http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/368.html
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不良セメント使用と言う内部告発と福島・浜岡原発 平成16年、つまり、今から7年も前だが、静岡県の生コン業者から福島第一、第二原発及び浜岡原発建設に関わるセメントでアルカリ骨材反応が出るものを納入したと言う内部告発がされている。それに関して、共産党の吉井議員が国会で質問をし、また、質問主意書の提出をしている。それに対して、当時の総理大臣小泉純一郎名で回答がされている。それぞれ、この記事の最後に引用をしてある。 アルカリ骨材反応は簡単に言うと、コンクリートが内部からひび割れてぼろぼろになって行く反応のことだ。だから、当然耐震性は極端に悪くなる。国会審議では事実としてそういったセメントが使用されたことを認めている。しかし、検査の結果、特に異状なしとしているのだ。(この議事録では浜岡原発の検査結果しか述べられていない。東京電力が福島の原発についても検査した結果、異状なしだったと言うプレスリリースをこの記事の最後に引用してある。) このことに関して、幾つか注意するべきことがある。 1.このアルカリ骨材反応につていの内部告発は、原発反対運動をしている人々の間でかなりインターネット上での話題になり、特に浜岡原発の危険性に危機感を抱いている人々はとても関心を持ったものだった。 2.このことに関し、国会で取り上げている議員は共産党の吉井英勝氏だけであることだ。原子力導入を実質的に進めた自民党議員からは一切質問はされていないし、他の議員からの質問もされていないようだ。http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index.htm , http://www.sangiin.go.jp/ で衆議院、参議院の議事録検索ができるので皆さん確認していただきたい。「アルカリ骨材反応 内部告発」で引くと、衆議院では吉井英勝氏関連の資料が3件ヒットし、参議院では何もヒットしない。 3.仮に、格納容器でアルカリ骨材反応が起こっていた場合、格納容器を取り換える必要がある。しかし、このことは、実質的に原子炉の廃炉と新規建設をするに等しい。そして、建て替えは非常に金がかかる。数千億円という金がかかることなので、それを避けた可能性がかなり高い。つまり、「異常なし」という検査結果は事実ではない可能性がある。 4.アルカリ骨材反応はそれが現れるまでに10年とかそれ以上の時間がかかる。少しずつ反応が進むため、実際にひび割れなどが生じるまでには非常に長期間の時間がかかるのだ。福島第一原発1号炉は1971年に、2号炉は1974年、3号炉は1976年にそれぞれ営業運転開始だから、平成16年(2004年)にはまだ最長で33年しか経過していず、アルカリ骨材反応の影響がコンクリートの表面から観察できるほど深刻化していなかった可能性もある。実際、東京電力の検査報告書 ( http://www.tepco.co.jp/cc/press/04102203-j.html )によると「定期的な目視による点検、コンクリートコアの抜き取りによる強度試験等により、コンクリートの健全性が確保されていることを確認」とある。原子炉格納容器について「コンクリートコアの抜き取り強度検査」が行われたとは思えないので、単に目視による検査だけが行われた可能性が強い。 今回の東北地方太平洋沖地震で福島原発があまりひどく揺れたようには思えない。ただ、原発の各所で計測した最大加速度の発表は1週間以上遅れたようだ。また、原子炉のいろいろなところから水漏れが起こっているのは確実であり、原子炉建屋内へ水漏れが起こっているのだから、格納容器のコンクリートが壊れている可能性もある。その原因がこの記事で触れたアルカリ骨材反応である可能性もある。 ここでも問題になってくるのが、安全性評価を誰が行うかという問題だ。東電が実際の検査を行い、原子炉安全保安院が書類審査だけをしているのが現状であり、それでいいのかということだ。問題の程度にもよるのだろうが、電力会社ではない第3者が検査を実施して安全性を評価する必要があり、場合によっては原子力安全保安院自体がそういった検査を自らできるような力量がないとまずいのではないだろうか。 ***** http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a161016.htm より引用: 平成十六年十月十四日提出 原子力発電所で使用されているコンクリートのアルカリ骨材反応に関する質問主意書 原子力発電所で使用されているコンクリートのアルカリ骨材反応に関する質問主意書 二〇〇四年七月二十七日に原子力安全保安院に対して行われた「中部電力浜岡原発四号機の基礎及び建築建屋全般について使用されているコンクリートのアルカリ骨材反応」についての内部告発、及び八月十二日に行われた「東京電力福島第一、第二原子力発電所の基礎及び建築建屋全般について使用されているコンクリートのアルカリ骨材反応」についての内部告発が、指摘の通りの事実であれば、原発の安全性を揺るがす重大な問題になる。 平成十六年十一月二十六日受領 内閣衆質一六一第一六号 衆議院議長 河野洋平 殿 衆議院議員吉井英勝君提出原子力発電所で使用されているコンクリートのアルカリ骨材反応に関する質問に対する答弁書 (一)について http://www.tepco.co.jp/cc/press/04102203-j.html より引用: 福島第一ならびに福島第二原子力発電所のコンクリート用骨材に関する調査結果等について 平成16年10月22日 当社は、福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の建設時に使用されたコンクリート用骨材を納入した事業者が、骨材の品質を保証するアルカリ骨材反応(注)性試験(以下「試験」という)の成績書をねつ造し危険性のある材料を納入していた、という趣旨の報道があったことを受け、これまで事実関係を調査してまいりましたが、以下のとおり調査結果等をとりまとめ、本日、原子力安全・保安院に報告いたしましたのでお知らせいたします。 2.調査結果 しかしながら、この調査の過程で、骨材会社の株式会社東洋機工(以下「東洋機工」という)が以下の不適切な行為を行っていたことが判明しました。 3.コンクリートの健全性 4.今後の原子力発電所の対応 なお、今後も引き続き、計画的な点検および試験を実施し、コンクリートの健全性を確認していく所存です。 以 上 注:アルカリ骨材反応 添付資料 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<522>>
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000216120041029003.htm?OpenDocument より一部引用:
○吉井委員 (一部略)
次に、科学技術の関係ですが、少し時間が詰まってまいりました。
ことし七月二十七日に、保安院に対して、中部電力浜岡原発四号機の基礎及び建築建屋全般について使用されているコンクリートのアル骨反応についての内部告発がありました。八月十二日には、東京電力の福島第一と、それから福島第二原発についても、同様の内部告発がありました。
私は、十月十四日に既に政府に質問主意書を出しておりますが、中部電力は、十月十二日に試験成績書の改ざん、試験サンプルのすりかえという不正行為を確認したという発表がありました。東京電力も、十月二十二日に、福島第一原発についてはデータ改ざんがあったということを発表しております。
そこで、私はきょうは、質問主意書の回答をまだもらっていない段階ですから先に聞いておきたいんですが、福島第二原発についてはまだ明らかになっていないんですが、それを含めて、告発の事実がそのとおりであったのかどうか、これを保安院の方から報告を求めたいと思います。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
個別の申告案件につきましては、原子炉等規制法に基づきまして申告制度を設けております趣旨にかんがみまして、その有無を含めましてお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
ただ、本件につきましては、今御指摘ございましたとおり、中部電力浜岡原子力発電所四号機の建設時にコンクリート骨材を納入しておりました会社の元従業員が、砂利の品質を保証するアルカリ骨材反応性試験の成績書を偽造したと保安院に対して内部告発をしたとの報道がございました。また、別の報道によりますと、同じ人物が、福島の原子力発電所においても同様のことが行われていたということを聞いたと保安院に対して内部告発したとされております。
