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巨大地震が原発を襲うとき-廃絶すべき浜岡原発-(http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/msm081026.pdf)から抜粋します。
非常に重大なことが書いてありますので、じっくりと読んで、賛成だと思ったら、情報拡散願います。
★予想されていた地震
2007 年7 月16 日、新潟県中越沖地震(M6.8)が柏崎・刈羽原子力発電所を襲いました。その地震を受け、図2 原子力推進派の認識・・・容認できる?
東京電力の勝俣社長は「想像を超える地震だった」と発言しました。しかし、M6.8 の地震は決して大地震でありませんし、柏崎・刈羽原子力発電所が建設されようとした当初から、その発生を警告されていた地震でした。
柏崎・刈羽原子力発電所には現在7 基(821 万kW)の原子炉があり、世界一巨大な原子力発電所です。
その1 号機が電源開発調整審議会で認められたのは1974 年7 月のことでした。しかし、それ以前から、柏崎周辺の住民は、予定地直下に真殿坂断層が存在していること、東京電力が岩盤と言う西山層自体が劣悪であることを指摘し、柏崎・刈羽原発を「豆腐の上の原発」と呼びました。 東京電力はそうした住民の指摘を無視し、活断層はないと断定、原子炉建屋は岩盤まで掘り下げて建設するので問題ないとしました。そして、国もそれを認めて設置許可を与えたのでした。
しかし、事実は異なっていました。東京電力がこれ以上の地震は決して起きないとして想定した最大の直下地震はM6.5 であったのに、中越沖地震はM6.8 と3 倍もの大きさでした。その上、発電所敷地は全体では周辺に比べて10cm 隆起しましたし、敷地内ではあちこちで不均等に隆起や陥没を起こし、発電所敷地内は惨憺たる有様となりました。法令の定めに合わないことが分かった事象はすでに3400 件を超えています。
予想できなかった数々のトラブル
地震が起きた直後に、変圧器の一部から発火。本来は発電所の自衛消防隊が消火するはずでしたが自衛消防隊は組織できませんでした。 2 名の社員と2 名の下請け作業員が消火作業に当たろうとしましたが、消火栓配管が破断してしまっていて水は出ませんでした。 水が出なければ消火できるはずがありませんし、もともと油火災に対処するための化学消防車もありませんでした。結局、油火災で危険が伴うとの判断で、柏崎市の消防隊が到着するまで全くなす術もないまま火災の進行を傍観することになりました。ただし、当時発電所内で働いていた人々はとにかく原子炉を安全に停止させるために、次々と出る警報の下、管理区域内で苦闘していました。稼動中だった4機の原子炉のうち最後の4号機が冷態停止に至ったのは翌17 日6:54 でしたが、その時には運転員たちの中から自然に拍手が起きたと伝えられています。私には、その気持ちがよく分かります。 管理区域の外にある変圧器の火災などに対処する余裕はもともとありませんでした。
一方、破断した消火栓配管からの水は地面に溢れただけでなく、建屋の破壊箇所から管理区域内に流入し、地下5 階の放射性廃水貯留槽に流入、それを溢れさせ、地下全体に放射能汚染を広げてしまいました。その水は2000 トンに達し、現在ポンプでくみ上げて放射性廃水処理系統で処理作業を続けています。しかし、一度汚染されてしまった建屋の床や壁は、結局は下請け労働者がバケツと雑巾で掃除するしかありません。
また、7基の原発のすべての使用済み核燃料プールから水が溢れました。6号機でのそれは非管理区域へ流出し、何のチェックも受けないまま海へ放出されてしまいました。一体どうすれば管理区域から非管理区域に放射性廃水が移ることができるのか私には分かりませんでした。その後の東京電力の発表によれば、管理区域と非管理区域を分ける建屋の壁を電気ケーブルが貫通しており、それは単にシール材で漏洩を防ぐだけの構造だったと言います。おまけに、ケーブルは管理区域側で床下に空けられた配電ボックスを通っており、溢れた放射能汚染水がその配電ボックスに流入、さらに地震で損傷したシール材を通って、非管理区域に出て行ってしまったのだと言うのです。
さらに、排気筒からはヨウ素などの放射能が大気中に流出しました。そして、放射能のこのような環境への漏出を監視するためにこそインターネット上でリアルタイムに公開されてきた環境モニタリングデータは、地震直後から「調整中」なる表示に変わって全く見えなくなってしまいました。それでも、東京電力は「安全です」「環境への影響はありません」とだけ言い続けました。7 月31 日に経済産業省で開催された「第1回中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会」において、斎田英司新潟県危機管理監が「東京電力自らが『安全である』と言えば言うほど現地は不安になる」と発言したことも当然です。
