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10日朝刊1面 編集委員 滝順一
東京電力福島第1原子力発電所の事故は、過去に人類が経験した米スリーマイル島や旧ソ連チェルノブイリの原発事故とはまったく違った展開を見せている。スリーマイルの炉心溶融の危機は半日。チェルノブイリは一瞬で核燃料が飛び散った。福島の危機はすでに1カ月。まだ「収束の見通しが立たない」(原子力安全・保安院)。前例のない長期の放射能汚染事故の様相を呈する。事故の初期段階の心配は、原発内部で爆発が起きて大気中に大量の放射性物質をまき散らす事態だった。その恐れは完全には消えていないが、炉心の冷却や窒素ガスの注入で、爆発は何とか回避できている。一時は50マイル(約80キロ)を退避範囲とした米原子力規制委員会も、20マイル(約32キロ)に修正した。目下の脅威は高濃度の放射性物質を含む大量の水だ。炉心を冷やすため注ぎ込んだ水が放射能を帯びて漏れ出る。原発敷地内の土壌や周辺の海を汚す。汚染がいつまで続くかわからないことが、何より深刻だ。
客観的な情勢として、最悪の事態である再臨界は震災直後の原子炉緊急停止が効いたので免れたが、炉心の冷却が上手く行ってないため、それに伴う事象が連鎖的に発生し、それらが冷却作業を妨げるという負のスパイラルに入っている、ということです。
崩壊熱で溶けた核燃料棒という焼け石に水をかけ続けて現状維持しているのが、この一ヶ月間だったわけですが、やはり火災と同じく初動の段階で一手遅れたのが致命的だったと思います。
冷却機能喪失における初動の一手とは、空焚きで高まった炉内の圧力を下げながら、どんな冷却材でもいいから炉内にぶち込むこと、即ちベント開放と海水注入であり、同時にこれは放射性物質の外部排出と廃炉を意味しています。
マニュアルにはない手段であり、法的にも社会的にも企業的にも非常に重大な責任を負う決断ですが、ここで一日を空費させています。
あとはご案内のとおり、後手後手の場当たり的対処が始まるわけで、事態に対し先手を打つことが一度たりともできず、これが長期化の主因となっています。
特に、原発事故は放射線という障害が作業の効率を下げており、他のプラント事故と比べても事態の一手先をいく必要があります。
それは東電だけの問題でなく、政府も国民もそうした正確な知識と理解が不足していましたし、今以て風説が流布されていることを考えると、こちらの方が深刻なのかなと思ってしまうのです。
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