えて、政府および中国企業のこうした情報の隠蔽体質も、原発の安全性を確保する上では大きなリスクとなるだろう。
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