管理区域内の破壊状況も少しずつ公表されてきたが、使用済み核燃料や原子炉圧力容器上蓋の移動に使うクレーンは車軸が折れていたし、使用済み核燃料の移動に使う作業架台が使用済み核燃料の上に落下していたりしていました。また、巨大構造物であるタービンの羽には多数のひびが生じていることも分かってきました。
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変圧器火災
今回の地震では、3号機の変圧器が火災を起こしました。変圧器は耐震重要度分類では重要度がもっとも低いC クラスに分類されています。そのため、変圧器の火災は原子力発電所の安全性に関して重要でないと思う人たちがいます。しかし、原子炉の破局的事故を考える場合、変圧器は極めて重要な装置です。
今回がそうであったように、原子炉停止を要する事故になった場合、制御棒を挿入して原子炉を止めようとします。そして、運よくそうできたとするとタービンも停止し、原子力発電所は発電能力を失います。しかし、原子炉を冷却し続けるためには、冷却水ポンプなどを運転し続けなければなりません。
そのためには電気が必要で、自らはすでに発電能力を失った原子力発電所は外部からの電力供給に頼るしかありません。そして、 変圧器とは受け入れた電力を所内用の適切な電圧に変換する装置です。
変圧器が動作しなくなった場合の最後の手段は非常用発電機を作動させることです.しかし、今回も、非常用発電機用の燃料タンク周辺の土地が陥没しました。燃料を送る配管が損傷する可能性もありましたし、そうなれば非常用発電機の運転も不可能になります。当然、原子炉を冷却することはできず、必然的に破局的な事故に直結します。奇しくも北海道電力泊1 号機で、2007 年9 月、2 台ある非常用発電機の両方ともが動作不能になっていることが分かりました。
かつて米国原子力規制委員会が型式の異なる5基の原子力発電所について確率論的安全評価を行いました。柏崎・刈羽原発にもっとも似た型式のGrand Gulf 原発(GE 社製、BWR-6、MarkV格納容器、121万kW)の場合、炉心損傷確率の97%、つまりほとんどすべては発電所の全停電(black out)によって引き起こされると評価されています。
設計の常識を欠如する日本の原子力推進派日本の原子力推進派の主張の中には、専門的な知識を欠いたものがあります。たとえば、石川迪夫・日本原子力技術協会理事長は「伝えられているところによると、設計で想定の地震の2 倍強の680 ガルという加速度の地震が来た。それでも原子力発電所の主要な機械設備には何の損害もなかった。原子炉は設計どおりきちんと停止した。周辺への放射線放出は微量のものを除き、なかった。原子力発電所の安全性については、期待通りの効果を発揮した、と思う」と述べました。しかし、いかなる設計でも安全余裕をとりますが、それは定量的に安全を保証できる範囲を超えるからこそ、余裕としてとるのです。
設計を超える事象が起きて、装置自体が壊れなかったとしても、それは安全の保証になるのではなく、単に幸運と思う以外ありません。それにも拘らず、壊れなかったことをもって安全の証明にするなど、およそ科学に携わる者のなすべきことでありません。
★浜岡原発は最高に危険
世界一の地震国・日本と原発
世界の原子力発電所はほとんど例外なく地震地帯を避けて建設されています。し
かし、日本は世界一の地震国で、地震から免れる場所などどこにもありません。その
日本に私たちはすでに55 基もの原子力発電所を林立させてしまいました。
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★原子力は即刻やめても困らない
原発震災から身を守る一番有効な対策は原発自身を廃絶することです。日本では現在、電
力の約30%が原子力で供給されています。そのため、ほとんどの日本人は、原子力を廃止すれば電力不足になると思っています。また、ほとんどの人は今後も必要悪として受け入れざるを得ないと思っています。そして、原子力利用に反対すると「それなら電気を使うな」と言われたりします。
しかし、発電所の設備の能力で見ると、原子力は全体の18%しかありません。その原子力が発電量では28%になっているのは、原子力発電所の稼働率だけを上げ、火力発電所のほとんどを停止させているからです。原子力発電が生み出したという電力をすべて火力発電でまかなったとしても、なお火力発電所の設備利用率は7割にしかなりません。それほど日本では発電所は余ってしまっていて、年間の平均設備利用率は5割にもならないのです。つまり、発電所の半分以上を停止させねばならないほど余っているわけです・・・・。
ただ、電気は貯めておけないので、一番たくさん使う時にあわせて発電設備を準備しておく必要がある、だからやはり原子力は必要だと国や電力会社は言います。しかし、過去の実績を調べてみれば、最大電力需要量が火力と水力発電の合計以上になったことすらほとんどありません(図6参照)。電力会社は、水力は渇水の場合には使えないとか、定期検査で使えない発電所があるなどと言って、原子力発電所を廃止すればピーク時の電気供
