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原発文化人の罪-ビートたけし氏「地震起きたら原発へ逃げるのが一番安全」、勝間和代氏の朝生発言{すくらむ - BLOGOS(ブロゴス) - livedoor ニュース}
http://news.livedoor.com/article/detail/5496376/
福島原発事故の問題をテーマに先月放送されたテレビ朝日の「朝まで生テレビ」は、出演者があまりにひどい顔ぶれだったので観ませんでした。ツイッターなどネット上で飛び交っている番組の感想をチェックすると、案の定、原発擁護発言のオンパレードだったようで、番組全体の評価をネット上で読んだ表現でまとめると、福島原発事故は「いい教訓になった」、「どういうリスクがあるかやっと分かった」などと発言する「原発産業御用文化人」による「全体が人の痛みがわからない地獄のような放送」だったということです。
ツイッターなどネット上では、とりわけ勝間和代さんの発言が大きくクローズアップされ、YouTubeには「歴史に残る朝生」などと銘打たれた番組ハイライトがアップされています。それで一昨日には、とうとう勝間和代さん本人が「お詫び」の文章を発表するまでに至っています。しかし、この「お詫び」はあまり評価できないと私は思っています。私はYouTubeで朝生のハイライト映像を観ただけなので、番組全体について批判する資格はありませんが、ハイライト映像の中での勝間和代さんの問題発言は要約すると以下になります。(※YouTubeにアップされている朝生ハイライト映像はいろんな編集パターンがあり一様ではないこと御了承ください)
「放射性物質が実際よりかなり怖いと思われていることに問題があるのではないか」
「放射線がちょっと増えただけだけなので問題はないのではないか」
「プルトニウムは、特に大きな危険はないはずだ」
「チェルノブイリの事故で小児甲状腺ガンは顕著に10倍ぐらい増えたが、それ以外の病気はクリアに見えてこない」
「今回の福島原発事故は、むしろマネジメントの問題だ」
上記の勝間和代さんの発言こそ問題だと私は思いますが、勝間さん本人の「お詫び」の文章の一部は以下です。
「私が、事故後のコメントにおいて、過去のデータや科学的根拠ばかりを強調したあまり、多くの方々が感じている将来への不安や精神的なダメージやに対する配慮を欠くコメントをしてしまったこと、また、不愉快と思われる発言を行ったことについて、重ねて深くお詫び申し上げます。」
勝間さんは、ようは不安を感じている人への配慮が足りなかったことのみを「お詫び」しているだけで、自分の発言は「過去のデータや科学的根拠」に基づくものだと相変わらず主張しているわけです。
【画像】
勝間和代さん言うところの「科学的根拠」に対して1点だけ紹介しておきます。上のグラフは、今中哲二編『チェルノブイリ事故による放射能災害――国際共同研究報告書』(技術と人間、1998年)の219ページ「ベラルーシの青年・大人の甲状腺ガン」に掲載されているものです。(※このグラフは、「ペガサス・ブログ版」の「チェルノブイリ事故後の甲状腺ガン」からお借りしたものです)
ジャーナリストの川端幹人さんが「金と権力で隠される東電の闇――マスコミ支配の実態と御用メディア&文化人の大罪」(『別冊宝島』1752号、2011年5月12日発行) と題した記事の中で、「原子力・電力業界がメディアに流している金は、年間2,000億円に迫る。現在、広告出稿量第1位のパナソニックが771億円、強大な広告圧力でメディアから恐れられているトヨタが507億円だから、この金額がいかに大きいものであるかがよくわかるだろう」と指摘しています。
川端さんのツイートもとても興味深いのでいくつか紹介しておきます。(※川端さんのツイッターアカウントは、riversidecry です)
勝間和代もそうだけど、原発PRに関わった文化人やタレントはその後、本気で「安全」と言い出すケースが多い。それは高いギャラを払うだけじゃなくて、推進派の学者や天下り法人の研究者に丁寧に「ご説明」をさせて洗脳するから。(4/13)
東電が芸能人より評論家、ジャーナリストを積極的に起用するのは、つまり社会的な影響力を持つ彼らを洗脳して、安全神話を拡散させるのが狙いなんですね。(4/13)