原子力安全・保安院といたしましては、これらの報道を重く受けとめまして、中部電力及び東京電力に対しまして、事実関係を調査するよう指示をいたしました。今委員御指摘のとおり、中部電力からは十月の十二日、東京電力からは十月の二十二日に報告が出ております。
中部電力からの報告によりますと、浜岡四号機におきまして、一部の骨材納入業者により、アルカリ骨材反応性試験の成績書の改ざん、試験サンプルのすりかえというのが行われたことは事実との報告でございました。
また、東京電力からは、一部の骨材納入業者によりアルカリ骨材反応性試験成績書のねつ造が行われていたということは事実だという報告がございました。
ただ、いずれの場合におきましても、アルカリ骨材反応によるコンクリートの有害なひび割れというものは認められていないという報告も、あわせて出されているところでございます。
当院といたしましては、こうした報告内容の精査を行うとともに、十月の十四、十五、二日間かけまして、コンクリートの専門家の先生にも参加をお願いいたしまして、浜岡の発電所の現地調査を実施いたしました。また、福島の第一、第二の発電所に対しましても、近く現地調査を実施することとしております。
私どもとしましては、これらの調査結果を踏まえまして、これらの原子力発電所におきます建物、構築物のコンクリートの健全性というものをきちんと確認をしてまいりたいと思っております。
○吉井委員 私、原子力安全委員長代理にも来ていただいておりますので、伺っておきたいと思います。
原子力安全委員会というのは、原子炉設置のときに申請図書を審査して、そして要するに許可するわけですね。そのときに、強度がこれだけあるというのが前提なんですね。その強度が崩れてしまうと、それは原発の健全性そのものに問題が出てきます。
アル骨反応が起こると、コンクリート内部で膨張が起こって、コンクリート建造物を局所的あるいはかなり大きく破壊するということにもつながり、まさに原発の安全性を揺るがす大きな問題になります。ですから、建設当時のコンクリートの配合表を調べて、アルカリ骨材反応が起きるか否かの専門的評価がやはりこの場合は必要になると思うんです。
まず、とりあえず保安院の方が行かれるというのも大事なんですけれども、やはりそういう専門的評価を現地へ行って、外から見てすぐわかるような話じゃありませんから、安全委員会としても原発の健全性を確認する、その指示をしておられるのかどうか。そしてまた、そのためにもコアの採取などをやって調査をするようにという指示を出すべきじゃないかと思うんですが、この点について、この二点、お伺いしたいと思います。
○鈴木参考人 お答え申し上げます。
まず、そのようなアルカリ骨材反応が起きる可能性に対することと、耐震安全性の問題でございますが、これにつきましては、基本的に、先生がおっしゃるように、そういう反応が深刻に進展してまいりますと、耐震安全性の観点からも、これをよく吟味しなきゃいけないということだと思います。
まず、安全委員会の役割について、私の理解しているところを申し上げたいんですが、安全委員会におきましては……(吉井委員「安全委員会の役割はもうわかっていますから」と呼ぶ)そうですか。
耐震安全性についてですね。そのような材料の健全性も含めまして、コンクリート構造物については、基本設計段階で、私どもが決めている耐震安全性に係る要求を満たすように、そういうことを事業者に求め、また、それについての事業者の考え方を確認している、こういう立場でございます。
その後、具体的に物を詳細設計し、その詳細設計の図面に従ってこれを製造し、建設し、そういう具体的な工事が始まるわけですが、今問題になっていますことは、その工事の段階だというふうに理解しております。個々の細かい点につきましては、これはもちろん技術的な適合性の観点からこれをきちんと見ていかなきゃいけないんですが、これについては、原子力安全委員会は、今の仕組みですと、直接その点には関与しておりません。
したがって、こういうことが明らかになったところで、安全委員会は実際何をすべきか、耐震安全性についてはどう思うのか、そういうお尋ねではないかと理解いたしましたが、これについては、まず第一に事実関係を調べることで、データの改ざん等があったかどうかということはもちろん大事でありますが、まず何よりも安全性の観点から現状において問題がないかどうかということを確認することが大事であります。
