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2011⁄04⁄18(月) 09:01
今日も東京新聞の先日の記事を取り上げたい。
今日は少し前の二つの記事を紹介したい。
一つはいつものように「東京新聞の特報記事」で元GEの原発技術者の建設現場でのトンデモない事実と、もう一つは「Financial Times」に掲載された浜岡原発に関するものを「JB PRESS」から転載させていただいた。
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●福島原発の実態 元技術者が語る ずさんな建設現場 被ばく労働あった
東京新聞『こちら特報部』(2011年4月14日)
原子炉格納容器の鉄板が作業員の立ち小便で腐食する。補修工事では、放射能まみれの原子炉内壁を人が水洗い−。「原発が最先端の技術で造られているというのは真っ赤なウソ」。かつて東京電力福島第一原発6号機などの建設に携わった元技術者の菊地洋一氏(69)=宮崎県串間市在住=は今、「反原発」行脚を続けている。現場にいた技術者でなければ知り得ない驚くべき実態を語った。(佐藤圭)
「いつ、どこで起こるかは分からないが、必ずシビアアクシデント(過酷事故)は起こる。それが、たまたま福島だったということ」。菊地氏は串間市の自宅で、電源喪失から制御不能に陥った福島第一原発事故を冷静に受け止める。
生まれは東日本大震災の津波で壊滅的状態となった岩手県釜石市。大学卒業後、建築コンサルタント業を営んでいたが、知人から「原子力の平和利用に力を貸してほしい」と請われ、一九七三年、米ゼネラル・エレクトリック社(GE)の原発関連会社に入社した。
八〇年に退職するまでの約七年間、福島第一原発6号機(福島県双葉町、定期点検中)と、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県東海村)の建設を担当した。
福島第一原発などは沸騰水型軽水炉で設計はGE、施工は「国産化」を目指して日本の原発メーカーなどが担った。菊地氏は企画工程管理者として全体を統括し、期限までに完成させる役目だった。
原発建設に当時、四年を要した。東海は丸四年間、福島には最後の一年間だけかかわった。「原子力の技術は全然確立されていなかった。とにかくハチャメチャだった」
ともに図面の変更は日常茶飯事だったという。「実際の工事では図面通りにならないことばかり。十数回も書き直すのは珍しくなかった」。時には強引な施工方法で図面とのつじつまを合わせた。6号機は追加工事で六十億円もかかった。
現場もずさんだった。作業員の立ち小便は6号機建設の際、原子炉格納容器の底の部分で常態化していた。格納容器上部にあるトイレまで上がっていくのが面倒だったからだ。「厳重に塗装することにしたが、小便が原因でさびるとは言えなかった」
未熟な作業員も少なくなく、「自信がない」と不安げにつぶやく若い溶接工もいた。「職人根性がある人ばかりとは限らない。一日の仕事を終えて早く帰りたいだけの人がたくさんいた」現場の業者が、工事ミスをメーカーや東電側に伝えることはほとんどない。本当のことを言えば煙たがられ、次から使ってもらえないからだ。当然、過酷事故につながりかねない欠陥は放置される。
菊地氏自身、6号機で重大な欠陥を見つけた。水や蒸気が流れる配管で、検査用の穴をふさぐ栓が内側に最大一・八センチも飛び出していたのだ。
出っ張りがあると流れが乱れ、配管が削られて薄くなっていく。場合によっては突然、配管が折れる「ギロチン破断」しかねない。品質管理責任者に報告したが、結局、「安全性に問題なし」とされた。「私が発見するまで誰も気が付かなかった。絶対にやってはいけないことが平然と行われていた」
菊地氏は、今回事故を起こした福島第一原発の改修工事にも携わった。現場は被ばくの危険と隣り合わせだったという。
原子炉圧力容器から使用済み燃料を抜いた後、放射能まみれの圧力容器を洗浄する。作業員は、天井のクレーンにつるされた鉄のゴンドラで圧力容器内に入っていく。そこからノズルを突き出し、放射能だらけの水あかを落とす。
圧力容器の直径は約六メートル。水の反動で押し返され、ゴンドラが揺れるような感じになる。
菊地氏は、圧力容器の上部まで降りていったが、「それだけでも恐怖だった。作業員はもっと恐ろしかったと思う。被ばく労働の実態は一般には知られていない」と振り返る。
