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原発による放射能汚染を政府機関が過小評価するのは、原発行政を危険を隠して進めてきたことを認めているからであり、かつ、対策の取りようもないものだから、危険そのものを無いものにしようとしているのである。冬の渇いた田畑の土壌下15cmの土をとって、放射性物質は水溶性だから地下でも濃度が変わらないなどと平気で嘘をつけるのは、健康被害が懸念される地域が膨大にあると暗に認めているに等しい。(汚染地域が少なければ、嘘などつく必要がないのだから)
東電が必要以上に想定外と繰り返すのは、危険が警告されてきたにも関わらずフェイルセーフ対策を打たなかった運営上の責任を認めているからである。そして、格納容器が壊れているという事実(1号機が水素爆発する前にセシウムが検出されたことからも明らか)を無視して水棺にこだわるのも、間もなく巨大な余震が来て、「想定外の余震で破壊が広がった」という言い訳ができるという「楽観的な観測」があるからであろう。技術に自信があるからでは、ない。
そもそも、すでに膨大な量の水を注水してなお、原子炉の水位があがらない。つまり、圧力容器にせよその付属する配管の類にせよ、穴が空いていて、しかも内部圧力が高いものだから、そこから注水された水が噴き出している。そして、その水には粉末状の核燃料を含んでいる可能性が高い。また、格納容器なり、どこぞの配管なりに穴が空いており、そこから原子炉から吹き出た、高濃度の放射性物質を含む水が染み出して、大地を汚染している。染み出した汚染水は、地下で「濾過」されて、低濃度の汚染水となって、凹みにたまるなり、海に流れ出るなりしている。
地震が起きた直後、海水を注入するという報道を聞いて、原子力事故を調査した経験のあるものは恐らく、格納容器を海水で満たすものと思った。ところが、そうではなかった。そのときにすでに、ははぁ、格納容器も壊れているのだなと確信した技術者は少なくないだろう。だから、とりあえず原子炉の温度を下げることを優先したのだな、と。
そして、原子炉にスズや鉛を導入しろというアドバイスが、あちこちから囁かれた。格納容器の防水性が絶望的な状況で、水を注ぐということがいかにナンセンスか、理解していれば当然の忠告である。
現状の対策を続ければ、たしかに再臨界を伴うメルトダウンには至らないという政府の説明は正しいかもしれない(とりあえず、ここではそういうことにしておく)。しかし、すでに地下に流出したであろう汚染物質を除いてなお、「破局事故に至ったチェルノブイリの数割」程度の放射性物質が流出していることは事実である。このまま注水を続ければ、実質的に破局事故に至るのと同程度の、いやそれ以上の汚染をきたすことになる。事実から目を背けてはいけない。
地下水汚染の恐ろしさは、これから徐々に明らかになる。その恐怖のために、大きな余震が来るまで水棺にこだわっているのであれば、もうこのへんでゲロッておいた方が楽になるだろうよ。
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