その点につきましては、安全委員会の方では、中部電力の浜岡については十月の十八日の月曜日だったと思います、それから、東京電力につきましては十月の二十五日の月曜日、安全委員会の場で保安院の方から、先ほど院長からお話がありましたが、その点についての報告を受け、今後の取り組みについても伺って、それで、今後さらに精査した結果をまた私どもの方に報告いただいて、それに基づいて、安全委員会として必要な勧告をしたい、こう考えております。
○吉井委員 ありがとうございました。
済みません、ちょっと大臣に一言聞いておかぬと。
○松下委員長 時間をオーバーしておりますので、簡潔にお願いします。
○吉井委員 わかっています。はい。
それで、安全委員会の方も、この間の関電の美浜三号の事故の後は行ってはるわけですよ。ですから、その審査のとおりになっているかどうかとか、問題が起こったら必ず行かれますので、専門的にきちっとコンクリートの健全性の確認をやっていただきたいと思うんです。
大臣、柏崎原発は震度六前後でも運転継続しておったわけですが、関電美浜三号ですと、十ミリないといけない配管が一・四ミリまでなっておったとか、〇・四ミリもあったんですね。つまり、そういう配管が、地震と重なったときにどうなっていたか。あるいは、沸騰水型ですから、原発本体の事故につながってくるわけですね。ですから、もう原発の基礎や建屋のコンクリートの異常というのは原発本体と配管その他のトラブルに直結してきます。
そこで、大臣所信で原子力の安全確保に万全を期すと言われたわけですが、東海地震の震源域の真上に立つ浜岡原発を初め、日本全体が何しろ地震列島ですから、そこで、すべての原発の基礎や建屋のコンクリートの検査をこの機会に徹底して行うべきだ、コアの採取その他も含めて。それを私はやるべきだと思うんですが、大臣のお考えを伺うのを最後に質問したいと思います。
○棚橋国務大臣 吉井委員にお答えいたします。
この分野は先生大変お詳しい分野でございますので、もう私からお答え申し上げるまでもなく御承知のとおりでございますが、原子力発電所の耐震問題は、御承知のように、安全性に関する最重要課題でございますので、今お触れになったように、私も所信的なごあいさつの中で、この分野に関しては最大限の力を注いでまいりたいと申し上げたところでございます。
地震と原発の話がございますが、まず、安全審査の段階で、これは御承知のように、十分な余裕を持って設計がなされていることは、これはまた先生が一番お詳しいことでして、また、運転段階においても、特に地震の場合は、緊急に停止するように、適切に原子炉が停止できるようにこれまた配慮をされておりますので、そういったことも含めて、原子力の安全はきちんと確保をしていかなければいけないと思っております。
今先生の御質問にあったように、例えば今回のコンクリート骨材に係る問題など、鈴木委員長代理からも御答弁させていただきましたが、経済産業省が行う調査の結果も踏まえた上、私どもとしては、やはり原子力は安全確保が最重要課題であるという観点から、経済産業省の調査を踏まえた上でさらに適切に措置してまいりたいと思っております。
一部引用終わり。
*****
質問第一六号
提出者 吉井英勝
すでに中部電力は十月十二日に、浜岡原発四号機の骨材製造会社の納入したコンクリートについて、「試験成績書の改ざんや試験サンプルのすり替えという不正行為を行ったことを確認した」と発表した。
よって、以下に示す問題について政府の取り組みについて質問する。
(一) 浜岡四号機の建設時期は一九八九年から一九九〇年にかけての頃、福島第一と第二原子力発電所の建設期は一九六〇年代末から一九八〇年代中半にかけての時期であるが、それぞれの建設当時のコンクリートの配合の状況を示して、アルカリ骨材反応が起きるのか否かの専門的評価を明らかにされたい。
なお、アルカリ骨材反応は、セメント中のアルカリ量(酸化ナトリウムと酸化カリウムの合計量を酸化ナトリウムに換算した量)が、〇・六%以下なら起こらないとされている。したがって、コンクリート配合の状況については、水/セメント比、単位水量、使用したセメントの種類とセメント中のアルカリ量、製造したメーカー名と工場名、さらに粗骨材及び細骨材の採取地名とそこでの主要鉱物名をそれぞれ示されたい。
(二) 中部電力浜岡原発四号機と東京電力福島第一及び第二原発それぞれの、原発建設時に生コンを納入した業者名とその時期及び数量を明らかにして、原子炉の基礎と原子炉建屋の強度、耐久性、耐震性など原発本体の安全性にかかわる評価をどのように行っているか示されたい。
(三) コンクリートの健全性の確認のためには、コンクリートのコアを採取して、第三者を含めた専門的検討が必要と考えられる。そこで、内部告発のあった浜岡原発四号機と福島第一、第二原子力発電所の基礎及び建築建屋全般について、原子力安全保安院としてのコア採取など調査の計画を示されたい。