工事は、圧力容器と配管の接続部分のひび割れを補修するものだった。稼働中に震動で配管などは揺れる。心臓部のひび割れは大ごとだが、当時、マスコミで騒がれていたという記憶はない。「気が付かないでひび割れすることはよくあるということだ。ずさんな工事の実態からすれば当然かもしれない」
菊地氏は退社後、中東で石油施設の建設などに従事したが、原発が頭から離れることはなかった。「事故の夢を毎日のように見た。圧力容器につながる配管がギロチン破断し、格納容器内で暴れ回る。現場では『タコ踊り』と言っていた」
八九年の福島第二原発3号機の再循環ポンプ事故などを契機に、反原発運動に身を投じた。原発の危険性を訴えずにはいられなくなった。「国も電力会社も、原発の実態が分かっていない」
今回の事故で、原子炉の仕組みが広く知られるようになった。福島第一原発1〜6号機のうち、1〜5号機は格納容器がフラスコ状の「マークI」、菊地氏が担当した6号機は、釣り鐘状の「マークII」と呼ばれる。
福島第二原発1〜4号機(富岡町)と、柏崎刈羽原発1〜7号機(新潟県柏崎市、刈羽村)はマークIIなどだ。
マークIは容積が小さく、過酷事故の際、当初の想定よりも大きな負荷がかかることが判明。容量を一・六倍に増やした改良タイプが「マークII」だ。「マークIに比べれば、マークIIの方が確かに安全だ。それを知らずにマークIを次々と五機も造ったのは大きな間違いだった」
福島第一原発1〜3号機は事故後、ガス抜きパイプ(ベント)が開放され、放射性物質を逃がさなければならなかったが、当初は付いていなかったという。「国は『過酷事故は起こり得ない』という方針だったから、なかなかベントを取り付けようとしなかった」
ではマークIIならいいのか。「GEの設計者は過酷事故を十分考えている。『原発は安全』としか言わない日本の政府や電力会社とは大違いだ。けれども、マークIIの安全対策も気休めにすぎない。原子炉がいったん、暴走したら守ることはできないからだ。守ろうとする発想自体が間違っているし、仮に計算上、可能だったとしても、施工技術が追いつかない」
二〇〇二年から約一年間、静岡県函南町に住み、東海地震の直撃を受ける中部電力浜岡原発の即時停止を求めた。現在、串間市に居を構えているのも、九州電力の原発計画を阻止するためだ。
菊地氏は今、浜岡原発が心配で仕方がない。原子炉が『タコ踊り』する姿が目に浮かぶ。「直下型地震が発生すればひとたまりもない。関東一円も人が住めなくなる。福島以上だろう」
<デスクメモ> 東電の清水正孝社長の言動にトップたる面影はない。体調不良などで姿を見せず、出てきても説明責任を果たせない。続く難局を任せる気になれない。早く引責し、新体制で臨んだほうが心強い。首相の原発政策見直し発言も迷走。収束へと導けたら、次は首相の番だ。変わるニッポンを世界に示そう。 (呂)
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●「最も危険」とされる浜岡原発で戦いが再燃
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5825
Financial Times (JBPRESS2011.04.08)
塚本千代子さんは先月まで、つまり、黒く焦げて煙を上げる福島第一原子力発電所の原子炉建屋がテレビでお馴染みの映像になるまで、自分は自然の力が日本の原発に与え得る最悪の事態を想像してきたと思っていた。
塚本さんは過去25年間、日本の原子力産業、特に1つの発電所に対して不穏な考えを抱き、反対運動を行ってきた。その発電所とは、福島原発ではなく浜岡原発だ。福島から南へ約400キロ、静岡県内の彼女の自宅から車ですぐのところにある、福島原発と同様の年式と構造の発電所である。
浜岡原発は何年もの間、日本の反原発運動家にとって最大の敵となっていた。浜岡原発が建っている土地は大きな地震断層の中心地の真上にあるため、日本で最も危険な原子力発電所だ、というのが彼らの主張だ。
■東海地震の予想震源地の真上に建つ原発
これらの断層は、100年から150年ごとに大きな地震を引き起こしてきた。前回大地震があったのは1854年で、地震学者たちは今後30年以内にマグニチュード8以上の地震が起きる可能性が80%以上あると考えている。
日本政府の元原子力アドバイザー、石橋克彦氏は、浜岡原発は予想される東海地震の巨大な断層面の上に位置しているため、日本で「最も危険」な発電所だと話している。
「私は、地震で制御棒が抜け落ちて、手に負えない核反応を招くような事態を心配しているんです」。塚本さんはこう言う。
「原子力に反対する私のような人間ですら、福島があれほどひどく壊れるとは思っていませんでした。会社側は何度も繰り返し、安全だと言っていたのに」