電力・原子力業界は広告をばらまいただけじゃない。原発批判報道に露骨に圧力をかけてきた。2008年にはMBSから広告引き上げ。2009年にNHKが「原発解体」という番組を放映した際には、日本原子力技術協会や日本原子力文化振興財団など原子力団体が執拗な抗議活動を展開した。(4/12)
独占企業の電力会社がなせこんな巨額の広告をばらまいているのか。その理由を改めて考えるべき。総務部が主導して金で問題を封じ込めようとするその手法は商法改正前のブラック企業と同じ。広告をもらっているメディアもやってることは、総会屋と何ら変わりはない。(4/10)
(※川端さんのツイートにある「2008年にはMBSから広告引き上げ」のきっかけとなった番組は、「なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・“異端”の研究者たち」で、京大の今中哲二さんや小出裕章さんら「熊取6人組」を取り上げたものですが、この問題については、今度紹介するエントリーをあげたいと思っています)
『別冊宝島』の記事の最後で、川端さんは、これまで様々な問題を起こしてきた電力会社が、原発利権構造の中にメディアも取り込み、メディアを支配し、国民的な批判の広がりを封じ込めてきた事例を紹介しながら、「しかも、実際にこのやり方で批判を封じ込めることができたため、この傾向はどんどんエスカレートしていった。その結果、安全対策のコストをカットしても、政治家や総会屋、メディア対策に金をつぎ込め、という空気が社内を支配するようになった。つまり、メディアはたんに原発の安全性チェックをスポイルしただけでなく、それをコントロールする電力会社の危険な体質も助長してきた。二重の意味で国民の安全を危機にさらしてきたのである。今後、福島原発の危機は確実に長期化するだろう。そして、そのまま電力会社からの金が止まれば、メディアのタブーが減退し、東電に対して、手のひらを返したような激しいバッシングが始まる可能性もある。だが、そういう動きが起きたとしても、私たちはこの国のメディアがやったことを決して忘れてはならない。彼らこそが世界をパニックに陥れた最悪の『人災』の、まぎれもない共犯者なのである。」と結んでいます。
一昨日発行された『週刊金曜日』(2011年4月15日、843号)では、「電力会社に群がる原発文化人の罪」を特集
しています。特集の巻頭で、佐信さんが「電力会社に群がった原発文化人25人への論告求刑」を書いています。原発文化人25人の中に、勝間和代さんも当然入っているわけですが、全部ブログに書くと『週刊金曜日』の営業妨害になるので、ビートたけし(北野武)さんの発言を紹介した一部だけ以下紹介しておきます。(※『週刊金曜日』の特集記事には、「原発文化人25人への緊急アンケート」や「電力会社が利用した文化人ブラックリスト」、上杉隆さんの「東京電力・電事連がもたらす『大本営発表』――TBSラジオを降ろされた真相」など興味深い記事が掲載されていますので、ぜひ購読ください)
▼『週刊金曜日』(2011年4月15日、843号)
佐信「電力会社に群がった原発文化人25人への論告求刑」(15〜16ページ)
お笑いタレントとは言え、震災による原発爆発後のいま読むと笑えないのがたかしの発言。
『新潮45』の2010年6月号で、原子力委員会の近藤駿介(東京大名誉教授)と対談して、トンデモ暴言を連発している。
「おいらは大学も工学部ですから、原子力関係の話は大好きなんですよ。今日は新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の中を見学させてもらったのだけど、面白くて仕方がなかった」
こう切り出したたけしは、こんなことを言う。
「原子力発電を批判するような人たちは、すぐに『もし地震が起きて原子炉が壊れたらどうなるんだ』とか言うじゃないですか。ということは、逆に原子力発電所としては、地震が起きても大丈夫なように、他の施設以上に気を使っているはず。だから、地震が起きたら、本当はここへ逃げるのが一番安全だったりする(笑)。でも、新しい技術に対しては『危険だ』と叫ぶ、オオカミ少年のほうがマスコミ的にはウケがいい」
本当にその方が「ウケがいい」かどうか、たけしも一度試してみればよかった。原子力発電所に逃げるのが一番安全なら、たけしはいまこそ、福島の原発に逃げ込んだらいいだろう。
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