(四) 二〇〇〇年二月二十二日の予算委員会において、関電美浜原発三号機建設時の「しゃぶコン」と呼ばれる加水量の多いコンクリート問題について質問した。テストピースのすり替えなど強度データの偽造が行われているのではないかという問題の真偽についての調査も求めた。
この時の政府答弁では、この原発建設時の「コンクリート打設工事における品質管理につきましては、建設会社そして関西電力が、日本建築学会が定めます基準に基づきまして強度検査等を行ってきて」いるとして、通産省として使用前検査において、「関電の検査結果の記録を確認」したと答えた。
しかし、関電がコンクリートの「実構造物の強度確認を実施したことがある」が、「その結果は、設計強度を十分上回っていることを確認しているという報告を受けている」として、国が直接、検査して確認したものではないことを明らかにしていた。
すでに今年八月九日の関電美浜原発三号機事故などにより、関電が二十八年間も事故を起こした配管を検査せず、検査は下請会社に丸投げ、そして下請の検査データを関電自身が改ざんしていた(火力発電部門で発覚)という三つの重大な誤りが明らかになった。したがって、国がこの関電の「記録を確認」しても、「確認していると報告を受けて」も、コンクリートの安全性確認の保証にはならない。
二〇〇〇年二月の予算委員会では、前記の質疑を踏まえて、総ての原発について、コンクリート「打設時の強度試験が真正のテストピースで行われたものなのか」、加水しすぎた「しゃぶコンの事実はどうであったか」を徹底して調査するように求めた。
当時の通産大臣は、関電の確認結果からみて必要となれば、他の原発の確認についての可能性を否定はしないと答えた。今回、浜岡と福島の原発工事に当たって使用されたコンクリートのアルカリ骨材反応についての内部告発が行われ、浜岡で告発の事実が明らかになった段階で、改めて、すべての原発について徹底調査を行うことを検討すべきではないか。
右質問する。
引用終わり。
*****
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b161016.htm より引用:
答弁第一六号
平成十六年十一月二十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議員吉井英勝君提出原子力発電所で使用されているコンクリートのアルカリ骨材反応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
現在、原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)において、中部電力株式会社(以下「中部電力」という。)の浜岡原子力発電所並びに東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所を対象として、これらの発電所のコンクリートのアルカリ骨材反応性に係る調査を行っているところであることなどから、お尋ねの点について、現時点でお答えすることは困難である。
(二)について
お尋ねの「原発本体の安全性にかかわる評価」とは、アルカリ骨材反応性に係る評価を指すものと考えるが、(一)についてで述べたように、現在、保安院において、かかる評価を行うべく調査を行っているところであることなどから、お尋ねの点について、現時点でお答えすることは困難である。
(三)について
保安院においては、中部電力から平成十六年十月十二日に提出された浜岡原子力発電所四号機のコンクリートのアルカリ骨材反応性に係る調査報告書の内容を踏まえ、同月十四日と十五日、同発電所における現地調査を実施し、同日、中部電力に対し、保安院又は第三者の立会いのもと、同発電所のすべての原子炉に係る主要な建物及び構築物のコンクリートから試験体を採取し、長期的にアルカリ骨材反応が起こる可能性を確認するための促進膨張試験及びコンクリートの強度を確認するための圧縮強度試験を第三者に委託して早急に実施するよう指示したところである。
また、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所については、東京電力から同月二十二日に提出された両発電所のコンクリートのアルカリ骨材反応性に係る調査報告書の内容を踏まえ、保安院において、同年十一月十一日と十二日に現地調査を実施し、同日、東京電力に対し、保安院又は第三者の立会いのもと、両発電所のすべての原子炉に係る主要な建物及び構築物のコンクリートから試験体を採取し、促進膨張試験及び圧縮強度試験を第三者に委託して早急に実施するよう指示したところである。
