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2011年04月06日
放射性物質、海底に沈殿の恐れ 仏研究所が影響予測
【パリ共同】フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は6日までに、福島第1原発から流出する高濃度の放射性物質を含む水などが海洋に与える影響予測を発表した。微粒子の形で海底に沈殿する放射性物質の危険性を指摘し、長期の監視が必要と警告。放射性物質が魚介類の体内で濃縮される可能性も指摘した。
IRSNは、海流のデータなどを基にしたコンピューターシミュレーションの結果から、放射性物質のうち海水に溶け込んだものについては水中で拡散し、海流で遠方に運ばれるため危険性が少ないと示唆。一方で、微粒子の形で海中にとどまる物質は海底に沈み、長期間汚染が続く可能性があるとした。
特にセシウム134は数年、セシウム137は約30年にわたって海中にとどまるとして「沈殿が疑われる日本の海岸地域では、長期にわたる調査が必要だ」と指摘した。
放射性物質が魚介類の体内に蓄積され濃縮される可能性については、セシウムの場合、軟体動物や海藻の濃縮率が50倍であるのに対し、魚類は400倍と危険性が高まることを指摘。放射性ヨウ素の場合は逆に、魚類で15倍だが、海藻で1万倍になるなど、物質と生物種の組み合わせで、汚染の状況が多様になるとの見解を示した。
コンブなどの褐藻類は放射性ヨウ素131に汚染されるリスクを抱えているが、この物質は半減期が短いため、重大な危険があるのは数カ月間にとどまるだろうとしている。
福島第1原発(丸印)から流出した汚染水の拡散シミュレーション図(左)と、大気中の放射性物質の海上降下による、海水の汚染シミュレーション図。4日、IRSNが発表した
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