給が不足すると主張します。しかし、極端な電力使用のピークが生じるのは一年のうち真夏の数日、そのまた数時間のことでしかありません。かりにその時にわずかの不足が生じるというのであれば、自家発からの融通、工場の操業時間の調整、そしてクーラーの温度設定の調整などで充分乗り越えられます。今なら、私たちは何の苦痛も伴わずに原子力から足を洗うことができます。
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★危険なだけでなく、プルサーマルには経済性もない
日本には1977 年に当初計画「210 トン/年」で運転を開始した東海再処理工場があります。その再処理工場で2008 年1 月11 日までに再処理した使用済核燃料は累積で1180 トン、稼働率は20%にもなりません。現在、青森県六ヶ所村では年間800 トンの使用済燃料を処理する計画の再処理工場が試験運転に入っています。東海再処理工場がそうであったように、その工場が計画通りに運転できることなど決してありませんが、仮に計画通り40 年にわたって順調に工場が稼働したとしても、処理できる使用済核燃料は総量で3 万2000 トンです。そして、この工場の運転に必要となる再処理費とMOX 燃料加工費の合計は、国や電力会社による甘い見積もりで12 兆1900 億円です。そうすると、使用済核燃料1トン当たりの再処理費用は4 億円に達します。これ迄、日本の電力会社は英国・フランスに再処理を委託してきましたが、その費用は1 トン当たり2億円程度です。こうまでして六ヶ所再処理工場を稼働させ、さらに再処理して得られるプルトニウムと燃え残りのウラン235 の全量をMOX 燃料にリサイクルしても、できる燃料は総量でも4800tHM。その相当分にウランを購入して充てるとすれば、わずか9000 億円で済んでしまいます。1兆円に満たない利益のために、12 兆円を超える資金を投入する企業など一体どこにある
のでしょうか?
プルサーマルに経済性がないことはもともと中部電力自身が認めています(付図1−7参照)。株式会社であり、利潤が何よりも大切なはずの電力会社が、自らの利益にならないことを初めから認めているのは、その損を電力料金に上乗せできるからです。
★放射能のごみはどうするのか?
・・・・原子炉の運転に伴って「低レベル放射性廃物」が生じることを記しましたが、その廃物は現在青森県六ヶ所村に次々と埋め捨てにされています。そして、日本の国は、それが安全になるまでに300 年間管理するのだと言っています。日本で原子力発電を行って利益を得ているのは電力会社です。当然、生み出す放射能のごみに責任があるのは、電力会社のはずです。しかし、現在の九電力が生まれたのは戦後で、その歴史は未だに56 年しかありません。その電力会社が放射能のごみを300 年間管理すると保証ができる道理がありません。そこで、電力会社は放射能のごみは国の責任で管理してくれるよう求め、日本の国はそれを受け入れました。しかし、300 年と言う時間の長さはどの程度の長さなの
でしょうか?
明治維新で現在の日本の国家体制ができてからわずか140 年しかたっていません。米国など未だに230年の歴史しかありません。現在から300 年昔にさかのぼれば元禄時代、忠臣蔵討ち入りの時代です。その時代の人々が現在の私たちの社会を想像できた道理がないように、私たちが300 年後の社会を想像することなど到底できません。もちろん現在の電力会社など存在しないでしょうし、自民党という政党もないでしょう。日本の国すらないかもしれない彼方です。それにもかかわらず、生み出した放射能のごみを300 年にもわたって一体どうやって誰の責任で管理するのでしょう?
★厖大な温廃水=地球を温め続ける原発
今日100 万kW と呼ばれる原子力発電所が標準的になりましたが、その原子炉の中では300 万kW 分の熱が出ています。その300 万kW 分の熱のうちの100 万kW を電気にしているだけであって、残りの200 万kW は海に捨てています(付図2-3 参照)。私が原子力について勉強を始めた頃、当時、東大の助教授をしていた水戸巌さんが私に「『原子力発電所』と言う呼び方は正しくない。あれは正しく言うなら『海温め装置』だ」と教えてくれました。300 万kW のエネルギーを出して200 万kW は海を暖めている、残りの僅か3 分の1 を電気にしているだけなのですから、メインの仕事は海暖めです。そういうものを発電
所と呼ぶこと自体が間違いです。
その上、海を暖めるということは海から見れば実に迷惑なことです。海には海の生態系があって、そこに適したたくさんの生物が生きています。100 万kW の原子力発電所の場合、1 秒間に70 トンの海水の温度を7 度上げます。静岡県屈指の大河である大井川でも年平均の流量は1 秒間に46 トン、富士川では28トンしかありません。日本全体でも、1秒間に70 トンの流量を超える川は30 に満ちません。原子力発電所を造るということは、その敷地に忽然として暖かい川を出現させることになります。
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