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http://env01.cool.ne.jp/index02.htm
の記事から一部引用:
No569 (2011/04/06)
個人的許容被曝線量
今回の福島第一原発事故によって、既に九州から北海道まで程度の差はあるにしろ放射性物質による汚染が広がりました。その意味で、否応なく人工放射線と付き合って行かなければならないわけです。放射線被曝による何らかの障害の発症に対して閾値は存在しないことは既に述べたとおりです。人工放射性物質から一切の放射線を受けずに生活することは現実的には不可能です。しかし、だからと言って不用意に放射線を浴び続けて障害を受けたり寿命を縮めたくもありません。
前にも書きましたが、最終的にどの程度までのリスクを受忍するかは、自分自身の責任で決めるべきであり、他者から強制されるべきではないと考えます。そこで今回は、私自身の判断による許容被曝線量について考えてみることにします。
まず、それを判断するためには、被曝線量によってどのような障害発症の危険性があるのかを示しておきます。
(*ここに画像が入ります。http://env01.cool.ne.jp/frommanager/2011/20110406.jpg )
この表は、3月26日の槌田氏の学習会の資料として配布されたものです。
放射線を取り扱う労働者に対する緊急の限度量は表の赤線で示す急性の弱い放射線障害が現れるという100mSvという積算線量を1年間で被曝するという限度でしたが、福島第一原発事故処理においては急遽250mSvに引き上げられました。表から判るように、この線量は急性の弱い放射線障害を容認するものです。報道によるとこの値を更に引き上げることを検討しているといいます。何とひどい話でしょうか。
現在、TVや新聞報道で伝えられる放射線レベルの単位はμSv/hという単位です。つまり一時間当たりの放射線量として表されています。年間積算線量と放射線レベルの換算法を以下に示します。
1mSv/年=1000μSv/(365×24)h=1000/8760μSv/h=0.114μSv/h
∴1μSv/h=8.76mSv/年
さて、私の余命が30年とし、生涯積算放射線量を100mSv以下にしたいとします。この場合、
100mSv/30年=3.33mSv/年=0.38μSv/h
つまり、私の余命を30年として急性の放射線障害を発症しないという条件を満足させようとすると、許される時間当たりの被曝放射線量は0.38μSv/hということになります。
仮に、弱い急性の放射線障害の発症までは許容する、つまり生涯積算放射線量を1Sv=1000mSv以下にしたいとします。この場合は次のようになります。
1000mSv/30年=33.3mSv/年=3.8μSv/h
上の図は、今朝8:40の福島県伊達、原発から北西55kmの観測点における値です。ここに私が30年間住み続ければ、弱い急性の放射線障害を発症する可能性がかなり高いということです。伊達の放射線レベルを年間積算線量に換算すると次の通りです。
3μSv/h=26.3mSv/年
私見ですが、定常的に6μSv/hを超えるような場所は年間積算線量に換算すると通常の放射線を扱う労働者の限度である50mSv/年を超える事になりますから、逃げ出した方がよいように思います。
今回示した許容被曝線量は、あくまでも私の余命を30年としてその中での積算線量によって判断を示したものです。もしあなたに子供がいれば、その安全を守るためには余命を60年あるいは70年として検討しなければなりません。最も影響を強く受ける子供を基準に行動を考えてください。
尚、今回紹介したのはあくまでも環境の放射線に対する外部被曝による確定的な影響(=誰にでも必ず現れる影響)と言われる急性の放射線障害についての安全性からの判断であり、内部被曝や晩発的な障害の発症はまた別の問題です。確率的な影響を考慮すれば、出来るだけ放射線を受けないことが重要です。
追記:低線量外部被曝による確率的なガン死亡リスク
福井県立大学の岡敏弘氏の『放射線リスクへの対処を間違えないために』によりますと、国際放射線防護委員会(ICRP)は、一人当たり100mSv以下という低線量被曝において、被曝線量が1Sv増加することによって1万人の集団に565件(≒570件)の確率でガン死が発生すると推定しており、リスク係数を次のように定めている。
570/10000(1/Sv)=0.057(1/Sv)=0.000057(1/mSv)
例えば、10mSvの被曝をした場合の晩発性のガン死亡者の発生確率は次のように推定されます。
0.000057(1/mSv)×10mSv=0.00057
人口10万人の都市の住民が10mSvの低線量被曝を受けた場合、この都市におけるガン死亡者の増加は次のように推定できます。
100,000人×0.00057=57人
ただし、このガンによる死亡者に一体誰が該当するのかはまったくわかりません。自分であるかもしれないし、そうではないかもしれません。この値をどう評価するのかはあなた自身の問題です。
現在、政府は福島第一原発の避難地域の見直しを検討しており、20mSv/年を目安とするとしています。この場合のリスクは、次のように推定されます。
0.000057(1/mSv)×20mSv/年=0.00114(1/年)
20mSv/年という放射線レベルの地域の1年間当たりの死亡確率が0.00114だと言うことです。例えば、人口10万人の都市であればガン死亡者の増加は次の通りです。
0.00114(1/年)×100,000人=114人/年
つまり、2年間では228人、3年間では342人、・・・、が低線量被曝を原因とするガンで死亡すると言うことです。
(2011/04/08追記)
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