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福島第一原発の事故による、放射性物質の連続投棄が海洋環境に及ぼす影響(フランス・放射線防護原子力安全研究所の発表から)
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/878.html
投稿者 無段活用 日時 2011 年 4 月 10 日 09:56:25: 2iUYbJALJ4TtU
 


(フランス・放射線防護原子力安全研究所発表『福島第一原発事故 情報広報1号 4月6日』の4ページ目)
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Residents-Japon_Bulletin1_06042011.pdf


福島第一原発の事故による、放射性物質の連続投棄が海洋環境に及ぼす影響


発電所近くの海水中で数日前から計測が行われていますが、これには、福島第一原発で発生した事故の際に投棄された各種の放射性核種による、海洋環境の強い汚染が示されています。

一般的に、海の放射能汚染の発生源は、一部は、発電所から直接放出された汚染水、一部は、大気中に放出された放射性汚染物質が地面に降りそそぎ、さらに雨で洗い流されて川から海に流れ込んだもの、一部は、事故の過程の一部として大気中に立ち上った放射性核種が、空気の流れに乗って海に向かい、海洋中に再び降下したものです。

この放射性核種のうち、いくつかは溶解性です。それらは海流によって運ばれ、大量の海洋水に溶け込み、遠方に拡散します。他の核種は、その容易さに差はありますが、水中に浮遊する固体の物質に付着し、その後、海底まで降下したあと、沈殿性の汚染物質となる傾向があります。ヨウ素131(I-131)のような、半減期の短い放射性元素は、数ヶ月間だけ計測が可能です(ヨウ素131の放射能は、80日もあれば、10回の半減期を経て、1000分の1に減少します)。ルテニウム106(Ru-106)やセシウム134(Cs-134)などの、他の核種は、半減期が長いです(30年)。日本の沿岸部では、放射性核種が沈殿物の中に存在する可能性があり、これについて、長期にわたる慎重は調査が確約されることは、間違いなく容認されるでしょう。海に投棄された汚染水にプルトニウムが含まれているかどうかは、今のところ証明されていませんが、もしそうだとすれば、これも同様に沈殿する可能性があります。

放射性核種は作用が持続し、度合いの違いはあれ、濃縮する性質を持つことから、いくつかの種類の野菜と動物は、かなりの水準で汚染されている可能性があり、最も強い影響を受けた日本の沿岸部で産出された海産物についての放射線の監視プログラムの実施は、容認されます。

もっと知りたい方は、 www.irsn.frの情報ページをご覧ください。

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(投稿者より)

フランス大使館サイトのフランス語トップページから、 "Séisme - Accident nucléaire : Point de situation"(「地震−原発事故:状況の要点」)のリンクをクリックし、さらに、"Bulletin n°1 du 6 avril 2011"(「広報1号 2011年4月6日」)のリンクをクリックすると、全部で4ページのpdfファイルが出てきます。この投稿文はその4ページ目を日本語にしたものです。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。

この文章は、在日フランス人のために、 放射線防護原子力安全研究所から大使館に派遣された専門家が作成したものです。

文章は3部構成の本文と、今回投稿させていただいている付録から成り立っています。第1部は現在の事故の状況で、日本のメディアが発表しているものとほぼ同じ内容です。第2部は在日フランス人への勧告で、これも、日本の当局が発表しているものとほぼ同じですが、中には「被災地に住む人は、地元の農産物を極力食べないように」「被災地では、建物内部への汚染を防ぐために、通風口や換気装置を洗浄するように」などの注意事項も書かれています。第3部は科学的な情報についてで、大気・土壌・水などの環境に放出された放射性汚染物質が生態系や人体に与える影響を、今後の広報で伝えていくという主旨のことが書かれています。

投稿文内のリンクから、pdfファイル9ページ分の、詳細な解説を読むことができます。今回の投稿文は、その解説の要点になりますが、解説の文章は読めなくても、海底地形・海流の速度と方向・発電所付近の汚染物質の計測データ・海中の汚染のシミュレーションなど、何枚かの図を見るだけでも、何となくイメージがつかめると思います。私もリンク先の文章は読んでいません。9ページの仏文は、さすがに重たいです。

「ヨウ素などの溶解性の物質は、時とともに、問題にならないくらいにまで減少するが、セシウムなどは海底に沈殿し、放射能を出し続ける」というのが、この文章の、さらに要点となるでしょうか。

私は、「汚染物質は海流に乗ってどこまでも拡散していく」と考えていましたが、この文章によるとそうではないようで、影響は限定的になりそうです。ただ、沈殿した物質が数十年以上にわたって放射能を出し続けるのも事実ですので、その対策が今後必要なのかも知れません。  

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コメント
 
01. 2011年4月10日 11:04:53: tQnjsOwCcU
物理的には、下に沈み影響は限定的になるという言説には反対はしません。
そのとおりだと思います。
ただ、生物濃縮の視点も必要だと思います。つまり、植物プランクトン→
動物プランクトン→小魚→大型魚→海生哺乳動物という具合に
食性に沿って、汚染物質は濃縮されます。
そして、当然魚や動物の移動するわけですので、それに応じて
体内の汚染物質も移動することになります。
拡散したところでキャリアーの魚や動物は死に、そこで汚染物質は放出され
また植物プランクトンや動物プランクトンの中に取り込まれ、
また生物濃縮がおこり、また拡散していく。
これの繰り返しです。
ですので、半減期が長ければ、たとえ重くても徐々に拡散していくと
考えるのが妥当だと思います。
この生物濃縮は、毒性学のイロハのイですが、
魚介類の影響は限定的とする政府発表に対して、生物濃縮を元に
異論を唱える大学権威の先生が少ないのには奇異に感じます。

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