最上階の展望台から5つのきれいな原子炉建屋とその先の太平洋が見渡せる、浜岡原発の明るい展示館にいると、このような不安は場違いな感じがする。
展示館の1階には、毎回ぴたりと定位置に収まる動く制御棒を備えた、沸騰水型原子炉の実物大の断面模型が置かれている。この発電所のマスコットキャラクター(ピーナツの形をし、青いモジャモジャ眉毛の黄色いマスコット)が30分ごとにモニターに現れて、原子力の原理を説明する。
塚本さんが所属する反原発団体「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」は2002年、浜岡原発の運転差し止めを求めて運営会社である中部電力を訴えた。
地裁は2007年に中部電力に有利な判決を下し、現在は控訴中だ。
静岡ネットワークの弁護士の1人、只野靖氏は、人口3万4000人の地元の街、御前崎市では原発に対する「反対が事実上全く見られなかった」と話す。
■原発によって雇用や税収のほか、一時金を得てきた御前崎市
御前崎市は、浜岡原発が生み出す雇用と税収のほかに、新たな計画が承認を必要とするたびに高額の支払いを受け取る。中部電力は1996年に、5基目の原子炉の建設許可と引き換えに御前崎市に25億円を支払ったと、市の当局者は認めている。
展示館では、50キロ離れた静岡市からやってきたオオムラ・アキヒトさん、キヨコさん夫妻が、福島原発の危機で自分たちも浜岡原発の安全性に初めて疑問を持ったと語ってくれた。「ずっと原発は安全だと信じてきましたが、正直言って心配です」。オオムラさんはこう言って、自分の兄弟は中部電力で40年間働いたと付け加える。
反原発の運動家たちは、福島原発の事故によって、地元の人が浜岡原発は安全だと断言する当局者の言葉に懐疑的になることを期待している。
浜岡の安全性に関する議論は、考えられる震源の深さや「アスペリティ」(構造プレートがぴったりとくっついた状態で特に強く圧迫されて、地震でより大きなエネルギーが解き放たれる可能性が高い領域)の推定が絡んでくるため、複雑だ。
■中部電力は地盤は硬いと言うが・・・
中部電力は、浜岡原発の真下の地盤は硬いと話しており、福島原発を水浸しにし、非常用発電機を使用不能にしたような津波(最大波は高さ14メートルだったと推定されている)から発電所を守るために、高さ12メートルの新たな防波壁を建設する計画を発表している。
一方、反対派は、地震学調査は決定的なものではなく、中部電力は土地について確信を持つことはできないと話す。彼らは、日本の原発設計者による過度に楽観的な想定の歴史を指摘する。
塚本さんは、自分の所属する団体の運動が浜岡原発の最も古い原子炉2基を廃炉にするという2009年の中部電力の決断に貢献したと考えている。一方、中部電力は、廃炉の理由は経済的なものだったと言う。問題の原子炉は古すぎて、安全性を高めるための高額な改修に見合わないというのだ。
福島原発の非常事態が始まってから、中部電力は、浜岡原発の6号機建設の着工時期を2016年まで1年間遅らせると発表した。だが、反対派は、もっと大きな一撃を加えるチャンスだと見ている。
左派の社民党は、浜岡原発を直ちに停止するよう求めてきたし、塚本さんは、今回の原発危機が、静岡ネットワークの控訴審を手掛け、来年判決を下す可能性のある東京高裁に影響を与えると考えている。「福島原発は強力な証拠になるでしょう」と塚本さんは言う。
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(参 照)
●元GE技術者・菊地洋一さん講演
http://www.stop-hamaoka.com/kikuchi/kikuchi2.html
●心からの叫び!元原発技術者菊地洋一さん中部電力靜岡支店で訴えた
http://www.youtube.com/watch?v=gNWVljrvl3o&feature=youtu.be
●浜岡原発止めたら、電気は足りなくなるの?心配ご無用!電気は余る程あります。
http://nukewaste.net/denryoku.html
●1-5原発の土台がいかに弱いか
http://www.youtube.com/watch?v=Db4FXEU_ZBc&feature=related
●2011年3月29日菊地洋一さん講演記録in静岡
http://www.youtube.com/watch?v=Rbj-vPouRxg
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