(四)について
(一)についてで述べたとおり、現在、保安院においては、浜岡原子力発電所、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所を対象として、これらの発電所のコンクリートのアルカリ骨材反応性に係る調査を行っているところであり、他の原子力発電所のアルカリ骨材反応に対する健全性の確認については、今後、当該調査の結果を踏まえ、適切に対処してまいりたい。
引用終わり。
*****
東京電力株式会社
1.調査概要
両原子力発電所における過去の試験の実施状況や、生コンクリート会社と骨材会社が保有している試験成績書の内容確認、公的試験機関が保有している試験成績書原本との照合、関係する骨材会社等へのヒアリングなどを実施いたしました。
昭和61年以降、骨材会社は試験の実施を公的試験機関に依頼し、その結果(成績書原本)を生コンクリート製造会社へ提出し、生コンクリート製造会社は建設会社へ、建設会社は当社へ、それぞれその控えを提出するようになりました。
このような試験の実施が公的基準として整備されて公的試験機関からの試験成績書の提出が開始されたのは昭和61年以降であり、原子炉建屋やタービン建屋等の主要な建物は昭和61年以前に建設されていることから、報道されたような試験成績書がねつ造されるといった事実はありません。
昭和61年以降、両発電所において建設されたコンクリート建物・構築物のうち、電気事業法に基づく工事計画認可を受けたものは、建物が6施設、構築物が10施設ありますが、これらについて残存する成績書を可能な限り確認した結果は、いずれも「無害」である(アルカリ骨材反応を起こす可能性はない)という内容でした。
・平成7年5月から平成12年4月までの間に公的試験機関から報告を受けた試験成績書のうち、試験で「無害でない」(アルカリ骨材反応を起こす可能性がある)と判定されたものを、「無害」という内容に改ざんし提出していた。(対象は添付資料の3施設)
・昭和61年以降平成7年5月までの間は成績書が残されていないため、改ざんの可能性が否定できない。(同7施設)。
・同時期にこれらの試験用試料を採取する際に、アルカリ骨材反応が起きない場所のものを優先して採取していた。(アルカリ骨材反応が起きにくい、同一採石場から採取した試料により混合調整していたことが、聞き取りにより確認された。)
なお、上記の調査の過程で、東洋機工の骨材を使用していた広野火力発電所でも、1施設で使用されたコンクリートの骨材について、改ざんの事実があったことが確認されましたので、目視点検等を含め継続調査中です。
当社の原子力発電所のコンクリート建物・構築物については、これまで行ってきた定期的な目視による点検、コンクリートコアの抜き取りによる強度試験等により、コンクリートの健全性が確保されていることを確認しております。また、昭和61年以降、福島県内の原子力発電所において東洋機工の骨材を使用して建設された施設(添付資料参照)のうち、コンクリート製造時のアルカリ総量のデータが残っている施設については、いずれもアルカリ骨材反応を起こさない数値であることが確認されました。
さらに今回の調査と並行して、臨時の目視点検等を行いましたが、アルカリ骨材反応によるひび割れ等は確認されておりません。
以上のことから当社は、福島第一原子力発電所ならびに福島第二原子力発電所のコンクリートの健全性は確保されていると判断しました。
再発防止対策として今後は以下を徹底します。
(1) 試験成績書の原本を第三者機関から直接当社宛に送付するよう建設会社に義務づけ、当社は提出された試験成績書の原本を確認いたします。
(2) 骨材の試験サンプルを採取及び発送の際には、当社または当社が指定する第三者が立会確認を実施することといたします。また、当社は試験サンプリング採取及び発送に関する記録を保管します。
コンクリート中のアルカリ金属イオンと砂や砂利に含まれるある種の鉱物との化学反応による生成物が、水分の供給により膨張する現象。
これにより、コンクリートが膨張し、ひび割れが生じる。
・規準類整備以降の建物、構築物のコンクリートの健全性確認状況(PDF 14.4KB)
以上引用終わり。
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